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『高次元にバランスされた国産最速SUV(350S)』 トヨタ ヴァンガード 2007年モデル ezo-momongaさんのレビュー・評価
ヴァンガードの新車
新車価格: 242〜336 万円 2007年8月1日発売〜2013年11月販売終了
中古車価格: 73〜159 万円 (62物件) ヴァンガード 2007年モデルの中古車を見る

自動車(本体) > トヨタ > ヴァンガード 2007年モデル > 350S Gパッケージ 4WD (7人乗り)
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2013年12月22日 14:59 [353457-2]
満足度 | 5 |
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エクステリア | 5 |
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インテリア | 5 |
エンジン性能 | 5 |
走行性能 | 5 |
乗り心地 | 5 |
燃費 | 5 |
価格 | 5 |
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図1(旋回制動テスト)、 図2(ダートコーステスト) |
図3(動力性能比較) |
版画風にしてみました |
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日本海の小さな漁港にて |
新緑のドライブウェイ |
湖畔にて |
約3年乗り沢山の思い出を作ってくれたことに感謝を込めて、再レポートします。
■ハンドリング
連続コーナーの切り返し等で分かりますがニュートラルなハンドリングです。前のコーナーでのロールが切り返しまでに速やかに回復し、水平になった状態で次のコーナーに入っていけるセッティングによるものです。
多くのSUVでは、ロールが残ったまま次のコーナーに入って急な揺り返しがあったり、逆にダンパーの減衰力を強くしてロールの量は少ないものの(多くの方はコーナーリング性能が良いと錯覚)、ストロークを生かした穏やかな過重移動ができず、旋回制動などの際に、タイヤの性能を生かしきれない傾向があるのと相違します。
■操縦安定性
冬道のスリップは日常茶飯事であり、操安性は重要なポイントでした。
摩擦円の使い方(旋回用の横方向グリップを残して縦方向を使う)が良く、ブレーキを踏みながらの危険回避能力の指標となる旋回制動では、当時の他社SUVより内側を旋回でき、停止距離も最短レベルでした(図1)。
ダートコースのテストでは、他社が最もハイパワーな車両を用意する中で240Sが最速ラップを記録し、滑りやすい路面での操安性も抜群です(図2)。
他社の新型SUVも相当な進化が伺えるものの、コーナーリング中の写真を見れば分かるように、リア側のネガティブキャンバーを抑えて(接地性を少し落として)回頭性を出している面があり、低ミュー路ではリアが出過ぎる傾向があるのに対し、ヴァンではリアが粘るセッティングで低ミュー路でも安心して踏んでいけます。SUVでは回頭性と操安性のバランスが重要です。
またターボ車のようにある回転域で急激にトルクが立ち上がるのと異なり、アクセル開度に対しリニアにトルクが立ち上がるので、アイスバーンでのコントロール性に優れます。
■動力性能
240Sも加速力に定評がありますが、350Sは0→100km加速6秒と刺激的です。
これまで200〜300馬力の車を乗り継いできましたが、踏んだ瞬間からのレスポンスが要求される追越加速は秀逸で、パワーダウンした北米向けのレギュラーガソリン仕様でも、ワールドワイドでライバルは殆ど存在しません。(図3)
アイドリング付近からトルクが出ており、10%程のやや急な登りもトップギア
1000回転(60km)で、平地のアクセル開度(数mm)のまま踏み増しすることなく登坂でき、坂の存在を意識することなく、ゆったりとしたグランドツーリングを楽しめます。
いずれも性質上タイムラグのある2〜2.3Lクラスの中排気量ターボ(ディーゼル含む)では決して味わえない世界があります。
残念ながら後継車種では3.5Lの設定はなく、350Sを超える動力性能を持つ国産SUVの登場は、暫く先になりそうです。
なお、最近の国産ターボはカタログ上のトルク値が大きく注目されますが、高負荷・ハイギヤの状態で時間をかけてブーストを上げて計測した見かけ上の数字に過ぎず、踏んで暫くしてタービンが高回転になって初めて出る数値で、追越加速が芳しくないことにも現われています。
中排気量ターボの場合、最大トルクや最高出力等のスペックを重視せず、欧州車のように小さなタービンで千回転台の加速力を充実させて欲しいところです。
■エンジン
2GR−FEは吸排気のバルタイを可変してハイパワーを得ており、24バルブが
精密に制御されている様子を想像するだけでわくわくします。
吸気系はインマニ内に加えエアクリーナー付近でも管長の切替え、排気系も切替えをして低回転トルクを増強する等見えない部分も工夫しています。
振動が殆ど無く加速が滑らかな点も、近年のマルチシリンダーならではの味わいです。トルク変動の静かさは、乗員の身体的負担を減らし長距離でも疲れ知らずです。
■4駆性能
様々な4駆システムに乗ってきましたが(トヨタ1、日産1、三菱1、スバル3)、実用面(走破性)で差を感じることはなく、アウトドア利用も多いですが必要にして十分です。
方式云々の差は、斜度や積雪が少し増せば消し飛ぶ程度の差であり、大自然の前では「どちらも行ける/どちらも行けない」に変わりありません。
■乗り心地
350Sのサスは(私には柔らかいですがトヨタ車としては)やや堅めで、前述のような設定と相まって加減速やコーナーの姿勢遷移が穏やかで、酔わなくなったと家族にも好評です。
