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『室内の広さはまずまずながらエンジンや足回りは物足りない』 ダイハツ トール 2016年モデル 松下宏さんのレビュー・評価
トールの新車
新車価格: 174〜211 万円 2016年11月9日発売
中古車価格: 55〜230 万円 (422物件) トール 2016年モデルの中古車を見る
自動車(本体) > ダイハツ > トール 2016年モデル
プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む
2017年3月23日 02:41 [1012694-2]
| 満足度 | 2 |
|---|
| エクステリア | 3 |
|---|---|
| インテリア | 3 |
| エンジン性能 | 2 |
| 走行性能 | 2 |
| 乗り心地 | 3 |
| 燃費 | 2 |
| 価格 | 2 |
※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。
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|---|---|---|
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ソリオが独占していたコンパクトクラスのハイトワゴンの市場に遅まきながら参入したのがダイハツ・トールだ。このモデルはトヨタのタンク/ルーミー、スバル・ジャスティと合わせて4姉妹車の構成となる。
トールには、江東区青海のメガウェブをベースにダイハツとトヨタが合同で開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。トール/タンク/ルーミーは、それぞれ2種類の外観デザインを持つほか、搭載エンジンも自然吸気仕様とターボ仕様の2種類が設定されているが、3車種合わせていろいろな仕様に試乗した。
ソリオは、5ナンバー枠を使い切らない抑制された全幅のコンパクトカーであると同時に、ハイトワゴンとして高めの全高を持つクルマである。このパッケージングはソリオ独特のものであったが、トールのボディサイズはソリオとほぼ同じであり、ソリオの後追いモデルであるのは間違いない。ダイハツでは、必ずしもソリオを意識して開発したわけではないとしているが、完全に意識している。
ボディサイズの数値差が大きいのは全幅で、ソリオが1625mmにとどまるのに対し、トールは1670mmと45mmも広い。これは、今後側面衝突への要件が厳しくなっていくことを考えたら、当然の対応といえる。それ以外の全長、全高、ホイールベースなどは誤差の範囲内いえるくらいの差しかない。
外観デザインはトールだけでなく、タンク/ルーミーやジャスティも含めてそれぞれ標準系とカスタム系の2種類が設定されている。ただ4車種×2種類の8つの顔を持つわけではなく、大きく分けて4種類の顔のうちふたつずつを4車種が使う形である。
標準系とカスタム系と書いたが、軽自動車ではあっさりした標準に対して迫力満点のカスタム系という関係が作られているのに対し、トールではどちらも大きなグリルを持ち、小さく見えないようなデザインとしている。
インテリアは標準系にはオレンジのアクセント色が配色され、カスタム系にはブルーがアクセントとされるなど、やはり微妙に異なる2種類のデザインが採用されている。全体としてはコンパクトカーらしいシンプルなデザインだ。
室内空間は十分な広さがある。横方向はともかく後席に座っても前後方向はたっぷりした広さだ。軽自動車などで培ったパッケージング技術が生かされている。また後席への乗降を助けるアシストグリップが大人用と子供用という感じで用意されるなど、細かな配慮も特徴だ。
搭載エンジンは直列3気筒1.0Lで、自然吸気仕様とターボ仕様がある。自然吸気仕様エンジンの動力性能は51kW/92N・mで、軽自動車のターボ仕様エンジン程度の実力である。
1.0Lの自然吸気エンジンとしては平均レベルのものだが、トールは全高が高いハイトワゴンであるため車両重量が重くて1070kg〜1080kgもある。このため特に良く走るという印象ではない。必要な程度の動力性能と考えたら良いだろう。自然吸気エンジンを搭載した軽自動車を考えたら、排気量が大きくなる分だけトルクに余裕があるが、それはあくまでも軽自動車との比較においてという感じである。
自然吸気仕様のトールを走らせようとすると、エンジンに力がないのでアクセルを踏み込みがちになり、エンジン音が高まってうるさくなる。タウンユース中心の走りなら、それほどアクセルを踏まなくても良いが、高速道路の合流車線など、ちょっと加速が欲しいようなシーンではけっこううるさい。当然ながらこうした走り方だと燃費も悪くなる。
JC08モード燃費は一応、2020年燃費基準を達成しているものの、最も燃費の良いモデルで24.6km/Lにとどまっている。ソリオは1.2Lの排気量でこれを上回る数値を得ているだけでなく、マイルドハイブリッドやハイブリッドなど、さらに燃費の良いモデルを設定している。
