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血筋に寄らない家族のお話ネタバレ2025年8月20日このレビューはネタバレを含みます▼ 1~3巻で第1部、4~5巻で第2部といった構成となっています。
冒頭、裏切られ見捨てられた白魔法使いという異世界ものテンプレ展開から始まるものの諸々の世界観やキャラの背景などはさらっと描かれるだけ、といったように設定を詰めるところは詰め物語のテーマに深く関わらない部分は敢えて最低限の説明だけというスタイルとなっており、いくらでも話を引き伸ばせる設定が作品のあちこちに散りばめられていながらも「家族としての繋がり」にフォーカスしたことで話があっちこっちに飛ばず読みやすく仕上がっているように感じました。
全体的にコミカルであっさりサクサク展開ですが、セリフの言い回しが好みだったり表現(魅せ方)が素晴らしい画が多々あったりして引き込まれましたし、読後感がとても良い満足度の高い作品でした。
なによりも絵が綺麗で可愛い。扉絵もかなりこだわりを感じますし、見どころの紅茶を淹れるシーンはまさに魔法をかけているといった表現で、絵を眺めているだけで楽しい大人の絵本を読んでいるかのようにワクワクした気分になれます。竜はちょっとポ〇モンみたいですが。
キャラがわちゃわちゃしている様子も可愛いし、なんといってもアマリア、レオナルド、ユーゴの相手に対する真心が伝わってくる温かいやり取りを見ているだけで癒されます。
この作品は様々な家族の形が出てきますが、何事もなく普通に暮らしていれば今のような関係になることは絶対になかったであろう、種族や血筋、年齢や寿命もチグハグの3人が少しずつ本当の家族になっていく様子が本当に素敵なんです。
主人公たちに危害を加えた人たちの末路や心に引っかかっていた蟠りに関しては割とサクッと終わりますが、この作品は復讐ものではなく「前に進もうとする人たちの物語」なので外野がそこを気にするのは無粋というものですね。
でもそれはアマリアがお人よしのいい子ちゃんだからではなく、ちゃんと憎しみも怒りの感情もありそれに飲み込まれてしまいそうな恐怖心も持ち合わせた上で「それでも私はふたりと一緒ならきっと大丈夫」というどこまでも前向きなお話なのが良かったです。
いつしか夫婦と竜の絆の物語が子孫代々語り継がれるようになったり……なんてつい想像してしまいました。いいね
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悪役令嬢の中の人~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~
最後まで信念がブレなくて良いネタバレ2025年7月12日このレビューはネタバレを含みます▼ 物語自体は乙女ゲームの展開を逆手に取りつつといった王道ではあるのですが、ずっと観測者のようなポジションでのんびり映画を見るかのように自分に入り込んだ転生者の人生を一方的に見守っていたレミリア(中の人)が、転生者エミの絶望をきっかけに体の主導権を再び手にする展開が斬新。
自分を愛してくれた(愛を教えてくれた)エミのための復讐劇がとにかく「エミのため」に振り切っていて終始信念がブレないのが良い。
「だってエミならこうする」とエミの優しい笑顔をまとい、苦しんでいる人に手を差し伸べ世界をも救い『エミのレミリア』の名声を順調に上げつつ、メインディッシュ(復讐)に向けた綿密な計画を「クククッ…」と悪役さながらの表情でほくそ笑みながら遂行していく様が見ものです。
目的達成のためなら裏では味方になる者も利用(自主的に理想の働きをするよう誘導)し敵を容赦なく生き地獄に落とす「レミリア(中の人)」と、世の中に変革をもたらす程の力を持つのにその全てを躊躇なく困っている誰かのために振るえるお人よしの「エミのレミリア」が同時に存在できている上、前者は完璧に隠れているのが面白い。
愛を知った悪役令嬢の中の人がその愛をエミのレミリアとして惜しみなく周囲に還元し、その過程でエミのレミリアが称賛されることに中の人はこの上ない喜びを感じるという幸せのループ。
とにかくずっとエミに気持ちが向いているのでアンヘルの気持ちが蔑ろにされないか心配でしたが、(アンヘル以外も含めて)関係性の落とし所がなるほどそうきたか~!となりました。本当に最後までブレない。
一方、一番の復讐対象者は一切の同情も肩入れもできないレベルに利己的でゲームの知識を扱う以外はただただ浅慮なキャラ(ビジュも崩壊ぎみ)なので、主人公サイドがどれだけ何をやっても読者にやりすぎと思われない、むしろいいぞもっとやれ!と称賛される世界が出来上がっていて両キャラの立ち位置が極端とも言える構造になっているなと感じましたが、結果としてエミに加害した側が落魄れて(あるいは処刑されて)終わりではなく全員なんらかの形で相応の責任を取らせ生き地獄を味わわせているのは良いなと思いました。
あとは何よりやや癖はあるものの画の迫力がすごく、コマやページの使い方(読者への魅せ方)が素晴らしかったです。確かに文字は多めかな。 -
ずっとこの世界に浸っていたくなるネタバレ2025年6月18日このレビューはネタバレを含みます▼ 国も歴史も文化も話す言葉も容姿も違う異国・他民族の人たちが、時に壁にぶつかり悩みながらも歩み寄り助け合って様々な縁が繋がっていき、自然の恵みや命をいただきながら一緒に食べて笑って思い出を作って…最初から最後まで本当に心が温かくなるお話でした。
日常を描いているので何か特異な事件が次々と起こるわけではないですが、北方の過酷な雪国の暮らしに興味深々で楽しく読ませていただきました。
この作品は魅力的なキャラクターがたくさんいて様々な家族(夫婦)の形が出てきますが、なによりもリツとジークが可愛すぎる!彼らの夫婦仲(仮期間含む)は本当に終始穏やかで、やり取りが微笑ましくて見ていて口角が上がりっぱなし。
今までの生き方が何もかも違っているからこそ相手に興味と理解を示し、相手の良いと思ったところを素直に褒め、心から気遣い、相手のために何かしてあげたいと考え、常日頃から感謝や謝罪、真っ直ぐな愛情を伝える。誰かに言われるでもなく自主的にそれを実行できる思いやりのある二人が素敵です。
お互いにとって相手は、どこか今の人生に閉塞感があって半ば諦めの境地で前への進み方がわからなくなっていた自身の心を溶かし、道の先を照らし新しい世界へと引っ張り上げてくれる太陽のような存在になっていくのが良すぎる。
他キャラの関係性にも言えることですが、きっかけと人生を左右する大きな決断がなければ道が交わることは一生なかったであろう人たちの出会いという奇跡を噛み締めてしまいます。
幕引きはかつて二人で食べて笑い合った場所、美しい光景を見た場所に二人の「宝」たちと一緒に…という構図になっていて感慨無量。
そして作品の世界観とマッチした画風も推したいポイント。豊かな自然や動物も、美味しそうな料理も素敵な服や家具、日用品、工芸品も、全て作者さんらしい優しく温かみのある細やかな絵で描かれているのが良い。
狩猟や採集から解体、調理、そして美味しそうに食す描写まで抜かりなし。狩猟・銃アドバイザーの方にもご指導を受けたそうで細かいところまで本当にこだわりがすごい。 -
私が知ってる溺愛とは違うがネタバレ2025年6月16日このレビューはネタバレを含みます▼ タイトル通りのよくあるストーリーだと思って軽い気持ちで読み始めたので、良い意味で裏切られました。王太子に甘々に溺愛されるストーリーやラブコメを期待するとタイトル詐欺に感じるかと。
敗北を味わった二人がいつしか対等に並び立ち、共通の敵に立ち向かう、その中で積み重なっていく強固な信頼と愛情、そんな関係性がお好きならおススメ。ただ途中は王子の方が救い出される姫感が強くなってくるので、そこは好みが分かれそう。
展開は終始ヘビーで、敵の隙がなく強大すぎて選択をミスれば一瞬で飲み込まれてしまう、そんな空気がずっと流れていて目が離せません。でも途中までヒロインサイドが常に後手後手、あるいは先手を打ってしてやったりな展開になってもすぐにひっくり返される展開の繰り返しなのでフラストレーションが溜まる溜まる。
一応適度に空気を壊さない程度のコメディ描写が緩衝材となっているし、テンポもよくスイスイ読めますが(1話分のページ数が少ないせいでそう感じるのかもしれない…)。
ヒロインが物理的にも精神的にも強くどんな状況でも折れずに前に突き進んでくれるおかげで心を強く持って読み進められます。
ですがご都合展開やツッコミどころはあって、粗が見える展開をヒロインの根性!勢い!加えて漫画の画力!でねじ伏せてる感はすごくありますね。
あとその状況を処理するのに手一杯な頼りない(現時点で)味方サイドの男性陣の代わりに現実を分析した上で先を見据えた助言をし鼓舞してくれる…といったような「実践(戦)経験を積んできた人よりも有能なヒロインの図」という勇者の娘スゲー!この娘は何者だ!?ムーブがたまに鼻につく感じ。そんな展開も盛り上がり的にはアツいしむしろ好きですが、ちょっと前面に押し出されすぎに感じることも。
国民会議後の切りのいいところまで読みましたが、展開としては堕ちた人や腹に一物を抱えた人がこれから水面下で動き出しそうなので、完結までまだ先は長そうですね。適度な長さの物語を楽しみたい人には向かないです。
それはそれとして、中年や老人を描くのが上手い人は本当に絵が上手い人とはよく言ったもので老若男女の描き分けが素晴らしい。画力で殴られる。
当主の髭は描くのが大変そうと思うと同時に楽しんで描かれていそうだなとも。あの線一本一本の細やかさにこだわりを感じます。いいね
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サクッと楽しめた2025年6月15日伝承が絡んだ薬師と幻獣のお話ですが、割とコメディ色が強くシリアスが長続きしない感じで、展開も早いので軽い気持ちでサクサク読めます。
世界観に対してビジュが浮いてるハムスター(幻獣)は終始あんな感じなので可愛い癒しとなるかノイズになるかは分かれそう。
他の幻獣たちはあんなに幻想的に美しく描かれているのに何故ハムだけああなんだい。
正直最初は読む手が止まりそうになったのですが、2巻以降明らかになってくる伝承やそれにまつわる設定を知ると1巻の脈絡のない展開にも納得感が出て、それ以降は最後まで楽しく読ませていただきました。
ただそれ以外の設定はかなりフワッとしている(想定できるヒロインに降りかかる障害をとことん排除しているのでトントン拍子で進む)印象だし、ヒロインたちの動向に焦点を当てすぎていて他がおまけ程度の描かれ方に感じてしまいました。あと前言ってたこと(設定)と違ってない?と思ってしまった部分も。
ヒロイン以外にメインはれる女性キャラが出てこない上に横恋慕キャラもおらず、ずっとお互いに矢印が向いているのにお互いを尊重しているといった様子なので、恋愛が物語を引っ掻き回す要素にならなかったのが良かったです。個人的にその方が作品ならではの設定に没入できるので。
1巻でイマイチ…となった方、2巻でちょうど原作1巻分の範囲らしいので一先ずそこまで読んでみてはいかがでしょうか。
キャラの絵は綺麗ですが、背景や効果素材は既存のデジタル素材をふんだんに使用しているという感じ。たまに背景に散りばめられる花(少女漫画お馴染みのやつ)の主張が激しく感じることも。
あと気になったところとして、コマからコマへの移行がぶつ切り感あって動作の流れが不自然に感じる部分が多々あったのと、幻獣は迫力ある絵(動き)を描かれているのにそれが人になるとアレェ?となるくらいには表情含め動作が硬く感じました。気にならない方は気にならないのかもしれませんが。もっとみる▼いいね
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ベル・プペーのスパダリ婚約~「好みじゃない」と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!~(コミック)【分冊版】
女性攻め作品ネタバレ2025年6月15日このレビューはネタバレを含みます▼ 連載最新話まで追っています。
色々ごった煮の世界観なので私含め気になる人は気になるかもしれませんが、とにかく画力が高すぎる。
昨今は守られヒロインではなく前線で単独で戦えるレベルのパワー系ヒロインが需要あるんだろうなと感じておりますが、それ極まれりといった作品。
普段は両者共に外面仕様の仮面を付けているけど実は…という、お互いの前(あるいは相手のため)だと抑えている自分をさらけ出せるし、自分にないものや求めているものを補い満たし合える、愛が重い破れ鍋に綴じ蓋な面白可愛い夫婦を堪能できます。
ヒロインに闇から引っ張り上げられ救われるヒーローの図がお好きであればハマるのではないでしょうか。
ただ、まさかのヒロインが反転の魔導具によってガチの男性になれる設定があり、元々口調も性格も男前なヒロインな上その姿になると男らしい振る舞いも板についた感じになるので、実は男でしたと言われても全く違和感なく、一瞬これもしかしてBL作品だったのかな?と確認してしまいました。変身しても服は破れないどころか服ごと変化するの便利ですね。
今後この設定がどのように活かされていくのかはわかりませんが、今のところイチャイチャするのは元の女性の姿です。
とはいえジルベールはレティシア相手だと容姿が男でも女でもすぐに頬を染めまくっていて、レティシアがそんな旦那様を見てゾクゾクしちゃう(耐えろ理性)みたいな感じで、赤面して恥ずかしがるけど本当は嬉しくて抗えない乙女な旦那様を可愛がる「女性攻め」イチャイチャを我々は見せつけられるので、そこは人を選ぶかもしれません。普段はめちゃくちゃイケメンなシゴデキ男なんですけど、レティシアの前だと初心な乙女のようになりますので。
物語としては、まだ物事が少しずつ動き出している(布石を打っている)状態で今のところお互いの溺愛の様子をお楽しみください的な展開が多いため内容は薄く、今後の展開でどう転ぶか…といった感じ。
飛び抜けた武力で戦う妻、飛び抜けた頭脳で戦う夫というバランスの取れた最強夫婦にどのような試練が待ち受けているのか……楽しみです。
個人的に二人の突出した戦闘力と頭脳明晰さに関して、レティシアは公爵令嬢がそうなるに至った経緯を、ジルベールは盤上遊戯が得意であるという点の納得感がもっとほしかったところはありますね。今後に期待ということで様子見の⭐︎3。 -
引き込まれるネタバレ2025年6月3日このレビューはネタバレを含みます▼ 語彙力皆無な最初の印象を言うと、えっちなお姉さんとむっつりスケベな小学生のおねショタ作品かと思ってしまったのですが、想像以上にヘビーなお話でした。
田舎の民宿のお客様として現れた魅惑的な大人の女性「あさねえ」と出会い、良くも悪くも大きく影響を受けた(あるいは爪痕を残された)子供たちが大人になり、あれから20年以上経った今、謎に包まれたまま消えてしまった彼女の履歴(謎)を追い、ひと夏の思い出を振り返りながら今もなお胸につかえているかつての気持ちと向き合っていくストーリーとなっています。
昭和〜平成初期(過去)と令和(現在の時間軸)の話が行ったり来たりしますが、その当時の「時代の価値観」をしっかり描き分けているのが素晴らしく、誰もが大なり小なり抱えている「生きにくさ」を扱い、時代によってアップデートされていく様々な要素を取り入れていると感じました。
他にもこういった環境で育ったその年齢の人間が持つ感情(感覚)というものがかなりリアルに描写されています。
気になる点としては、客観的事実だけ観れば成人女性が小学生を弄んで性の悦びを教えているのが倫理的にだいぶ引っかかるのと(他にも性絡みで色々ある作品ではあります)、登場人物の性格捻じ曲がっている率が高くて個人的には読んでいてあまりいい気持ちにはなれなかったかな。
年上のミステリアスで美人で優しくて構ってくれるお姉さんが露出多めな格好をしていてラッキースケベもあるという盛り盛り要素なんですが、将司(小学生)があさねえに依存し性的に欲情しガチ恋してドギマギしてる様子には居たたまれない気持ちになりましたね…まあ好きになっちゃうよな。
それはそれとして、ミスリードを狙いすぎてるのか情報の出し方が唐突に感じる部分があったり他にも諸々気になる点はあれど、先が気になって最後まで一気に読んでしまうくらい引き込まれる作品でした。いいね
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原作×アニメネタバレ2024年8月18日このレビューはネタバレを含みます▼ 1話2話共に総18ページ(漫画16ページ)。
作画やキャラデザ担当はそれぞれ海外の方で、プロデュース・監修・シナリオ等は吹替版アニメ魔道祖師に携わっていた方のようです。
コマは右→左ですが擬音の付け方など漫画の表現は海外仕様。翻訳者が違うので邦訳原作にはなかった言葉もありました。
作画担当の方は今現在お一人で描いているそうで、お身体に気を付けつつ最後まで納得のいく形で描き切ってほしいですね。
ソニーからの情報初公開時に「原作に忠実」を謳っていましたが、1話から独自のアレンジが加えられていたり、一部アニメの展開が採用されていたりします。所々アニメの影響を強く受けているように感じるコマがありますね。
基本は原作通りで、加えて物語に大きく影響しない程度に独自の構成となっていくのでしょうか…?
