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V8から直4ターボPHEVへ! AMG C63Sのゲームチェンジャーぶり
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 77
4気筒ターボでもV8並みのパフォーマンス
メルセデス・ベンツのハイエンドスポーツブランド・AMGのトップモデルはこれまで大排気量多気筒エンジンが「売り」であった。しかし世界各国の排気ガス/燃費規制はそれを許さなくなってきている。
今回紹介する「C63S Eパフォーマンス」はまさにその良い例で、4リッターV8エンジン(M177)に代わって2リッター直列4気筒ターボエンジン(M139)が搭載されるが、パワーは決して見劣りしていない。
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4気筒エンジンは電動ターボによって476馬力/350kWの出力を発生、加えてリアアクスルにフランジされた電気モーターによってシステム出力680馬力、最大トルク1020Nmを発生する。しかも搭載されている400Vの高性能6.1kWhのリチウムイオン電池によって最大で13kmまでのEV走行も可能で、当然ながら燃費や二酸化炭素低減にも貢献する。
しかし電池の重量は89kg、さらに前述のEドライブユニット(EDU)などによって空車重量は2165kgと、V8搭載モデルよりも400kgも重い。それにも関わらず0-100km/hの加速所要時間は3.4秒、最高速度はスタンダードで250m/hに制限されるが、AMGドライバーズパッケージを購入すると280km/h(ワゴンは270km/h)まで引き上げられるのだ。
直4由来のエクゾースト音はやや残念
このC63S Eパフォーマンスの試乗会はスペインで開催された。エクステリアデザインはAMGの定番で縦格子のパナメリカーナグリル、大型エアインテーク、リアのディフューザーと左右に並ぶ4本のスクエア形状のエグゾーストパイプ、そしてフロント265/35R19・リア275/35R19のスポーツタイヤを格納するオーバーフェンダーによって76mmワイドになったボディなどが、Cクラスのハイエンドグレードであることを特徴づけている。

キャビンに入ると最初にもてなしてくれるのは身体をしっかりとホールドするパフォーマンススポーツシートやレザー、アルミ、カーボンで囲まれた高品質のインテリアである。もちろんインフォテイメントシステムは最新のMBUXが搭載されている。

まずはコンフォートを選んで一般公道を走るが、最初はモーターによるEV走行、そのままスロットルを踏み続けると4気筒ターボエンジンが着火する。するとリアのパーセルシェルフにあるスピーカーからエグゾーストサウンドが響いてくるが、エグゾーストシステム内のマイクロフォンが拾ってくる音は明らかに4気筒のそれで、低くパワフルでアイコニックなAMGのV8とは異なるのは、ちょっと寂しい瞬間だ。
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コントロールされた豪快な加速はまさにF1技術!
新しいC63に引き継がれたAMGのレーシングスポーツDNAは公道では中々引き出せなかったが、マラガ郊外のアスカリサーキットで徐々に明らかになってくる。特に加速時における電気モーターのブースト介入は圧巻だ。
コンフォートおよびバッテリーホールドでは25%だが、スポーツでは65%、スポーツプラスでは80%、そしてレースモードでは100%のブーストが掛かる。この最大時のパワーの持続時間は10秒間だが204馬力を発生する。そのコントロールされた豪快な加速はまさにAMGペトロナスF1チームからの技術供与の成果だ。
一方、2トンを超える重量は確かにややハンディだが、前後の重量配分が49対51とほぼ理想的なのに加えて4WD(AMGパフォーマンス4マチックプラス)と4WSのお陰でスポーティながら非常に安定したハンドリングを示す。さらに洗練されたシャシーセッティングのお陰でコーナー限界域での挙動は穏やかで予知可能で、オーバーステアを許しながらESPがクルマを制御する。

C63S Eパフォーマンスは55年の歴史を持つAMGにとってまさにゲームチャンジャ―と呼ばれるに相応しい新時代のハイパフォーマンススポーツセダンであった。これは優勝回数125回を数えるメルセデスAMGペトロナスF1技術のトランスファーなのだ。ドライバーはその内燃機関と電気モーターの競演の中に、何分の1かは分からないが、ルイス・ハミルトンの息吹を感じるのかも知れない。
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