ポルシェ 911GT3 2006年モデルレビュー・評価

【エクステリア】Type997の後期型がベースとなっていて、前後にLEDランプが標準装備される。
前期型とは前後バンパー形状、エンジンフッドを含むリヤウィング全般が変更され、ダウンフォースが２倍以上となり、超高速域の安定性が格段に向上、したらしい。

【インテリア】基本的に911カレラに準ずる。
ロールケージとバケットシート、消火器を積む「クラブスポーツパッケージ」も選べるが、車両の剛性はストリート仕様でも十二分、Sタイヤでサーキット専用車にするならチョイスする価値アリ。
オールレザー内装にも出来るが、基本は塩ビ内装で貧相。
１８００万の車だし、クルマの性格で話にレザー標準化が当たり前だと思う。

【エンジン性能】いわゆる「GT1クランクケース」のドライサンプレーシングエンジンである3.8Lフラット6から絞り出される最高出力は435ｐｓ/43ｋｇ・ｍ
安定した低速トルクを確保しつつ4000回転で一段階パワーが上乗せされ、レヴ手前の6000回転+でいま一度炸裂感がある。
とんでもないスピードが出る・・・。
FSWストレートエンドでメーター読み270ｋｍ/ｈ+まで伸びる。

【走行性能】ハイパワーRRながら、基本カレラと同じく39：61の重量配分で305のファットなタイヤもアクセルオフで容易に流れ出す、オンで止めて更にオーバーに導けるパワーは圧巻。
この特性を非常に高いボディ剛性と超絶ブレーキでサポートしており、特に超高速域からのフルブレーキは安定の一語に尽きる。
サスペンションの路面に対するトレース感覚も繊細で挙動を逆算出来る信頼性を持つ。

【乗り心地】この性能の車としては良い部類だと思われ、柔らか目のフロントと剛性感極るリヤのバランスはRRならでは。
PASMはサーキットと継ぎ目の無い高速道路以外では使う事は無いと思う。
街から峠の本気走りまでPASMソフトで充分。

【燃費】望外に良く平均して7.5ｋｍ/L
高速を流せば10ｋｍ/L、山を飛ばしても4ｋｍ/Lくらい。（オンボードCPU調べ）

【価格】高い、とても新車では買えない。
1800万円ならレザー内装くらい標準化してほしい。

【総評】GT3ほどの高性能は先ず一般道では必要無いのだけれども、リヤをコントロールするスキルが有れば、大型バイクと一緒でパワーは有った方がむしろ扱い易い。
アクセルひと蹴りで飛び出せる速さと一撃で速度を殺せるブレーキを持っているので余裕は大きいし安全性もかなりの高さで確保されている。
超一級の性能を持つスポーツカーながら実用性が高いのも911シリーズの特徴で、GT3もその例に漏れない。
乗り馴れてしまうと麻痺するが、とにかく「凄いクルマ」