コミカライズで小説の全てを描き切るのは無理だというのは重々承知ですが、カットされてしまっている部分があって少ししょんぼり。
絵は人物や背景が細やかで拡大して隅々まで見たくなります。むしろ細かすぎるくらいでデジタルだと画面が濃く感じます。デフォルメキャラは個人的に独特だなと思いました。
もう一方のダリアから出ているフルカラー漫画と同じく基本アニメベースデザインですが、こちらはそれにオリジナル性が加わっている感じで新鮮。
3話以降は10月31日の魏無羨の誕生日から隔週配信となるようで、待ち遠しいですね。
魔道祖師の漫画が2種類あって迷っている方…今のところそれぞれの特性はあれど進行的にはさほど大きな違いはなく、絵の好みやパッと見の読みやすさで選ぶといいかと思います…。ちなみにR18シーンが確実なのはこちらですね。
いかんせん日本版漫画は先行話数だけではまだ評価が難しいため、気になることがあればその都度追記します。
追記:画力は継続して素晴らしくかなりこだわりを感じるのですが、それ故か他の事情もあってか更新が不安定になっている印象。完結までいけるのかちょっと不安。あと今後もそうなるかはわかりませんが、やはり一部アニメの展開を踏襲していますね。 -
おそらく全13巻ネタバレ2024年4月28日このレビューはネタバレを含みます▼ 悪として討伐された主人公が13年後に禁術で意図せず蘇り、それを皮切りに過去と今の様々な真相が明らかになっていく中で激情入り乱れる人間模様が繰り広げられていく重厚な物語となっていきます。なんといってもその過程で育まれていく藍忘機(白)×魏無羨(黒)から目が離せません。彼らが辿る一筋縄ではいかない道ゆきとその先の幸福をぜひ見届けてみてください。
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2024年4月現在10巻まで発売中の中華BL「魔道祖師」繁体字版漫画の邦訳フルカラー漫画。完結済の快看漫画連載(縦読み)全259話の書籍化でコマやページは編成されて左→右でセリフも横書き。翻訳は一部気になる点あり一部コマ外に注釈あり。1巻につき20話構成なので全13巻になるかと。
こちらは本国アニメ公式が告知を出していたこともあり、全てではないがデザインがアニメ寄りです。アニメが好きな身としては嬉しい。フルカラーなので情報量を減らした絵なのは見やすくて良いと思います。
内容は一部漫画独自の解釈があったり今後無慈悲にカットされるシーンがあったりしますが、基本的には原作通りです。連載では検閲が入るためカットせざるを得なかったキスシーンも書籍にはありました(ガチの濡れ場がどうなるかはまだ不明ですが期待大)。
※追記:繁体字版最終巻を読みましたが濡れ場はまるっとカットでした。む、無念…。
1巻時点では小説の3/23章の途中までなのでまだまだ序盤で先は長く、元々日本人には馴染みのない世界観や設定、思想な上、日本の漫画のように懇切丁寧に世界観を説明してくれるわけではないので、初見だと序盤で難しく感じても仕方ないのかなぁと思いますが、先の展開を読んでいくうちに自然と理解できるようになっていくとは思います(ちなみに原作小説の立ち読みで漫画1巻の範囲+αの3章まで丸々読めますよ)。
個人的にセリフがわかりやすい言い回しになっているなと思う部分はあれど、漫画の表現は少し淡泊ぎみで小説の細かい機微は反映し切れていないというか、その辺りは漫画だけでは伝わりにくいのかな~と感じてしまいます。
※追記:もう一方のコミカライズである日本版漫画とどちらかを選ぶなら、判断材料はあちらは基本原作ベースだけど一部アニメの展開を採用、濡れ場シーンがしっかりある可能性大、オノマトペが海外仕様、更新が不安定(完結するか不安)という点ですかね。あとは絵の好み。 -
BILIBILI COMICS/priest/チシー/Aurora Media
複雑さがクセになる中華BLネタバレ2024年4月28日このレビューはネタバレを含みます▼ 古代(3000年前)と現代を繋ぐ再会と絆の物語。漫画の範囲だとBL感はかなり薄いのですが一応明記しておくと短髪×黒髪長髪の人型人外CPです。
原作は一部の現代人が特別な能力を扱えたり、人間と違い個々に能力が扱える古代の異種族が蘇ったり、それらの間でバトル展開があったりと過去と現代を繋いだ思惑がとても複雑に絡み合っていく予測のできない展開が面白い…のですが、残念ながら漫画の範囲だと物語の中で布石を打つ段階という途中も途中で(一応区切りのいいところまでではありますが最後に気になるシーンだけ残して)完結となるので、本当の謎が何も明らかにならないまま終わってしまいます。制作サイドの意図はわかりかねますが漫画では一部設定が変更されている箇所あり。
アニメ内容+αの範囲なのでビジュアルの違いや名前の読み方の違いはあれどアニメの補完には丁度いいと思います。ですがこの後の展開からこれまで意図的に(キャラ視点では致し方ない事情があって)隠されてきた主人公二人が抱えているものや因縁が少しずつ明らかになり面白さが加速していくので、ここで終わりというのは本当に勿体ないなと感じます。
この続きを…となると完結まで追えるものが現状は原作かラジオドラマ(共に2024年4月現在日本語訳のものは無し)しか手段がないのでハードルが高いのがネックですね。原作の翻訳権利自体は獲得しているようなので何もなければいずれ日本語で読めるようになるかと思いますが…。
物語自体は複雑ながらも作り込まれた世界観で面白く、真相を知る度に胸がしめつけられる涙なしには読めない展開が待っている作品なので、漫画やアニメで興味を持った方の中で余力のある方はぜひ翻訳にも挑戦してみてください。 -
大作。紙で読了済でしたがこの度電子も購入ネタバレ2022年3月30日このレビューはネタバレを含みます▼ この作品は人となりとギャップを知るほど愛しさ募る、情が深すぎる寡黙な美丈夫×討伐され死から13年の時を経て蘇った破滅と隣合せの奇才、かつ善性と掴み処のなさを併せ持つ口から生まれたような男2人のラブロマンスが主軸でありながら、前世と今生の謎が少しずつ交錯し紐解かれていくミステリ(バディ)要素、血統主義の古代中国を舞台とした武侠ものとしての個々の物語がしっかりと存在しており読み応え抜群です。
2人の距離が少しずつ近づいていく様子が心理描写巧みに描かれており、そのふとした言動や変化に悶えること必至。真逆に見える彼らが如何にして全幅の信頼を置く破れ鍋に綴蓋な唯一無二の関係になっていくのか、その一筋縄ではいかない過酷な過程とその先にある幸福をぜひその目で確かめてみてください。公式が最大手とはこのことで4巻は完全にR18です。
報恩と復讐の応酬、思惑が渦巻く社会、不条理な身分差別、血族に受け継がれていく負積と呪縛、それらが複雑に絡み合った結果の必然的悲劇、悲劇を経たからこそようやく辿り着いた血筋によらない愛の物語に情緒の変動激しく夢中になること間違いなし。
翻訳も文体も違和感なく読みやすく、文中に注釈やルビがある安心設計。
伏線回収の巧妙さ、飴と鞭の使い分けや過去現在を行き来する構成をよく活かした筋運びに加え、本文の情景描写が豊かで心理描写も丁寧なので読み出すと止まらない不思議な吸引力があります。
更に複雑で難解な人間模様を入れ子構造にすることで対比や暗喩を至る所に仕込んでいるのも魅力的。作者の小説の技巧に舌を巻くことでしょう。想像の余地が沢山あり何度も繰り返し読んでは新たな発見をする究極のスルメ小説です。
この作品は社会の変革もの(英雄/反英雄物語)ではなく、善悪における人間の生々しい群集心理や、社会を簡単に変えることはできない諦観、個人の正しさが必ずしも誰かを救い何かを成すことに繋がるわけではないという容赦ない部分もしっかり描かれているので登場人物全員が幸せを掴む大団を好む方は消化不良に感じるかも。私はこのご都合感を一切排除した締めくくりが堪らなく好きです。
忘羨の物語としても綺麗に着地しており、過去の傷を背負い子供達の未来を見据え、欠けているものを補い合いながら、過去お互いに放った言動を塗り替えるように愛を紡ぐ2人の幸せな様子に笑みがこぼれます。素晴らしい物語でした。 -
実力派作家たちのアンソロジー2021年7月26日九つの火山と川で分断された九つの国があり、各国に二人の王の器を選ぶ「神器」がいる世界。
王が即位すれば国に安寧(長い春)をもたらすという言い伝えのもと、二人の王の器からどのような過程を経て王が選ばれるのか。
その宿命に翻弄されていく「二人の王の器」の物語。
こういった同一の世界観と設定を舞台に、実力派作家たちがの各々の個性が光る物語を展開する、ハイファンタジーアンソロジー作品です。
ちなみに同じ世界観であれど他の国のキャラが関わりを持つことはありません。
全ての物語が自国の範囲内での独立した物語となっています(その分人物相関がすっきりしていて読みやすいという利点も)。
ストーリーも絵も流石としか言いようがないくらい圧倒的です。
設定がシンプルなだけに、硬派で心理描写に重きを置いた作品が多めなのも個人的に嬉しい。
ファンタジーは好きだけど今風の設定盛り盛り作品にちょっと食傷気味…という方にもおススメしたいです。
ハピエンなんてありえない残酷設定なんですが読後感はどれも良い。面白くて一気に読んでしまいます。
ただ3話だけ浮いてしまっている気が…。他の硬派さと比べるとテイストがガラッと変わりすぎて少し困惑しました。それもアンソロジーの醍醐味とも言えますが。
また、4話は前編で終わっており後編は2巻というお預け仕様になっていることもお伝えしておきます。
個人的には他とのバランス的にも3話を2巻に入れて、この後編を1巻に入れてほしかったですね。もっとみる▼ -
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2巻で綺麗に収まったストーリー2021年5月10日引き込まれる画力、最初から最後まで目が離せない波乱万丈な攻防ストーリー、ラストにかけての盛り上がりや伏線回収とどれも最高峰なのに、2巻で完結(続きは小説で)ということだけが非常に惜しい作品。
ですがたった2冊にしては内容が濃密で満足度が高く、上手く落とし込んだなぁという印象を持ちます(原作は未読)。
全くないわけではないですが、ラブシーンを期待すると拍子抜けするかも。どちらかと言えばバトル展開が多め。
とにかくヒロインが逞しく、可愛さも格好良さも兼ね備えていて最高でした。
打ち切り芸を得意とするKADOKAWAさんだから続編はないんだろうな…。もっとみる▼ -
可愛いが詰まっている2021年5月10日老竜と捨て子の少女の子育て&成長冒険譚。作品タイトルが秀逸ですね。
魔法がありドラゴンがいる、ファンタジー好きなら誰もが心惹かれるであろう世界観がたまりません。
絵はとても可愛らしいですが、服装や背景など細かい部分に目を向けると、あまりにも丁寧な描き込みに驚かされます。
テンポの良いストーリー、クスっと笑いを誘う軽快なセリフ回しと、全体的にコミカルなので忘れそうになりますが、生と死というシリアスなテーマが根底にあるように思います。
コミカルでほのぼの、だけど切なさが垣間見える絶妙なバランスを保っている良作。もっとみる▼ -
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他に類を見ない作品2021年3月18日顔のないシャドーと顔の役割を持つ生き人形が暮らす、謎にまみれた不気味な洋館が舞台のゴシックミステリー作品。
内容はややスロースターターで起承転結もじっくりゆっくりという感じですが、可愛いだけでなくよく練られたストーリーです。核心に迫るごとにどんどん面白さが加速していきます。
題材も他に類を見ないものなので、先が全く読めない面白さがありますよ。
ダークさがありながらも、少年少女の心の成長を描いた展開にワクワクさせられました。
主従、友情、恋とたくさんの楽しめる要素も満載です。衣装や内装、家具が凝っているのも見所。
キャラクターが多いですが、それぞれに個性がしっかりとあるのですぐ覚えられます。悪役含めみんな魅力的。
後半にかけてハラハラする展開が多いけど、天真爛漫なエミリコと脳筋ジョン様の癒し加減が絶妙です。
まあでもキャラの仕草(特に表情)など、たまに作者様の性癖を感じますし、テンポが決して良いわけではないので少し人を選ぶ部分があるかもしれません。
じっくりと物語の謎を楽しめる方におすすめです。
アニメも楽しみですね〜。
※モノクロ版とカラー版がありますが、私は断然カラー版をおすすめします。読みやすさが段違いです。
カラー版だとシャドーたちの衣装や、生き人形たちの髪などの個性が際立っているし、何よりも瞳がとても綺麗。
キャラがより生き生きとして世界観に没入しやすいですよ。もっとみる▼ -
歪んだ性格のヒーローが好きならおすすめネタバレ2021年3月8日このレビューはネタバレを含みます▼ おお…評価高いんですね。
ヒロインの外堀をどんどん埋めていく、一途でヤンデレ気質な王太子 VS 婚約解消のために画策する、虐められっ子だけど逞しく猪突猛進な王女という、勘違いラブストーリー。聖女ちゃんが良い子。
この作品はヒーローを好きになれるかどうかで評価が変わると思います。
私は無理でした。すみません。
