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『優れた環境性能と圧倒的な走りに加えて使い勝手の良さも』 フォルクスワーゲン パサート GTE ヴァリアント 2016年モデル 松下宏さんのレビュー・評価
パサート GTE ヴァリアントの新車
新車価格: 539〜683 万円 2016年6月7日発売〜2023年7月販売終了
自動車(本体) > フォルクスワーゲン > パサート GTE ヴァリアント 2016年モデル
プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む
2016年7月28日 01:08 [948410-2]
| 満足度 | 4 |
|---|
| エクステリア | 4 |
|---|---|
| インテリア | 4 |
| エンジン性能 | 5 |
| 走行性能 | 4 |
| 乗り心地 | 4 |
| 燃費 | 4 |
| 価格 | 2 |
※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。
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|---|---|---|
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パサートのPHEVはセダンだけでなく、ワゴンボディのパサートGTEヴァリアントの設定もある。パサートGTEヴァリアントには、フォルクスワーゲングループジャパンが袖ヶ浦フォレストレースウェイをベースに開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。なお、セダンのパサートGTEにも試乗していて、別に書いているので、そちらも参照して欲しい。
パサートはゴルフから採用が始まったMQBと呼ぶ独自の開発手法に基づいてクルマ作りが進められ、EVやPHEVなどもラインナップすることを前提にした基本プラットホームを採用する。そのためパサートGTEヴァリアントはリチウムイオン電池をシート床下にうまく収納できている。
これによってラゲッジスペースに悪影響を与えることなく、PHEVを成立させている。これが良いところだ。写真を見ても分かるように、ガソリン車と変わらないラゲッジスペースによって、ステーションワゴンらしい使い勝手を実現している。
セダンと同様、外観デザインは標準車とほとんど変わらない。フロントグリルにブルーのアクセントラインが採用され、バンパーにコの字型のLEDランプが組み込まれていることなどがわずかな相違点だ。フロントグリルとテールゲートに装着されたGTEエンブレムを見ないとPHEVであることが分からないかも知れない。
内装は上級グレードのアドバンスに12.3インチのTFT液晶によるフルデジタルのメーターパネルが採用される。Eモードやハイブリッドモード、GTEモードなど、走行モードによってタコメーターの部分の表示が変わるほか、パネルの中央にカーナビの画面を呼び出すこともできる。それ以外の部分ではガソリン車との違いはわずかである。
パサートGTEヴァリアントの基本メカニズムはゴルフGTEと共通である。1.4LのTSIエンジンに電気モーターを組み合わせ、6速DSGのトランスミッションで走るというものだ。ただ、単純にゴルフのシステムを移植しただけではなく、パサートGTE専用のチューニングがなされていて、動力性能はゴルフGTEを上回っている。上級車であるパサートには、ゴルフを上回る仕様が与えられているわけだ。当然ながら、システムとして発生できる動力性能もパサートGTEヴァリアントがゴルフGTEを上回っている。
走行モードは、電気モーターだけで走るEモードが基本だ。電池の残量があるうちは電気だけで走ってガソリンを消費しないような設定になっている。なので、運転席に乗り込んでシステムを立ち上げても、室内は静かなままだ。穏やかなアクセルワークで走れば、50kmほどの距離をエンジンを使わず電気モーターだけで走れる。毎日の通勤だけなら、ほとんどガソリンを使わないのではないか。
長距離を走るときなどは、実際にはEモードよりもハイブリッドモードのほうを多く使うかも知れない。電池の残量が少なくなるか、強めにアクセルペダルを踏み込むかすると、エンジンが始動してハイブリッドモードに切り替わる。エンジンがかかっても騒音やショックなどはほとんど感じられないから、静かで滑らかな走りが継続される。
ハイブリッドモードやGTEモードでは、走行条件に応じてメーターパネルにタコメーターが表示されるが、走行中にエンジンが稼働しているか停止しているかは、タコメーターの表示を見ていないと分からないくらいだ。
ハイブリッドモードにはバッテリーへの充電を優先させるチャージモードも含まれていて、郊外の自然環境の中に出かけるときなど、出かけた先で環境に配慮したEV走行をしたいなら、郊外に至るるでの間にチャージモードを使って電池を残した状態にしておくと良い。
