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『魅力的な部分とお勧めしきれないもどかしい部分と』 トヨタ プリウスα 2011年モデル 松下宏さんのレビュー・評価
プリウスαの新車
新車価格: 241〜362 万円 2011年1月1日発売〜2021年3月販売終了
中古車価格: 29〜298 万円 (1,391物件) プリウスα 2011年モデルの中古車を見る
自動車(本体) > トヨタ > プリウスα 2011年モデル
プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む
2011年7月26日 07:14 [427324-1]
| 満足度 | 4 |
|---|
| エクステリア | 4 |
|---|---|
| インテリア | 4 |
| エンジン性能 | 4 |
| 走行性能 | 4 |
| 乗り心地 | 5 |
| 燃費 | 5 |
| 価格 | 3 |
※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。
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|---|---|---|
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稀代の大ヒット車となったプリウスをベースに、その基本プラットホームやパワートレーンを使って作られた大きな室内空間を持つミニバン&ステーションワゴン。
東日本大震災の影響で発売が2カ月近く遅れたが、その間にも予約受注を集めていたので、発売された時点で注文すると納車は1年先という状況になった。トヨタは増産態勢を作っているが、リチウムイオン電池は簡単に増産できないそうで、7人乗りについては勧めるにも勧めにくい状況だ。
大きな室内空間は2種類の設定があり、2列シートで5人乗りのステーションワゴン感覚のモデルと、3列シートで7人乗りのミニバン感覚のモデルがある。5人乗りはラゲッジスペースの下部にニッケル水素電池を搭載し、7人乗りはセンターコンソールの下部にリチウムイオン電池を搭載するという違いもある。5人乗りと7人乗りではかなり異なるクルマに仕上げられている。
プリウスαは、ぱっと見た感じはプリウスそのものだ。ボディサイズはプリウスよりもひと回り大きく、良く見るとプリウスとは明確異なるパッケージングと、微妙に異なるデザインなのに、見るからにプリウスの姉妹というか従姉妹というか、親戚関係にあるクルマだということが分かる。
明確に異なるデザインにする方法もあったのだろうが、名前からしてプリウスαなのだから、プリウスらしいデザインに仕上げたのは正解だろう。参考までに書いておくと、プリウスに似てはいるが、外装パーツはそのすべてがプリウスとは異なるものが採用されている。それを似ているように見せているのだ。
インテリアはステアリングホイールの形状やセンターメーターを採用することなどはプリウスと共通だが、センターメーターの形状自体も異なるし、ほかの部分ではプリウスとの相違点も多い。
特にセンターコンソールの部分は、プリウスと異なるだけでなく、プリウスα同士でも5人乗りと7人乗りで異なっていて、コンソールボックスの容量の違いが大きい。
後席の広さはまずまずというかプリウス以上の広さがある。ボディがひと回り大きくなっているだから当然といえば当然だ。3列目のシートは大人が座れないことはないが、ゆったりという感じはない。広さでいえはウィッシュのほうが広い印象である。
ラゲッジスペースは5人乗りと7人乗りで明確な違いがある。7人乗りも大型のデッキアンダートレーを使えばそれなりの積載量が確保できる。ただ、実際には普段は3列目のシートを倒して使うことが多いのだろう。
プリウスαに乗って走り出すると、最初はちょっと走りが鈍いかなという印象を受ける。プリウスが1350kgほどなのに対し、プリウスαは1450kgから1500kg弱と100kg以上重くなるので、その分が効いているのだろう。
今回の試乗は5人乗りと7人乗りの両方に乗り、それぞれグレード違いにも乗って全部で5種類の仕様を試したが、そのほとんどが2〜3名乗車の状態だったので、余計に走り出しの鈍さを感じたのかも知れない。
でも走り出してしまえば動力性能に不足は感じないし、むしろプリウスに比べて走りの質感に優れるのが印象的だった。重量の増加に対応してファイナルギアのギア比をローギアード化したことなどにより、中間加速のフィールはプリウスとほとんど変わらない。通常の状態なら電気モーターだけで走り出すのも同じだ。
またニッケル水素電池を搭載した5人乗りとリチウムイオン電池の7人乗りで走りのフィールに違いがあるかといえば、これも全く感じられなかった。インジケーターを見ているとリチウムイオン電池を使った7人乗りのほうがエネルギーの回生がスムーズな用だが、普通に走らせていると5人乗りのか7人乗りなのかが分からなくなるほどだ。5人乗りと7人乗りで重さの違いもせいぜい20kgほどなので、これを走りのフィールの違いとして感じることはできない。
プリウスに比べて格段に良くなった印象を受けたのは足回りだ。プリウスが17インチタイヤを履いたツーリングセレクションでないとダメという印象だったのに対し、プリウスαは16インチタイヤの仕様でもそんなに悪い印象はなかった。もちろんツーリングセレクションに好感が持てたのはプリウスαでも同じである。
路面が悪い部分での当たりの良さなど、乗り心地の良さというか、走りの質感という点でプリウスαはプリウスよりもずっと優れている印象があった。室内の静粛性が向上していることと合わせると、プリウスとの走りの違いは相当に大きい。
プリウスを買うならプリウスα買ったほうが良いし、プリウスαを買うなら7人乗りのツーリングセレクションがお勧めだが、これには少しばかり条件が付く。というのも7人乗りはリチウムイオン電池仕様なので生産が特に厳しく、今から注文したのでは納車が来年後半になる勢いだ。これだとエコカー減税が終わってしまうので、今の時点で勧めて良いのかどうか分からない。
走りのフィールからはツーリングセレクションがお勧めなのだが、タイヤが17インチになってステアリングの切れ角も変わり、5.5mの最小回転半径が5.8mになってしまう。外国製の大型SUVではあるまいし、いくら何でも5.8mはないと思うのだが、このような仕様になっている。狭い車庫に出し入れするユーザーには勧められない。
車庫ついでに書いておくと、プリウスαの全高は大半のグレードで1575mmだ。1550mmまでなら駐車できるタワーパーキングが多いのに、1575mmでは入れないところが多い。これは使い勝手に悪影響する。
価格はプリウスに比べるとかなり高くなっていて、最上級グレードとなる7人乗りのツーリングセレクションスカイライトパッケージを選び、カーナビとプリクラッシュセーフティシステムを装着すると車両価格が400万円を超える。これもひとつの悩みどころだ。
プリウスαは相当に魅力的なクルマだと思うが、お勧めしきれない部分もあって、もどかしさを感じさせられるクルマである。
参考になった102人
「プリウスα 2011年モデル」の新着レビュー
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| 2020年12月10日 02:58 | ||
| 2020年10月2日 14:31 | ||
| 2020年6月5日 00:43 | ||
| 2019年10月18日 00:12 | ||
| 2019年7月15日 23:26 | ||
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プリウスαの中古車 (1,391物件)
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