『高速走行が素晴らしい』 ホンダ レジェンド 2015年モデル matsutaiさんのレビュー・評価

半年ちょっと走ったので再レビューします。

【エクステリア】
外観については主観による所が大きいので省略します。
サイズに関して、横幅1.9m、最小回転半径6.0なので、小回りはききません。センサーやカメラが充実しているものの、細い道、狭い駐車場では苦労することもありますので、注意が必要です。
タイヤに関して、245/40/R19というサイズで、薄いタイヤという印象です。縁石等では気を使います。また、ホイールのPCD、空気圧センサーがネックとなってインチダウンは難しいです。スタッドレスが必要な方は、相応の出費を想定しておいた方が良いでしょう。
ボディ全体では、チリ合わせが他社より甘い印象です。

【インテリア】
高級感は、価格並みといった印象。私は黒内装にしましたが、試乗車の白に近いアイボリーの方が高級感がありました。デニムの色移りなど心配無ければ、アイボリーも有りだと思います。
インパネ周りは、機能が多いだけに初見でスラスラ使えるものではありませんが、マニュアルを一通り読んで慣れれば、使いやすいと思います。
ナビは通信型のインターナビですが、初期設定は機能をこれ見よがしにアピールする様な感じで煩わしいです。設定でオフに出来るので、しっかりと設定してあげれば使いやすいナビだと思います。また、ルート検索は他社と比較して優秀な部類に入るのではないかと思います。
オーディオは、クレルという高級ブランドのバッジが着いています。私の感想では、Bluetooth接続だと音の広がりが無く、平板な印象。有線接続の方が音の広がりが良く、オーディオの性能をしっかりと活かせていると思います。iPodは有線で認識しナビから操作可能ですが、Androidは有線では認識せずBluetooth接続になる様です。

【エンジン性能】
直噴エンジンですが、遮音がしっかりしているため、エンジン音が気になることはありません。3.5L＋ハイブリッドなので、余程のことがない限りエンジン性能に不満を覚えることはないでしょう。普段の走行では、ほとんど回転を上げること無くスルスルと加速していくことが出来ます。この部分が非常にスムーズで、高級車の醍醐味を味わえる部分だと思います。ちなみに、スポーツモードにすると音を演出する機能が働きますが、この機能が良く出来ていて、合成音ですが気持ちの良いエンジン音を楽しむことも出来ます。

【走行性能】
この車のハイライトと言える部分で、パワフルな動力性能とともに素晴らしいハンドリングを魅せます。感覚的には曲がっていきたい方向にスッとノーズが入っていく感じで、基本がFFの車とは思えないというよりは、良く出来たFRでも中々この気持ち良さを出せる車は無いのではないかと思います。また、直進安定性も素晴らしいと思います。DCTについては、僅かにギクシャクする事もありますが、その分ダイレクト感を手に入れていると思えば十分合格点だと思います。この辺りは、レジェンド＝スポーツセダンということなんだと思います。
安全系のハイテク装備は、標準的な物は一通り着いています。ACC、LKASは優秀だと思います。電動パーキングブレーキと相まって、渋滞中の追従は非常に楽です。ただし、自動ブレーキについては、不必要な部分で警告が出てしまい、この点は日産のシステムの方が洗練されていると思います。

【乗り心地】
純正タイヤミシュランのパイロットスポーツ3です。少しスポーツ寄りのタイヤですが、乗り心地は高いレベルにあると思います。足回りも固すぎず、柔らか過ぎずバランスが良いと思います。全体的にしっかりとした剛性感がある上で、乗り心地が作られている印象です。

【燃費】
ハイブリッド＝省燃費を期待するとガッカリします。この車のハイブリッドはSH-AWDのためと割り切りましょう。平均燃費で10?前後です。

【価格】
車の性能を考えれば、割安な価格設定だとは思います。ただし、リセールも安いので新車で購入する際は良く考えた方が良いでしょう。

【総評】
レジェンドの魅力を一言で表すと、「走りの気持ち良さ」だと思います。サイズは大きく後席の装備も充実してますが、この車はあくまでドライバーズカーだと思います。運転が好きで、最近のダウンサイジングターボ車に今ひとつピンと来ない方にお薦めだと思います。

納車されて慣らしが終わる位走ったので、初期の感想を書きます。

【エクステリア】
見た目は主観なので省略します。私も最初はカッコ悪いと思ってましたが、自分の車になるとカッコ良く見えてきました（笑）

以下は、デザイン以外の点でいくつか

色: カタログはほぼ黒しか出てきませんが、黒はご存知のとおり相当メンテナンスが難しい色なので、カタログのイメージで黒を買うと乗ってからが大変だと思います。

チリ合わせ: 車で行こう！という番組でも指摘されていましたが、ボディの面と面の合わせにおける隙間が広く、精密感、高級感という意味ではイマイチです。例えば、クラウンと並ぶとかなり差があることが分かります。

