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『変更感の薄いキープコンセプトながら走りはまずまず』 マツダ CX-5 2017年モデル 松下宏さんのレビュー・評価
CX-5の新車
新車価格: 281〜413 万円 2017年2月2日発売
中古車価格: 103〜462 万円 (2,971物件) CX-5 2017年モデルの中古車を見る
自動車(本体) > マツダ > CX-5 2017年モデル
プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む
2017年2月12日 18:04 [1003334-1]
| 満足度 | 3 |
|---|
| エクステリア | 3 |
|---|---|
| インテリア | 3 |
| エンジン性能 | 3 |
| 走行性能 | 4 |
| 乗り心地 | 4 |
| 燃費 | 2 |
| 価格 | 2 |
※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。
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|---|---|---|
マツダのCX-5がフルモデルチェンジを受け、2代目モデルになった。初代CX-5はマツダのSKYACTIV技術のすべてを盛り込んだクルマとしてデビューし、2.2Lの直噴ディーゼルターボが人気を集めるなどして、マツダの新世代商品軍の先鋒としての役割を十分に果たした。
全幅が1800mmを超えるサイズは、日本では明らかに大きすぎるが、そのように日本市場を半分くらい見切ったクルマだったにもかかわらず、日本でもヒットモデルになった。
CX-5には、マツダが北海道の剣淵冬季試験場で開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。試乗グレードはXD LパッケージのFFとAWDの両方だった。走りについての評価は、雪上でのテストしかしていないのである程度限定的なものになることをお断りしておく。
ヒットモデルの後継車種だけに、今回のフルモデルチェンジはとても重要なものだったはずだが、全体的な印象はキープコンセプトで新鮮味に欠けるきらいがある。
外観デザインはリファインされているものの、全体としてキープコンセプトのもので、旧型モデルからの変更感はあまり感じられない。大きな五角形グリルなどはマツダ車に共通するものだ。そのグリルとヘッドライトがつながるようにデザインされたのが目新しい点だが、普通の人がぱっと見て気付くような違いではない。
昔からいろいろなクルマで例のあることだが、大ヒットしたクルマの後継モデルはデザイナーや開発関係者の腕が萎縮してしまうのか、冒険ができずにキープコンセプトのクルマ作りになり、結果として前のモデルほどの売れ行きにならないなんてケースが多い。マツダ車でも、ファミリアやカペラなどでそうした例がある。
インテリアにしても同様で、一定の質感の向上が図られたほか、五角形のエアアウトレットを採用した点などに目新しさはあるが、画期的な違いにはなっていない。
そればかりではない。パワートレーンもキャリーオーバーである。ガソリンが2.0Lと2.5L、ディーゼルターボが2.2Lという3機種のエンジンは、これまで搭載されていたのと同じだ。
しかも、従来のモデルに比べるとほとんどのグレードで燃費が悪くなっている。これはベースグレードで50kg増になるなど、装備の追加で車両重量が重くなったことが影響しているのかもしれないが、今どきのフルモデルチェンジで燃費が悪くなるクルマというのも珍しい。マツダでは実用燃費はむしろ向上しているというが、それは言い訳にしか聞こえない。
それ以外のメカニズム部分では、先進緊急ブレーキが人間を見分ける上級仕様に統一されたことや、iアクティブAWDに細かな改良が加わったことなどが新しい部分だが、Gベクタリング・コントロール(GVC)などは以前の改良時に採用されているので、全体として新鮮な印象が薄い。
最近のマツダは、モデルチェンジやマイナーチェンジにこだわらず、採用できる新機構・新技術があるなら、どんどん搭載していくという方針でクルマ作りをしているが、そのためにフルモデルチェンジで訴求するネタがなくなってしまったのではないかとも思える。
そんな風に見どころの少ないクルマというのが新型CX-5の印象だが、実際に雪上で走らせてみたら、走りそのものは決して悪くなかった。むしろ好評価と言っても良いだろう。
FF車も雪道での走りが想像する以上に優れていたが、これは前述のGVCが効いていると思われる。雪上での試乗では、ほかの車種でGVCのオン/オフスイッチが付いたクルマに試乗したが、こうしたクルマを走らせると、GVCの効きが良く分かる。ちょっと大げさに言うなら、GVCを装着するとFF車が4WD車になったような感覚になったからだ。
AWD車の走りはさらに良かった。マツダのiアクティブAWDは、常時微小なトルクを後輪側にも伝達していて、前輪がスリップしそうな予兆を検知すると、ドライバーがスリップを感じるよりもずっと早くに後輪側にトルクを配分し、安定した走りを実現する。なので、ごく自然にスムーズかつ安定した走りが得られるのだ。
今回のCX-5では、すでにCX-3から採用されている技術ながら、継ぎ手部分にボールベアリングを採用し、低粘度のオイルを採用して抵抗を減らすなどして燃費効率を高めている。FFに対する燃費の落ちが少ないのもマツダのiアクティブAWDの特徴である。
新型CX-5は価格も大幅にアップした装備の充実化が図られているので単純ではないが、表面的な価格を見るとけっこう高くなっている。2.0Lエンジンを搭載するFFのベースグレードは従来に比べると40万円ほど、2.2Lのディーゼルエンジンを搭載した最上級グレードでは30万円ほど高くなっているので、けっこう大幅な値上げである。
なので、新型CX-5にすぐに飛びつくかどうかはやや疑問。待てるなら2018年くらいから導入されるはずの第二世代SKYACTIVのパワートレーンが搭載されてから買っても良いように思う。
- レビュー対象車
- 試乗
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