何だろう、お互いの思惑が食い違っているせいなのか、王太子の粘着した気持ちの押し付けがキツい。
あと、腑に落ちない部分が多いというか、それぞれのキャラ設定(性格)を重視しすぎていて、王族設定がおざなりになっている印象でした。
大国からの正式な婚約者(王女)の待遇が、いくら聖女を崇拝しているからといっても外交問題レベルというか…。
いやまあ、ご都合の塊とも言える乙女ゲームの世界観に突っ込むのは野暮なんでしょうけど。貴族や使用人に虐げられるとかお約束展開とも言えますし。
ですが兵糧攻めは殺意ありすぎません?大国に戦争の口実でも与えたいのかって感じ。
そしてヒロインに執着する割にその状況を放置するヒーロー…。
放置して王女の命と天秤にかけるなんて、よほどの理由があるんだろうな?と小説を除いてみましたが、その理由がくだらなさすぎて愕然としました。
全体的に行動に至る理由付けが軽すぎるのが引っかかります。
うーん、細かい部分を気にせず軽い気持ちで読める方や、全てが二人を燃え上がらせる壁なんだと恋愛重視で読める方なら楽しめるのかもしれませんね。
絵はたまに気になる作画もありますが、綺麗で読みやすかったです。 -
もふもふとスローライフが活きている旅物語2021年2月28日ゆるいタイトルに反して、中身はロードムービーのような上質ファンタジーとなっています。
スローライフ系の異世界作品で断トツで好きです。派手さはないですが好きな人はめちゃくちゃ好きだと思います。
そして、もふもふと題しているだけあって動物の絵が上手い(これ大事)。
主人公のアリトが隙あらばもふもふにダイブしているのが可愛くて仕方ないです。
アリトの従魔たちも、スノーは妹のようだし、アディーは世話焼き叔父さんみたいだし見ていて本当に癒される。
ハーレム、露骨なエロなどのテンプレ展開もないし、従魔が突然人型になることもないし、主人公含めて多くのキャラが聡明かつ善人なのでノンストレスで読めます。
そして、これこそ旅の醍醐味!と思うシーンや、何気ない日常の仕草を丁寧に描いてあったりと、逐一描写が丁寧なんですよこの作品。
料理と食事のシーンが特に良いです。
アリトが一つ一つの物語(出会いと別れ)を大事に積み重ねていっているのがよくわかります。
もちろん目的のある旅なのでテンポ良くサクサク読めますよ。
個人的にアリトが旅に出てから大体毎話入る、オーストさんのアレンジクッキング(料理初心者)も見所です。
描き下ろし漫画もたっぷりあって読み応え抜群ですよ。もっとみる▼ -
絵本のような作品ネタバレ2021年2月28日このレビューはネタバレを含みます▼ 人型となった石神様が人の願いを叶える旅をするお話。
表紙も中身も細やかな絵が美しく、思わず見惚れちゃいました。
独特な世界観と詩的な話運びが印象的で、悲劇をベースとしつつも優しいストーリーに仕上がっています。
カラスが代替わりしながらも露華と共に在ろうとするのがとても愛しい。
大団で良かったね!となるようなお話ではないですが、納得のいくラストで、読後に心地良い余韻を残してくれる作品でした。
1冊で綺麗にまとめており読みやすかったですが、あき先生の作風が合うか合わないかでかなり評価が分かれそうな気はしますね。
物語の余白も楽しめる方におすすめです。 -
ほのぼの×謎解き妖ファンタジーネタバレ2021年2月28日このレビューはネタバレを含みます▼ 妖と共に暮らす訳アリな人間の伊織と、陰陽寮の過去と思惑、その二つの運命が交錯していく物語。
法律により妖関連のものを陰陽寮に取り締まられるという世界観で、明治時代の歴史を上手く妖と絡めていて入り込みやすい。
ほのぼのとした展開の中に散りばめられた伏線が見事だし、謎がどんどん解けていくテンポの良い展開、後半にかけての緊迫感に目が離せなくなりました。
ただ、ドロドロした腹の探り合いとか、妖との激しいバトル展開とか、そういったものは無いので、人によってはあっさりしていて物足りないと感じるかも。
こうと決めたらその展開まで一直線に向かってくれる作品というか、でもご都合感はなくストレスフリーで読めますよ。
そしてまさにタイトルに戻るといったラストが素晴らしく、その後どうなったのか気になる点もありますが、余韻たっぷりで私は満足です。
絵のタッチが繊細で魅力的、かつ着物の描写が丁寧なのも見所です。
主人公と妖の絡みも見ていて楽しいし、人も妖もみんな魅力的なので、妖作品がお好きな方はぜひ手に取ってみてください。 -
ありそうでなかった後日譚2021年2月26日勇者と魔王の物語、そのエピローグから始まる追憶の物語。
基本的に人との出会いと別れを繰り返していく、新たな仲間との淡々とした旅のお話なんですが、キャラがみんな立っていて面白いし、心理描写が丁寧で1話1話が本当に深い。
主人公は勇者パーティの魔法使いである長寿エルフのフリーレンで、旅先でかつて勇者一行に助けられた人たちと話しながら、フリーレンは彼らとの思い出を紡いでいきます。
人間との価値観の差や時間感覚のズレをストーリーに絶妙に織り込んでおり、回想も相まって面白くも切ない作品となっています。
種族が違うからこそ、10年共に旅をしていた時には理解できなかった彼らの言葉や行動、思いにようやく気づき、ドライさは変わらないながらも彼らに代わって実行していくフリーレンが本当に愛しいです。「ヒンメル(勇者)ならそうする」のセリフが最高に良い。
そんな静かに淡々と進むストーリーの中に入る流れるようなギャグや、時間経過を細やかな絵のみで表現しているのも見所です。
そして1話以降回想でしか出てこない勇者ヒンメルの存在感が、フリーレンだけでなく読者の中でもどんどん大きくなっていくのがわかるからすごい。
ヒンメルほど勇者という名に相応しい勇者は最近の作品ではあまり見ない気がします。
男女共におすすめできる良作ですが、あえて気になる部分を言うなら、戦闘シーンなど動きの描写が不得手なのかな~といったところですかね。
まあでもこの作品は、戦闘よりも会話劇がメインなので。
そういった意味では、敵とバチバチやり合う迫力のある展開を求めている方には物足りないと感じるかと思います。終始淡々としていますからね。
【追記】マンガ大賞2021受賞おめでとうございます!納得の結果で大変嬉しいです。もっとみる▼ -
RPG好きにおすすめファンタジーネタバレ2021年2月23日このレビューはネタバレを含みます▼ 異剣というチートアイテムが飛び交う世界での、酒場運営&拠点防衛ストーリー。
拠点とはマイホームや店のことです。戦争の拠点ではありません。
癖のありすぎる客(戦闘狂)から拠点を護り生活レベルを上げよう!みたいな感じです(今のところ)。
拠点づくりがゲームのような表現だったり、残されたアイテムを使ったり、人との出会いから段々とできることが増えていったりと、RPG感があって大変良いです。
相変わらずナナキ先生は、大人でも子供心をくすぐられるようなワクワクする上質なファンタジーを描かれますね。
魅力的なキャラクター、テンポの良い話運び、コミカルで軽快なセリフ回し、予想の斜め上をいく驚く展開、シリアスとギャグの緩急とどれも素晴らしく、ぐいぐい引き込まれました。
ですが1巻の時点ではまだ序章(拠点の準備段階)ということもあり、比較的地味な展開が多め。
しかし好感の持てるキャラクター、人との関わり合いが増えていくごとに豊かになっていくストーリー、少しずつ広がる世界観に、きっとワクワクさせられることでしょう。
前作のHelckはとてもスロースターターな物語だったので、今作もそうなんだろうなと思っています。
現時点で既に気になる伏線がチラホラ蒔かれており、明らかに壮大になっていきそうなフラグがあるので今後の展開が楽しみでなりません。
ちなみに私は既にHelckでナナキ先生の物語に魅せられた人間なので、1巻の時点で、あっこれ絶対面白いやつだ!となっております。おすすめ!
おまけ漫画もたっぷり、カラーページもそのまま掲載されています。 -
サブタイは何だったのか2021年2月20日ざっくり言うと、天才文学少女が無双して狂信者を増やしていく話( )。
正直かなりファンタジーというかギャグ漫画かのようでした。
純文学の若き天才が才能で世界中を震撼させる!みたいな話かと思いきや、途中から(最初から片鱗を見せてはいたが)ヤンキー漫画かのごとく、とにかく全て暴力で解決!(ただし警察沙汰にはならないし非難もされない)が前面に押し出されてきて、この作品は一体どこに向かっているのだろう…という感じに。
全体的に主人公の響だけに都合の良い世界で、「響すごい」に持っていくための無茶苦茶なバトル展開が多いです。
それはまあ良いとして、周りにすごい!天才!と言わせているだけで、響自身も小説も何がすごいのか読者に伝わってこないのは致命的だと思いました。
説得力がないからこそ、響というキャラクターがただの癇癪持ちの暴君にしか思えないというか(それがあっても人としていろいろ欠けてるキャラですけどね)。
ちなみに人格が破綻したお偉いさんが悪役としてバンバンでてきますが、響自身も人格破綻者なので悲壮感は全くありません。
天才が故の苦悩もないので、そういった意味ではあっさりと読めます。
ワンパターン化しようと、無理矢理な展開であろうと、どうしても暴力で場を収めたい!という執念を感じましたね。
響の世界、暴力や犯罪が横行していて怖いわ。
周りの評価など気にせず自分を貫き通す姿勢は、誰にでもできることではないし格好良いとは思うけど、気に入らない人間を片っ端から鉄拳制裁できる主人公カッケー!みたいな、陳腐な俺TUEEE作品を彷彿とさせられました。
まあ文学少女×暴力(物理)というある意味他と差別化された作品ではあるのかも。
絵は13巻かけても上手くなりませんでしたね。むしろ劣化してません?何があったんだろう。もっとみる▼ -
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パイロット×運航支援業務2021年2月7日同じ航空会社に勤めるノンケ×ゲイの、特別な友人から恋愛への変化の話。なんとも可愛らしい二人でした。
仕事とプライベートがきちんと線引きされたストーリーで読みやすかったです。
空港が舞台というだけで、お仕事BLと言えるほど仕事内容に焦点が当たるわけではないですが、仕事でも空と陸でお互いを支え合う関係というのはエモいですね。
エロも意外とがっつり有ります。
経験豊富な受けのテクにタジタジな攻めや、我慢しなくてもよくなってからの受けの積極性(デレ)が大変良かったです。
同じ未来を見据え、お互いを高め合える関係が、付き合ってからも変わらないというのは素敵だなと思いました。
気になるのは、たまに絵が不安定なのと、攻めの気持ちの変化がかなり唐突に感じたことですかね。まあ言わんとすることはわかるんですが。
キャラがとても魅力的なので、細かいことを気にしなければ十分楽しめる作品だと思います。
【 総200P 】描き下ろし:おまけ4コマ(4P)、その後の温泉旅行の話(12P)、カバー下、電子書籍特典漫画(2P)もっとみる▼ -
作者買いです2021年2月7日アパートのお隣さんとのセ○レから始まる、チャラい大学生×真面目サラリーマンの歳の差ラブストーリー。
ベクトルは違えど人に執着してこなかった二人が人肌を求めつつ、少しずつお互いの人柄やギャップに惹かれていく様子が、心理描写巧みに描かれています。
出てくるキャラが良い人ばかりなので、不快感ゼロで安心して読めるのもポイント。皆さんが仰るように元カノちゃんがめちゃくちゃ良い子なんですよ。
展開は王道も王道ですが、これこれ!こういう安心BLが読みたかったんだ~!って感じでたくさん萌えさせていただきました。
王道とはいえ、そうはならんやろwってなるような無理な展開がないのも良かった。
そしてhagi先生初のエロあり作品ですが、今までの作風を損なわない適度な描写で素晴らしかったです。
行為は見えない感じであっさりですがとても綺麗。ふむふむhagi先生の描くエロ…イイネ!今後にも期待しちゃう。
受けがどんどんエロくなっていく様子が、攻め視点でのみ描かれるのもニヤニヤしました。
hagi先生の優しい作風がお好きな方は、購入して間違いなしですよきっと。作者買いおすすめ!
ですが大きな波はなく、背景も特に重いものではないので、普段からハードな作品を好んで読む方は物足りなく感じるかと思います。
総189P、描き下ろし2つ、あとがきイラスト・漫画(カバー下)あり。もっとみる▼ -
毎話楽しく読める2021年2月1日BL世界の仕組みを理解してしまったモブ目線の話で、毎話あるある~!と笑っちゃいます。
モブ目線だと飛び火が酷くてほんとたまったもんじゃないなと思いながら楽しく読めました。
BL初心者の方への導入本としても良いかと思います。
主人公はモブの鑑として、BL的状況に自分が介入することを全力で回避するんですが、回避方法としてその「あるある」を逆手に取っていくのが面白すぎる。
読者の心を代弁しためちゃくちゃ鋭いツッコミも笑いを誘います。
ここまできたら何がなんでも孫を見せられるよう頑張ってほしいw
まあ何が一番すごいって、これが「もののべ古書店怪奇譚」の作者様ということですよね。もっとみる▼ -
映画のような1冊2021年1月26日あ~めちゃくちゃ好きなやつ~~!
