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X6試乗、ハイテクの塊!高速ではリッター10kmも
掲載 更新 carview! 文:萩原 秀輝/写真:中野 英幸
市場動向の逆風は織り込み済みだった!?
原油価格の高騰が続き、洞爺湖サミットでは温室効果ガス削減の長期目標についての議論がされるなど大排気量エンジン搭載モデルの市場は逆風状態だ。とくに、主要な市場である北米では中型を含めたSUV市場の動きが逆風に押し戻されるように急減速。トヨタはミシシッピ州に建設中の新工場で生産予定だったハイランダー(日本名クルーガー)をハイブリッドの主力モデルであるプリウスに切り替えたほどだ。そんな市場動向にある中で、BMWはSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)に続く独自カテゴリーとなるSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)を掲げたX6を投入してきた。
もし、X6が単に奇を衒っただけのSUVのクーペ版だとしたら、世の中の空気が読めなかった失敗作ということになりかねない。だが、実際には逆だった。BMWは世の中の空気どころか、逆風さえも予測していたかのような市場に対する合理的な回答を用意していたのだ。その内容をここで紹介するまでもなく、X6のスタイリングは見る人の心を動かす力を持っている。逆風に対してもX6の周りだけは空気がそよいでいるような、クーペらしい滑らかなスタイリングを実現しているのだ。実際に、流麗なクーペとしてデザインされた結果、X6は在り来たりなSUVでは成し得ない空気抵抗係数0.33を達成している。当然、それは燃費の低減に結びつき温室効果ガスとして問題にされているCO2の排出も抑えられる。
さらに、ボディはインテリジェント・ライトウェイト・テクノロジーを採用し、構造だけに頼ることなくサポート・バーなどを適正配置して髙剛性化と軽量化を両立。しかも、ボンネットはアルミニウム製、フロントフェンダーは樹脂製とし、軽量化に対する取り組みには抜かりがない。なおかつ、BMWの承認タイヤとしての基本性能を満たしながら転がり抵抗を低減している。軽量化とタイヤの転がり抵抗の低減は、やはり燃費の低減に結びつく。
もちろん、核心となるのはエンジンだ。X6のxDrive 35iは、パラレル・ツイン・ターボと高精度ダイレクト・インジェクション(直噴)を備える3.0リッターの直列6気筒を搭載。このエンジンは、3リッタークラスの燃費を実現しつつ4リッタークラスのV型8気筒相当の性能を獲得できる点が評価され、イギリスの自動車工学系出版社が主催し、32カ国、65名のジャーナリストによって決まるインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー2007と2008で2年連続の大賞を獲得している。
さらに、X6のxDrive 50iは新開発となる4.4リッターのV型8気筒エンジンを搭載。このエンジンも、ツイン・ターボと高精度ダイレクト・インジェクションが組み合わされている。画期的なのは、一般のエンジンとは逆にVバンクの外側から吸気して内側に排気すること。当然、ターボチャージャーもVバンクの内側に配置される。そのため、ターボチャージャーによって加圧された空気の経路が短くなり圧力損失が抑えられ、冷却水を電子制御する水冷式インタークーラーによって空気の温度を下げるので充填効率が向上する。結果として、4リッタークラスの燃費を実現しつつ6リッタークラスのV型12気筒相当の性能を獲得しているのだ。
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