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アヲアラシさんのページ|漫画の感想・口コミも業界最大級!シーモアレビュー
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ERR_MNG
レビュー
今月(10月1日~10月31日)
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シーモア島


投稿レビュー
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言葉にできないこと2025年9月23日黄味がかった濃ピンクに宇田川町のワード、ブロンドを甘やかすような手…想像を掻き立てる表紙です
もえぎ色の先には相手を見透かす瞳のアグレッシブな貴婦人がいました…白テン(純潔と節制の象徴とか)と豊穣の果実やらを載せたビッグハット、緑と紫の三角ビキニ、着こなすのは、彼か彼女か…
ルネサンスとかポップアートとか、先人達の美意識を飲み込んで生まれたような存在感です
…執着した目線で始まるモノローグは自分のドキュメンタリーのよう…見事に百瀬にシンクロします…
日本の学校=所得格差を感じさせない為の平等主義、に所属しているからこそ、八代が直感で感じた違和感、こわさ…言語化できない直感で掴んだモノを、思考し続けるプロセスの尊さ…澱みない「好き」を伝える無敵の百瀬の存在に信用と安心を得て、自分らしさを見つけていく……それらを受け入れる「宇田川町」というコミュニティ
あぁもう、とてつもなく美しいストーリーでしたもっとみる▼ -
生意気にもほどがある!~どん底な私の前に現れた100と年下男~
風が吹くように、空を見上げるように2025年9月7日…恋じゃない始まりがいい
他人の2人が、気を遣いながら遠慮なく暮らしていく
腹から声出して話してる時間がいい…
もういいやって諦めて立ち直ったつもりの過去も
他人だから話せたり、話さなくて良かったり…
諦めんなって思いがけず慰められたり、泣きじゃくってスッキリしたり…
理解していく、必要な存在になっていく、その過程がイキイキと躍動して満たされます…
お互い前を向くきっかけになって
他人だからずっと一緒なわけもなくて
そばにいなくても、自分らしくいられるようになって…(泣)
最後、新しい始まりの日……風が吹くように爽やかで、青空を見上げるように鮮やかな読後感でした
3巻完結もっとみる▼ -
1話毎ゆっくり見返していますネタバレ2025年8月15日このレビューはネタバレを含みます▼ サンとマユ、まだ無邪気な自己中心性を発揮する少女達が、突如大きな見えない敵に襲われる日々…
国家、天皇陛下、学校、仲間…信じて身を捧げる少女達には、生きる強さと同時に、同じ方向を向く脆さも感じます
「わたしたちは想像の繭に守られている」「だれもこの繭を壊すことはできない」…マユのことばがサンの心を揺さぶり、理不尽な現実の中、確かな空想のお守りになって共有されていく、この感覚は実感が湧きます
1話毎夢の続きを再生するように、世界は仄暗さを増し…少女の繭は厚くなり、空想空間と現実の境界線がボヤけて霞んで…
現代の自分がせっせと紡いだ繭の中、フタをしてきた一つに戦争があります(幸いまだ自分には非日常だと…)
今日マチ子先生はフタを軽々と取り去り、一見繊細なタッチのハードな世界に置いてきぼりにされます
繭を破って孵化する力、夢を見ている本人にしかできない希望の種のようなものは残されているようにも感じました…8/25アニメも見たいと思います -
ハルくんがんばれ!ってなっちゃったネタバレ2025年8月12日このレビューはネタバレを含みます▼ 絵のタッチとヒロインに好印象
…こんな事情で優秀な人材がUターンすることもあるのか…手堅い食品業界、出世も厳しそうだし、できる女性でも30台で主任はぎりありかな…と思った出だし
問題常務の根回し裏工作があったとして、いきなり副支社長はファンタジーだな……(そんな脇の甘い常務?…トップの縁故採用?)
婚活パーティーが官民の親睦会って地方あるある?…ゔ〜シンドイ…そんなこんなをファンタジーと思って乗り切りました
どんなに頑張っても本社に利益が吸い上げられる構造にしか見えないけれども……けれども……それでも地方でアグリビジネスをがんばるハルくんにはすごくリアルを感じて応援したくなりました!