なお、やや堅めのダンパーに仕事をさせて揺れを吸収させる観点では、扁平率55〜のタイヤとの相性が良いと思います。
■7人乗り
外食等でたまに近距離で7人乗車が可能で、操安性や動力性能の高いミドルSUVが希望ですがワールドワイドでも他に選択肢は無い状況です。
■環境性能
北海道という土地柄もあり、夏場の一般道で10〜14km/L、通勤等の街乗りを含めても平均10kmと、3.5Lとしては良好です。
■総評
乗出4百万円でワールドクラスの動力性能、千回転からトルクフルで高回転まで伸びる滑らかなエンジンフィール、雪道での安定性など満足度は高いです。
海外版カー&ドライバー誌の数十項目に及ぶ緻密な評価では(円旋回やスラローム含む)、フォレ2.5XT、VWティグアン2Lターボを含む当時のライバル8車の中で総合1位の評価でしたが、我が国の雑誌や評論家には見る目がないのか、余り取り上げられなかったため、必要以上に人気が出ることもなく(毎月2〜3千台程度)、特に350Sはその5%(月100台)と稀少車の部類に入り、殆ど見かけることがなかったのはある意味幸運でした。
トヨタには車名を大切にして熟成していく車作りを期待しますが、できないようですので次は、今のところ希望条件を全て満たす車は無いのですが、スバルH6(アウトバック)や日産V6(スカクロ)、チェロキーV8(SRT8)等の大排気量NA、もしくは7人乗り設定のある直6T(X5)に乗り換えるか、使い続けてスポーツカーを買足すか迷う今日この頃です。
- 乗車人数
- 5人
- 使用目的
- 通勤・送迎
- 買い物
- レジャー
- 頻度
- 毎日
- 重視項目
- スポーティ
- 快適性
- レビュー対象車
- 新車
- 購入時期
- 2010年9月
- 購入地域
- 北海道
- 新車価格
- 336万円
- 本体値引き額
- 15万円
- オプション値引き額
- 10万円
※値引き額は参考値ですので、詳細は各ディーラーにお問合せください。
参考になった25人(再レビュー後:16人)
2010年10月30日 22:24 [353457-1]
満足度 | 5 |
---|
エクステリア | 5 |
---|---|
インテリア | 5 |
エンジン性能 | 5 |
走行性能 | 5 |
乗り心地 | 5 |
燃費 | 5 |
価格 | 5 |
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---|---|---|
サイドからみたラインがお気に入りです |
エンジン性能曲線です(2GR−FEは全域でトルクフルです) |
長文で失礼します
■ハンドリング
以前,自分でサス交換・セッティングしてジムカーナを楽しんでいたのでこだわりがある方ですが,コーナリング時のラインコントロールも思いのままで,連続コーナーでの切り返しもスムーズで(ロール速度が穏やかで姿勢の回復も早い),レガシーには及ばずとも定評のあるフォレスター(前車)よりも優秀なレベルに感じます。
発進直後は後輪にもトルクを多めに配分してトルクステアを回避しつつ滑りやすい路面に対応し,速度が上がるにつれ前輪への配分を高めて直進安定性・燃費の向上を図るセッティングのようで,トルクステアもなく剛性感のあるカチッとしたハンドリングで高速域での安定感も抜群です。
■操縦安定性
各種テストでも良好で車体設計やサス・セッティングはよく練られていると思います。
ウエットのパイロンスラローム(時速60km)では,定評のある欧州SUVでもバランスを崩してラインを逸脱する状況の中で,姿勢変化も少なくラインをきれいにトレースできていましたし,ブレーキを踏みながらの危険回避能力の指標となる「旋回中の制動」では(110kmで進入),セダンでも停止距離が70m程度のところ,この車はオールシーズンタイヤにも拘らず59mと短く,停止距離ではレクサスISFの55mやロードスターRSの58mなど一級のスポーツカーに肉薄するものでした(ベストモータリング)。
雪国在住のため冬道でのスリップは日常茶飯事であり,この操縦安定性は重要なポイントでした。
■乗り心地
350Sはサスがやや堅めですが,前車よりも加減速やコーナーでの姿勢変化が少なく,酔わなくなったと家族にも好評です。
乗り心地,ハンドリング,操縦安定性のバランスは絶妙です。
■動力性能
車体の軽量化,底面がフラットで排気管の取回しに有利なこと等が奏功し,240Sも他の同型式エンジン搭載車に比べて加速力に定評があり,350Sは0→100km加速6秒と刺激的です(カイエンS並)。
2Lターボ数車種を乗り継いできましたが,それらと比較しても,自然吸気ゆえ特に低回転時や追越し加速は秀逸で,滑らかな加速感はジェット機の離陸時のようでやみつきになりそうです。
従ってアクセル操作には自制心が求められますが,車全体に余裕があるためか前車よりも飛ばさなくなり(仮に多少飛ばしてもそれを感じなくなり?)家族からは好評です。
■エンジン
2GR−FEは吸排気のバルタイを可変してハイパワーを得ており,24バルブが精密に制御されている様子を想像するだけでわくわくしてきます。
ネット280馬力ですがシャシダイで270馬力ほど出ており,ネット表示から約1割ダウンするのが一般的なのでもっと上の馬力を表示してもよいくらいです。
スムーズ過ぎてパンチがないとの評もありますが,それだけフラットトルクで扱いやすいことの証しです(添付図)。
■5AT
6ATだと数十k重くなり重量バランスへの影響や,広くはないエンジンルームへの搭載を鑑みれば潔い選択だと思います。
多段ATは高回転型でトルクバンドが狭い場合に好適で(カタログスペックにも貢献),2GR−FEのように全域でトルクフルな場合5ATで十分です(千五百回転で30kgm近く,2千回転〜最大トルクの90%以上)。
定評のある国産SUV(2.3Lターボ6AT)との比較でも,変速ショックの少なさ,変速を伴う中間加速(各ギヤのつながり)とも350Sの方が優秀との評価です(オートビークル誌)。実際,いつ変速したのかを感じることは殆ど無くどの回転域からも思いのままの加速力が得られます。