パサートGTEヴァリアントの特徴はGTEモードだ。センターコンソールに設けられたGTEスイッチを押すと、スポーティな走りのGTEモードに切り替わる。エンジンとモーターの性能をフルに引き出して走るほか、エンジンのレスポンス、6速DSGの変速スケジュール、サスペンションの減衰力などがいずれもスポーツ志向に切り換えられ、走りのフィールが一変するのだ。
パサートGTEヴァリアントは車両重量が重い。電池やモーターの搭載によってガソリン車に対して260kgも重くなっているのだ。でもGTEモードでの走りはその重量増を全く感じさせない力強いものだ。圧倒的な走りのパフォーマンスであり、パサートヴァリアントというクルマの性格を考えたら、それにに似つかわしくないような走りである。
たいくつなハイブリッド車ではなく、スポーティな走りのパフォーマンスも備えた環境性能車であることがパサートGTEヴァリアントの特徴で、ヴァリアントではさらにステーションワゴンとしての使い勝手が加わる。
パサートGTEヴァリアントは、フォルクスワーゲンのフラッグシップモデルとも言うべき存在であり、充実した安全装備を備えるのも大きな特徴である。歩行者検知機能付きのプリクラッシュブレーキ、全車速追従式のアダプティブ・クルーズコントロール、レーンキープアシスト、レーンチェンジアシスト、渋滞とき追従支援システム、リヤトラフィックアラートなど、最新の仕様が満載されている。
これらの予防安全装備だけでなく、衝突安全に対応したボディや装備、さらに二次衝突を防止するポストコリジョンブレーキシステムに至るまで、さまざまな装備や仕様が標準だ。
そのためもあってパサートGTEヴァリアントの価格はかなり高めだ。標準車でも539万9000円、上級グレードのアドパンスは599万9000円である。標準車はハイラインに比べるとざっと100万円ほど高いから、燃費と電費の差で取り戻せる金額ではない。
Eモード、ハイブリッドモード、GTEモードという3種類の走りを持ち、環境性能とパフォーマンスを合わせ持つと同時にワゴンの使い勝手の良さも兼ね備えることに魅力を感じるユーザーが選ぶクルマである。
- レビュー対象車
- 試乗
参考になった11人(再レビュー後:11人)
2016年7月28日 00:53 [948410-1]
| 満足度 | 4 |
|---|
| エクステリア | 4 |
|---|---|
| インテリア | 4 |
| エンジン性能 | 5 |
| 走行性能 | 4 |
| 乗り心地 | 4 |
| 燃費 | 4 |
| 価格 | 2 |
※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。
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|---|---|---|
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パサートのPHEVはセダンだけでなく、ワゴンボディのパサートGTEヴァリアントの設定もある。パサートGTEヴァリアントには、フォルクスワーゲングループジャパンが袖ヶ浦フォレストレースウェイをベースに開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、用意された広報車両に試乗した。なお、セダンのパサートGTEにも試乗していて、別に書いているので、そちらも参照して欲しい。
パサートはゴルフから採用が始まったMQBと呼ぶ独自の開発手法に基づいてクルマ作りが進められ、EVやPHEVなどもラインナップすることを前提にした基本プラットホームを採用する。そのためパサートGTEヴァリアントはリチウムイオン電池をシート床下にうまく収納できている。
これによってラゲッジスペースに悪影響を与えることなく、PHEVを成立させている。これが良いところだ。写真を見ても分かるように、ガソリン車と変わらないラゲッジスペースによって、ステーションワゴンらしい使い勝手を実現している。
セダンと同様、外観デザインは標準車とほとんど変わらない。フロントグリルにブルーのアクセントラインが採用され、バンパーにコの字型のLEDランプが組み込まれていることなどがわずかな相違点だ。フロントグリルとテールゲートに装着されたGTEエンブレムを見ないとPHEVであることが分からないかも知れない。
内装は上級グレードのアドバンスに12.3インチのTFT液晶によるフルデジタルのメーターパネルが採用される。Eモードやハイブリッドモード、GTEモードなど、走行モードによってタコメーターの部分の表示が変わるほか、パネルの中央にカーナビの画面を呼び出すこともできる。それ以外の部分ではガソリン車との違いはわずかである。
パサートGTEヴァリアントの基本メカニズムはゴルフGTEと共通である。1.4LのTSIエンジンに電気モーターを組み合わせ、6速DSGのトランスミッションで走るというものだ。ただ、単純にゴルフのシステムを移植しただけではなく、パサートGTE専用のチューニングがなされていて、動力性能はゴルフGTEを上回っている。上級車であるパサートには、ゴルフを上回る仕様が与えられているわけだ。当然ながら、システムとして発生できる動力性能もパサートGTEヴァリアントがゴルフGTEを上回っている。