小説家のネッド×ホストファミリーのアルの愛しくも切ない3度の夏の思い出。
BLだけにとどまらない様々な愛に溢れた作品で、まるで1本の洋画を見たような読後感でした。
バックでしっとりとしたジャズが流れているようなノスタルジックな雰囲気で、セリフ回しが何だか小粋です。
登場人物や舞台が日本ではないからこその、開放的でノリの良い陽気な会話が楽しい。
イギリスのクロベリー村をモデルにしているそうで、即行検索しましたが昔ながらの景観で素敵でしたよ。
この作品に当て馬はいないけれど、あっけなくもないし陳腐さも感じません(むしろ壁だらけ)。
目は口程に物を言うといったような、視線やその場の空気で感情が伝わる、静かで時に衝動的な大人の恋愛にドキドキさせられました。
本について語るシーンは、もうそれ告白やん…って悶えましたよ私。
ですが逆に、遠回しな表現は嫌!はっきりと言葉にして!と行間を読むのが苦手なタイプの方はまどろっこしく感じてしまうかもしれませんね。
あとこの作品は女性キャラもストーリー展開の上で重要な位置にいるのがポイント。
最終話は涙がほろり。この作品のキャラクターみんな本当に愛しく思います。
残念なのは、この作品はネッドとアルの気持ちの変化と共に季節がどんどん巡っていく描写が印象的なのに、時間の経過によるキャラの見た目の変化があまりわからないことですかね。
とまあ、まだまだ粗削りな部分はありますが、デビューコミックスとは思えない完成度かと。
今後の作品もチェックしたいと思える作家さんと出会えて嬉しいです。
総217P、カバー裏や特典のおまけもたっぷりで大満足。レモネード作ってみたいですね!もっとみる▼ -
美しく時に残酷な世界観2021年1月24日小人が見えることを隠し続けてきた青年が、同じ目を持つ庭の主と出会ったことから始まる、庭師(小人)たちとの共生を描いた物語。
小人の庭師が存在するといった、まるで絵本の中のようなファンタジー空間だけど、庭師の怖さや理不尽な生と死がはっきりと描かれる残酷さを併せ持ったような、穏やかで美しいお庭の中に毒が垣間見える独特な世界観です。庭師目線でも本にできそう。
ちなみに庭師は喋りますが、人間と庭師との会話はほぼありません。
人間は庭師の習性を利用し、庭師にとって自分たちを認識していない人間は隕石扱い。
共生しているけど、お互いの住む世界がきっちり分かれているのが何とも面白い。
ストーリーもキャラそれぞれの人間臭さや心情の変化が丁寧に描かれており、1話1話綺麗にまとまっていて読みやすかったです。
世界観は大好物だし面白かったのですが、何だか同人誌を読んだような読後感。
上手くは言えないのですが、なんとなく合う合わないがはっきり分かれそうな作品だなと思いました。
作者様のSNSで本編のこぼれ話が読めるので気になった方はぜひ。もっとみる▼ -
ふわっとしてるけど引き込まれるネタバレ2021年1月18日このレビューはネタバレを含みます▼ アンダーエリアの情報屋の響×アッパーエリアの没落貴族の坊ちゃんである春野の、兄探しを通じて様々な愛ゆえのエゴに向き合っていく物語。
圧倒的世界観…は言い過ぎかなぁと。雰囲気はあります。
描きたいものをとにかく詰め込んだという感じで、設定(特にNEO)を活かしきれていないせいか、読む上で細かく気にしなければ困らない程度にふわっとした世界観となっています。
私はそれよりも画力に圧倒されました。何だか芸術的で魅力的な絵を描かれるお方ですね。
この画力故か、作品にものすごく引き込まれました。テンポも良くて読みやすい。
ストーリーはハラハラすることもなく割とサクサクと進み、後半の佳境の部分も真実を淡々と語られるだけという感じなので少し物足りなさがあるかも。
真実を知って、だから相手をどうするかって話ではないんですよね。見切りをつけるだけ。
愛に飢えていた春野が、自ら依存を断ち切りケジメをつけることができたという点は良かったです。
とにかく響が軽そうに見えて包容力たっぷりの男前で、春野がとても可愛くて時に男前で最高でした。
最後のやり取りとか、ふたりがちゃんと恋人になってからの関係性が垣間見えてニヤニヤ。
受けの凝り固まった気持ちを攻めが解きほぐしていくみたいなBLがお好きな方はぜひ。
エチは少~しだけありますが、ストーリー重視なのでキャラ同士のイチャイチャは少な目です。
受けが他の人に身体を売る描写があるので苦手な方はご注意を。
ちなみに、作者様の某イラストサイトに母親と兄のその後のお話があります。気になる方は覗いてみてください。
この後日談を読んで、えっ母親かなり正気やんと思ったんですが、幸せを奪った一族の子である春野のことを憎んではいたけど、殺したいほどではなかったってことなんですかね。去る者は追わず。 -
ほのぼの温かい作風2021年1月18日これは良い将棋漫画。
将棋にひたむきに打ち込む小学生の宝くんと、子どもを見守り応援するママのお話。
嫌な人がメインで出てこないのでノンストレスで読めて心地良いです。
普段将棋にそこまで興味がないのに、面白くて一気に読んでしまいました。
宝くんは本当に可愛くて良い子で応援したくなるし、応援しているうちにどんどん将棋にハマっていく宝ママも素敵。親子間のやり取りもほっこりします。
まさに理想のできた母子って感じでリアル感はありませんが、それがまた良い。漫画だもの。
そして対局シーンは勝利に貪欲だけどガツガツしているわけではなく、バトル漫画並の過度な演出があるわけでもなく、作風も相まって全体的に淡々と穏やかな雰囲気です。
ですが対局中の静かな緊張感が伝わってくるような臨場感がしっかりとあり、読んでいてドキドキさせられました。
宝くんだけでなく、ママ目線(初心者)の対局もあって面白かったです。
親子と共に将棋を学んでいる感覚になるので、将棋を知らなくても十分楽しめますよ。
ただまあ…打ち切りのようで。面白かったのにとても残念です。もっとみる▼ -
フルカラーで楽しめる妖奇譚2021年1月18日明治時代×妖ファンタジーがお好きならぜひ!
変に蛇足感のないシンプルな妖ストーリーで良いですね。
ライとたまきのこれぞ相棒という距離感と、会話のテンポが本当にツボです。
1話ごとのストーリーは短いが、数話ごとにひとまとまりの章になっていてサクサク読めました。
しかも章が巻を跨ぐため、気になって購買意欲がそそられますw
少しずつ謎が明らかになってきていてさらに続きが気になるところ。
ぜひ最後まで電子化をお願いします!
人にとっては救いのない話が多く、かなり流血描写(しかもフルカラー)があるので苦手な方はご注意ください。もっとみる▼ -
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中身の詰まったお仕事漫画2021年1月14日青果の仲卸に焦点を当てた、想像以上にしっかりとしたお仕事漫画で面白かったです。
今までぼんやりとした知識しか持っていなかったので、とても勉強になりました。
ちょくちょく青果の豆知識が入ってくるのも楽しい。
某CMの「世界は誰かの仕事でできている」という言葉を思い出す作品でした。
ご都合感がなく、漫画でありがちな感情論でどうこうできるほど甘くない世界がしっかり描かれており、それぞれの利益を考えた展開でストーリーが進むので読みごたえがあります。
もちろん良い塩梅にクスリと笑えるギャグもはさんでくるので、堅苦しさは全く感じません。
有能な上司がちゃんといるのも良いですね。
だからこそ、まだまだ青くてフレッシュな主人公たちを応援したくなります。
野菜や果物を始め、私たちが食材を安心して買える環境にあることを感謝したくなる作品でした。もっとみる▼ -
いい大人が男子学生に諭されていく2021年1月14日大学生の男の子が事件に巻き込まれながら、会話劇で真実を紐解いていく話。
たまに無理矢理だな~と思う展開がありつつもサクサク楽しく読めました。ミスリードもあって面白いです。
テンポが良いので、セリフ量が多いのに目が滑ることはありません。
でもまあ何というか世の中の不平不満をキャラに代弁させているって感じなので、SNSでご高尚なことを語る人を見ているようではありますね。
決してバカにしているわけではなく、腑に落ちることもあれば、ちょっと偏った思考だなと思うこともあるということです。
あと男子学生に語らせるにしては、かなり女性寄りの視点だなという印象。
でも何だかクセになる主人公です。
こういうのを押しつけがましい、説教臭いと思うようであれば読まないのが吉かも。
そういう考えもあるのだと思える人や、誰かの言葉に影響を受けやすい人は楽しめるかと思います。
ミステリー好きには…どうだろう…。もっとみる▼ -
パンとコーヒーが香る温かいストーリー2020年12月22日山奥のパン屋×宇宙人という異質な組み合わせですが、宇宙人設定があれど地球侵略や熱いバトル展開など一切なく、田舎の空気にひっそりと溶け込むSFという感じで誰でも入り込みやすい作品となっています。
表紙通りの雰囲気の、温かいホームドラマ作品だと思ってもらえたらいいかと。
紺太の賑やかさと、まみ太のドライ加減(人間の感性とは異なった宇宙人らしさ)が絶妙にマッチしていて、サクサク楽しく読めます。他キャラもみんな良い人で温かい。
一部多少のご都合感、ラストの駆け足感はあれど、ノンストレスで読める良作でした。
ちなみに出てくるパンがどれもめちゃくちゃ美味しそうなので飯テロ注意です。パンが食べたくなる…。
参考文献の量がすごすぎて作者様のパンにかける愛を感じました。もっとみる▼ -
ディストピア作品が好きならおすすめネタバレ2020年12月21日このレビューはネタバレを含みます▼ 悪魔さんと「へたっぴ」のとても歪で温かい関係にほっこりできます。
ぺたっぴの二面性が最高にゾクゾクしました。
あの赤目をそのままカラーで掲載してくれて嬉しい。
こういう闇チラ見えほっこりギャグテイストでずっといくのかと思っていたので、2巻の展開には動揺が隠せませんでした。
でも流石ですね、物語をまとめるのが上手い。
もちろん世界観(世界の謎)を完全に理解することはできませんが、数巻かけて描けそうな内容を上手く2巻で落とし込んでいます。素晴らしい。
こういうディストピア系の作品は、サクッとまとめてくれた方が私の精神的に嬉しいので個人的にはこの長さで丁度良かったです。
最終章は初手でボロボロ泣きました。その後は感情がジェットコースター状態。
最後は衝撃的すぎて一瞬頭が真っ白になりましたよ。
でも個人的にはふたりにとっての「幸福」なラストだったと思っています。
一般的にはメリバなんでしょうけどね。ハピエン厨の方にはきついと思われますので1巻で止めておくのも手かも。
願わくば、ああなってしまった彼をどこか安らかな場所へ連れて行って欲しいと思ってしまいます。
あのままだと吊し上げにされそうで…。あの助けた男の子が気づいてくれるなら尚良いですね(妄想)。
ひとつ我儘を言うなら、あのあと人間と悪魔の世界とその関係がどう変わったのかがわかれば良かったな~と思います。
ちなみに1巻外伝は魔界のお話、へたっぴのダイエットの話、最終回を示唆する話(12.5話)が読めますよ。
2巻の報告書や日記はこの作品の世界観を拡げてくれるので必読。
この外伝3を読んで、出るかもわからない2巻を待ち続けたファンの皆さまには敬服致します。
正直ページ数の割にお値段は可愛くないですが、Webで読んでいたって方でも、描き下ろし外伝と最終章のために買う価値ありです。
【1巻】総P138 (キャラ紹介P2、おまけ漫画P1、あとがき漫画P1)
【2巻】総P156(おまけ漫画P1、「古い報告書」「とある若い教師の日記」「とある悪魔の独白」「成果報告書」各P1、あとがき・おまけ4コマP1)
※シーモアさんには電子特典は付きませんのでご注意下さい。 -
11話まで既読ネタバレ2020年12月17日このレビューはネタバレを含みます▼ 絶倫執着ストーカー気質王太子が、前世持ち(成人)の割に頭がゆるい婚約者のヒロインを溺愛するストーリー。
構成が毎話、様々なキャラの視点で進むので時間軸が何度も戻ります。
故にストーリーがなかなか進まなくて中身が薄い。
正直、王太子の執着が気持ち悪…いえ怖すぎてホラーかと思いました。
一夜限りの相手である人に一目惚れしたからといって、正妃の刻印である王華を説明も同意もなしに勝手に授ける王太子の行為にはドン引きです(そもそも仮面してるのに一目惚れってなんやねんって感じですが)。
普段も全くヒロインの話を聞かずに隙あらば身体まさぐってるし。身体は正直なのにね、とか言ってそうな怖さがある。
そしてヒロインは一夫多妻制が嫌という割に、処○を捨てるために後腐れない相手を探しに行くという貞操観念のなさ。
しかも王太子に執着されて、口では嫌がっても全く抵抗せず、丸め込まれてされるがまま。むしろドキドキしちゃってる。ナンデ???ツンデレ???結局顔か??