タイヤ・ホイール: 19インチで扁平率40なので、ぺったんこの印象です。扁平率40自体は今の車では珍しくありませんが、実用性を考えると50までが限界じゃないかなと個人的には思います。ホイールはPCD120、空気圧センサーがネックとなり、Aftermarket品はかなり選択肢が少ないです。またインチダウンも難しいと思っていた方が良く、スタッドレスが必要な方はそれなりの出費を覚悟されておいた方が良いでしょう。


【インテリア】
インテリアは総じてそれなりの高級感はありますが、レクサス、フーガのプレミアムインテリアに比べると合皮部分や樹脂部分の質感が少し落ちます。内装色が黒、茶、白で、私は黒にしたのですが、黒が最も質感の差が出やすいと思うので、白や茶の方がその点では良いかもしれません。試乗車が白だったのですが開放感が抜群で、汚れがあまり気にならない方なら白も有りだと思います。

ナビ周りは、ボタンが多い割に直感的な設計ではないので、ある程度の慣れとマニュアルの参照は必要です。

ナビは通信機能を備えたインターナビです。ルート案内はまずまずです。ルート検索条件がたくさんあります。前車のフーガは、通信機能を付けないと有料優先と一般優先の2択だったので、フーガ比ではかなりの進化です（笑）

オーディオはクレルブランドですが、このオーディオはかなり音源を選ぶのではないかと思います。最初はBluetoothで再生していたのですが、音の広がりがイマイチで有線で接続してみたところ段違いに音が良くなりました。またdts neural surround（デフォルトではオフ）という機能も有線の方が効くような気がします。私は結局レジェンド用にiPodを買ってしまいました。オーディオについては、好みがあるので、こだわる方は試乗で試された方が良いでしょう。ちなみに、有線接続は、apple製品は繋がるのですが、GALAXY S7はダメでした。


【エンジン性能】
3.5リッターエンジンとモーターなので、パワー自体は十分です。ほとんどエンジン回転数を上げることなく、スルスルと加速していけるのは、5リッターエンジンのような余裕を楽しむことが出来ます。今はダウンサイジングの時代ですが、この余裕感こそ高級車の醍醐味と個人的には思います。普通に走る分には、ほとんどエンジンを回す必要がなく、かつモーターで走っている部分もあるので、基本的には非常に静かな車です。また、エンジンは回すと軽快に吹け上がり非常に気持ちが良いエンジンです。

少し気になるとすると、発進時の挙動です。モーターだけでスルスル出ていける時は非常にスムーズですが、状況によっては少しギクシャクします。スムーズな時がホントに滑らかなので余計気になるのかもしれません。エンジンというよりはDCTのチューニングだと思いますが、この辺りは煮詰めの余地があると思います。


【走行性能】
この車のハイライトは、やはりSHAWDです。魔法のようなハンドリングです。とにかく自然にスッと車が曲がりたい方向に向いていってくれます。5mクラスの車とは思えないハンドリングです。直進安定性も素晴らしいです。車が重たくなると乗り心地にはプラスだと思いますが、反面ハンドリングなど運動性能が犠牲になります。そこをハイブリッド＋SHAWDで打ち消そうというのは、アプローチとしては非常に合理的ではないかと思います。

安全装備は、ホンダセンシングです。全車速追従のクルーズコントロール、レーンキープアシスト、BSM、コーナーセンサーなど、お約束の装備は一通り付いてます。クルーズコントロールは優秀です。メーター読みで115キロまで設定出来ます。レーンキープアシストは、車線を認識しハンドル操作をアシストしてくれる機能ですが、白線を見失うことも多く、また見失った時のアラートが蚊の鳴くような音なので、あくまでアシスト機能です。自動ブレーキシステムは、カーブで誤って警告を出してくることがあり、フーガのシステムに比べるともう少し洗練の余地があるかと思います。


【乗り心地】
純正タイヤはミシュランのPilot Sports3です。スポーツ寄りのプレミアムタイヤですが、乗り心地は総じて良いです。ハイブリッドなのでエンジン自体は非常に静かですし、ロードノイズもしっかり抑えてあります。ただし、静かさや乗り心地で言えばクラウンやマジェスタの方が上だと思います。走行性能と乗り心地のバランスは良く、同乗者も満足出来るスポーティなドライバーズセダンという感じです。


【燃費】
カタログ燃費は16.8ですが、実燃費は街乗り10、高速13程度です。ハイブリッド＝省燃費を期待すると、ガッカリすると思います。


【価格】
性能、装備を考えれば、800万円クラスの車がライバルとなるため、お買い得感は非常に強いです。ただし、リセールもそれなりなので、 新車か中古、長く乗る乗らない、といった条件で検討する必要があるかと思います。


【総評】
ダウンサイジング化の流れでV6エンジン自体が高級品になりつつ現代では、700万円でこの性能の車が手に入るというのは魅力的だと思います。ただし、車のキャラクターがしっかりある車なので、合う合わないもハッキリある車だと思います。私は試乗するまでさほど興味も無かったのですが、試乗して即買いしてしまいましたので、気になる方はまずは試乗をお勧めします。