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『長所と短所が明確なクルマ』 日産 ノート 2012年モデル 松下宏さんのレビュー・評価
ノートの新車
新車価格: 124〜268 万円 2012年9月3日発売〜2021年8月販売終了
中古車価格: 19〜418 万円 (3,489物件) ノート 2012年モデルの中古車を見る
自動車(本体) > 日産 > ノート 2012年モデル
プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む
2012年11月25日 14:38 [550245-1]
| 満足度 | 2 |
|---|
| エクステリア | 3 |
|---|---|
| インテリア | 2 |
| エンジン性能 | 3 |
| 走行性能 | 3 |
| 乗り心地 | 2 |
| 燃費 | 4 |
| 価格 | 2 |
※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。
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|---|---|---|
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2代目ノートは、日産が世界で販売するコンパクトカーで、国内ではティーダを統合するとともに、好調な売れ行きを続けるフィットに対抗するモデルとして開発が進められた。
ノートには、日産が追浜に持つ試乗施設のグランドライブで試乗したほか、木更津の三井アウトレットパーク駐車場をベースにした試乗会に出席したり、個別に借り出して長距離の試乗するなど、いずれも日産が用意した広報車両に試乗した。
外観デザインはボディサイドに明快なプレスラインを持つなど、近くで見るとほかのコンパクトカーとの違いがはっきり分かる。ただ、遠くを走るノートを見るとフィットと似たような感じで、個性にかける印象である。
インテリアはコンパクトカーらしいシンプルなもの。上級グレードのメダリストではピアノ調のパネルを採用するほか、本革巻きステアリングホイールを採用するなどして質感を高めている。
室内空間はけっこう広い。マーチと同じプラットホームを採用しているが、ホイールベースを延長して従来のノート並みにしたことが室内の広さにつながっている。後席の空間は大人が足を組める広さだ。
ラゲッジスペースは特に広くはないが、そこそこの広さがあり、床面の高さを調整して搭載する荷物の量などに対応できる仕組み。ただ、トノカバーの設定がないのはやや残念。
試乗したのは最上級グレードのメダリストとX DIG-Sの2車種で、どちらも基本メカニズムは共通。直列3気筒1.2リッター+スーパーチャージャー仕様のエンジンを搭載する。
燃費はノートで最高の25.2km/Lではなく24.0km/Lの仕様。というか、宣伝に使われているの25.2km/Lの低燃費を達成したのは全く売る気のないS DIG-Sと呼ぶグレードで、いわゆるオトリ商品。ノートの燃費の実力は24.0km/Lと考えたら良い。
日産ではクラス最高の燃費を標榜しているが、実際にはデミオのSKYACTIVには届いていない。デミオに勝ちたいがために売る気のないグレードを設定したが、このような羊頭狗肉的な商法は今どき流行らない。
エンジンは自然吸気仕様とスーパーチャージャー仕様があって、スーパーチャージャー仕様のほうが燃費が良い。なのにJC08モードの燃費を測定するときにはスーパーチャージャーは全く働いていないという。
だったら何でスーパーチャージャー仕様車の燃費が良くなるかといえば、スーパーチャージャー仕様のエンジンはミラーサイクルと呼ぶ圧縮比と膨張比の異なるエンジンを採用しているため。これによってエンジンの効率を上げている。
単純にミラーサイクルを採用するだけだと熱効率は良くなるがトルクが落ちるため、トルク不足を補うためにスーパーチャージャーを装着した。ふだんはスーパーチャージャーは働かないが、スポーティな走りを楽しみたいときにはしっかり働く。でもそのときには燃費が悪くなる。
スーパーチャージャーを使わない状態での走りがどうかといえば、これがそれなりの実力で案外良かった。市街地を普通に走らせても、特にトルク不足を感じさせるようなシーンはなく、流れに乗って走って行けた。ECOモードでも、ノーマルモードでも変わらない感じだった。
それでいて、アクセルを踏み込んでスーパーチャージャーが働く状態で走らせると、相当に元気の良い走りが可能である。
ノートのスーパーチャージャー仕様エンジンは、 燃費と動力性能を両立させたというより、状況によって燃費の良い走りと、スポーティな走りが選べるエンジンだ。ふだんは燃費の良い走りをキープしておき、走りを楽しみたいときや加速が必要なシーンなどでスーパーチャージャーを効かせた走りをすれば良い。
東京から箱根までを往復したときの復路では、下り坂と高速道路中心ながら110kmの距離を走って24.8km/Lの燃費が出た。
乗り心地や足回りは全体としてはまずまずといった感じで、普通の路面を走っているときには特に不満を感じない。でもマンホールのふたや、高速道路の継ぎ目部分など、少し出っ張りがあるところを越えていくときには、しっかり突き上げが入ってくる。あまりこなれていない感じの足回りである。
ノートで最も問題なのは、安全装備の仕様。というか、安全性に対する基本的な考え方だ。横滑り防止装置のVDC、後席中央のヘッドレストレイント、SRSサイド&カーテンエアバッグなどの設定に不満がある。
横滑り防止装置は一部のグレードにだけオプション設定にとどまっている。世界中で義務化が進む安全装備を、規制を受ける前のわずかな時間差を狙って滑り込みで省略してしまうのは、安全装備に対する露骨な手抜きであり、メーカーとしての姿勢が問われるものだ。
後席中央については、義務化済みの3点式シートベルトは当然ながら装着しているが、ヘッドレストレイントについては義務化されていないのを良いことに装備していない。これも自動車メーカーとしての安全に対する姿勢を疑うしかない。
SRSサイド&カーテンエアバッグについては、上級車から順次標準装備化が進められている段階で、コンパクトカーでは標準装備するのはまだ例外的だが、ノートの一部グレードにだけオプションというのは、何とも物足りない設定である。
安全装備は、保安基準で決められたから設定するというものではなく、クルマの安全性を確保するためには何が必要かを考え、必要と思う装備を積極的に採用していくことで、結果としてそれが保安基準に採用されていくというくらいの志で採用して欲しいものだ。
このほか、1.2リッター車としてはかなり高めの価格が設定されていることなど、いろいろな意味で長所と短所のはっきりしたクルマである。
参考になった67人
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| 2023年9月7日 20:44 | ||
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| 2023年3月26日 21:21 | ||
| 2022年12月23日 21:24 | ||
| 2022年7月28日 00:51 | ||
| 2022年5月30日 21:55 | ||
| 2021年12月29日 15:57 |
ノートの中古車 (全2モデル/3,642物件)
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- 支払総額
- 109.2万円
- 車両価格
- 102.2万円
- 諸費用
- 7.0万円
- 年式
- 2020年
- 走行距離
- 4.0万km
-
ノート 4WD ワンオーナー バックカメラ ナビ付 エンジンスターター 寒冷地仕様 保証付き1ヵ月1,000km スマートキーエンジン プッシュスタート
- 支払総額
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- 車両価格
- 53.0万円
- 諸費用
- 5.5万円
- 年式
- 2013年
- 走行距離
- 5.8万km
-
- 支払総額
- 157.7万円
- 車両価格
- 148.8万円
- 諸費用
- 8.9万円
- 年式
- 2021年
- 走行距離
- 6.2万km

















