東京電力エナジーパートナーの100%子会社である日本ファシリティ・ソリューション(JFS)はクラウドを活用した全社データ活用基盤を「Dr.Sum」と「MotionBoard」で構築した。製品を提供するウイングアーク1stが2月13日に発表した。
「効果保証付き省エネルギーサービス(ESCO)」のほかにエネルギーマネジメントやエネルギーサービスなどの事業を展開しているJFSは2000年12月に設立。従業員数は約260人。
同社は2023年に全社データ活用構想を策定。長期保管されたデータを活用した設備の予知保全をはじめとするサービス領域はもちろん、業務最適化などのバックオフィス領域、経営の意思決定領域まで、得られたデータを企業活動全体に生かそうとし、データドリブン経営の実現を目指していた。
しかし、データは複数システムに分散し、設備ごとの仕様の違いも大きく、既存のビジネスインテリジェンス(BI)ツールではデータの収集自体が困難な状況だったという。表計算ソフト中心の業務が定着していたことでデータ収集は属人化し、手作業による加工の工数も増大し、過去から現在、将来のデータを横断した分析も難しかったとしている。
特にデータの収集については、マスターのデータ項目やフォーマットが多様で、同じマスターでもシステムリプレースなどでデータ項目が変わるため、蓄積データの情報の連続性が保てず、案件情報の長期保存が課題となっていた。
そこで、手作業で行っていたデータの収集や蓄積の自動化をかなえる、新しいデータ活用の環境整備を検討し、Dr.SumとMotionBoard、加えて表計算ソフトなどシステム化されていない現場のスモールデータを効率的に収集する「SmallData Manager」を導入した。導入のポイントは以下の3つ。
- API連携によるデータ取り込みの自動化
- Dr.SumとMotionBoardでデータウェアハウス(DWH)とBIが連携するデータ基盤
- SmallData Managerで表計算ソフトデータを含めた一元管理
新データ活用基盤は2024年11月に本格稼働。JFSでは、ICT統括室と現場部門が密接に連携し、API連携と表計算ソフトデータの統合でデータ収集の自動化と一元管理を実現させていると説明。設備の運転状況を可視化、分析することで効率的な設備運用の取り組みを進めながら、意思決定の質を高めるデータドリブン経営を推進しているという。
太陽光発電による電気を送配電網経由で送る自己託送の運用サービスでは、MotionBoardから30分単位で予測値と実績値とのズレを分析し精度の高い補正処理が可能になったほか、365日運用されるデータの自動取り込みと反映が容易になったとしている。
中期計画の予算策定では、以前は表計算ソフトで複数部署からデータを吸い上げ集計し再度表計算ソフトで確認していた。新データ基盤では、ダッシュボード上で各部署の情報を過年度情報の推移や今後の計画や想定も含めて経年前年比較が容易になり、全社的な意思決定の迅速化に寄与しているという。
これまで週1回以上発生していた案件情報や各設備の運転データの取り込みの加工作業は、Dr.SumのAPI経由やバッチによるファイルの自動取り組みで簡単に自動連携が可能と説明。SmallData Managerを活用し、形式の異なるシステム外の表計算ソフトのデータもDr.Sumへ集約し、一元管理。ユーザー部門とっての使いやすさと機能を備えたダッシュボードを実現したという。

コアな素データが正確に長期保管され、サービスや経営、業務処理の各領域で分析が浸透することで予知保全・サービス最適化、データドリブン経営、業務全体最適化などで活用する(出典:ウイングアーク1st)
