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一部ベンチでFable 5超え、2.8兆パラメータの「Kimi K3」正式発表
2026年7月17日 01:25
事前告知なしに突如利用可能となっていたMoonshot AIの次世代AIモデル「Kimi K3」が、公式ブログで正式発表された。総パラメータ数2.8兆、最大100万トークンのコンテキストと画像・動画の入力に対応する、同社によれば世界初のオープンな3兆パラメータ級モデルだ。コーディングのProgram Benchや長期タスクのSWE Marathon、WebブラウジングのBrowseCompでは、最前線のClaude Fable 5とGPT-5.6 Solの両者を上回るスコアを記録した。モデルの重みは7月27日までに完全公開される。
Moonshot AIは、総合性能ではClaude Fable 5とGPT-5.6 Solには及ばないと率直に認めつつ、それ以外のテスト対象モデルを一貫して上回るフロンティア級だったと総括している。個別に見ると、Program Benchで77.8%(Fable 5は76.8%、GPT-5.6 Solは77.6%)、SWE Marathonで42.0%(同35.0%、39.0%)、BrowseCompで91.2%(同88.0%、90.4%)といずれも首位。Terminal Bench 2.1でも首位のGPT-5.6 Solに0.5ポイント差まで迫った。
もっとも、死角がないわけではない。難問ベンチマークのHLE-Fullでは43.5%とFable 5の53.3%に約10ポイントの差があり、ユーザー体験の開きも同社自身が制約事項として挙げている。それでも、比較に含まれるオープンモデルはGLM-5.2のみで、スコアが掲載された項目すべてでKimi K3が上回った。オープンモデルとしては、規模・性能ともに頭一つ抜けた存在といっていい。
これを支えるのが新アーキテクチャだ。「Kimi Delta Attention(KDA)」と「Attention Residuals」という2つの新機構を採用し、MoE(Mixture-of-Experts)のスパース性を高めて896のエキスパートのうち実効的に16をアクティブ化する。Kimi K2と比べてスケーリング効率は約2.5倍だという。
視覚とコーディングの融合も特徴だ。生成したコードの実行画面をスクリーンショットで自ら確認しては直すというループを回せるため、ゲーム開発やフロントエンド、CADに強いとしている。長時間の自律作業も強みで、GPUカーネル最適化の社内検証では、最大24時間の自律作業でFable 5(一部処理を別モデルで代替した条件)と互角の成績を収め、Claude Opus 4.8やGPT-5.6 Sol、GPT-5.5を大幅に上回った。
利用手段はkimi.comのほか、デスクトップアプリ「Kimi Work」、コーディングエージェント「Kimi Code」、Kimi API。kimi.comのモデル選択欄には「K3 Max」と、大規模な検索やバッチ処理を一括で行なう「K3 Swarm Max」が追加された。コンテキストはAllegretto以上のプランで最大100万トークン、Moderatoプランでは256Kまで。APIの料金は入力100万トークンあたり0.30ドル~3ドル、出力100万トークンあたり15ドル。推論の強度は現時点で「max」のみに対応する。
残る焦点は重みの公開条件だ。公式ブログはライセンスがどうなるかまでは明らかにしていない。「Kimi K2.6」や「Kimi K2.7 Code」はModified MITライセンスのもとで重みが公開されてきただけに、Kimi K3の扱いが注目される。アーキテクチャや学習の詳細も、後日公開予定の技術レポートを待つ必要がある。























