我々の生活、今現在使っているパソコン、照明器具はじめ、エアコン、冷蔵庫、コンロ、湯沸かし器など電器なしでは立ち行きません。幸い、我が国の電力供給は安定していて、団塊世代より下の人々は、海外旅行でもしない限り停電とは無縁の世界に生きてきています。
でも、ロシアのウクライナ侵攻にともなう欧州のエネルギー危機に加え、電気食いのAIが飛躍的に普及していくだろうことが予想されますので、各国とも電力の確保を重要視するようになってきたようです。
そうしたなか、日本の電力自給率は、2021年度で13.3%と、主要先進国の中でも極めて低い水準にあります。この低い自給率は、石油の99.7%、天然ガスの97.8%、石炭の99.7%とエネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っていることに起因しており、エネルギーの安定供給や経済安全保障の観点から問題視されています。
政府としても省エネ技術の開発、太陽光、風力などの再生エネルギーの活用推進、またペロブスカイト太陽電池や浮体式洋上風力などの新技術の導入、原子力発電所の再稼働や、次世代革新炉の開発をすすめているようですが、国民としても自助努力が求められます。
そうしたなか、東京都では新築住宅などへの太陽光パネルの設置を義務づける制度を2025年4月からスタートさせています。設置を義務づけられるのは、住宅の購入者ではなく、一定以上の新築住宅などを供給する住宅メーカーです。
今、農村部でやたらと増えて評判の悪い太陽光パネルですが、これからは都内でどんどん普及、少なくとも日中の電気については自給にむけて一歩踏み出していくことでしょう。
ただ、太陽光発電は供給が不安定で、蓄電池と併用してもきわめて質の悪いエネルギー源と言わざるを得ません。
そこで、目下期待されているのが小型原子力モジュール炉SMR(Small modular reactors)。電気出力が30万kW以下と定義され、冷却材として軽水、液体金属、ガス、溶融塩など多様な方式があり、自然循環による冷却設計や受動的な安全システムの導入など、既存の炉と比較して、外部電源喪失や冷却材喪失といった重大事故への対応力が高く、安全性の向上が図られているそうです。(詳しくは三菱総合研究所「次世代原子炉が切り拓く脱炭素と電力安定供給の未来」(2025年7月29日)ご参照)
モジュール化されており、工場で製造・輸送が可能なサイズ、例えば、マイクロ炉と呼ばれる超小型のSMRでは、トラックによるコンテナ輸送が可能なサイズ(例:三菱重工業が開発中のものは直径3メートル程度)で、発電量も数十kW程度のものまでできるそうです。
ー 最近、都知事の部屋に三菱重工やGE日立の人がやたらと出入りしているみたいだね。
ー どうも漏れ聞くところによると、太陽光の評判が良くないので、方針を転換するみたいだよ。
ー 方針転換とは、一旦設置してしまったやつ、廃棄まで責任持つんだろうな。またあとは野となれスタイルかな。それで方針転換ってどうするつもりなんだろうね。
ー どうも各家庭、事業所に原子力発電所の設置を義務付けるみたいだよ。票になるのかカネになるのか知らんが、我ら事務方はふりまわされて大変だね。