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Image by: FASHIONSNAP
栗原たおが手掛ける「タオ(tao)」2023年春夏コレクションは、東京とNYを拠点に活動するアーティストShun Sudoの作品をデザインに落とし込み、同氏の代表的な「ボタンフラワー」のモチーフをふんだんに取り入れたポジティブなムードで満ち溢れていた。
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「トリコ コム デ ギャルソン(tricot COMME des GARÇONS)」から「タオ(tao)」に変更し3シーズン目を迎えるコレクションのフロアショーは、東京・青山のコム デ ギャルソン本社で開催。薄暗い会場にテンポ感のあるBGMが響き、音に呼応するようにライトがチカチカと点灯してショーがスタートした。
幾何学模様と花柄の掛け合わせ


チュールを重ねたボリューミーな透け感のあるプリントドレスを主役に、Tシャツにジレを合わせたルックがファーストルックを飾った。胸元に多数のリボンがあしらわれたドレスの柄は、白地の水玉模様に赤のフラワーモチーフがオーバーレイされており、ストライプのジレと合わせた。ストライプ、水玉、花柄はコレクションのキーモチーフとして繰り返し登場し、連続する三角形のパターンに水玉を重ねたり、ブロックチェックを配したり、幾何学模様と花柄を絶妙なバランスで組み合わせていく。




多様なリボン使い







今シーズンのテーマでもある多様なリボン使いは、ディテールとして随所に取り入れられ、ウエストの正面や背面、ドレスやシャツ、スカートなどに結ばれたほか、ビスチェにふんだんに縫い付けられたり、ボウタイとしても存在感を放った。リボンを結んでボリュームを調整することでシルエットに抑揚を生み出し、ふんわりと軽やかなバルーンスカートやギャザーを寄せたフリルなどのディテールと相まってガーリーなムードを一層強める。
ポップアートの枠を超えた「ボタンフラワー」のパワー

コレクション全体に登場したフラワーモチーフ。これはアーティストShun Sudoによるポップなタッチで描かれたシグニチャーでもある「ボタンフラワー」。留めることで布と布とをつなぐ「ボタン」と、平和的なシンボルでもある「花」という日常のありふれたモチーフをドッキングさせ、人や世界を"つなげる"というポジティブな意味合いを持つ。ボタンフラワーは幾何学模様と組み合わせたほか、クロスステッチ刺繍でシャツのポケットからも覗く。シャツやセーターにあしらわれた「LOVE」のロゴも同氏の作品だ。




栗原は作品に込められたアーティストの考えに共感。コロナ禍といった閉鎖的な環境下においても継続的に発信されたShun Sudoの作品から勇気やエネルギーをもらいオファーしたところ、今回のコラボレーションが実現した。終盤に登場した色鮮やか、かつダイナミックに描かれたボタンフラワーは同氏による描き下ろしで、ネオンの色味なども原画に近いという。「東京から何か発信できないか?」という栗原の依頼を受け、背景には同氏の作風でもある墨絵タッチで東京タワーが描かれた。


ブランドを「タオ」に改名してから約1年。栗原は、服との向き合い方は前身の「トリコ コム デ ギャルソン(tricot COMME des GARÇONS)」と変わらないというが、自身の名がブランドになったことでより「アイデンティを持ってさらにクリエイションの強さを打ち出す」ことを意識するようになったと話す。Shun Sudoのボタンフラワーの醸し出すポジティブなエネルギーを受け、可憐な服に秘められた力強さは、「タオ」のブランドアイデンティを構築するエッセンシャルな要素として、今後のクリエイティブにも引き継がれていきそうだ。
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