走行モードは、電気モーターだけで走るEモードが基本だ。電池の残量があるうちは電気だけで走ってガソリンを消費しないような設定になっている。なので、運転席に乗り込んでシステムを立ち上げても、室内は静かなままだ。穏やかなアクセルワークで走れば、50kmほどの距離をエンジンを使わず電気モーターだけで走れる。毎日の通勤だけなら、ほとんどガソリンを使わないのではないか。
長距離を走るときなどは、実際にはEモードよりもハイブリッドモードのほうを多く使うかも知れない。電池の残量が少なくなるか、強めにアクセルペダルを踏み込むかすると、エンジンが始動してハイブリッドモードに切り替わる。エンジンがかかっても騒音やショックなどはほとんど感じられないから、静かで滑らかな走りが継続される。
ハイブリッドモードやGTEモードでは、走行条件に応じてメーターパネルにタコメーターが表示されるが、走行中にエンジンが稼働しているか停止しているかは、タコメーターの表示を見ていないと分からないくらいだ。
ハイブリッドモードにはバッテリーへの充電を優先させるチャージモードも含まれていて、郊外の自然環境の中に出かけるときなど、出かけた先で環境に配慮したEV走行をしたいなら、郊外に至るるでの間にチャージモードを使って電池を残した状態にしておくと良い。
パサートGTEヴァリアントの特徴はGTEモードだ。センターコンソールに設けられたGTEスイッチを押すと、スポーティな走りのGTEモードに切り替わる。エンジンとモーターの性能をフルに引き出して走るほか、エンジンのレスポンス、6速DSGの変速スケジュール、サスペンションの減衰力などがいずれもスポーツ志向に切り換えられ、走りのフィールが一変するのだ。
パサートGTEヴァリアントは車両重量が重い。電池やモーターの搭載によってガソリン車に対して260kgも重くなっているのだ。でもGTEモードでの走りはその重量増を全く感じさせない力強いものだ。圧倒的な走りのパフォーマンスであり、パサートヴァリアントというクルマの性格を考えたら、それにに似つかわしくないような走りである。
たいくつなハイブリッド車ではなく、スポーティな走りのパフォーマンスも備えた環境性能車であることがパサートGTEヴァリアントの特徴で、ヴァリアントではさらにステーションワゴンとしての使い勝手が加わる。
パサートGTEヴァリアントは、フォルクスワーゲンのフラッグシップモデルとも言うべき存在であり、充実した安全装備を備えるのも大きな特徴である。歩行者検知機能付きのプリクラッシュブレーキ、全車速追従式のアダプティブ・クルーズコントロール、レーンキープアシスト、レーンチェンジアシスト、渋滞とき追従支援システム、リヤトラフィックアラートなど、最新の仕様が満載されている。
これらの予防安全装備だけでなく、衝突安全に対応したボディや装備、さらに二次衝突を防止するポストコリジョンブレーキシステムに至るまで、さまざまな装備や仕様が標準だ。
そのためもあってパサートGTEヴァリアントの価格はかなり高めだ。標準車でも539万9000円、上級グレードのアドパンスは599万9000円である。標準車はハイラインに比べるとざっと100万円ほど高いから、燃費と電費の差で取り戻せる金額ではない。
Eモード、ハイブリッドモード、GTEモードという3種類の走りを持ち、環境性能とパフォーマンスを合わせ持つクルマに魅力を感じるユーザーが選ぶクルマである。
- レビュー対象車
- 試乗
参考になった0人
「パサート GTE ヴァリアント 2016年モデル」の新着レビュー
| レビュータイトル | 満足度 | 投稿日時 |
|---|---|---|
| 2017年5月6日 17:50 | ||
| 2016年12月25日 17:33 | ||
| 2016年7月31日 02:02 | ||
| 2016年7月28日 01:08 |
パサートGTEヴァリアントの中古車 (6物件)
-
- 支払総額
- 158.0万円
- 車両価格
- 148.0万円
- 諸費用
- 10.0万円
- 年式
- 2017年
- 走行距離
- 10.5万km
-
- 支払総額
- 368.3万円
- 車両価格
- 348.0万円
- 諸費用
- 20.3万円
- 年式
- 2022年
- 走行距離
- 1.5万km
-
- 支払総額
- 210.0万円
- 車両価格
- 195.8万円
- 諸費用
- 14.2万円
- 年式
- 2016年
- 走行距離
- 7.5万km
-
- 支払総額
- 182.0万円
- 車両価格
- 170.0万円
- 諸費用
- 12.0万円
- 年式
- 2016年
- 走行距離
- 4.8万km
-
- 支払総額
- 408.0万円
- 車両価格
- 397.0万円
- 諸費用
- 11.0万円
- 年式
- 2022年
- 走行距離
- 1.0万km
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