Cisco SystemsのグローバルスペシャリストでシニアバイスプレジデントであるDave West氏は、AIを中心としたデジタル技術の急速な進化と、それに伴う企業や社会の変容について「テクノロジー史上、これほど大規模なものはない」と述べ、現在を世界の仕組みを根本から変える転換期と位置付けた。
同社は、この転換期に対応するため、「AI対応データセンター」「将来を見据えたワークプレース」「デジタルレジリエンス」の3つを柱とし、「One Portfolio戦略」を加速する方針を示している。
Ciscoは、長年にわたりネットワーキング分野で強固な実績を築いてきたが、AI時代においては優れたネットワーキング企業であるだけでは不十分だという。今後はセキュリティ分野においても卓越した存在である必要があり、優れたセキュリティ企業となるためにはAIへの強みが求められる。さらに、AI企業であるためには、データ活用に優れた企業でなければならないと指摘する。
West氏によると、Ciscoは現在、この変革の途上にある。同社はネットワーキングにセキュリティ、AI、そしてデータを融合させることで、顧客が期待するビジネス成果を提供できる企業を目指している。
同氏は、AIの進化がビジネスの在り方を根本的に変革すると指摘する。「世界人口は約80億人だが、近い将来、地球上に800億人が存在するかのように感じるだろう」と述べ、人間だけでなく、AIエージェント、AIボット、AIアシスタント、ヒト型ロボットなどが加わることで、労働力は飛躍的に増えるという。
一方で、現在のネットワーク環境は、急速に進化するAI時代の要件に対応できる設計になっていないという課題がある。Ciscoはこの状況を踏まえ、ネットワーキングの概念、サービスデリバリーの在り方、そしてデジタルレジリエンスの意味を再構築する必要があるとして、その取り組みを進めている。具体的には、ネットワーキングサービスやケイパビリティーを再設計し、デジタルレジリエンスを強化するとともに、AI時代に求められるサービスとインフラストラクチャーの刷新を進めている。
特にSplunkの買収と統合によって、Ciscoはアプリケーションやセキュリティにとどまらず、ビジネスライン全体でインサイトと可視性を提供できるようになった。West氏は、ネットワークの力にセキュリティ、オブザーバビリティ、そしてコラボレーションを組み合わせることが、AI時代に顧客が期待する価値を真に提供する方法だと強調する。

Cisco SystemsのDave West氏


