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メッセージ
LINEヤフー株式会社 上級執行役員 ガバナンスグループ長 妹尾 正仁

情報空間の健全化は、国内最大級のインターネット企業であるLINEヤフーにとって重要なテーマです。
インターネットは、私たちの生活をより便利に、より豊かにするテクノロジーである一方で、そこで発信される偽・誤情報や誹謗中傷に対する懸念が示され、情報空間の健全性確保の在り方が問われています。
また、個人による発信やコミュニケーションを容易にできる、SNSを悪用した投資詐欺などの犯罪、犯罪実行者を募集するいわゆる「闇バイト」の問題など、違法行為者への対応が求められています。
当社ではユーザーや社会の声に耳を傾けながら、各サービスでの対策や周知啓発、リテラシー教育の推進にいち早く取り組んでいますが、今後も省庁をはじめとした関係機関や有識者との連携を深め、情報空間の健全化に一層力強く貢献したいと考えています。
私たちLINEヤフーは、社会とテクノロジーの未来を見つめ、安心で信頼のあるライフプラットフォームであり続けることを目指します。
情報流通プラットフォーム対処法に基づく大規模プラットフォーム事業者の指定と新たな規律への対応について
2025年4月1日に情報流通プラットフォーム対処法が施行され、LINEヤフーでは、同月30日に「Yahoo!知恵袋」「Yahoo!ファイナンス掲示板」「LINEオープンチャット」および「LINE VOOM」の4サービスを対象に、大規模なプラットフォーム事業者として指定を受けました。これを受け、LINEヤフーでは、同年7月29日に大規模なプラットフォーム事業者として届出を行い、同日以降、削除対応の迅速化と運用状況の透明化を目的とした新たな規律の適用を受けることとなりました。
LINEヤフーでは、今回の届出前より、法改正の趣旨を踏まえ、対象の4サービスおよび「Yahoo!ニュース コメント欄」において被害者救済の一層の強化を図るため、削除対応の迅速化に向けた措置を前倒しで実施してきました。今後は、これまでの取組を拡充して法定の運用状況の透明化に関する取組も併せて実施するとともに、「Yahoo!ニュース コメント欄」でも法に準じた自主的対応を実施します。
削除対応の迅速化と運用状況の透明化に関する取組の詳細は、以下でご紹介します。
(2025年7月29日更新)情報流通プラットフォーム対処法に基づく大規模プラットフォーム事業者の指定と新たな規律への対応について
LINEヤフーの主な取り組み
4つのカテゴリーに分類して、LINEヤフーの主な取り組みをご紹介します。
誹謗中傷を防ぐ

コメント投稿前に内容を見直す機会を提供するYahoo!ニュースの「コメント添削モデル」
「Yahoo!ニュース コメント欄」「Yahoo!知恵袋」「Yahoo!ファイナンス 掲示板」「LINEオープンチャット」「LINE VOOM」などの投稿型プラットフォームサービスでは、不適切な投稿を防止するために、ガイドラインを設けています。
またAIと人の目を併用して、違反投稿に対するパトロールを24時間365日実施しているほか、サービスごとに個別の取り組みを実施しており、その一部をご紹介します。
Yahoo!ニュース コメント欄
- 建設的コメント順位付けモデル
- 建設的であると考えられるコメントを上位に表示させます。
- コメント多様化モデル
- 多様な視点のコメントを上位に表示させます。
- コメント添削モデル
- コメント投稿前に内容を見直す機会を提供します。
- 不適切投稿判定モデル
- 誹謗中傷や暴力的などのガイドライン項目に違反するかをスコア化し、コメントの自動削除やコメント欄のおすすめ順に利用します。
- コメント欄の自動非表示機能
- 一定以上コメント数がある記事のコメント欄を対象に、AIが判定した違反コメント数などの基準に従い、コメント欄を自動的に非表示とする機能です。
- 注意喚起メッセージの掲出などでのAIの活用
- 不適切な可能性が高いと判定されたコメントを数日以内に複数回投稿しているユーザーに対し、注意メッセージを掲出します。
- 違反を繰り返すユーザーに対する投稿停止措置
- 不適切なコメントが複数にわたって投稿されたアカウント(Yahoo! JAPAN ID)については、投稿を制限する「投稿停止措置」を実施しています。
- コメント投稿をするために携帯電話番号の登録を必須化
- 不適切なコメント投稿の抑止を強化する施策の一環として携帯電話番号の設定を必須化しています。
LINEオープンチャット
- キーワードによる自動制御および人の目によるモニタリングチェック
- 規約違反に該当する投稿があった場合、投稿の削除・表示制御、アカウント停止などを実施しています。
- 通報機能・専用フォームの設置
- ユーザーからの情報提供を元に、誹謗中傷に該当する投稿削除やトークルームの削除、アカウント停止などを実施しています。
- トークルームごとにNGワードを追加できる機能
- 管理人が設定した回数以上、NGワードを投稿したユーザーには、強制的に退会措置をとることができます。
- 誹謗中傷に関する詳しいガイドラインを公開
- 誹謗中傷の投稿禁止に関するWEBページを公開し、適宜注意喚起を実施しています。
メディア透明性レポートの公表
- メディア透明性レポート
- 「Yahoo!ニュース コメント欄」「Yahoo!知恵袋」「Yahoo!ファイナンス 掲示板」「LINEオープンチャット」「LINE VOOM」における違反投稿の削除措置件数や削除理由の内訳、コンテンツモデレーション体制などを、「メディア透明性レポート」として公表しています。
偽・誤情報の拡散を防止する

