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『クルマのデキは良いが左ハンドル車しかない』 キャデラック ATS 2013年モデル 松下宏さんのレビュー・評価
ATSの新車
新車価格: 399〜1104 万円 2013年3月2日発売〜2019年5月販売終了
中古車価格: 73〜529 万円 (19物件) ATS 2013年モデルの中古車を見る
自動車(本体) > キャデラック > ATS 2013年モデル
プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む
2013年3月22日 14:27 [582430-1]
| 満足度 | 2 |
|---|
| エクステリア | 4 |
|---|---|
| インテリア | 4 |
| エンジン性能 | 4 |
| 走行性能 | 4 |
| 乗り心地 | 3 |
| 燃費 | 2 |
| 価格 | 2 |
※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。
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|---|---|---|
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キャデラックの新型車ATSは、メルセデス・ベンツCクラスやBMW3シリーズなどが属するプレミアムブランドのボリュームゾーンに向け、キャデラックが新たに参入を図ったモデルだ。いろいろな意味で従来のイメージを払拭した新しいエントリーモデルである。
GMジャパンからATSの広報車両を一日借り出し、朝から午後まで、首都高や一般道などのいろいろなシチュエーションで走りを試した。
外観デザインは最近のキャデラックのデザインテーマであるアート&サイエンスを具現化したものだ。エッジの効いたシャープなラインが特徴で、中央にキャデラックのエンブレムを配するとともにメッキを多用したグリルなど、ほかのキャデラックモデルとの統一性が取れている。
インテリア回りの雰囲気は現代的なセンスの良さを感じさせる。木目パネルは採用していないが、ピアノブラックのパネルやメッキのアクセント、あるいは本革シートなどによってキャデラックブランドにふさわしい高い質感が確保されている。
ボディサイズは4680mm×1805mm×1415mmだから、BMW3シリーズとほぼ同じ大きさと考えたらいい。日本市場にも適合したサイズといえるのだが、わずかに惜しいのは1805mmという全幅。日本では立体式の駐車場などに1800mmが基準とされているものがあり、ATSはそうした駐車場に置くことができない。
話が少し横道にそれるが、ATSの車両重量は1580kgで前後の重量配分は790kg:790kgと完全に50:50とされている。この点からもBMW3シリーズを強く意識して作られたクルマであることが分かる。
ATSを見ると、全体的にワイド&ローのバランスの取れたプロポーションを持つ。ただ、空間設計は特に良いという感じではない。比較的コンパクトなサイズのFR車で、なおかつフロントミッドシップにエンジンを搭載するため、後席の居住空間はけっこう窮屈だ。それ以前にリヤドアの開口部が小さいので、後席への乗降性が良くない。
搭載エンジンは直列4気筒2.0Lのインタークーラー付きターボ仕様。キャデラックに4気筒2.0Lのエンジンというのはちょっとした驚きでもあるが、今の時代、キャデラックもダウンサイジングターボなのだ。
動力性能は203kW/353N・mとけっこう強力で、BMW328iを上回る性能を持つ。日本にはランエボやWRXなど、さらにパワフルなエンジンを搭載したモデルがあるのでクラス最強というわけにはいかないが、このクラスでも十分に強力なエンジンを搭載したモデルである。
動力性能の数字だけでなく、エンジンのフィールも気持ちが良い。アクセルを踏み込むと、ターボラグなどを感じさせることなく滑らかに吹き上がり、その回転の上昇に合わせてパワーが盛り上がっていく。相当にパワフルなエンジンであり、比較的軽い1580kgのボディを軽々と引っ張っていく。
組み合わされるトランスミッションは電子制御6速AT。6速という数字に物足りなさがないとはいえないが、実際にはATは6速もあれば十分で、この6速ATの変速フィールにも不満を感じることはない。スポーツモードを選択して走れば減速時に空吹かしを入れてシフトダウンしていく。強いていえば、パドルの設定がないことが物足りない点か。
アクセルを踏み込んだときには重低音が室内に入ってきて気分を昂揚させるが、時速100kmでの高速クルージング時にはエンジンの回転数は1700回転程度に抑えられて静かなクルージングを実現する。この静粛性にはBOSEのノイズキャンセリングシステムも貢献している。
シャシーもキャデラックらしくないきびきびした感じの性能を備えている。かつてのキャデラックは、ふわふわの足回りに操舵感覚の薄いパワーステアリングの組み合わせというイメージだったが、ATSはそんなキャデラックのイメージを払拭するクルマだった。
足回りはかなり硬めのしっかりした乗り味である。上級グレードのプレミアムにはマグネティックライドが採用されるが、試乗車は標準グレードのラグジュアリーで通常のサスペンションだった。硬めで落ち着いた感じの走りはコーナーでの姿勢も安定していて、スポーティな印象を与えた。
それ以上にスポーティに感じたのはステアリングで、軽く舵を切るとすっと向きを変えるようなダイレクトさを持つ。このキビキビした感じのステアリングフィールは、どう考えてもこれまでのキャデラックのものではない。むしろ敏感に反応しすぎと思えるくらいで、このステアリングフィールからATSでキャデラックが大きく変わったことが良く分かる。
インテリア回りにはCUE(キャデラック・ユーザー・エクスペリエンス)という新しい操作系が採用された。オーディオやエアコンなどはこの操作系に基づいて8インチのタッチスクリーンを使ってコントロールすることになるが、そもそもスマホを使っていない私には慣れるのに時間がかかりそうな印象だった。
なお、試乗車にはまだカーナビが装着されていなかったが、発売までのタイミングでインスト中央の上部にカーナビが配置されるようになる。
またATSには、最新の安全装備がいろいろと盛り込まれている。最近話題のオート・コリジョン・プレパレーション(衝突事前対応ブレーキ)を始め、アダプティブ・クルーズ・コントロール(全車速追従機能付き)、サイド・ブラインドゾーン・アラート、レーン・ディパーチャー・ウォーニング(シートが振動するタイプの車線逸脱警告機能)などがそれだ。
これらの安全装備や充実した快適装備を備えながら、ラグジュアリーで439万円(特別色込みで451万6000円)という価格設定は、このクラスのライバル車に対して十分な競争力があるものといえる。
キャデラックATSは、これまでのキャデラックのイメージを一新するクルマであり、パフォーマンスに優れたとても良く走るだったが、とても残念なことに左ハンドル車しか設定がない。そもそも開発当初から右ハンドル車は考慮されていないのだ。その意味で、日本で勧めにくいのは止むを得ない。
参考になった13人
「ATS 2013年モデル」の新着レビュー
| レビュータイトル | 満足度 | 投稿日時 |
|---|---|---|
| 2015年6月22日 14:42 | ||
| 2015年3月12日 02:18 | ||
| 2013年8月27日 23:38 | ||
| 2013年3月22日 14:27 | ||
| 2013年3月21日 20:43 |
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高山正寛 さん
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