読めば読むほど全てがヒロインが王太子に溺愛されるためのご都合的な舞台装置としか思えませんでした。
あとひとつ細かいことを言わせてもらうと、ヒロインの髪型は不動なのか?と。
婚約の儀くらいハーフアップでもいいからセットしなさいよと思ってしまいました。
まあいろいろツッコミながら読める作品ですね。絵は綺麗で読みやすいです。 -
中学生の恋愛模様2020年12月17日小説の文章がこんな感じなのか、漫画にするのがあまりお上手ではないのか、何だか少し稚拙な印象を受けました。絵は綺麗です。
そして他の方も書いていますが、獣人側だけに都合の良い法律前提でストーリーが進むので、人間であるヒロインが只々被害者で、読んでいてあまり気分の良いものではありませんでした。
せめてヒーローに悪びれる様子があれば溜飲が下がったろうに…。
ヒロインは確かに幼いけどまあ年相応だと思います。だがヒーロー、お前はダメだ。
7話まで読みましたが、ヒーローは本能のまま動いているし、ヒロインは流されまくりの鈍感ちゃんだし、何だかな~という感じでハマりきれず。
オメガバースが好きな人はハマるんじゃないですかね。もっとみる▼ -
悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。 連載版
最新話まで既読2020年12月15日ゲームのシナリオによる悪役非道な自分の未来を予知とし、それを回避すべく真っ当な女王として奮闘するストーリーです。
そのため恋愛方面は今は欠片もなく(総受け展開必至でしょうが)、女王としてどう動くかに重きを置いているので、よくまとまっていて読みやすい。
よくある「自分が助かるため」ではなく「自分と関わりを持つ人達の幸せのため」に頑張る主人公っていうのが良いですよね。
主人公プライドの家族や臣下、民を想う気持ちに胸を打たれることでしょう。
ただ作画は…キャラクターの絵は繊細で綺麗だけど、他は簡素だなという印象でした。
良く言えばすっきりしていて読みやすいのですが、背景や小物、戦闘シーンの作画には期待しない方が良いです。
あと個人的には、絵がセリフの熱量に押されている部分が気になってしまいました。
せっかくのコミカライズなんだし、もう少し絵で魅せてもらえたらな~と思ってしまうんですよね。
今後に期待!もっとみる▼ -
ようやく面白くなってきた2020年12月11日よくある溺愛ストーリーですが、ヒロインのエリィがとても可愛いです。
THE少女漫画なキラキラした絵が、自分に合うか不安でしたが意外と気になりませんでした。
むしろドレスや男性の公務服がとても素敵。
なろうのコミカライズでありがちな、どでかいリボンをふんだんに付けていたら可愛く見えるやろ!みたいなお子様ドレスではなく、中世ヨーロッパ風のドレスなのが良い。
ストーリーは3巻まではエリィとクリスの自己紹介を兼ねた展開と、ふたりの過去(出会い)についてって感じなので、かなり糖度高めの展開ゆっくり。
二人が公務で別々になる4巻からようやく物語が動きます。
個人的には4巻から、今まで囲われ持ち上げられてきたエリィの能力を、何が正しいかは別として別視点で見ることができる人物が現れて、やっと面白くなってきたな~って感じです。もっとみる▼ -
勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う
女性でも読みやすい異世界作品2020年12月7日毎度お馴染み、勇者パーティー追放からの、可愛い女の子たち(最強種)とハーレム状態で冒険するお話。
ついでに勇者パーティーメンバーがとことんクズというか頭悪い感じで、落ちこぼれに思えた主人公に実は秘めた才能が…?までテンプレ。
主人公はお人好しで嫌味がなく、かつ女の子にデレデレしない系です。
テイムしていくごとにパワーアップってチートすぎんよぉ。
ストーリーは予測できる範囲内でサクサクと進んでいきます。割と穏やかな雰囲気。
ハラハラ感や胸が熱くなる展開はないですが、ノンストレスで読めるのが良いですね。
でもまあ段々とパターン化してきた気はしますね。
絵はコミカルだけど、とても綺麗で読みやすいです。もっとみる▼ -
好みが分かれる展開(レビュー必読)ネタバレ2020年12月7日このレビューはネタバレを含みます▼ あまりドロドロしすぎていない、お妃様争奪戦ストーリー。
令嬢もの作品の中では飛び抜けてギャグが多めなので楽しい気分で読めます。
主人公が貴族としてというより、踏まれても折れない雑草のような逞しさで立ち向かう姿が格好良いです。
絵も綺麗で読みやすい。
ただ3巻後半で好みが分かれるであろう展開となりますので、いろいろな方のレビューを読んで判断することを推奨します。
【 以下ネタバレ注意 】
3巻からはどんでん返し展開が待っています。これは誰もがミスリードしてしまう。
ぶっちゃけると主人公はある意味引き立て役ポジション(別キャラルート)です。
反応は様々でしょうがこの展開は否定派が多い印象。
他の方のレビューを見ましたが、王子様とお姫様は幸せに暮らしましたとさ、みたいな王道ロマンスがお好きな方が多いんだな~と驚きました。
確かにそっち!?と展開に驚きはしたものの、よく考えずともテレーゼ本人には最初からその意志はなく、ずっと憧れの女官を夢見てまっすぐ突き進んでいた上、大公に対しての恋愛感情も皆無でしたし、私はむしろ皆さんが期待していた展開になる方がガッカリしたことと思います。
王道から外れる展開も大歓迎!な方は新鮮な気持ちで読めるのではないでしょうか。 -
誰しもが普通に生きたい2020年12月5日ノイドという異種族が地球上に突如現れたという世界観のお話。
ちょっと人を選ぶ作品ですね。
正直に申し上げますと、BLとしてもSFとしても中途半端だなという印象でした。
甘い恋愛や重厚なSFストーリーのどちらかを過度に期待すると肩透かしをくらうかも。
ただし、異種族(未知のもの)への差別や迫害をテーマとした作品としては秀逸です。
ネタバレ無しで読む方が良いとは思いますが、展開を予想するのは容易なので、あらすじや帯にある衝撃作というのは言い過ぎかなぁ。
ですが全てわかった上でもう一度読むと、1周目よりも違った印象で読めて胸に迫るものがありました。
生き方や思想が大多数の人とは違うとわかっていても、誰かと好きなものを共有したり、そんな自分を受け入れてもらいたいと無自覚に願っている。
それぞれの普通がわかりあえる世界(自分と違っていても受け入れられる世界)が当たり前になれば良いのにという強いメッセージをSFを交えて巧みに描いた作品だと個人的に解釈しました。
後日談で作品の魅力がグッと強まるので、webで読んでいた方にもおススメです。
攻受は表紙の通り。描写は見えない感じであっさり。絵は好みが分かれるかも。
日常の風景、ちょっとした何気ない動きや会話が細かくてとても良かったです。
派手な作品ではないけど、ふとしたときに読み返したくなる、心にじんわりと染み渡る作品でした。もっとみる▼ -
花言葉がラストにふさわしくて素敵ネタバレ2020年11月25日このレビューはネタバレを含みます▼ 不愛想だけど世話焼きな先輩とワンコ属性な後輩の穏やかな日常ストーリーです。
終始淡々と進む、多くは語らない会話劇のようでした。季節を感じられる空気が本当に素敵。
ノンケとゲイである等身大の彼らの様子(関わり合い)がとてもリアルで、お互いにぽっかりと開いた穴の原因を自覚し向き合っていくまでの機微がじっくり丁寧に描かれています。
カンナ先生の作品のマイノリティについての言及って、読んでいくうちに自然と「自分が思う普通」という壁が良い意味で簡単に崩されていくんですよね。
いろんな人生があるんだな~自分が考える普通の枠なんてちっぽけなものなんだろうな~と思わされます。
ただこの作品は、リアルでもいそうな人たちの何てことない日常の一部が描かれているって感じで、かつ恋愛色は薄め(最後にキスのみ)なので、物語としての起伏は少ないし、それ故に物足りなく感じる方もいるかと思います。
私としても、とても素敵な作品だとは思うのですが、皆さんが絶賛されるほどにはハマれませんでした。
エトランゼのインパクトが強すぎたせいかもしれません。 -
認知バイアスについて勉強になったネタバレ2020年11月22日このレビューはネタバレを含みます▼ 天界案内人というファンタジー要素があるからこその唐突な軽すぎる死の描写、女性の強○まがいの性表現、犯罪者スレスレのクズ人間たちetcと結構人を選びそうな作品だと感じました。
漫画としての表現(コマ割り、構図、演出)は巧みです。
BLでこういう絵が上手いっていうよりも漫画が上手いって思える作家さんはあまり見かけないので思わぬ発見でした。
そしてコンプレックスを抱える人間の繊細な心理描写や、胸糞なクズ人間を描くのが上手い。
ここまで描くと陰鬱なストーリーっぽいですがそんなことはなく、全体的にコミカルに描かれているので読みやすくなっています。
メインふたりもとても可愛いです。特に攻めの天使が嫉妬を覚えていく様にはニヤニヤさせられました。
そして最終話の神聖さたるや。少しずつコンプレックスと向き合わされていく感じ、まさに天使のささやきからの浄化って感じですごく良かったです。本編ラストの1枚絵も素敵。
ですが、何だろう…最終的に死んでしまったクズ人間たちが実は良い人だったみたいな描かれ方をするんですけどそれが全く腑に落ちない。
死んでからの魂の状態で心からの懺悔でもしてくれてたらまだ納得できた気もするけどそれも無し。
レオの彼女とかそれ洗脳されてない?って心配になるレベル。普通は結婚考えている彼女をソープで働かせて遊ぶ金を貢がせたりしない。
シューヤも受けを都合の良い金ヅル(返す気はない)にしておいて実は心配していた??
いやいやアンタ死ぬ直前に危ない橋渡らせようとしてたでしょうがって感じ。
結局は根っからの悪人はいませんでしたってオチにしたかったんだろうけど、あの後付けだけで今までの行動が清算されて良い人っぽくなるのは、ちょっと無理があるな〜と思ってしまいました。
そこだけ残念です。 -
ゆるく楽しいほのぼの熊チート2020年11月21日なんやこのタイトルと熊?!と思って読んでなかったのですがアニメを機に拝読。
ストーリーは異世界の王道チートものだけど、主人公はサバサバした性格の達観した女の子だし、絵柄もコミカルで読みやすい。
そして主人公がチートで強くて、何かあっても割とさらっと解決しちゃうので、熊装備も相まって全体的にゆるい雰囲気です。
至る所に熊要素が出てきてギャグっぽいのに意外とふざけすぎていないというか、シリアス成分が少ない割に展開にメリハリがあって、楽しくサクサク読めますよ。
まあそこまで絶賛される程かと言われると個人的に微妙なところ。普通に面白いんですけどね。
ちなみに女性漫画カテゴリーですが恋愛要素はなく、展開も男主人公の異世界作品と遜色ないので、完全に男女兼用作品となっております。もっとみる▼ -
読後感すっきり2020年11月17日今作は過去作と同じ世界観での敵国視点で、”自己犠牲”をテーマに終焉と解放を描いた物語といったところでしょうか。
過去作と同じく巻き込まれ主人公ですが、今回は敵国側にかつ男から女に転生し、ヒロインと敵対する立ち位置というのが新鮮でした。
月煮先生らしいコミカルでテンポの良い展開で読みやすかったです。
まあ正直、作者の頭の中にある設定の一部だけを見せられているって感じなので、詳しく突っ込んだら負けな世界観ではあります。
それと、今作は脇役キャラが個性的でとても好感が持てるキャラが多いのに、掘り下げが無さすぎて、一般通過キャラのごとく名前が覚えにくかったのが残念。
ですが、なんでか私はこの作品がすごく好きなんですよね。
終わり良ければ総て良しってことなのかもしれませんが、駆け足ぎみではあるけど理想の落としどころだったというか、スッキリとした気持ちで読み終えることができたのが大きい気がします。
何よりも主人公が女性体でも男らしく、ちゃんと自分の意思で選択できる主人公なのが良かった。
表立ったヒーローになれずとも、沢山の人の光にはなれたっていうのがグッときます。
恋愛感情ではないヒロインとの深い絆が素敵な作品でした。
2巻の描き下ろしで本編の補完もされているので本誌派の方にもおすすめです。もっとみる▼ -
異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。(コミック)
テーマは面白いのに絵が残念2020年11月15日人間と魔物の共存という、テンプレご都合になりがちな難しいテーマを扱っている作品ですが、この作品は貴族としての務めを果たしつつ、人間と魔物の片方の利だけを見ずに折り合いをつけていく展開となっているのが面白いです。
ひたすら職務を全うしていくストーリーなのに、主人公の可愛らしさを出し惜しみしていないのも読みやすいポイント。
しかし如何せん絵が…。人も動物も何か色々崩れていて、いちいち気になって仕方ない。
最近で言えば氷熊族のラックさんとか、あなた獣耳ズレてますよって感じなんですよね。カチューシャかな??
あっ幼女(主人公)の絵は可愛いです。もっとみる▼ -
転生貴族、鑑定スキルで成り上がる ~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~
今のところ良い感じ2020年11月13日歴史シミュレーションゲームの世界観の異世界転生もので、鑑定スキル持ちの主人公が街で隠れた才能を発掘し、それぞれの人間ドラマを経て配下を獲得していくストーリーとなっています。
他の類似作品と違って、主人公は別段強くもないステータスが見えるだけの子供なのが良い。
数値も無駄にごちゃごちゃしておらず見やすいし、主人公自身を鑑定できないことと、ステータスに野心があるのが新しいなと思いました。
この野心ですが、配下にするに当たってプラスにもマイナスにもなり得る要素で、かつキャラの人となりを表していて面白い。
絵は少し独特かなという印象。でもリーツの戦闘狂の目はゾクゾクしました。もっとみる▼ -
アニメよりも印象が違って読めるネタバレ2020年11月10日このレビューはネタバレを含みます▼ キ○の旅に魔法をプラスさせただけの二番煎じ感が強いですが、重きを置いている部分があちらは”国の成り立ち”であるなら、この作品は”人との出会いと別れ”といったところでしょうか。
まあ言ってしまうと、主人公イレイナはただの傍観者であり、魔法を使って誰かを助けるといったような世直し旅などでは決してありません。
むしろ救いのない話が多く、オチているようでオチていない投げっぱなしエンドに感じることもあります。
つまりは、「あの国の人たちはこれからもこうして生きていくのでしょう」ではなく、どちらかというと「あの人たちはどうなってしまうのでしょう?私はもう関わるつもりはないので知りませんが」というすっきりしない感じなんですよね。
もちろん全てがそうではありませんし、もしかするとそれがこの作品の魅力なのかもしれませんが。
あと個人的には、美しい景色に惹かれて旅がしたくなったという設定なのだから、もう少し背景を頑張ってほしかったです。 -
(内容は)ないです2020年11月9日評価があまりにもバラバラなので興味本位で読んでみました。
公共の場でも所構わずベタベタいちゃいちゃしているカップルを見たときのような居た堪れなさを味わえる作品です。
お花畑なストーリーでファッションヤクザ感が強く、コメディと思った方がまだ読める。
ヒロインがおバカであまり魅力を感じないというのもあるのですが、それ以上に桜夜さんの表情、セリフが気持ち悪くて途中でギブアップ。絵が苦手というのもあるけど。
とりあえず、少女漫画で男のアヘ顔アップは見るに堪えないので止めていただきたい。
でも今はこういうのが売れる時代なのかと大変興味深かったです。年上ハイスぺ彼氏に溺愛されるヒロインってことで需要があるのかな。
まあ夢があって良いんじゃないですかね???(知らんけど)もっとみる▼ -
絵が合うなら楽しめる2020年11月9日異世界から異世界の転生もの。魔術大好きマンが転生して更に魔術を極める話。
主人公の内股で女の子のようなクネクネした立ち絵が受け入れられるかどうかで評価が分かれるであろう作品なので、試し読み必須です。
中身としては、俺ツエーのテンプレっぽいのに、テンプレからは何かズレてる魔術キチ…いえ魔術一筋の主人公が面白い。
新しい魔術を試さずにはいられないキチっぷりは嫌いじゃないです。
まるで歩く天災ですが、相棒となる(ちょっと不憫な)グリモ以外には迷惑かけていないので、主人公の奇行に辟易することはありません。
周りを下げて主人公上げの展開もなく、メリハリのあるストーリーで読みやすかったです。
主人公が強すぎるので特にハラハラしないというか、あまりシリアスになりきれない作品ではあるかな。楽しく読めます。
個人的に絵の緩急や間の取り方、動きがめちゃくちゃツボ。
擬音だけで誤魔化さずに、絵とコマ割りで魅せる戦闘シーンや魔術発動シーンには惚れ惚れさせられました(まあ好みはあるかも)。もっとみる▼ -
面白くないわけではないが…2020年11月6日うたこ先生初のオリジナル作品でサイキックバディもの。
絵がとても綺麗で、かつ美男美女ばかりで眼福です。
ただ冗談なのか本気なのかわからない感じのプラトニックなBL匂わせがあるので、苦手な方はご注意ください。
ストーリーは周りの感情や環境の影響を受ける”エンパス”を特殊能力化したものを使っての探偵ものなのですが、探偵というよりも潜入捜査官の方がしっくりくるかも。
面白くないわけではないんですが、探偵ものにしては現代的というか、たまに展開がぶっ飛んでいるというか、いろんな役をさせることで美男子の萌えを提供したいのかな?と思ってしまうことがしばしばあります。
良く言えば新感覚を味わえる作品というところでしょうか。
今までチラチラと匂わせてきた、ふたりのバックボーンがはっきりと明らかになれば物語に深みが出そうなので、6巻以降に期待ですね。もっとみる▼ -
遅効性がある2020年11月5日19世紀末のイギリスを舞台とした悪魔マルバスと少女ウィステリアの物語。
絵柄は少女漫画っぽいですが中身はガッツリ少年漫画です。
敵も味方もそれぞれが目的と矜持を持って戦っており、正直これから誰が味方になって敵になっていくのかがわからない面白さがあります。
最初は護られヒロインとのよくある逃避行ストーリーかと思って続きを読むか迷っていたのですが、2巻3巻と読み進めていくうちに、あれあれ面白いぞとなってきました。
割と展開が早いのでサクサク読めるのもポイント。
そして敵を目の前にしても怯まないウィステリアがとても格好良い。
一見小突いたら崩れてしまいそうな儚さを持っているのに全くそんなことはなく、力とは別の強さを持った、自分の役割を理解しているヒロインで好感が持てます。(護られヒロインとか思っていてすみません!)
