「アン・ドゥムルメステール（ANN DEMEULEMEESTER）」は、1996年にイタリアのテオールで生まれ、パンクロックやインディ、ガレージを通じてファッションに出会った若きデザイナー、ステファノ・ガリーチ（Stefano Gallici）のアイデンティティを2025年春夏コレクションに反映。パリで行われたファッションショーの会場には胡蝶蘭が置かれ、ギター音が数分鳴り響いた後にスタートした。 　束のような思考と感情から生まれたという2025年春夏は、レースが持つ繊細さとカットオフや垂らした紐で作るグランジテイストを織り混ぜ、ありそうでなかったコレクションを披露。レースリボンとノーカラージャケットにはダメージジーンズを、穴を開けたTシャツにはレースドレスやサテンのパンツを合わせるなどして、荒々しさと繊細さといったガリーチが考える「無限の可能性を持つ曖昧さ」を追求した。