ウイングアーク1stは8月26日、企業間取引における電子文書の信頼性を確保するための新たなデジタルトラストサービス「Trustee」を発表した。サービス第1弾として、同日から「Trustee タイムスタンプ」の提供を開始する。

ウイングアーク1st 取締役 執行役員事業統括担当 兼 CTOの島澤甲氏
近年、生成AI技術の進化により、企業や政府機関の間でやりとりされる電子文書の偽造や改ざんが容易になってきている。実際、同社が行った調査では、回答者の23.6%が「重要書類がAIによって改ざんされても気づけない可能性がある」と懸念している。
電子帳簿保存法(電帳法)の改正をきっかけに、文書の受領側がタイムスタンプを付与する運用が一般化している。しかしこの方法では、文書が発行されてから受領されるまでの間に改ざんやなりすましのリスクが残り、「無防備なPDF」が流通することでセキュリティ上の穴が生じてしまう。そこで、文書の発行者がタイムスタンプを付与することで、発行時点から文書の存在を証明し、その後の改ざんがないことを保証することが可能となる。

デジタルデータをやりとりする際の課題
欧州では、犯罪組織や反社会的勢力が生成AIを悪用して偽装文書を作成する事例が深刻化しており、各国で法規制の強化が進んでいる。日本でも、こうした脅威は今後のビジネスにおける重要なセキュリティ課題となっており、トラストサービス市場は2030年頃には556億規模にまで拡大すると予測されている。
こうした背景を踏まえ、ウイングアーク1stは帳票・文書管理製品群においてデジタルデータの安全性を高めるため、新たなデジタルトラストサービスの開発を決定した。文書の発行元で高速かつ低コストでタイムスタンプを付与することで、改ざんリスクのさらなる低減を目指している。
なお、デジタルトラストとは、デジタル空間において情報の発信者が本物であることや、情報が改ざんされていないことを保証する技術である。
Trustee タイムスタンプは、独自のPDF解析技術と極限までシンプルな設計により、秒間1000文書以上の高速処理を実現している。また、サーバーに不正侵入された場合でも、不正なタイムスタンプの発行ができない仕組みを構築している。

Trustee タイムスタンプの高速処理
さらに、複数拠点による冗長化構成により、定期メンテナンスやうるう秒への対応、処理エラーが発生した場合でも、タイムスタンプが押されない時間を生じさせない高い可用性を確保している。
価格は1スタンプ当たり税別5以下で、利用量に応じて割安なボリュームディスカウントが適用される。2025年8月8日に総務省の認定を取得しており、今後3年間で1000社への導入を目指している。

Trustee タイムスタンプの特徴