3巻以降、特にアツい盛り上りを見せていくので、一気に読むことをおススメします。もっとみる▼ -
独特な世界観がたまらない2020年11月4日絵が相変わらず美しい。カラー絵はまるで画集を見ているようです。
1話完結型の、死を求める不死のふたりによる、終末のような異質な世界での一期一会の旅。
前作「IT`S MY LIFE」の過去(紀元)のお話であり、先祖キャラ?が出てくるので、前作を読んでいればより楽しめますよ。
たまに、あれ?と思うような矛盾点がありますが、それを補ってしまう程にストーリーが素晴らしいです。
ほっこりする話と終末感ある報われない話の両方あって読者を飽きさせません。
ユースとミーティアの相棒感が最高だし、ギャグも多めなので基本的に楽しく読めますよ。もっとみる▼ -
続編連載おめでとうございます!2020年11月3日自分のやりたいことと周りの反応のギャップに悩むふたりの爽やかなDKもの作品。
セリフは関西弁ですがとても自然で、兵庫県(おそらく神戸周辺)の訛りなのでコテコテしておらず、誰でもすんなり入り込めるようになっています。
まるで少女漫画のようでストーリーは思ったよりも軽めです。
当て馬も男同士の葛藤もドラマチックな展開もなく、体の関係までトントン拍子で進みます。
良く言えば安心して二人の様子を拝めますが、悩みの根が深い割にそういうことはあっさりなんだなという印象。愛に勝るものはないということか。
まあでも性の欲求に素直なふたりは男子高校生らしくて良きでした。
爺ちゃん関しては如何せん描写不足だな~って感じですね。
落ち着いてから考えると無器用というか言葉足らずなだけなんだろうなって思うんですけど、あの描写じゃあただの無神経爺さんに思われても仕方ない。
その辺りも続編で解消されたらいいなと思っています。
後輩キャラの翼くんがとても良いキャラしていたので続編でもバシバシ出してほしいです。もっとみる▼いいね
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うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。
可愛いが溢れている2020年11月2日タイトルとぱっと見のロリで避けていました!すみません!
すっかりラティナの虜です。全くあざとくない庇護欲をそそられる可愛さ。
身近に幼い子供がいる方には更に魅力が伝わる作品のように思います。
主人公のデイルを含めて周りの溺愛っぷりも納得ですね。
主人公はめちゃくちゃ強いのに親バカすぎて、その落差に笑ってしまいます。
強面オッサンズのツンデレシーンも最高に好きです。
でも穏やかな日常、たまにシリアスって感じでストーリー進行はかなりのスローペース。
なので敵をバンバン倒していく爽快なバトル展開を求めてしまうと物足りなく感じるかも。
絵はとても綺麗で魅せ方が本当に上手く、作画担当の方の手腕が窺えます。もっとみる▼いいね
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思いのほか骨太な作品2020年11月2日不可解な事件や超常現象の発端となるアナザーに対処するべく奮闘していくといった、一見よくある陰陽師の現代版かと思いきや、過去に安倍晴明が残した”時を越えての壮大な因果因縁の物語”でした。
絵は独特ですが、ストーリー構成がしっかりしているので読み応えバツグンです。
すっきり解決!みたいな人間に都合の良い展開ばかりではないし、主人公の”砂の耳”の力によって言葉を通わせることができるのに話が通じないという、アナザーの異形の者としての怖さがしっかり描かれています。
バックボーンが明かされてからは更に面白さが加速していきますよ。
既に最終章に入っておりますが、これからどう風呂敷を畳んでいくのかとても楽しみです。もっとみる▼ -
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スパダリ「猫」獣人×Ωの奉公人2020年11月1日大正ロマンの世界観で、Ωとしての辛い扱いを受けてきた冬獅郎が、スパダリ猫獣人のアレックスのもとで幸せになっていくシンデレラストーリー。
猫獣人ってだけでも新鮮でした。もふもふで肉球があるのも良し。
”○の恩返し”のバロンを彷彿とさせる紳士っぷりが最高でした。
冬獅郎も健気で可愛くて、庇護欲をそそられます。
ストーリーは王道といった感じですが、オリジナル設定があって面白かったです。
サブキャラも気になる描かれ方をしています。まあいろいろ詰め込んでいる感は無きにしも非ず。
個人的にオメガバースに苦手意識がある方でも読みやすい作品だと思いました。もっとみる▼いいね
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可愛らしいDK青春ストーリー2020年10月29日強面で誤解されやすい狂犬くん(隠れワンコ)と、愛想笑いで自分を取り繕ってしまう優等生という王道DKもの作品です。
こりゃまた可愛らしいお話でした。エロさは皆無です。だがそれが良い。
ストーリーは予想しやすいお約束展開なので、あまり目新しさはありません。
でも綺麗にまとまったストーリーで読みやすいです。
そして好きになっていく経緯が本当にじわじわとって感じで、はっきりとした駆け引きがあるわけではないので、少し描写に物足りなさを感じるかもしれません(特に狂犬くん)。
まあそこはタイトル通りということですね。
二人とも行動力の化身だし、葛藤もなくあっさり進むのでBL初心者さんにもおすすめ。
hagi先生が生み出すキャラは自分で考えて動けるというか、ウジウジしていたり受け身じゃないのがすごく良いんですよね~。
個人的に描き下ろしがすごく好きでした。大学生(20)の時のお話。
二人の関係に実は気づいていたけど密かに見守ってくれている同級生が素敵。
そして最後の二人が本当に尊い。可愛い。ありがとうございます。
★描き下ろし「モブAは語る」14P、カバー下漫画2P、電子おまけ1Pもっとみる▼ -
やさしい世界に誘われる2020年10月29日飼い猫のぶー太により縁を繋いだDKの二人が少しずつ心を通わせていく、恋になるまでを丁寧に描いた何とも可愛らしいストーリー。
行き場もなく彷徨っていた金魚が大切な拠り所を見つけるといったような、「やさしい」「ほっこり」という言葉がとても似合う、静かでやさしい世界観でした。
展開に大きな波はなく、ギャグに振り切っているわけでもなく、どこまでも温かい。
それでも物足りなさを感じさせない作風というか、作者様の見事な手腕だなと感じます。
嫌味がなく押しつけがましくもない相手への思いやりがとても心地良かったです。
何といっても絵や表現が綺麗なんですよね。ずっと見ていられる。
まあでもキスのみエロ無し、葛藤やモダモダも無くあっさりとしているので、好みは分かれるかもしれませんね。もっとみる▼ -
友麻 碧(富士見L文庫/KADOKAWA刊)/夏西七/雨壱絵穹
運命に翻弄される一味違った転生もの2020年10月28日まだ1巻なので何とも言えませんが、前世からの何らかの因果により運命に翻弄される、壮大な両片想いの物語になっていきそうだなという印象。
キャラクターは魅力的だし、ストーリーもこれからどんどん面白くなっていきそうですが、絵が残念だなぁと思ってしまいます。
なんというか、首から下を描くのは苦手なのかな…という感じ。
度々デッサンが狂っているのが気になってしまいます。特に腕と手が顕著。
そして全体的にひょろっとしすぎていて顔とのバランスが悪いんですよね。
うーん、ですが原作は面白そうだし、これからのストーリー次第で評価が上がりそう。もっとみる▼ -
ラブコメの皮を被ったギャグ漫画2020年10月28日ギャグ全振りの教師と生徒のラブコメ作品となっており、決してよくある少女漫画の恋愛ストーリーと思わぬことです。
テンポの良いセリフ回しが最高に笑えるし、みんなキャラが濃すぎてめちゃくちゃ面白い。
ほんとバカだな~こいつらwと思いながら楽しく読めます。
そして何があっても先生にひたすら一途で、先生のこととなるとチョロすぎる村井君を応援したくなることでしょう。
たまに絆されながらも教師という壁を絶対に壊さない鉄子にも好感しか持てません。
ですが!こういった作風なので、好みがきっぱりと分かれる作品かと思います。もっとみる▼ -
これぞ冒険!2020年10月27日作品の雰囲気に合った圧倒的画力でお届けする、異世界から異世界の転移もの作品です。
主人公のレカンは師匠に教えを乞いながら、自分にとってのロマンをひたすら追い求めているので見ていて清々しいです。
というか迷宮狂いすぎて、迷宮のこととなるとあの巨体が少年のように目を輝かせてワクワクしているのが微笑ましい。
こんなにも魅力的で漫画として面白いのに3巻で完結(おれたたEND)…残念です。
派手さはないし、ハードボイルドがお好みの大人向けという感じなので、最近の異世界ものと比べられてしまったのかもしれませんね。
だからこそ、なろう特有の無自覚最強、能力盛り盛りのチート、ハーレム、露骨なエロ(露出)に辟易している方にぜひおすすめしたいです。
これぞ冒険ですよ!こういった作品がもっと増えてくれたらいいなぁ。もっとみる▼ -
もう少し尺が欲しかった2020年10月26日可愛い動物の姿や人型の付喪神たちが魅力的な作品でした。
主人公はちょっとおバカな感じなので好みが分かれるかもしれませんが、テンポ良く展開されるストーリーで楽しく読めるし、何より可愛いカミさまたちに癒されます。
個人的にヒロインの委員長が、最後まで眼鏡っ子を維持してくれたのが良かったです(急に眼鏡が消えるメインヒロインって多いですからね…)。
委員長はヒロインというよりもヒーロー(主人公)寄り。特に後半はむしろ主人公がヒロインでは?な作品でした。
ストーリーは途中までは良かったんですが、後半は何だか尻すぼみで残念。
ちょっと消化不良だったので、せめてあと1話欲しかったな~というのが正直な感想です。もっとみる▼いいね
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爽やかに駆け抜ける心の成長ストーリー2020年10月18日脚本家志望の大学生(現小説家)の千歳×休業した人気若手俳優の杏平による、夢と現実・期待と不安の狭間で思い悩みながらも、お互いに影響を与え合い自分の殻を破っていこうとする、爽やかな心の成長ストーリー。
正直デビュー作とは思えない出来栄えで驚いています。
絵が綺麗なのは勿論なんですが、作者様の頭の中で完結している物語がしっかり漫画に落とし込まれていて、映画のように、良い意味で続編なんて蛇足だと思えるくらい完成された1つの物語となっているのが素晴らしい。
”皆で1つの映画をつくる”という安定したベースがありつつ、心の成長ストーリーとしても恋愛ストーリーとしても、説得力のある構成と心理描写で成り立っています。
だからこそ、1つの物語を堪能した満足感(余韻)がすごい。
お友達キャラも温かく個性たっぷりで、作者様が愛情を持って描かれているのがよくわかります。
個人的にはドロドロした汚い部分がないのも読みやすいポイントだったかな。
そういった点では物足りないと感じる方もいるかもしれませんね。
そしてコマ割りが結構細かいです。セリフ量が多く感じるのはおそらくそのせいかと。
本編からカバー裏まで作品愛が詰まっていて、こんなにも素敵な作品に巡り合えたことを私は嬉しく思います。
千歳が杏平ガチ勢すぎて雑誌や盤などをちゃんと3つずつ買っているのには笑ってしまいましたwもっとみる▼ -
どこまでも温かいストーリー(小冊子追記)2020年10月18日人間と混ざった魃(ひでりの神)のレイと奉公人テオが共に四季を過ごしていく、人外×人間の温かくやさしい物語。
奉公人といっても、後半にかけて主従というより無二の家族のようになっていく様子が微笑ましかったです。
一緒に暮らしていくうちに、二人の表情がどんどん柔らかくなっていくのもすごく良かった。
寿命の問題はどうしようもないですが、だからこそ二人は毎日一緒に過ごす時間を大事に生きていき、毎年季節が巡る度に「来年は○○しましょうね」って約束をするんだろうなぁと思うと、切なくとても愛しい気持ちになりました。
まあでも全体的に、こういう設定があるけど細かいところは各自で想像してくださいね~っていう投げやりな世界観だったので、ファンタジーとしては少し物足りなさを感じます。
ですがそれを補えるほどに、二人の微笑ましいやり取りが愛しいと思える素敵な作品でした。
行為の描写ははっきりと描かれていないので、BL初心者さんにもおすすめです。
ちなみに番外編は「おでかけ」7p、「熱」9pのほっこり日常エピソードとなっております。
割高ではありますが、二人が仲良しでとても可愛いので本編が気に入ったのなら買う価値ありですよ。
★小冊子が電子で読めるようになったので追記。
ページ数は16p、冬の日常のほっこりエピソードで、ふたりでくっついてぬくぬく温まっている様子が可愛いです。エロはありません。
個人的には、可愛かったけど買う程でもなかったかなという感じでした。まあ特典ですからね。もっとみる▼ -
思春期チェリーバレット【特典ペーパー/電子限定描き下ろし付き】
見ていて楽しい可愛いカップル2020年10月17日前向きで明るい陽キャな攻めと、クールなのに二人きりだとオープンになる受けによる、性的興味深々なギャグ多めの可愛らしいDK青春(性春?)ストーリーです。
絵はちょっと癖がある感じですが、デフォルメ絵がとても可愛い。
そして大きな障害もなく、当て馬もおらずで楽しんで読める安心設計なストーリーとなっております。
雄の本能をもう一度見たいがために、見聞きしたことをアレコレ試しまくる受け。
受けに嫌われたかもって悩んでも、持ち前の前向きさですぐ持ち直す攻め。
いやぁ本当見ていて楽しいカップルですわ。終始ニコニコしちゃう。
エチも愛があって大変よろしいです。誘惑の仕方が大胆かつドストレートで気持ちがいい。
シリアス成分はほぼ無いので、ギャグ多めで楽しいBLがお好みの方におすすめです。もっとみる▼ -
詰め込みすぎで目が滑る2020年10月16日狐との異種婚ドタバタラブコメ。
絵が綺麗でエチが少ないながらも濃厚でヨシ。
ただ、あれも描きたいこれも描きたいで詰め込みすぎかなぁという印象。
そのせいで話が急展開続きで中途半端になってしまっているし、世界観は独特で良いのに設定を活かしきれていなくて勿体無いですね。
言うなれば、壮大な物語のダイジェストを見せられているような気分というところでしょうか。
キャラも攻めの狐は泣き虫で、後半にかけてどんどんナヨナヨしてくるのがあまり好きではなかったし、受けも普段の男らしさとデレたときのギャップは素晴らしいと思いますが、狐と狸を無自覚に振り回す無神経さがちょっとなぁ…って感じ。
個人的に狸が作中で一番好ましいキャラだったので、この作品にはそこまでハマりきれませんでしたね。
まあ好みがかなり分かれそうですが、好きな人は好きな作品だと思いますよ。多分。もっとみる▼ -
まったり楽しめる2020年10月16日MMOの世界で豪運な主人公が可愛いモンスたちと栽培したり収集したり、そんなまったりストーリー。
モンスたちはわかる言葉を話す訳ではないのに、表情や感情が豊かでとても可愛いです。
かといってよくあるマスコットキャラのようなあざとさもないし、むしろ頼りになる!
