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2024年春夏シーズンのパリ・ファッション・ウィーク(Paris Fashion Week)が9月25~10月3日(現地時間)に開催され、67ブランドがフィジカルなショーを発表した。最愛の妻・ヴィヴィアンの個人的なワードローブを再構築した「アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)」をはじめ、新クリエイティブディレクターがデビューを飾った「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」、「ワイ・プロジェクト(Y/PROJECT)」、「カサブランカ(CASABLANCA)」など、パリコレ後半で注目を集めた新作発表を振り返る。
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亡き妻に捧げる「アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド」
ジェレミー・ダットン(Jeremy Dutton)によるドラムの生演奏からスタートした「アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド」。アンドレアスは今回、昨年他界した妻ヴィヴィアンの個人的なワードローブを改めて見直し、コレクションとして再構築した。オープニングに登場したのは彼女が「20年以上も毎日のように着ていた」というコーディロイのスーツ。リネンのケープは、シェールガス開発に抗議にするために英首相の地元選挙区に戦車で乗り付けた際のアイコニックな装いにオマージュを捧げたものだ。


ツノのカチューシャやプラットフォームブーツといったパンクな要素を踏襲しながら、最後に登場したのはエレガントな白いドレス。ヴィヴィアンのクリエイションは時が経っても色褪せないということを強く証明する、愛情深いトリビュートとなった。







26歳の新クリエイティブディレクターが手腕を発揮した「アン ドゥムルメステール」
クリエイティブディレクター ステファノ・ガリーチ(Stefano Gallici)のデビューショーとなった「アン ドゥムルメステール」。わずか半年でブランドを去ったルドヴィック・ド・サン・セルナン(Ludovic de Saint Sernin)の後を引き継いだガリーチは内部昇格した26歳で、元々は同ブランドでメンズウェアを手掛けていたという。今回のコレクションノートには「存在とは流動的なものであり、アイデンティティも同様」と記されていた。

暗い鉄道跡地を会場に、風が吹き荒ぶようなBGMでショーはスタート。透ける素材は巧みにレイヤードされており、細長いシルエットがダークな官能性をアピール。袖や裾に付けられたリボンは地面を引き摺る長さで、太いレザーベルトやチェーンがタイトなシルエットに強さをプラスした。ブランドのシグネチャーとも言えるブラックを基調に、白やエレクトリックブルーの差し色も印象的。後半には大きなポケットをあしらったカーゴパンツなども登場し、神秘的なエレガンスと実用性を両立させた。









「ワイ・プロジェクト」のしわくちゃな服が見せるダイナミズム
グレン・マーテンス(Glen Mertens)が手掛ける「ワイ・プロジェクト」は服を変形させ、重力に逆らったような彫刻的なフォルムを表現。コレクションノートには「有限な答えの代わりに、未解決の質問を提案する」と書かれていた。前半に登場したカットソーは、外側のフォイル加工と内側のワイヤー加工で生地の渦巻きを作り出し、フロントロゴを捻ったようなデザインに。ホック留めしたランジェリードレスや、スナップボタンで平面を重ね合わせ変形させたワークウェアなど、服への先入観を覆すバリエーションが次々と登場した。また、体の輪郭をなぞるグラデーションのニットドレスは、騙し絵のような効果を発揮。







また、モデルたちがおもちゃのヘビをネックレス代わりに巻いたり、ゴキブリのようなピアスを付けたりするなど、一見すると気持ち悪いものをアクセサリーにするというアプローチに含みを持たせた。


ウィメンズに移行した「カサブランカ」はナイジェリアの独立記念日を祝福
シャラフ・タジェル(Charaf Tajer)が手掛ける「カサブランカ(CASABLANCA)」は「DAY OF VICTORY」と題したコレクションを発表した。パリでメンズウェアを展開するシャラフは、2020年にLVMHプライズを受賞した注目株。今回はウィメンズのスケジュールに初参加し、メンズ・ウィメンズ混合のラインナップを展開した。ショーが発表された10月1日(現地時間)は、ナイジェリアの独立記念日。刺しゅうやビーズ装飾といったナイジェリアの文化を反映し、新たな文化の発見を探求した。


夕焼けのようなグラデーションで彩られた会場装飾とルックは、色が目まぐるしく移り変わるサハラ地域の光景を表現したもの。ブランドが得意とするテニスウェアの要素はもちろん、バイクのヘルメットを小脇に抱えたライダースルックやスイムウェアなども取り入れ、スポーティかつエネルギッシュな世界観を作り出した。ラストに登場したのは、スパンコールでグラデーションを表現したミニドレス。ハート型のビキニと組み合わせたテクノ風のルックが華やかにショーを締め括った。





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