石野純也の「スマホとお金」
iPhone値上げは1ドル160換算の安対応、秋の新モデルは今よりさらに高くなる?
2026年7月23日 00:00
アップルは18日、突如、iPhoneシリーズを一斉に値上げしました。MacやiPadがメモリ高騰による値上げを実施したあとだったため、同様の理由との分析もありましたが、よくよく内外の価格を見ると、今回、価格が改定されたのは日本のみであることが分かります。断定はできないものの、急激に進んだ安の為替相場を反映するための価格改定と考えて間違いないでしょう。
実際、アップルは過去にも為替相場に合わせた価格の改定を行っており、今回の値上げもその一環だと思われます。次期モデルではメモリ価格も含んだ改定になる可能性があり、二段階値上げにも警戒しておいた方がいいかもしれません。その詳細を解説します。
値上げ幅は8000~2万5000、上位モデルはより高くなる“安値上げ”
iPhoneの値上げは、8000から2万5000の範囲で行われています。傾向としては、もともと安価な機種ほど値上げ幅を抑えているのに対し、高機能モデルでかつ高容量なモデルは値上げ幅が大きくなっています。
たとえば、廉価モデルと言われるiPhone 17eの256GB版は、もともと9万9800だったのに対し、値上げ後は10万7800に。10の“大台”を突破してしまったことで話題を集めましたが、値上げ幅は8000にとどまっています。これに対し、iPhone 17 Pro Maxの2TB版は32万9800から35万4800へと、2万5000の値上げが実施されています。
最高額かつ最大容量のiPhone 17 Pro Maxをピックアップすれば約35になったということができますが、廉価モデルに関しては、そこまで大きな値上げになっていないことには注意が必要です。その中間にあたる標準モデルのiPhone 17は、256GB版が12万9800から14万2800になり、値上げ幅は1万3000です。
いずれも建ての価格で値上げになっているのは事実ですが、その上げ幅は機種によって異なっています。ここには、大元であるドル建ての価格が影響していると見られます。
iPhone 17 Proの256GB版は、米国での価格が1099ドルに設定されています。これに対し、日本での旧価格は17万9800。米国では税抜き、日本では税込み表記のため、税抜きで基準を合わせて計算すると、1ドルあたり、約148.7(小数点第二位を四捨五入)に設定されていることが分かります。
1ドル160前後が一般的になった今の為替相場と比べると、かなり良心的でした。これに対し、日本での新価格は、これは19万4800になり、1万5000の値上げが実施されています。米国での価格は1099ドルのままなので、1ドルあたり約161.1にレートが上がっています。
廉価モデルも1ドル160前後に、iPhone 17eもレートがそろう
一方、iPhone 17シリーズでもっとも安かったiPhone 17eの256版は、米国だと599ドルで販売されています。この日本での価格が、9万9800でした。1ドルあたり、約151.5。新価格は10万7800で、1ドルあたりの価格が約163.6まで上がっていることが分かります。安価な機種ということもあり、為替の差を吸収できるバッファーが少なかった可能性もあります。
いわゆる標準モデルのiPhone 17も同様です。こちらは、米国での価格が799ドルに設定されています。日本での旧価格は12万9800。1ドルあたり、147.7の為替になっていました。値上げ後のiPhone 17 Proと同レベルだったと言えるでしょう。新価格は14万2800で、これが1ドル約162.5に上がっています。
また、iPhone Airは256GB版が15万9800から17万7800になっており、1ドルが、145.4から161.8まで上がっています。このように見ていくと、iPhone 17シリーズは、いずれも1ドル160超に為替を設定しつつも、モデルごとにやや差もあります。iPhone 17 ProやiPhone Airより、ややiPhone 17eが高めになっている傾向が見て取れます。
iPhone 17eの値上げ幅が8000と小さくなっているのは、もともとの為替レートが安をある程度加味していたためです。これは、発売時期の影響もあります。iPhone 17eを除くiPhone 17シリーズとiPhone Airは、2025年9月発売のモデル。これに対し、iPhone 17eは3月に発売されており、iPhone 17シリーズの時よりも安が進んでいました。
ドルでの価格に対して安めに設定されていたのが長く続いたiPhone 17シリーズですが、このタイミングで一気に価格を合わせてきたというわけです。iPhoneの新製品は、例年9月に発売されますが、その前に為替相場を織り込んだ値上げを実施することで、新製品登場後の値上げ感を緩和する狙いがあることもうかがえます。為替が急激に変動しない限り、おそらく次のiPhoneも1ドル160前後のレートが適用されるはずです。
新モデルはメモリやストレージの価格も反映か、二段階値上げも
ここまで述べてきたように、今回はドル建ての価格がそのまま。つまり、日本市場に特化した価格改定ということになります。グローバルで展開するアップルの場合、部材費などの高騰による値上げは、全世界で一斉適用されるのが通例。6月に実施されたiPhoneやApple Watch以外の値上げも、ドルでの価格が上がり、それに伴ってでの価格も上昇した格好です。
この点を踏まえると、今回は、メモリーやストレージの価格高騰に起因する市場全体の値上げとは少々位置づけが異なっていると言えます。ただ、アップルもiPadやMacを値上げしたことから分かるように、メモリやストレージの調達には苦戦しており、iPhoneの価格がそのままだと利益率が低下してしまうリスクを抱えています。
すでに調達した部材を使える現行モデルは据え置きだったとしても、例年9月ごろに登場する次期モデルでは、価格を上げてくる可能性が大きいと言えるでしょう。その時の為替レートは、今回の値上げで適用された1ドル、160前後になることが想定されます。 日本市場にとって、iPhoneは2段階値上げになってしまう可能性がある というわけです。
先のiPadやMacの値上げでは、廉価モデルがおおむね100ドル程度、iPad Proのような上位モデルで200ドル程度の値上げになっていました。あくまで予想ではありますが、メモリやストレージの構成が近いProモデルのiPhoneは、iPadに近い価格設定になることが予想されます。
仮に次期ProモデルのiPhoneが200ドルアップの1299ドルからとなり、今回、iPhone 17 Proに適用された1ドル約161の為替レートが採用されたとすると、日本での価格は税込みで約23になります。Androidの一部ハイエンドモデルはこのぐらいの価格水準になっていることもあり、あながち非現実的な予想ではないと言えるかもしれません。
残念ながら価格は上がってしまいましたが、二段階目の値上げが実施される可能性もあるため、iPhoneの購入したい人は、早めに入手しておいた方がいいかもしれません。新モデルが登場すると、性能の近い1年前のモデルが一部終売になるケースもあります。価格上昇の局面を迎えた今、ほしいスマホは早めに買っておくが鉄則になりつつあると言えそうです。








