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『保守的な思想と革新的な技術が融合した高級車』 メルセデス・ベンツ Sクラス 2013年モデル 森口将之さんのレビュー・評価
Sクラス 2013年モデル
55
Sクラスの新車
新車価格: 998〜2449 万円 2013年10月1日発売〜2021年1月販売終了
中古車価格: 169〜980 万円 (349物件) Sクラス 2013年モデルの中古車を見る
自動車(本体) > メルセデス・ベンツ > Sクラス 2013年モデル > S550 long (左ハンドル)
プロフィールフリーランスジャーナリストの森口将之です。自動車を中心に、モビリティ全般を守備範囲としています。自動車については、ブランドやスペックにとらわれず、ユーザー目線でのレポートを心がけています。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務め、日本自動…続きを読む
2014年1月25日 23:31 [677956-1]
| 満足度 | 4 |
|---|
| エクステリア | 3 |
|---|---|
| インテリア | 4 |
| エンジン性能 | 4 |
| 走行性能 | 5 |
| 乗り心地 | 4 |
| 燃費 | 3 |
| 価格 | 3 |
※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。
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|---|---|---|
ガソリンエンジン車はAMGを含めロングボディのみ |
試乗車はAMGスポーツパッケージ装着車 |
S550はシリーズで唯一左右両ハンドルが選択可能 |
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S550は上質なナッパレザーシートが標準装備 |
リクライニング機構やレッグレストも装備した後席 |
自然吸気7L級の最大トルクを発揮するエンジン |
8年ぶりにモデルチェンジしたメルセデス・ベンツSクラスの中から、ロングボディに4.7LのV型8気筒ツインターボエンジンを積んだS550ロングの広報車をお借りして、東京〜伊豆間往復など約300kmを走りました。
ボディサイズは全長5250mm、全幅1900mm、全高1495mmで、ホイールベースは3165mmに達します。ちなみに標準ボディは全長が5120mm、ホイールベースが3035mmと少し短くなります。ロングボディで言えば旧型より20mm長く、30mm幅広く、10mm背が高くなっています。
スタイリングは、伝統のグリルをさらに大きくして存在感を際立たせる一方で、前後フェンダーの張り出しを控えめにするなど、サイドやリアはエレガントな雰囲気も受けます。残念なのは、もともと巨大だったサイズがさらに大きくなったことです。Sクラスはこのクラスのセダンのリーダー的存在なのですから、21世紀の高級車の指針として、ダウンサイジングを敢行してほしかったところです。
インテリアデザインは、ステアリングを2本スポークとし、エアコンのルーバーを丸形とするなど、クラシカルな雰囲気を出しており、歴代Sクラスではかなり個性的に映りました。メーターは隣りに並ぶナビのモニターと同じ液晶パネルで、サイズは12.3インチと巨大であり、視認性は文句なしです。高級車でありながらスイッチが整理されている点も好感が持てます。
試乗車はショーファーパッケージ装着車で、前席は多彩な電動調節機構に加えて、複数のモードが選べるマッサージ機能、コーナーで外側のサイドサポートが固くなる仕掛けまで内蔵していますが、その分クッションの厚みが影響を受けているのか、体重63kgの自分ではペタッとした着座感でした。
後席は身長170cmの僕なら足を組めるほどの広さを誇るうえに、ショーファーパッケージ装着車なので、リクライニング、マッサージ、レッグレスト、フットレスト、エンターテインメントシステムなどが装備されていて、座り心地は前席に似ていますが、その前に至れり尽くせりのおもてなしに圧倒されました。
4.7Lツインターボエンジンは実に455ps/71.3kgmを発生します。車両重量は約2.2tとヘビー級ですが、走り出せば重さを忘れさせるほど自在に加速します。普通に乗るなら3.5LのV6エンジンにモーターを組み合わせたS400ハイブリッドで十分でしょう。ターボといってもあるところから唐突に力が盛り上がるわけではなく、静粛性を含めて高級車にふさわしいマナーに終始します。
試乗車には、マジックボディコントロールと呼ばれるオプションも搭載されていました。車載カメラで路面の凹凸を事前に感知し、電子制御サスペンションを最適なチューニングに仕立てるものです。ただ日本仕様はランフラットタイヤが装着されているためなのか、ロールス・ロイスやベントレーのような別世界感はなく、あくまで地上を走る乗用車の延長線上にある快適性でした。
むしろ山道での、巨体を感じさせないシュアなハンドリングのほうが印象的でした。Cクラスと同じ感覚で振り回せるのです。ラグジュアリーセダンでありながら全高を低めに抑えた理由は、こういう部分にあるのでしょう。高級車である前に完璧な自動車を目指したあたりは、さすがメルセデスだと思いました。
東京と伊豆の間を往復して、車載燃費計が弾き出した数字は8km/Lでした。このクラスのガソリン車としては優秀かもしれませんが、この面を気にする人はS400ハイブリッドにしたほうが良さそうです。
これまで以上に安全装備が充実していることも新型Sクラスの特徴で、ステアリング操作までアシストする無段階追従クルーズコントロール、走行状況や天候に応じたヘッドランプ照射角度・範囲の自動切り替えなど、さまざまな技術を満載しています。実際に体験した結果を言えば、渋滞や急カーブが多い日本の道よりも、ある程度のスピードで長距離を移動するドイツのような道で最大の効果を発揮するシステムであると感じました。
クルマとしての基本性能は高く、個々の技術はこのうえなく先進的です。しかし新しい装備をどんどん積み重ねていくという足し算的な思想は、20世紀的であるとも感じました。前にも書いたように、Sクラスはこのクラスのセダンのリーダー的存在であるわけですから、21世紀にふさわしい発想の高級車を提示してほしかったです。
- レビュー対象車
- 試乗
参考になった6人
「Sクラス 2013年モデル」の新着レビュー
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| 2016年12月24日 15:10 | ||
| 2016年8月13日 09:30 | ||
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