災害発生時にLINEオープンチャット上で掲出した注意喚起情報
「Yahoo!ニュース」や「Yahoo!天気・災害」などのメディアサービスでは、正確な情報発信やリテラシー向上のための啓発などを行っています。
また「Yahoo!ニュース コメント欄」「Yahoo!知恵袋」「LINEオープンチャット」をはじめとする投稿型プラットフォームサービスでは、注意喚起や各ガイドラインに則ったモニタリングチェック・違反投稿の削除対応、ユーザーからの通報機能設置など、各種取り組みを組み合わせながら、偽・誤情報の流通の抑制を図っています。
Yahoo!ニュース
- フェイクニュースに関するオリジナルコンテンツの掲載
- 偽・誤情報に関する概要や、正しい情報を得るためのヒントなどについてオリジナル記事で紹介しています。
- 偽・誤情報などの打ち消し記事や注意喚起記事を積極的に掲載
- 「Yahoo!ニュース トピックス」では、偽・誤情報の拡散防止のために、打ち消し記事を掲載しています。
- 「Yahoo!ニュース コメント欄」、専門家によるコメントを優先表示
- 「Yahoo!ニュース エキスパート」(コメンテーター)による信用性のある情報やコメントを上位に表示しています。
Yahoo!天気・災害
- 「災害マップ」における正しい現地情報などの発信
- アプリの位置情報を活用し、被災地に現在地情報があるユーザーだけに投稿者を限定しています。
- パートナーのSpectee社において、Xに投稿された情報に対して、AI解析によって位置特定や真偽判定をし、目視チェックを行った画像のみを掲載しています。
Yahoo!知恵袋
- 公的機関などによる正しい情報や、注意喚起を掲載
- 偽・誤情報の拡散防止のために、投稿ページの上部などの⽬⽴つ場所へ、お知らせを掲載しています。
- 投稿ルールなどに関するWEBページの公開
- ユーザーの関心が高まるトピックについて、投稿に関するルールなどを記載したWEBページを公開し、適宜注意喚起を実施しています。
関連リンク
Yahoo!ニュース、Yahoo!知恵袋、Yahoo!ファイナンス、LINEオープンチャット、LINE VOOMなど
- 政府やファクトチェック機関との連携
- 「Yahoo!ニュース」においては日本ファクトチェックセンターと媒体社契約を締結し、記事を「Yahoo!ニュース」や「Yahoo! JAPANトップページ」タイムラインで配信しています。
- 信頼できる機関により発信された情報に基づき、明らかな偽誤情報と判断されるものについて投稿を禁止しています。
関連リンク
詐欺行為などの犯罪を抑止する