トールは周回遅れになって登場してきたソリオの後追いモデルでありながら、燃費でも負けているのでは話にならない。もうひと頑張りもふた頑張りも必要である。
足回りは柔らかめの味付けで、シャシー性能には物足りなさを感じた。乗り心地を重視したために柔らかめの足回りとしているのだが、カーブを曲がるときなどは大きくロールして不安感を与える。アイポイントが高めな分だけロール感も大きくでるためだ。
街乗り中心で乗るユーザー向けのセッティングとは言うものの、軽自動車では採用した後輪のスタビライザーを登録車(自然吸気エンジン搭載車)でやめてしまうのは納得しがたい。スズキの軽自動車に対しては、ダイハツが前後スタビライザーを採用しているのだからスズキも採用せよとさんざん迫ったのに、これではスズキに対して迫った私の立場がなくなるというものだ。
なお、ターボ仕様エンジンの走りについてはタンクの項で紹介するので、そちらを参照して欲しい。ルーミーの項では、安全装備などまた別のことを書いているのでこちらも参照して欲しい。
トールはともかく、タンクとルーミーはそれぞれトヨタの2チャンネルで販売するので、ジャスティも含めた4姉妹車としてはソリオを圧倒する売れ行きになるだろう。でもクルマとしての魅力はソリオに及ばない。
- レビュー対象車
- 試乗
参考になった110人(再レビュー後:101人)
2017年3月19日 21:32 [1012694-1]
| 満足度 | 2 |
|---|
| エクステリア | 3 |
|---|---|
| インテリア | 3 |
| エンジン性能 | 2 |
| 走行性能 | 2 |
| 乗り心地 | 3 |
| 燃費 | 2 |
| 価格 | 2 |
※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。
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|---|---|---|
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ソリオが独占していたコンパクトクラスのハイトワゴンの市場に遅まきながら参入したのがダイハツ・トールだ。このモデルはトヨタのタンク/ルーミー、スバル・ジャスティと合わせて4姉妹車の構成となる。
トールには、江東区青海のメガウェブをベースにダイハツとトヨタが合同で開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。トール/タンク/ルーミーは、それぞれ2種類の外観デザインを持つほか、搭載エンジンも自然吸気仕様とターボ仕様の2種類が設定されているが、3車種合わせていろいろな仕様に試乗した。
ソリオは、5ナンバー枠を使い切らない抑制された全幅のコンパクトカーであると同時に、ハイトワゴンとして高めの全高を持つクルマである。このパッケージングはソリオ独特のものであったが、トールのボディサイズはソリオとほぼ同じであり、ソリオの後追いモデルであるのは間違いない。ダイハツでは、必ずしもソリオを意識して開発したわけではないとしているが、完全に意識している。
ボディサイズの数値差が大きいのは全幅で、ソリオが1625mmにとどまるのに対し、トールは1670mmと45mmも広い。これは、今後側面衝突への要件が厳しくなっていくことを考えたら、当然の対応といえる。それ以外の全長、全高、ホイールベースなどは誤差の範囲内いえるくらいの差しかない。
外観デザインはトールだけでなく、タンク/ルーミーやジャスティも含めてそれぞれ標準系とカスタム系の2種類が設定されている。ただ4車種×2種類の8つの顔を持つわけではなく、大きく分けて4種類の顔のうちふたつずつを4車種が使う形である。
標準系とカスタム系と書いたが、軽自動車ではあっさりした標準に対して迫力満点のカスタム系という関係が作られているのに対し、トールではどちらも大きなグリルを持ち、小さく見えないようなデザインとしている。
インテリアは標準系にはオレンジのアクセント色が配色され、カスタム系にはブルーがアクセントとされるなど、やはり微妙に異なる2種類のデザインが採用されている。全体としてはコンパクトカーらしいシンプルなデザインだ。
室内空間は十分な広さがある。横方向はともかく後席に座っても前後方向はたっぷりした広さだ。軽自動車などで培ったパッケージング技術が生かされている。また後席への乗降を助けるアシストグリップが大人用と子供用という感じで用意されるなど、細かな配慮も特徴だ。
搭載エンジンは直列3気筒1.0Lで、自然吸気仕様とターボ仕様がある。自然吸気仕様エンジンの動力性能は51kW/92N・mで、軽自動車のターボ仕様エンジン程度の実力である。
