日産 ティアナ 2008年モデルレビュー・評価

モダンインテリアを特徴とする日産のティアナは、2008年に現行の2代目モデルがデビューした。すでに中国では新型車がデビューしていて、日本でも2013年中には3代目モデルが登場すると言われている。

ティアナには日産が報道関係者向けに用意している広報車両を個別に借り出して試乗した。今回の試乗グレードは250XVだが、2008年にデビューした当初にいろいろなモデルに試乗したときの印象も交えながらレポートしたい。

外観デザインはいかにも保守的なセダンという印象。オーソドックスであることが良いとの考えなのだろうが、あまりにも面白みに欠けたデザインに思える。

インテリアは全体にすっきりした印象の中に質感の高さを感じさせる仕上がりだ。現行モデルがデビューしてから5年近く経過しているのに、取り立てて古さを感じさせるような部分はない。試乗車にはオプションで本革シートが装着されていたので、余計に質感の高さが感じられたのだと思う。

大きめのボディを持つFFの上級セダンなので、後席の居住空間は広々としている。余裕で足を組めるというか、殺風景なくらいの広さである。

搭載エンジンはV型6気筒の2.5L。4WD車のエンジンは直列4気筒だが、FF車はV型6気筒である。またFF車にはV型6気筒の3.5Lエンジンも搭載されている。でもこれは覆面パトカーが例外的に採用している程度。普通のユーザーは多くが2.5L車を選んでいる。

2.5Lと3.5Lでは動力性能に明確な違いがあるものの、2.5Lエンジンが発生する135kW/232N・mのパワー＆トルクは必要にして十分なもの。3.5Lエンジンの動力性能はむしろ過剰といえるレベルである。

このクラスの上級セダンはスポーティな方向に行くのもひとつの考えだが、実用性を重視するセダンとして考えるなら、2.5Lエンジン＋CVTの滑らかな走りのほうが適している。

時速100kmでクルージングすると、エンジンの回転数は1700回転ほど。静かで燃費の良い走りが可能である。このときに瞬間燃費計を見ていると、路面がフラットなところでは20km/Lを超える燃費を示していた。

デビューした当初に乗ったとき、乗り心地がとても良くなったと感じたのを覚えている。現行の2代目モデルではリヤサスの形式が変更され、それが乗り心地の向上につながっていた。今の時点で改めて乗ると、ほかの車種も全体に乗り心地が良くなっているので、ティアナがとても良いというほどではないが、十分に快適な乗り心地である。

価格はそれなりに高いといった感じ。XVは上級グレードなので2.5L車でも本体価格は344.4万円になる。試乗車には本革シートやBOSEのサウンドシステムなどが装備されていたので、トータルすると400万円近い価格になる。しかもエコカー減税の対象外なのでますます厳しい。

そう遠くない時期にフルモデルチェンジが予定されているだけに、販売条件は大幅に緩んでいるだろうが、損得勘定をしっかり判断した上で買いたい。