『最高の営業車です』 レクサス HS 2009年モデル ブドワールさんのレビュー・評価

都内でお客さんも乗せるので、Dセグメント程度の大きさのFF、さらに車高が高くて乗り降りしやすい、そしてなるべく高級感のある車がほしかったです。もともと数十万km乗る予定なので、その領域での耐久性を考えると、メーカーはトヨタ以外あり得ません。また、それくらいの距離を乗る予定なので燃費もすごく気にします。HSは理想的な車です。

エスクテリア
HSの前期と後期を見比べて、圧倒的に前期が好みでした。もともと車のデザインに精悍な〜とかキレのある〜とかは求めていません。最近のトヨタ車のデザインは好みではなくて、おっとりとした上品なカッコよさがあるのはこの頃までだなあと感じます。カラーはクォーツホワイトですが、すごく個性的な白で気に入っています。

インテリア
普通のトヨタ車の内装が地味すぎるだけなんですが、HSはやっとまともにおしゃれをした内装の車です。たぶん洋服で少しおしゃれをする人は同じ感覚だと思いますが、すごくおしゃれな人にはこれでもまだ足りないはずです。購入前はプリウスの新車も少し検討したのですが、本革のカラーが黒しかなかったし、革の質感もセミアニリンのHSのほうが柔らかくてずっと素敵です。

乗り心地
2011年の改良前なので、乗り心地が悪いという口コミは見ていましたが、前に乗っていたのが初代マークX（＝地獄の超硬サスペンション！笑）だったので、満足はしています。ガチガチでもふにゃふにゃでもない、固くて大きいグミに乗って段差をバインバイン乗り越えていくような感覚です。ただ首都高のいくつかの繋ぎ目など、厳しい時もあります。ある程度乗ったら、口コミで見たように現行HSの足回りに変更します。


他に気になったこと

☆今までいろんな車種を乗ってきましたが、高級車と言われるブランドの車に乗るのは初めてで、静粛性にはとても満足しています。静粛性が高いと、普通に走っている時も、段差を乗り越える時も、いちいちすごく品の良い感じがするのを知りました。

☆車高が高いので高速走行時などのロールを心配していたのですが、よく分からないけどすごく抑えられていて、車高の低いマークXよりも同じ速度なら安心感のあるコーナーリングです。

☆ヘッドアップディスプレイで常に速度をチェックしていますが、絶対にスピード違反をしたくないので本当に助かります。自分は座高が高いのにシートに深く座るので、走行中に何度も何度もメーター類を確認するのは疲れるし危なかったです。後付けのHUDも検討しましたが、純正が性能的にもデザイン的にも一番優れているようです。

☆クルーズコントロールも以前の車には付いていなかったので、その便利さに感激！車間も調整してくれるモードだと、カーブ時に隣の車線の車にも反応してブレーキがかかってしまうので、毎回ブレーキ制御をしないモードに一手間かかるのは面倒です。でも高速道路では人間以上に完璧に一定速度で走ってくれるので、まず乗り心地が良いですし違反の心配もありません。運転もハンドル操作に集中できるので、とっても楽で疲れません。

☆オートエアコンが外気温に左右されるようで、冬場に山手トンネルなどに入り外気温が２℃→18℃などになると、設定温度が25℃でも何故か冷風が出てくるので、寒いからいちいちエアコンを切ったりします。これはなんとかしてほしい。

☆LEDヘッドライトは思っていたよりも明るくて、前の車で使っていた35WのAftermarketHIDよりもずっと視界良好です。LEDなので点灯してすぐに明るいですし、見た目もきれいです。ただカットラインの端に、赤や緑や青の縁取り（ちょうど倍率色収差のような）が出るのが気になります。ヘッドライトのリフレクターやレンズにも色収差等の概念があるのか分かりませんが、本来ないはずの色が現れるのは運転の集中力が削がれます。良い設計のレンズに交換できるならしたいです。

☆燃費は16km/L台後半が安定して出ています。前の車がハイオクで9km/L前後で安定していなかったので、燃料費は半額に近くなって助かっています。この車ならしっかり貯金もできそう！

☆バックカメラは以前使っていたパナソニックのCY-RC90KDがとても良かったので、純正はイマイチに感じています。必要十分ではあるのですが、そのうちもっと良いものが出たらそれに交換します。

☆燃料タンクあと10Lくらいあると良かったです。プリウスで一度の補給で1000km以上走れるのを知ってしまうと、HSで700km〜750kmくらいでスタンドに寄っているのが手間に感じます。

☆中古車サイトで、ある程度の条件を設定してメール通知をもらえるのが便利でした。外装色と内装色は自分の中で二種類くらいに幅を持たせましたが、絶対にサイドバイザーなしが良いとか、走行距離が少ないのが良いとか、他にもいくつも条件がありました。通知が来たら、条件設定のできない細かい部分をチェックして、あとは金額がOKなら即電話という形で決まりました。


今回は初めて自分の車を選んで購入するという経験をしました。入念な下調べをしていて思ったのは、家電などで下調べをするときに比べて、ネット記事や一般の口コミの質が低いという事でした。合理的で論理的な意見は少なく、観念的なものが多いと感じました。プロのライターが書いている文章なのに、誤字が多くて読みにくい事さえ多いです。
そんな状況の中で、トヨタは良い車を作ってくれました。今はデザインや車種に偏りを感じるけど、これからも無茶苦茶な理論の意見などには惑わされずに、実際の消費者の声に耳を傾けて、トヨタが良いと思うものを作ってほしいです。

残念ながらHSは終了方向のようですが、日本の道路状況と高齢化を考えると、Dセグメントで車高の高いFFセダンを残してほしかったです。次はFCVで、一度の補給で余裕で1000km走れるような車が良いです。そんなHS後継機が出るまで、100万kmを目指して大事に乗ります。