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『小技や中技が利いて使い勝手の良いクルマ』 日産 セレナ 2016年モデル 松下宏さんのレビュー・評価
セレナ 2016年モデル
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セレナの新車
新車価格: 231〜385 万円 2016年8月24日発売〜2022年11月販売終了
中古車価格: 30〜319 万円 (2,882物件) セレナ 2016年モデルの中古車を見る
自動車(本体) > 日産 > セレナ 2016年モデル > ハイウェイスターG
プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む
2016年11月25日 17:49 [979981-1]
| 満足度 | 3 |
|---|
| エクステリア | 4 |
|---|---|
| インテリア | 4 |
| エンジン性能 | 4 |
| 走行性能 | 3 |
| 乗り心地 | 3 |
| 燃費 | 4 |
| 価格 | 2 |
※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。
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|---|---|---|
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セレナがフルモデルチェンジを受けた。前のモデルは2010年11月に発売されたので、ほぼ6年振りのフルモデルチェンジになる。
新型セレナには、日産が横浜のグローバル本社をベースに開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。また日産が九州地区で開催した試乗会にも出席し、福岡市から門司港経由で大分県にある九州工場まで長距離の試乗も試している。試乗グレードはいずれもハイウェイスターGだった。
外観デザインはミニバンらしさを継承したものだ。セレナのデザインは背の高さや窓の面積の大きさなどが室内空間の広さを連想させ、それが人気につながっている。ハイウェイスターはフロントグリルのメッキを増やすなど、より迫力のある外観デザインを採用して人気を集めている。
運転席に座ると、視界の良さが一段と増している。インパネ上面の高さを抑え、左右の見晴らしを良くし、三角窓の部分も死角を少なくする工夫がなされている。横長になったメーターパネルは、前のモデルと同様にステアリングホイールの上から見る方式を採用する。
インテリアカラーはグレードやボディカラーによって5種類から選択することが可能だ。室内空間は3列目シートにスライド機能を備えることで、3列のシートすべてに大人が乗ることも可能。3列目シートを後ろに下げた状態ではラゲッジスペースがほとんどなくなるが、結果として室内長は旧型モデルに比べて180mmも広がり、競合するライバル車より広い空間を持つようになった。
室内では2列目シートのシートベルトが格納部分をシート内蔵タイプにした。日産ではこれによって2列目シートに乗員がいるときでも3列目シートの乗員が乗り降りできることをメリットとして強調している。でもそれ以上に、シートベルトをシート格納にすることで、乗員の体型に合わせやすくなり、安全性が高まることのメリットのほうが大きいと思う。豊富なシートアレンジが用意されているのはミニバンとして当然の設定である。
クルマへのアクセスが向上したのもポイントだ。スライドドアの開閉が押しボタンだけすむほか、キーを持っていれば片足のキック操作だけで開閉できるハンズフリーオートスライドドアや、半分だけ開くこともできて小さな荷物の積み下ろしに便利なデュアルバックドアなどを備えている。
デュアルバックドアはなかなか良いアイデアだ。樹脂製のバックドアは狭い場所でも軽い操作力で簡単に開け閉めできる。いろいろなノウハウを詰め込んだ使い勝手の良いドアだ。
このあたりの小技が利いたというか、それよりちょっと上の中技が利いたような感じが、セレナの長所となる部分である。
パワートレーンは従来と変わらないSハイブリッドだ。パワートレーンが同じで車両重量も従来とほとんど変わらないが、効率の追求によって燃費は向上した。ハイウェイスターG同士で比較すると、旧型モデルの15.4km/Lから16.km/Lへと向上した。
ただ、燃費を追求するために走りがやや鈍くなったのは難点。じんわり発進するような設定になっているため、高速道路の料金所を通過した直後のように加速が欲しいシーンで思うように加速しない。ついついアクセルを踏みすぎになりがちで、踏むとエンジン音はうるさくなるし、当然ながら燃費が悪くなる。
足回りについても似たようなことがいえ、家族を乗せて走らせているようなときには普通の走りが可能ながら、ちょっと元気良く走らせようとすると物足りないし、ブレーキにもややプアな印象がある。
乗り心地も特に悪くはないものの、2列目シートに座ると常に振動しているのを感じる。本来なら、ミニバンの2列目シートというのは特等席であるべきものなのに、そこで振動を感じさせるのは何とも物足りない。
話題のプロパイロットは、ごく限定的な状況で一定の効果が得られる程度。ステアリングホイールに設けられたメインスイッチと、セットスイッチを押すという2回の操作で簡単に作動を開始し、それがインパネ内に緑色のハンドルや車線で表示されるので、作動の様子も分かりやすい。
しかしながら車線認識ができるときとできないときの差が大きく、思ったほどには作動してくれない感じだった。高速道路で渋滞してしまったときなど、ごく限られた条件でしか使えない機能と考えたほうが良い。極めて限定的な運転支援技術にとどまっている。
日産はこれを“自動運転技術”と呼んでいるが、これは非常に誤解を生みやすい表現である。買った人は、この程度かというのがすぐに分かるが、知らない人は丸で自動運転の時代が到来したのかと思ってしまう。
自動運転は、間違いなく今後のクルマが進化していく方向なのだから、その初期段階でユーザーに誤解を生じさせいよう、運転支援技術であることをしっかりと説明するか、あるいは自動運転には段階があり、その段階によってクルマとドライバーの受け持つな内容が変わり、同時に責任の分担も変わる。
運転支援技術であるうちは、ドライバーがクルマをしっかり監視し、万一のときには全面的に責任を負う必要があることをしっかり伝えるべきだと思う。
セレナは価格も大幅に高くなった。試乗したハイウェイスターGの車両本体価格は300万円強だが、セーフティパックBが24万3000円とかなり高めの価格が設定されているほか、ボディカラーやオーエアコンなどのメーカーオプションを合わせて約42万円も装着されていた。
これに価格の高さを分かりにくくするためにメーカーオプションではなくディーラーオプションの設定にしたと思われるカーナビにカーペットを合わせて約45万円を足すと、合計で390万円弱の仕様になっていた。税金や諸費用を考えたら400万円を超える予算が必要なクルマである。ユーザーがミニバンの購入時に想定する予算からはかなりかけ離れたクルマになってしまった感がある。
- レビュー対象車
- 試乗
参考になった142人
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