ランドローバー レンジローバーヴォーグレビュー・評価

英国製の本格派の高級SUVであるレンジローバーの現行モデルはは2002年の発売で、その後2008年3月にグレード名だったヴォーグをシリーズ名に変更して現在に至っている。

日本では2011年12月から2012年モデルが発売されており、本国では2012年8月に次期レンジローバーが発表されているので、現在のモデルは最も熟成の進んだ最終モデルになる可能性がある。あるいは最終仕様の特別仕様車が販売される可能性もある。

今回はジャガー・ランドローバー・ジャパンが北海道に広報車両を用意していたので、美幌峠周辺を中心に試乗した。試乗したのは5.0V8スーパーチャージドだ。

全長が5mに近く、全幅が2mに近い大柄なボディは、車両重量も2630kgと軽自動車なら3台分といった感じの重さである。搭載されるV型8気筒5.0Lのスーパーチャージャー仕様エンジンは、375kW/625N・mという圧倒的なパワー＆トルクを発生し、この重量級ボディをぐいぐい押し出していく。

スーパーチャージャーはターボと違ってごく低速域から働きだすので、走り出した瞬間から力強さを感じることができる。

当然ながら燃費は悪く、JC08モードのカタログ燃費でも5.1km/Lでしかない。信号待ちのほとんどない北海道ではこれを上回る燃費を出せるが、都内などで乗ったら完全に5.0km/L以下になるだろう。

ただ、燃費などに目くじらを立てることなく、ラグジュアリーな雰囲気の中で余裕の走りを楽しむのがレンジローバーだ。特にヴォーグはそうした傾向が強い。

今回の試乗はドライのオンロードを走っただけなので、オフロードなど路面に合った走りを選択できるテレインレスポンスを試す機会はなかったが、かつて試乗したときのことを思い出すと、悪路走破性の高さは半端ではない。

高い動力性能や豪華な内装の仕様などを備えるとはいえ、1420万円の価格は普通の人が買える水準ではない。価格も燃費も取り回しも、ほとんど気にすることなく乗れる人が選ぶクルマだ。