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エアコン2027年問題、今すぐ買い替えたほうがいいの? 家電識者に聞いた
2026年7月31日 08:04
2027年の省エネ基準引き上げ、いわゆる「エアコンの2027年問題」が話題となっている。2027年4月にエアコンの省エネ基準が引き上げられることから、省エネ基準を満たさない安価なモデルが手に入らなくなるのではないかと、不安にかられた人もいるだろう。
「今のうちに買わないと損をする」といった声も聞こえるが、本当にそうなのか。家電ライターの藤山哲人さんへの取材をもとに、現在のエアコン市場の実態と、覚えておきたいエアコンの選び方を解説する。
煽りには乗らない。壊れていなければ買い替えなくても大丈夫
現在、メディアや一部の量販店で「2027年度の省エネ基準引き上げによってエアコンが3割高くなる」「安いモデルがなくなる」といわれるケースもある。しかし、藤山さんは「煽っている言葉を気にすることはありません。壊れていないなら慌てて買う必要はないです」と断言する。
一部のメディアでは「6のエアコンが20になる」といった報道も見られたが、最廉価モデルと最高峰モデルを比較した極端な例を挙げている場合もある。実際には、省エネ基準100%に満たない製品でも、消費者の買ったものが使用禁止になるようなペナルティはないため、特に海外メーカーなどの安価なモデルが市場から完全に消滅するわけではないという。
一般社団法人 日本電機工業会(JEMA)の統計によると、直近の6月時点のエアコン国内出荷実績は、前年比約119%で10カ月連続の増加になっている。これは2027年度問題を受けた駆け込み需要だけでなく、国や自治体の補助金や、昨今の猛暑対策など様々な要素がからんでいる。
昨今のインフレなどもあり、結果として型落ちモデルでも価格が高騰するなど、市場は異常な状態になっている場合もあるが、もし壊れていないなら、いま慌てて買うメリットは少ない。
では、「そろそろ買い替えたい」と思っている人たちは、いつ買い替えるべきなのか。藤山さんは、基本はシーズン前に試運転を行ない、冷房や暖房が効かないなど、本当に壊れている場合のみ買い替えるべきだと語る。そして、夏のシーズン前を逃した人が次に狙うべきタイミングは「10月〜11月頃」とする。
「この時期になれば、新モデルの発表やスタンダードモデルの2027年の省エネ基準への対応が進み、価格が安定してくると思われます」(藤山さん)
また、ピーク時は土日指定の工事が3カ月待ちになることもあるが、秋になれば工事の予約も取りやすくなるというメリットもある。現在はエアコン全体が割高なケースもあるため、必要があれば秋に買い替えるのも一つの方法といえそうだ。
「12畳以下」「14畳以上」それぞれのおすすめは?
エアコンを選ぶ際、藤山さんが提案するのは対応畳数によってメーカーを使い分ける方法だ。「具体的には12畳以下と14畳以上で分けて考えると分かりやすい」(藤山さん)という。
例えば12畳以下のエアコンでは、中国メーカー製品にコストパフォーマンスがいいものが多い。一方で、14畳以上の広い空間を効率よく空調するには、高いパワーが求められる。この領域では、パワー半導体をはじめ、モーターやコンプレッサーを自社で開発していることも少なくない日本メーカーが強みを発揮するという。
12畳以下(寝室や子供部屋など)
「12畳以下であれば、中国メーカー、特に『ハイセンス』がおすすめです」(藤山さん)
ハイセンスがおすすめな理由は、価格が安いのはもちろん、REGZAブランドを含めたテレビ事業などで培った国内のサポート体制が充実しているため。また、藤山さんが同社の工場を見学した際に、日本向けの生産ラインは熟練工が担当しており、品質面でも信頼できると感じたからだそうだ。
具体的にはハイセンスの「Sシリーズ(2026年モデル)」が挙げられる。適用畳数が6畳/14畳の2モデルがラインナップし、製品リリース時の市場想定価格は80,000/130,000前後。室内機と室外機の両方に「どっちも解凍洗浄」というフィルター自動掃除機能を備えている。
14畳以上(リビングなど)
「14畳以上の大型モデルは、国内メーカーがおすすめ。一例として、三菱電機の霧ヶ峰は、省エネ性能が優れていることで知られています。これには、自社で半導体や主要部品を製造するという強みもあります。さらに、エアコン本体をすべて国内(静岡県)の工場で生産している点も大きな安心材料です」(藤山さん)
各ブランドの中でも、それぞれ何種類ものモデルをラインナップしている。藤山さん曰く、高価な最高級モデルでなくとも、国内メーカーの製品は信頼に値するので、(予算などに合わせて)どれを買っても良いという。
「ただし、個人的には最高級モデルに搭載されている機能の全てが必要だとは思いません」(藤山さん)
それでは必須の機能は?
「14畳以上のモデルに限りませんが、フィルター自動掃除機能を搭載するモデルを選びたいですね。本来、エアコンのフィルターは1〜2週間に1回程度の掃除が推奨されていますが、これを自分で行なうのは非常に面倒。自動掃除機能(ワイパーのような方式でホコリを取る機能)があれば、半年や1年に1回、ダストボックスに溜まったホコリを捨てるだけで済みます。結論としては、多くの人はフィルター自動掃除機能を搭載したスタンダードモデルで十分だろうと思います」(藤山さん)
これらの条件にあうモデルが、霧ヶ峰であれば「Rシリーズ」、パナソニックの「エオリア EXシリーズ」や「エオリア GXシリーズ」、日立の「白くまくん Wシリーズ」が挙げられる。
仕様表はココを見るべし!
実際に購入する際、仕様表で確認すべきポイントも押さえておきたい。
まず見るべきは「対応畳数」だ。冷房と暖房では対応畳数が異なり、暖房のほうが狭く設定されている。暖房メインで使う部屋なら、もちろん暖房の畳数に合わせて選ぶ必要がある。
また省エネ達成率のパーセンテージよりも「年間電気代」の目安金額を見るほうが、ランニングコストを具体的にイメージしやすい。機能面では、先述した通り「フィルター自動掃除機能」はおすすめだという。
エアコンはメーカー数も、それぞれがラインナップするシリーズやモデル数も多い。ここまで紹介した選び方を参考に、賢い買い物をしてほしい。