1.0Lの自然吸気エンジンとしては平均レベルのものだが、トールは全高が高いハイトワゴンであるため車両重量が重くて1070kg〜1080kgもある。このため特に良く走るという印象ではない。必要な程度の動力性能と考えたら良いだろう。自然吸気エンジンを搭載した軽自動車を考えたら、排気量が大きくなる分だけトルクに余裕があるが、それはあくまでも軽自動車との比較においてという感じである。
自然吸気仕様のトールを走らせようとすると、エンジンに力がないのでアクセルを踏み込みがちになり、エンジン音が高まってうるさくなる。タウンユース中心の走りなら、それほどアクセルを踏まなくても良いが、高速道路の合流斜線など、ちょっと加速が欲しいようなシーンではけっこううるさい。当然ながらこうした走り方だと燃費も悪くなる。
JC08モード燃費は一応、2020年燃費基準を達成しているものの、最も燃費の良いモデルで24.6km/Lにとどまっている。ソリオは1.2Lの排気量でこれを上回る数値を得ているだけでなく、マイルドハイブリッドやハイブリッドなど、さらに燃費の良いモデルを設定している。
トールは周回遅れになって登場してきたソリオの後追いモデルでありながら、燃費でも負けているのでは話にならない。もうひと頑張りもふた頑張りも必要である。
足回りは柔らかめの味付けで、シャシー性能には物足りなさを感じた。乗り心地を重視したために柔らかめの足回りとしているのだが、カーブを曲がるときなどは大きくロールして不安感を与える。アイポイントが高めな分だけロール感も大きくでるためだ。
街乗り中心で乗るユーザー向けのセッティングとは言うものの、軽自動車では採用した後輪のスタビライザーを登録車(自然吸気エンジン搭載車)でやめてしまうのは納得しがたい。スズキの軽自動車に対しては、ダイハツが前後スタビライザーを採用しているのだからスズキも採用せよとさんざん迫ったのに、これではスズキに対して迫った私の立場がなくなるというものだ。
なお、ターボ仕様エンジンの走りについてはタンクの項で紹介するので、そちらを参照して欲しい。ルーミーの項では、安全装備などまた別のことを書いているのでこちらも参照して欲しい。
トールはともかく、タンクとルーミーはそれぞれトヨタの2チャンネルで販売するので、ジャスティも含めた4姉妹車としてはソリオを圧倒する売れ行きになるだろう。でもクルマとしての魅力はソリオに及ばない。
- レビュー対象車
- 試乗
参考になった9人
「トール 2016年モデル」の新着レビュー
| レビュータイトル | 満足度 | 投稿日時 |
|---|---|---|
| 2025年6月22日 20:08 | ||
| 2025年5月22日 23:13 | ||
| 2024年7月20日 06:43 | ||
| 2024年6月20日 07:50 | ||
| 2022年11月26日 09:16 | ||
| 2022年10月9日 13:15 | ||
| 2022年7月21日 19:17 | ||
| 2020年12月3日 13:00 | ||
| 2019年8月13日 22:05 | ||
| 2019年4月17日 18:05 |
トールの中古車 (422物件)
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- 支払総額
- 219.5万円
- 車両価格
- 204.9万円
- 諸費用
- 14.6万円
- 年式
- 2025年
- 走行距離
- 0.2万km
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- 支払総額
- 135.9万円
- 車両価格
- 125.1万円
- 諸費用
- 10.8万円
- 年式
- 2020年
- 走行距離
- 2.4万km
-
- 支払総額
- 181.3万円
- 車両価格
- 164.9万円
- 諸費用
- 16.4万円
- 年式
- 2025年
- 走行距離
- 2km
-
トール Gターボ サポカーSワイド適合 ドライブ 両側オートスライドドア パノラマモニター対応 USB接続端子 シートヒーター コーナーセンサー Pスタート ETC キーフリー
- 支払総額
- 148.1万円
- 車両価格
- 137.0万円
- 諸費用
- 11.1万円
- 年式
- 2023年
- 走行距離
- 1.5万km
この車種とよく比較される車種の中古車
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11〜192万円
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40〜221万円
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6〜222万円
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22〜179万円
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26〜340万円
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