ストーリーは栽培して収集して、クエストこなして、たまにバトルしてって感じなんですけど、新しい要素がどんどん出てくるので飽きがきません。
異世界転生ものではないので、ちゃんとゲームしている感があって楽しいです。
なので従来のなろう作品のような爽快なバトル展開、成り上がり展開、テンプレヒロイン、ハーレムなどを期待している方は、つまらなく感じるかと。
この作品はそういうものとは今のところ無縁だということをお伝えしておきます。
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嘆きの亡霊は引退したい ~最弱ハンターによる最強パーティ育成術~
毛色が違って面白い2020年10月15日主人公クライの意思とは反して、叙述トリック式に周りの人間がクライの発言や行動を深読みし、その通りに本当に事件が起こっていくという勘違いコメディ作品。
主人公は宝具の扱いに長けていて、かの猛獣たち()の手綱を引けるという点以外は、偶然が重なって勝手に最強と思われている系です。
実は隠れた才能が…?あったらいいね…。
そして主人公に振り回されるティノが不憫可愛いです。
絵がとても綺麗で読みやすいのもポイント。
ストーリーの切り口は面白いけど、展開がややゆっくりなのと、主人公ヨイショ(特にティノのマスター崇拝)がパターン化してきつつあるのは気になるところ。
そして主人公の内心が結構クズいのと、3巻以降に出てくるストグリメンバーのアクの強さに耐えられるか否かで評価が分かれそうではある。もっとみる▼ -
打ち切りでも十分楽しめる2020年10月15日グルメあり戦いありギャグ多め、でも転生やチートは無しの部隊遠征ストーリー。
キャラ絵は独特ですが、タイトルに”遠征ごはん”とあるだけあって、料理と食事の描写がとても上手いです。
グルメ要素のある漫画でご飯が美味しそうっていうのは重要ですよね。
第二部隊のメンバーはクセがありますが、主人公は明るくて可愛いし、他のみんなも良いキャラしているので読んでいてとても楽しいです。
第二部隊のわちゃわちゃした感じを楽しむには良いと思いますが、残念ながら打ち切りのようなので、ストーリーを楽しみたい方は物足りないかもしれません。
恋愛フラグも片方しかたちませんでしたし…。
完結後、新しく同じ原作のコミカライズ連載が始まりましたが、正直こちらの絵に慣れてしまうと、一定層の読者に媚びた萌え絵になってしまったなぁという残念な印象になってしまいますね。もっとみる▼いいね
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可愛いだけでない独特な世界観に魅了される2020年10月13日プリンタニア可愛い~!とだけ考えて読んでいたら度肝を抜かれるSF作品です。
こんなにも可愛い生き物と共生する、ほのぼのとした不思議な日常世界なのに、読んでいくうちに不穏なワードが日常生活に溶け込んでいることに気付いて、そこからはスブスブとこの謎にまみれた世界観に引き込まれました。
読者の興味のツボを押さえた情報開示構成に、作者様の見事な手腕が窺えます。
コマの隅々まで情報たっぷりで見逃せません。
そんなディストピアSF作品のような匂わせがありながらも、主人公の佐藤とプリンタニアがどこまでもマイペースでのんびりしているから、終始ほっこりした気持ちで落ち着いて読めます。
プリンタニアのもちもちの癒し成分が堪らないし、友人たちも良いキャラしていて楽しい。
背景を無視してしまえばSF(すこしふしぎ)な癒し作品に、背景を深堀りしていけば壮大なSF(サイエンスフィクション)作品にと、どちらにもなり得る素晴らしい作品でした。
次巻からもっと深堀りされていくのでしょうか。今後の展開が楽しみです。もっとみる▼ -
読後は心が温かくなる2020年10月13日「Good night , I love you.」最終巻を読み終えた今、これほどピッタリなタイトルはないなと感じました。
色々拗らせた主人公の大空が、”母の遺言”により母の軌跡を辿ってヨーロッパを巡り、仕組まれた出会いと偶然の出会いを経て大人になっていく、まさにひと夏の冒険譚と家族愛の物語。
一緒に旅をしている気分になれるので、旅好きの方には特に刺さる作品だと思います。
完璧な人間なんていないからこそ、ただ赦す赦されるということではなく、手を伸ばし歩み寄ることが大切なんだと改めて考えさせられました。
マイノリティについてもすごくメッセージ性が強く、これが初コミックスとは驚きです。
BL要素があると言及されている方もいますが、補足として、単に同性カップルがいるというだけで主人公はノーマルだということを書き添えておきます。
そして最終巻はおまけが盛り沢山なので要チェックです!
あとがき2P、番外編(大地パート)12P、十三回忌家族写真イラスト、描き下ろし4コマ1P、電子書籍特典ページ(過去イラスト・漫画)28Pもっとみる▼ -
かなりスローペース2020年10月11日評価がそこそこ良さそうだったので読んでみましたが、よくある追放&成り上がり作品かなという印象。
違いがあるとすれば主人公は戦わない(主人公最強ものではない)ということですかね。今のところ。
縁の下の力持ちがどんどん日の目を見るようになるという、ザックリ言うとそんなストーリーで、才能を活かせる・潰してしまう人間や国がどのようなものかが丁寧に表現されています。
あとグリフォンと双子狼がまるで世話焼きな叔父と懐いた甥っ子のようで、見ていてとても微笑ましいです。
ストーリーは盛り上がる展開に向けて、様々な視点から布石を打っていく状態が続くので、かなり平坦でスローペースに感じます。
それぞれのキャラの思惑による道筋が一本に収束していく展開は面白いなと思いますが、国の重鎮たちや従魔が腹の探り合いをするばかりでなかなか進まないので、もう少しメリハリが欲しいところ。
まあ主人公が自己評価が低すぎるが故に言いたいことを飲み込んでしまうウジウジタイプなので余計にそう思うのかも。
定期的に痛快な展開がないとフラストレーションが溜まる方は向かない作品だと思います。
男女比のバランスが良く、ハーレムや露骨なエロ展開がないのは読みやすかったです。
最後にとある展開に一言申すとすれば、護衛対象が囮になるな!以上です。もっとみる▼ -
切なく希望のあるラスト(考察)+小冊子ネタバレ2020年10月9日このレビューはネタバレを含みます▼ 両親から愛情を受けずに育った司朗×戦時からタイムスリップした菊(鴻)の連鎖の愛情物語。
この作品はBLとしての恋愛だけでなく、様々な形の愛情が描かれているなと感じました。
そしてふたりの距離感が心地良いというか、いつまでも一緒にご飯食べていてほしい!ってなります。
そして噂のラスト。なるほど確かにこれは評価が割れるラストですね。
キャラクターそれぞれが複雑な思いを抱えている割に、作中から行間を読む必要がある表現で描かれている上、結末が読者の想像にお任せな感じなので、1から10までわかるように説明してほしい!ハピエンしか受け付けない!って方にはこの作品は向かないかと。
<<個人的考察書きます>>
最後の「俺と生きてくれ」という言葉は、過去に戻り菊次郎に対して落とし前をつけ、司朗の過去と未来を守りつつ、いずれ産まれる司朗との再会を夢見て、鴻にとっての本当の現代を生きるということ。
そして年齢はかなり離れてしまうけど、「過去からちゃんと生きてきた鴻」として、愛情をたっぷり受けた司朗のいる世界で生きていきたいということかなと想像しました。
最後のシーンは司朗の記憶(過去)が幸せなものに書き換わった瞬間(鴻さんの願いが叶った瞬間)であり、だからこそ司朗の「次は俺の番」という言葉は、そんな過去からちゃんと歳を重ねてきた鴻さんに「俺から会いに行くよ」という強い決意なのかなと。
もしくは、鴻さんがもし既にこの世にいない場合は、「あなたがもたらしてくれた両親からの愛情がある今をしっかり生きるよ」ということかもしれません。
菊さんはいなくなったけど、現実の鴻さんは同じ世界にいる(生死は不明)。そんなトゥルーエンドな解釈をしました。これはこれで切ないですけどね。
あくまで個人的考察なので、きっと何が正しいとかはないのでしょう。
真実は作者様のみぞ知るってね。
★小冊子が電子化されたので追記。
日常エピソードが2話(13p/12p)収録。
好きに抗う司朗の話と、誕生日をお祝いするふたりの話。
満足度高めです。とってもニヤニヤさせられました。
続のラストに絶望したアナタ、小冊子を読むのです。少しは心が和らぐことでしょう(続編ではないので注意)。 -
エルフで幼女で幼児言葉2020年10月7日原作未読です。異世界転生というか、魂の転移ものでいいのかな?
拾われたハイエルフのメグが、ギルドで愛でられまくる、ほんわか癒し系ストーリー。
メグが可愛いのは勿論のこと、ギルがひたすら格好良い。
メグには本人にもわからないたくさんの秘密があるようで、これからどう明かされていくのか気になります。
ただストーリー展開がゆっくりで、かつ大きく盛り上がる展開も今のところないので、よっしゃ次巻も買うぞ!とはなれない。様子見というところですね。
主人公の「~でしゅ」「(名前)しゃん」といった舌足らずの幼児言葉がずっと続くので、それがクドいと思わないのであればまったり楽しめるかも。もっとみる▼ -
王太子目線で進む悪役令嬢もの2020年10月7日有能腹黒王太子のセシルが、婚約者のバーティア(前世の記憶持ち)の奇行を観察するコメディ強めのラブコメ作品。
観察というだけあって結構文章が多めな気がします。
絵はかなり癖がありますが、髪の毛の描き込みが素晴らしいので注目してみてほしいです。
乙女ゲーや悪役令嬢もの作品は今や大量に溢れていますが、この作品はキャラクターやストーリーの設定(理由付け)がしっかり作り込まれていたり、珍しくも王太子とその周りもガチで有能だったりと、読んでいてワクワクさせられました。
(その分ゲームのヒロイン枠の子がおバカというか、不憫に描かれています。)
ただ自称悪役令嬢のバーティアが、前世の記憶がある割に精神年齢がかなり幼く、ゲームのストーリーにイレギュラーが発生する度に、何かしら騒いで空回りなことばかりしているので、たまに辟易してしまいます。
良く言えば愛すべきおバカさんなんだろうけど…うーん。聡明な令嬢ものばかり読んできたせいかもしれません。
しかしそれを差し引いても、とても魅力的で面白い作品となっていますので、悪役令嬢ものに目新しさをお求めの方におすすめです。もっとみる▼いいね
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王道シンデレラストーリー2020年10月7日虐.待をうけて過ごしていた主人公チェルシーが、自身のレアスキル発覚により人生が変わっていく、なろう発のシンデレラストーリー作品。
チェルシーがとても健気なので応援したくなります。
今のところ、”高貴な”イケメンたちに愛される主人公、チェルシーの家族を下げて主人公を上げる構成、かつスキルが何でもありのチートすぎてスゲー!な構成となっているので、特に目新しさはなく王道を行くという感じです。
何でもありなスキルすぎて、もはや神の領域になってしまっているのは気になりますが、チェルシーの心の成長が楽しみになる作品です。
絵は少しクセがあるかも。グレンが小説版と結構違っていて驚きました。もっとみる▼いいね
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ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで
今のところ好印象2020年10月6日クラスごと異世界召喚、外道女神による主人公廃棄、復讐を誓う主人公といったよくある成り上がりストーリー。
派手さはないですが何となく読み続けてしまう作品。
スキルが状態異常付与という、一見絵にすると地味になりそうな感じですが、意外にも戦闘シーンに迫力があって面白いです。
状態異常が効くボスとか何そのヌルゲー??と思わなくもないですがw
ストーリー自体もテンポ良く進むし、無駄なテンプレエロ展開もなく今のところ好印象。
強くなった主人公が今後、女神やクラスメイトたちとどう邂逅するのか楽しみです。もっとみる▼いいね
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野球<人間ドラマネタバレ2020年10月5日このレビューはネタバレを含みます▼ 野球少年たちによる妬み嫉みの人間ドラマ作品。
個人的感想としては少年漫画の皮を被った少女漫画という感じでした。
嫉妬に狂った人間の葛藤を見事なまでにリアルに描き上げているので、サラっと読むにはしんどい作品だと思います。画力が素晴らしい分余計に。
ただ繊細なお年頃とはいえ、高校生の運動部員にしては女々しすぎるのが少し気になりました。
と思ったら女性誌からの移籍だったんですね。うーん納得。
ラストは打ち切りのようで残念ですが、それぞれ収まるところに収まり、現状を綺麗にまとめたラストだったと思います。
問題が完全に解決されたわけではないというのもある意味リアルで、少年たちはこれからも悩み、もがき続けて成長していくんだろうなと思わせる、こういったわだかまりを残したラストもアリだなと思いました。
タイトル回収でシメたのも個人的に好きです。いいね
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ほっこりグルメBL2020年10月5日ノンケの花澤とゲイの槙+兎のぴょんの、ほっこり同棲食卓ストーリー。
最初から最後まで、一緒に料理をして食卓を囲むことに特化しているのが良かったです。
思わず作りたくなる簡単料理(レシピ付き)なのも嬉しい。
コミカルに進む会話で明るくテンポ良く進みつつも、シリアスな展開、心にジーンとくる感動的展開もあり、読者を飽きさせません。
個人的に葛藤のシーンや、今まで押し留めていた思いを吐き出そうとする描写が、すごくお上手だなと感じました。心にガツンとくるというか。
残念な点は、ふたりの背景含め設定がしっかりあるようで実はフワッとしているところですかね。細かいことを気にしないなら問題ないかと。
あと少女漫画カテゴリーなのが些か気になります。
エチの直接的な描写はないにしてもキスや朝チュンはあるし、そもそも男同士(恋人)の同棲の話だし、BLカテゴリーで良い気が…。
まあ兎も角、ふたりと一匹でニコニコご飯を食べている様子には本当にほっこりさせられますし、優しいBLをお探しの方におすすめです。もっとみる▼ -
温かいホームドラマのよう2020年10月1日柊平の幼い頃の片目失明、トモの家庭事情、そして幼馴染に対する罪悪感と恋心。
しようと思えばどこまでも重くできる内容を、よくここまで温かい作品にできたものだな~と感服しました。
攻め受けなしエロなしキスのみの初々しいDKものなので、BL初心者さんにもおすすめ。
絵に少し癖はありますが作品の雰囲気にとても合っていると私は思います。
友達でいいからずっと柊平のそばにいたいと願うあまりに、好きという気持ちをどこまでも押し殺すトモの姿がいじらしく、涙がこぼれました。