友だち以外のユーザーからのLINEグループ招待時や、プロフィール画面などで注意喚起を実施
主に広告とメッセンジャーの領域で、審査やユーザーからの通報も含めたモニタリング、注意喚起文言の掲出などを強化しているほか、公的機関とも連携しながら、対策を行っています。
Yahoo!広告・LINE広告
- 特に注意すべき領域において、審査やモニタリングを強化
- 審査・モニタリングは、国内の拠点にてシステムと人の目を用いて実施しています。投資や副業など特に注意すべき領域において、詐欺の手口・実態を踏まえ、対応を強化しています。
- 特に注意すべき領域において、「LINE」の友だち追加へ誘導するような広告の出稿を禁止
- 投資や副業など特に注意すべき領域において、未認証の「LINE公式アカウント」や個人アカウントの友だち追加へ誘導するような広告の出稿を禁止しています。
- 広告主の本人確認
- 広告掲載前・掲載後にかかわらず、必要に応じて本人確認を実施しています。
LINE、LINEオープンチャット、LINE公式アカウント
<各サービス共通>
- 各サービス特性を鑑みて、システム検知と人の目によるモニタリングを強化
- 著名人へのなりすましなど、不適切な行為が発見された場合は、アカウントの利用停止などの対応を実施しています。
- 1:1トークやグループトークのトーク内容については「通信の秘密」に該当するため原則モニタリングは行わず、ユーザーの通報を元にアカウントの利用停止などの対応を行っています。 同様に、「LINE公式アカウント」に関しても「すべての友だちに送られる一斉送信メッセージ」、「LINE VOOMの投稿」、「プロフィール」など部分的な確認を実施しています
- 各サービスの画面上に「LINEを悪用した詐欺にご注意ください」という注意喚起を表示
- プロフィール画面や友だち以外のユーザーからのグループトーク追加時などに、注意喚起の文言を掲出しています。
- 印刷物やサイネージで活用できる素材の作成・提供
- 公的機関と協力し、詐欺などへの注意喚起に関する素材を作成・提供しています。
- 通報時の通報理由に「なりすまし」「詐欺」の項目を追加
- 項目を細分化することによって、モニタリングによる対応をさらに強化して実施しています。
- 詐欺や闇バイトについて、手口・対処法などをまとめたWEBページを公開
- 各サービスの告知枠や「LINE公式アカウント」、公式SNSなどを通じて本ページをユーザーに届け、注意喚起につなげています。
<LINE 1:1トーク・グループトーク>
- 悪用されうる類型のグループ作成を制限
- 悪用者の行動傾向を分析し、その類型によってグループトークの作成を制限しています。
<LINEオープンチャット>
- サービスに特化した注意喚起ページの公開
- 「LINEオープンチャット」における注意喚起や、相談先などの情報を紹介しています
<LINE公式アカウント>
- アカウント開設時の認証強化
- 「LINE公式アカウント」を新規作成する際は、「SMS認証」または「通話による認証」を必須としています。
関連リンク
情報リテラシー向上をサポートする

LINEヤフー八戸センターの社員によって、小中学校でのネットセーフティ授業を実施
全てのユーザーが安全安心に利用できるサービスづくりを行うとともに、ユーザーのリテラシー向上も総合的に支援すべく、外部機関とも連携しながらさまざまな啓発活動を推進しています。
Yahoo!ニュース
- 情報を正しく理解する力を身に着けるための学習コンテンツ「ニュース健診」
- 2022年に第一弾となる「Yahoo!ニュース健診」を発表し、2024年には朝日新聞社と共同で第二弾となる「ニュース健診2024」を発表しました。ユーザーに「ニュース健診2024」を通して、楽しみながら情報リテラシーを深め、その後の判断・行動に活かす力を身につけてもらうのが目的です。
Yahoo!きっず
- 子ども向けポータルサイト「Yahoo!きっず」の提供
- 子どもたちが安全安心に活用できるよう独自のフィルタリング機能を備えたネット検索環境や、学習などに活用できる約3,200のコンテンツを提供しています。
LINEみらい財団、Yahoo!きっず
- デジタル活用能力育成プロジェクト「デジいく」
- 活用型情報モラル教材「GIGAワークブック」の提供をはじめとした、デジタル教育に取り組んでいます。
LINEみらい財団
- 全国の学校や自治体などを対象とした出前授業の実施
- 全国の学校や自治体、関係機関において、オンライン出前授業を無償で行っています。
- ネット利用についての実態調査および研究レポートの公開
- 主に青少年のインターネット利用状況や、情報モラル教育の現状に関するレポートなどを公開しています。
その他
- 「全国統一ネット常識力模試」の提供
- インターネットを安全に利用するうえで身につけておきたい基礎知識やインターネットトラブルへの対応を、クイズ形式で学べるコンテンツを提供しています。
- ネットセーフティに関する人材育成支援(一般社団法人セーファーインターネット協会)
- 一般社団法人セーファーインターネット協会が行っている取り組みに参画し、ネットセーフティを推進する講師などの人材育成の支援を行っています。
- 社員によるネットセーフティ教育の推進
- 地域におけるネットリテラシー教育を推進すべく、LINEヤフー八戸センターにおいて、現地社員による小中学校での出前授業を行ってます。