アウディ RS4 アバントレビュー・評価

A4アバントのスポーツモデルとしてV型6気筒のスーパーチャージャー仕様エンジンを搭載したS4アバントがあるが、S4アバントのスポーティな走りを大きく上回る豪快な走りのモデルとして設定されたのがRS4アバントだ。何せ標準車のA4アバントなら直列4気筒2.0リッターエンジンを搭載するボディに、V型8気筒4.2リッターエンジンを搭載するのだから半端ではない。

RS4アバントには日本自動車輸入組合が大磯プリンスホテルで開催したメディア関係者向けの試乗会に出席し、出展されていた広報車両に試乗した。

RS4アバントは外観デザインも差別化されて押し出しの強さを感じさせる。大きく張り出したブリスターフェンダーには20インチの大径タイヤ＆ホイールが収まり、赤く塗装されたブレーキキャリパー(オプション)が装着されている。全高もA4アバントに比べて20mmほど低くなって迫力を感じさせる。リヤもルーフエンドスポイラーや楕円形のエキゾーストパイプが左右に配置されるのが特徴だ。

インテリアは本革のバケットシートやカーボンパネルなど、スポーティさとアウディらしい質感とがうまく融合されている。

搭載エンジンはV型8気筒4.2リッターの自然吸気DOHCで、331kW/430N・mのパワー＆トルクを発生する。大排気量の自然吸気エンジンらしいスムーズな吹き上がりと、豪快なパワーフィールを感じさせるエンジンだ。このエンジンは最高出力を発生する回転数が8250回転という超高回転型エンジンであるのも特徴で、回せば回すほどパワーが伸びていくような印象がある。もちろん一般道での試乗では相当に抑制的に走らせる必要がある。

組み合わされるトランスミッションは7速のSトロニックで、極めてスムーズなシフトフィールを感じさせる。シフトダウン時にはブリッピングも入り、うまく回転を合わせてギアをつないでくれる。アウディ・ドライブセレクトでダイナミックモードを選べば、さらに俊敏な変速をみせるようになる。もちろんエンジン特性も足回りもステアリングも変わり、正にRSらしい走りになる。

足回りはかなり硬めだ。265/30R20という超偏平タイヤを履くことも影響していると思うが、路面の荒れた部分などでは相当に強い突き上げを感じる。RS4アバントらしいといえばその通りだが、日常的な使い方のときにこの硬さだと辛いと感じるのではないか。

価格は1317万円。ここまでくるともう高いとか安いとかという問題ではなくなる。この性能にしてこの価格ということだ。