トモと柊平がとことん良い子なのでなかなか進展しないのですが、一見意地の悪いトモの兄がふたりにとっての良いカンフル剤となっており、その分柊平の賑やかな大家族が温かく包み込んでくれるという、展開にメリハリがありながらもストレスフリーな作品でした。
作中に様々な形の愛が溢れていて、どこまでも優しいホームドラマとなっており、心が疲れている時に読み返したくなります。もっとみる▼ -
芸術家たちの様々なドラマ2020年9月29日パリで繰り広げられる、モノを生み出す芸術家たちの、お仕事ヒューマンドラマです。
メインは主人公ジルが働くレストランでの料理人の話ですが、他にも画家、音楽家、漫画家、小説家など、ジルの周りの一癖も二癖もある住人たちにも1話分使ってガッツリとスポットが当たります。
主人公のジルは最初はかなりウジウジしていますが、仕事や新しい人間関係を通じて、どんどんジルなりの格好よさや責任感を身に着けていきますので、安心して見守りましょう。
話が進むごとに面白さがどんどん加速していきますよ。
何というか、キャラクターがみんな魅力的な上、個性がぶつかりあって良い意味で化学変化を起こしているような人間関係ばかりなので、読んでいてとても楽しいです。
その一例がジルとマルコなんですが、タイプは真逆すぎるのに、密かに良い影響を与え合っているのが素敵な関係だな~といつ見ても思います。
読んでいて、は~私も頑張ろう!と元気を貰える作品です。おすすめ!もっとみる▼ -
オタクでも恋は楽しい2020年9月28日オタクな男女の日常コメディ。
とある陽キャ系オタク同士が付き合ったらこんな感じ(諸説あります)って感じ。
もはやタイトルを「オタクでも恋は楽しい」にした方がしっくりきそうと思える内容でした。
絵が綺麗でキャラクターが生き生きしているし、ギャグ多めで読んでいて楽しかったです。
恋愛も糖度高めなベタベタした感じではないので個人的に良い塩梅でした。
ただ、たまに某掲示板やTwitterノリの会話が見受けられるのと、腐女子ネタなど基本的な知識がないとノリについていけないかもしれない箇所があります。
後者はともかく前者は読み進める上で大事な要素だと思うので、苦手な方はご注意を。もっとみる▼いいね
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特殊設定は期待しない方が良いネタバレ2020年9月24日このレビューはネタバレを含みます▼ 青い瞳の能力(所謂サトリの目)持ちのタツミ×ワンコ系の若き天才科学者の蛍が織り成す、当たり前のように隣にいる存在だからこそのすれ違いラブ。そしてタツミの成長物語でもあります。
BLとしては明るく前向きな話で良かったです。恋模様のドキドキ感やエロはほとんどないですが、当て馬がいないので安心して読めました。
そして適切な距離を保ちつつ二人の背中を押した、今作MVPの北条君の何ともキャラの濃いことよw
正直メイン二人よりも好きなキャラでした(すみません)。
カバー下漫画が北条君の可愛さで溢れていて大満足です。
だがしかし!青い瞳という特殊設定をどう生かしていくんだろう?と期待して手に取った私としては、肩透かしをくらった感が否めません。
瞳の力を使ってどんなことをやらかすのかとか、逆に制御できなくなって暴走したりしちゃうのかなとか、ワクワクしていた気持ちは何処へやら。
運命に抗うわけでもなく、蛍の発明が進むわけでもなく、最終的に今までと変わらず飼い馴らされENDだったのも拍子抜け。
まさかの心の持ちようでどうにかなる問題だとは思わず、正直タイトルにするくらいなんだしもっとバケモノ感頂戴!って感じでした。
せっかくの面白い設定があまり生かし切れていなくて勿体無いなぁという印象。
まあでも亡き祖父の言葉を受け、独りにならず、蛍と共に生きていくことを選べたことは、タツミにとって何よりも価値のあることなんだろうと思うし、タツミの心の成長物語としては及第点なのかもしれません。 -
可愛いお話でした2020年9月24日【総221ページ、全10話】
同じ大学、同じ寮内での、好きな相手の勘違いから始まる、可愛らしいもだもだラブストーリー。
デフォルメ絵や猫耳尻尾生やして威嚇する雪くんの絵が可愛かったです。
受け以外は全員ノンケで、女の子も多々登場しており、何故か周りはゲイばかりというBLあるあるとは外れているのが好感触でした。
とにかく心理描写が素晴らしく、読みごたえ抜群です。
心の移り変わりが丁寧に丁寧に描かれているので、読んでいて一喜一憂させられました。
受けの雪くんが健気すぎて、可愛いのと切ないのとで胸がギューってなります。
攻めのキャラは好みが分かれそうだな~という感じ。人の話聞かないのに行動力だけはあるって厄介すぎるでしょう。
当て馬はいませんが、雪くんの親友かつルームメイトの育次くんがとても良い味出しています。今作の安定剤。
ラストは爽やかなシメで、読後感がとても良かったです。
欲を言えば、付き合ってからのいちゃラブがもう少し欲しかったかな。
合冊版は描き下ろし漫画がないのが残念だ…。
付き合うまでのモダモダがメインなので、そんな様子を楽しめる方におすすめです。もっとみる▼ -
あらすじとレビューをよく読みましょう2020年9月24日うーんこれは構成が悪い。
恐らく読者の多くが利久と三上くんのカプを期待したことでしょう(瞬のメインでの登場は3話からですし)。
しかしあらずじの通り、メインカプは利久×瞬です。
視点がコロコロ変わるので、様々な人の視点を交えてオムニバスっぽく、利久の成長物語を描きたかったんだろうなとは思いますが、如何せんカプの期待外れ感が尾を引きますね。
とにかく色々描きたかったんだろうなということはわかります。
それぞれのキャラに設定を盛りすぎて手に余ってしまった感じ。
利久のあの無邪気さを一時でも奪った友人カプの罪は重いぞ。
そして1話でかなりの濃厚設定を持って主役級の登場をしながらもサブ(もはやモブ)キャラに降格し、3話で再登場したかと思いきや垢抜けすぎて別人になってしまっていた三上くん…。
ぜひとも三上くんメインの話をください…!なにとぞ、なにとぞ…!もっとみる▼ -
傷の舐め合いの関係2020年9月20日それぞれ心に傷を抱えた二人の身体の関係から始まるラブストーリー(共依存)。
やり方はどうあれトラウマ解消に一役買っていたら、いつの間にか自分も救われていたというやつですね。
年下イケメン攻めくんはかなりヤバめの執着を見せ、年上無表情な受けくんはとにかく流されまくります。
脅しや無理矢理犯すなど犯罪臭のする展開もありますが、受けくんが割と無表情でノリノリというか、あまり嫌がる様子がないので不思議と胸糞展開には感じませんでした。
唐突な展開が多く内容は薄いので、ストーリー重視の方にはおすすめしません。
えち多めかつ修正がほぼないので、病んでいてもいい!二人のドスケベが見たいんだ!って方なら楽しめるのではないでしょうか。
この作者様は絵が綺麗なのに、キャラ絵(特に受)がどれも同じに見えるのが地味に気になります。もっとみる▼いいね
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表題作について…ネタバレ2020年9月19日このレビューはネタバレを含みます▼ まずひとつ宜しいでしょうか。表紙でネタバレしすぎでは???
本編ではギリギリまで隠していたのに読者には最初からネタバレ全開なんですよね。
せっかくあらすじでは隠してあるのに勿体無いなぁと。
ストーリーは割と先が読める感じのSFもの。
といってもSF・ファンタジーとしてはツッコミどころが多いというか、説明不足だなとは思います。
まあそこは4話という短いストーリーなので仕方ないと自分に言い聞かせました。
その分BLとしては献身愛や一途な想いで溢れていて満足度高めになっているかと思います。
最後はかなり駆け足であっさりだったので、個人的にはまるっと表題作にして、空白の間のストーリーも詳細に描いてほしかったです。 -
コメディ色強めのラブコメ2020年9月19日ナルシストで俺様な御曹司と元気っ子な女子高生の、身代わり見合いから始まる、歳の差ラブコメ作品。
ケンカップルのようなふたりの、テンポが良すぎる掛け合いが面白くてサクサク読めました。
少女漫画にしては、恋愛よりもギャグの方が比率が多い気がします。
面白いのは面白いんですが、如何せん付き合うまでをグダグダ引き伸ばしすぎて、最初に比べると段々勢いが失速していったように感じました。
そして後半は少女漫画あるあるの、ぶっ飛んだ展開続きで少し困惑。
少女漫画ってなんでかメインふたりを進展させるためだけに用意した、リアルからかけ離れたぶっ飛び展開好きですよね??????
まあこれが「高嶺と花」らしいといえばらしいので、コメディ色強めの作品がお好みであれば楽しめるのではないでしょうか。もっとみる▼いいね
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まだまだ続いてくれそうで安心2020年9月16日転生ものではなく、不老になった主人公アズリーが使い魔のポチと一緒に脱引きこもりをして、なんやかんやで更に魔法を極めていく話。
主人公は元落ちこぼれで、5000年の時があったからこそ強くなれた努力型なのが好感持てます。
ハーレムや露骨な俺ツエーなどのテンプレが少なく、ストーリーも行き当たりばったりじゃないので、正統派ファンタジーという感じで面白いです。
使い魔のポチが人間同様に喋るんですが、アズリーとポチの夫婦漫才のような掛け合いがこれでもか!というくらい合間に入るので、そこは好みが分かれるかもしれませんね。私は大好きです。
個人的に絵が段々キラキラしてきたというか、目がギョロっとしてきたというか、正直初期絵の方が好みだったのでそこは残念に思います。もっとみる▼いいね
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ストーリー重視の方にもおすすめ2020年9月15日絵が美しく、世界観の作り込みが素晴らしい!
もし現代で吸血鬼と共存していたらこんな感じなんだろうな~と設定に説得力があって、人外ものだけどスッと物語に入り込めました。
1巻は吸血鬼になりたてのエン目線で吸血鬼の世界を知っていく話がメインとなっています。
生と死について描かれた、人間ドラマもとい、吸血鬼ドラマを見ているようでした。
ダラダラ面倒な説明を読まされている感じは全くなく、読者そっちのけでストーリーが進んでしまうこともなく、エンと一緒にゆっくり新しい世界を知っていくという感じでとても理解しやすかったです。
そしてメインふたりは当然ずっと見ていられるくらい最高に萌えるのですが、他にもいろんな吸血鬼がいて楽しい!変わり者でいろんな事情があってみんな良い!
久しぶりに表紙買いで大当たりのBLと出会えて感無量です。
2巻は物語が大きく動き出しそうですね~続きが気になります。もっとみる▼ -
童話のような綺麗な話2020年9月14日妻を亡くした不愛想なリーマン×化けそこない猫のハートフルファンタジー。
エロは控えめで、BL作品では珍しい大ボリュームの全250ページ。番外編や4コマとおまけもたっぷり。
まるで長編の童話を読んでいるようでした。読後は温かい気持ちになります。
ストーリーはふたりの物語としては、起承転結がしっかりしていて読みやすかったです。
でも割と既視感のある展開だったからか、感動的な話ではあるけど残念ながら泣けはしませんでした。
その辺りは高評価レビューに期待しすぎた感がありますね。
何となくですが、子供の頃に「あらしのよるに」という絵本を読んだ時のドキドキ感を思い出しました。
受(けだま)がご主人のために何かしたいと動く際、結構ドジっ子を発揮しているので、それを健気でいじらしく思うか鼻につくかどうかでも評価が変わりそう。
あと細かいですが、妻帯者設定が後半にかけて一切触れられなくなったのが個人的に気になりました。
重い過去設定に使われただけのようなおざなり感…。
もちろん恋人をつくるのが駄目という意味ではなく、そういうことにケジメをつけるシーンがあれば尚よかったのになぁと思ってしまうんです。
ふたりの物語としては☆5ですが、細かい部分を気にすると☆3.5というところですかね。もっとみる▼ -
ラブ&ハッピーな楽しい作品ネタバレ2020年9月14日このレビューはネタバレを含みます▼ 男前ナルシスト×幽霊のラブ&ハッピーなラブコメ作品です。
攻めの月尚さんが最初から最後まで、不快感なんて感じさせないプロのナルシストすぎて笑ってしまいました。
顔も行動も男前だからナルシストでも格好良いという素晴らしさ。
受けの昴もそんな月尚さんにノックアウトされちゃってて、恥ずかしさで物を壊したり、幽霊なのに表情豊かでめちゃくちゃ可愛いです。
たまにガチの地縛霊っぽくなってるのも面白い。
ノンケ×ゲイもの作品って、葛藤もなくそんなにあっさり?!な作品もありますが、この作品は、月尚さんにとって昴がなくてはならない存在になっていく過程に無理がなくて良かった。
ストーリーとしてはよくある展開ですが、幽霊になった理由とか、あの部屋で出会った理由とか、ストーリーに一本筋が通っていて読みやすかったです。
しかしキャラもストーリーも良かっただけに、ラストが駆け足で残念。
早く再会させたかったのはわかるけど、あの日数で再会はファンタジーすぎて感動が薄れた感は否めません。
まあでも最初にも書きましたがラブ&ハッピーな作品なので、そんな部分も良かったね~とニコニコ楽しい気持ちで読めるのが売りなのかなと思いました。いいね
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誰かこの状況を説明してください! ~契約から始まるウェディング~
旦那よ一度くらい痛い目にあってくれネタバレ2020年9月12日このレビューはネタバレを含みます▼ 契約結婚の話でこんなにも明るくストーリーが展開されていく作品は珍しい気がします。
ほのぼの恋愛コメディなので、ガチガチの政治や戦争、貴族の陰謀など重厚なストーリーが読みたい方にはおすすめしません。
主人公のヴィオラがとことん前向きというか庶民的で、恋愛事に無頓着なのが魅力的。
そのおかげで、ドロドロすることもなくとても楽しく読み進めることができます。
使用人に混じって楽しく働くヴィオラが可愛いです。
ただ、旦那のサーシスのことを受け入れられるかどうかで、この作品の評価はガラッと変わると思います。
今カノと付き合っていたいから貴族としての契約結婚を持ちかけたくせに、主人公に惚れるとすぐに態度が豹変して彼女を邪魔者扱いですからね。
そして正妻も本館も放置だったくせにお咎めも特になし。
しかも途端に、丸め込んで契約の意味を成さない結婚にしようとするという。
あるあるなストーリーですが人として難ありとしか思えず、その後主人公をめちゃくちゃ溺愛して良い旦那になろうとしていても、最初のクズな印象が拭い切れずイマイチはまりきれませんでした。
これから何のわだかまりもなく読むためにも、一度くらい痛い目にあってちゃんと清算してほしいものです。
正直、主人公に魅力がなければ読んでいないですね。