■エクステリア・車体
サイドから見た流れるようなラインがお気入りです。
開発手法等の点で批判されることがありますが,誤認識に基づくものが多く、車としては大変良くできています(この車は世界的にはロングボディが主で,操縦安定性をみてもこの車体で基本設計・調整がなされていると考えられ,巷の「RAV4のボディに付け足した」という表現は適切ではなさそうです)。
■内装等
ダークグレーの内装や本皮部分の質感もよく,電動ランバーサポートはコーナリング中でもしっかりとサポートしてくれ,アルカンターラは長時間ドライブでも蒸れず快適な座り心地です。2列目も広く足元がフラットで好評。
■7人乗り
普段は5人乗りで十分で,車庫入等を考えると全長が長いミニバンは避けたい一方で,帰省時の外食等でたまに近距離で7人乗車が可能で,アウトドアでの高さのある荷物や多少の悪路走行に対応し,操縦安定性や動力性能の高い車が希望でしたので,ワールドワイドでみてもこの車以外の選択肢は殆ど無い状況でした。
■静粛性
停車時のわずかな振動もエンジンの存在感をさりげなく主張し,かすかに聞こえる太めの排気音も走っている気分を味わえ,これ以上静かだとドライバーズカーとしての魅力が半減するので絶妙なレベルです。
遮音材を効果的に配置しロードノイズを含めた全体でも静かで快適です(JAF出版勝者の選択でマークXジオと同等の評価)。
■燃費
平均9.5km(街乗り8km,高速や遠乗りで10km以上)と3.5Lとしては良好で前車よりも1割程良くうれしい誤算でした。
■総評
全域でトルクフルなゆとりのパワー,滑らかで上質なフィール,入念に調整されSUVとしては卓越して安定したハンドリング,走る・曲がる・止まるといった基本性能,マフラー・サス等の見えない部分の質感への配慮,同乗者に優しい点など,今までの車で一番満足しています。
車に乗り込んだ瞬間,エンジンを掛けた瞬間から何かやってくれそうな雰囲気があり,運転席に座っているだけで結構浸れます。
現在は,久々に運転することが楽しくなっており,通勤帰りにも遠回りしたりして,いつまでも運転していたい気分になります。
次期モデルでもこの車名が残され熟成を重ねていくことを祈願しつつ,末長く乗っていくつもりです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
- 乗車人数
- 5人
- 使用目的
- 通勤・送迎
- 買い物
- レジャー
- 頻度
- 毎日
- 重視項目
- スポーティ
- 快適性
参考になった9人
「ヴァンガード 2007年モデル」の新着レビュー
レビュータイトル | 満足度 | 投稿日時 |
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2021年11月25日 22:53 |
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2021年8月7日 02:15 |
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2019年12月27日 00:26 |
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2019年1月3日 00:02 |
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2018年3月21日 14:44 |
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2016年8月11日 15:20 |
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2016年6月17日 07:25 |
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2016年4月10日 23:54 |
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2016年2月12日 20:35 |
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2015年8月20日 11:37 |
ヴァンガードの中古車 (62物件)
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- 支払総額
- 105.5万円
- 車両価格
- 99.0万円
- 諸費用
- 6.5万円
- 年式
- 2010年
- 走行距離
- 5.6万km
-
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- 支払総額
- 89.8万円
- 車両価格
- 72.0万円
- 諸費用
- 17.8万円
- 年式
- 2012年
- 走行距離
- 17.8万km
-
- 支払総額
- 133.0万円
- 車両価格
- 124.9万円
- 諸費用
- 8.1万円
- 年式
- 2011年
- 走行距離
- 7.1万km
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- 支払総額
- 127.3万円
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- 諸費用
- 14.3万円
- 年式
- 2013年
- 走行距離
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- 支払総額
- 111.0万円
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- 16.0万円
- 年式
- 2010年
- 走行距離
- 4.0万km
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