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『ロードスターをベースに専用エンジンと足回りでスポーツ性を向上』 フィアット アバルト 124 スパイダー 2016年モデル 松下宏さんのレビュー・評価
アバルト 124 スパイダーの新車
新車価格: 406〜437 万円 2016年10月8日発売〜2020年12月販売終了
自動車(本体) > フィアット > アバルト 124 スパイダー 2016年モデル > ベースグレード (MT)
プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む
2016年10月16日 18:09 [968878-1]
| 満足度 | 4 |
|---|
| エクステリア | 4 |
|---|---|
| インテリア | 4 |
| エンジン性能 | 4 |
| 走行性能 | 4 |
| 乗り心地 | 3 |
| 燃費 | 3 |
| 価格 | 4 |
※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。
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|---|---|---|
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アバルト124スパイダーはマツダのロードスターをベースにしたマツダ製のアバルトブランド車だ。国産の外国ブランド車という変わった位置付けのクルマである。
基本プラットホームはロードスターのものだが、内外装にアバルト専用のデザインを施されるほか、搭載エンジンもフィアットのツインエアターボで、ステアリングやサスペンションなどのチューニングもアバルト専用のものとされている。
当初はアルファロメオブランドで発売されることになっていたが、フィアット124スパイダーとしてOEM供給されることになり、さらにアバルトの専用チューンを施したモデルが設定されることになった。日本ではアバルトモデルだけが販売され、フィアットモデルは販売されない。
アバルト124スパイダーには、FCAジャパンから広報車を借り出し、東京から長野市まで高速道路を中心に長距離を試乗したほか、その途中で国道18号の碓井バイパスを走るなど、いろいろな走りを試してみた。
外観デザインはボディの前後を中心にロードスターとは明確な違いが設けられている。フロント回りはヘッドランプのデザインが異なるほか、ハニカム形状をしたフロントグリルが上部二分割タイプとされ、ブレーキに風を取り込むエアインテークの開口部も大きい。
リヤもテールランプが専用のものとなるほか、トランクリッド、4本出しのエギゾーストパイプ、ナンバープレートの取り付け位置など、いろいろな要素が異なっている。
それ以上に大きなデザイン上の特徴は、アバルトのサソリのマークが髄所に配置されていることだ。ボンネットフード、トランクリッド、左右のフェンダー、4本のホイールの中央という具合で、インテリアもステアリングホイールの中央、センターコンソールのリッド、左右のフロアマット、さらに車検証入れにもサソリのマークが配置されている。合計13個ものサソリマークはちょっとやりすぎの感もある。
試乗車のインテリアは、よりホールド性に優れた赤/黒ツートンのレカロ製本革シートがオプション装着されていた。シートバックにアバルトの文字を配したシートだ。ここはサソリマークではない。スピードメーターの文字盤が赤いのもアバルトならではだ。
なお、アバルト124スパイダーはマツダ製ということもあり、外国ブランド車なのに右ウインカーの設定になっている。このほうが操作しやすいので大歓迎だが、ある意味で“外車らしさ”に欠ける結果になるのも確かである。
搭載エンジンは1.4Lの16バルブマルチエア・インタークーラー付きターボで、125kW/250N・mの動力性能を発生する。マツダのロードスターが1.5Lエンジンを搭載し、動力性能が96kW/150N・mにとどまることを考えると、走りのフィールには明確な違いがある。
車両重量はロードスターよりもアバルト124スパイダーのほうがざっと100kgくらい重いのだが、重量増以上に動力性能の向上幅が大きいから、走りのフィールはよりスポーティなものになる。
1.5Lエンジンを搭載するロードスターは、エンジンを使い切ることができるという魅力があるのだが、動力性能の余裕は大きいほど良いという面もあるので、アバルト124スパイダーの性能はそれなりに歓迎できる。
エンジンは最近のダウンサイジング直噴ターボのように低速域から滑らかにトルクを発生するのとは違って、わずかにラグを感じさせた後で加速がついてくる感じだ。やや古典的ともいえるようなターボ感覚だ。昔の懐かしいターボ車を思い出させるところがあった。
その割に全体的なエンジンフィールはジェントルな印象を与えるものだった。アバルトなのだから、もっとも荒々しい走りでも良いように思うが、意外に良くしつけられたエンジンフィールだったのには逆に驚かされた。6速MTのトランスミッションもスムーズで、手首を返すような小さな操作ですぽすぽと入る。マニュアル操作が楽しいと思わせる部分だ。
スポーツモードを選ぶとアクセルワークに対するレスポンスが良くなり、グンと元気の良い走りが得られるので、よりアバルトらしい走りのフィールが得られる。
足回りやステアリング、ブレーキなど、シャシー系についてもアバルト124スパイダーならではの仕様が設定されている。
ビルシュタイン製のダンパーはロードスターRS用のビルシュタインとは仕様が異なるとみえて、コーナーでしっかり粘る感じに好感が持てた。ニュートラルで座りの良いステアリングフィールと合わせ、碓井バイパスでの走りでは、とても気持ち良くコーナーを駆け抜けていくことができた。
コーナーでの走りが、一定のロールを見せながらも安定しているのは、しっかりしたストラットタワーバーが装着されていることも大きいだろう。
ブレンボ製のブレーキは効き味、踏み応えとも上々で、これもロードスターとは異なるアバルト124スパイダーならではの部分である。
アバルト124スパイダーの価格は6速MT車が390万円弱、6速AT車は400万円弱の設定だ。AT車がぎりぎりで400万円を切っている。これに対してロードスターRSの価格は6速MT車が320万円弱の設定だから、アバルト124スパイダーがざっと70万円高い。
ロードスターRSはレカロのシートが標準装備され、アバルト124スパイダーはオプション設定であるなど、それぞれに装備や仕様が出入りする部分はあるが、主にエンジンの違いと足回りの仕様の違いによる価格差としては、まずまず納得モノといえるのではないか。ブランド代やリセールバリューなどを考えたら、ロードスターRSよりも有利といえるのかも知れない。
日本ではアバルトブランド車の人気が非常に高く、イタリア本国に次ぐ売れ行きというから、このアバルト124スパイダーもけっこう良く売れる思う。
- レビュー対象車
- 試乗
参考になった19人
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