法人化して元ヤン仲間を家族ぐるみで採用し総合力で頑張ってるハルくんの人間力
人としての真っ直ぐさも、優しさもいいな…美早さんの真っ直ぐさに惹かれるのも共感!
地産地消型で付加価値高い野菜をレストランに直に供給するビジネススタイルを描こうとしているのも興味深かった!ビジネスの慎重さと違って、好き=「頭ん中がバーンってなって」しまうハルくんと、ゆっくり気持ちを確かめて進みたい美早さん
色々価値観の違いを乗り越えて、美早さんの心も掴んでほしくなりました…今後に期待大! -
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ジワり…ジワり…身体に広がる日常の快感2025年8月10日一畑菜摘ちゃんが癒しっかわいいっ…綺麗でもっちりした感触が(?)新種の抱き枕のよう…フルで抱きしめたい願望がっ……
毎日抱きしめたい日鷹君に共感しまくってます
入社5年の個性と自信と欲望が漲る日鷹君のオンオフの表情と色気に浸食されて、既に感情移入してる菜摘ちゃんと、疑似体験感がスゴいことに………
日常ドラマのリアルとファンタジーの配合が絶妙で…デザイン制作会社のリアリティは、岡舘先生が実際に在籍されてらしたのですね…にしても切り取り方のセンス…!2人への愛が溢れてブレませんねー
1話毎に醒めない夢が身体にジワり…ジワり…確実に広がっていくこの快感、やめられないなぁもっとみる▼ -
河内先生にエールを送ります!2025年7月11日まずタイトルが好き
涙雨なんて、しっとり濡れる程度と思っていたら
巻が進む程涙が止まらず………そしてずっとチェロのしっとりしたセレナーデが頭の中で流れている気がします
最初は兄が弟に弾いているようで、いつしか男の子が大好きな女の子に想いを奏でているよう……
今を生きるJK陽菜(ひな)。スマホがあれば、知りたい事はすぐググれるし、生成AIで誰でも情報を手に入れられる現代
何を知ろうとしているのか
何がしたいのか
何が幸せか
大事なのは自分の問い方
自由で不自由な現代を、ひな同様に生きる自分
明治にタイムトリップしたら、開国、富国強兵を目的とし、福沢諭吉の思想を基に、自分の意思とは別に、誰もが競争から逃れられない時代
今に繋がる学歴社会と幸せの構造が作られた大転換期
たーくん、雛子、菊…はみ出した者達も懸命に生きて
それぞれが出逢って、恋して……
時代を超えていく仕掛けは、別れの予感しかなくて
想いが叶わないなら…忘れられない存在になりたいと願い、想いが叶うと…相手の幸せの為に忘れてほしいと願う…もぅ心が沸き立つようです
いま一つの時代が終わる実感……落ちていく人生が不幸せとは限らず「いまを全力で生きないと後悔する気がしまくり」なのです
河内先生がこの世界を無事描ききれますように!
13巻読了もっとみる▼ -
町の酒屋とタバコ屋は2025年7月5日課税対象の許認可制、だから長く商売ができる
町のアイコン的存在なのは世界共通かも
気になる存在でも、うまくいかなかったらこの町じゃ生きづらい
テオとカミロ、二人の視界には小さなコミュニティで生きる軸がしっかりとある……で、最初から女性の存在が無い
自分以上に、相手の社会的な立ち位置を考えたり、他の知り合いとの付き合いを考えたり…ジェンダーレスで、エイジレスな生き方が、心地いい
マイノリティの恋だからなのかな
人生2度目?って疑いたくなる程恋愛偏差値が高いカミロでも繊細で苦しくて、こんなに慎重になる
大らかで真っ直ぐなテオに安心する、愛しくなっちゃうのわかるかも
叶うなら、隙あれば触れ合いたい(愛だ)……なのに、二人の思いやりが爽やかで品と色気をなくさい
扉絵毎に異国のディテールが漂って、ずっと見ていたい二人ですもっとみる▼ -
刹那を見つめる彼女の視線2025年6月15日(これならとBLに挑戦してみました)
彼女と彼氏と転入生。
火花が散った刹那を見つめる彼女の視線が切なく…囚われました。
身体から湧き上がる強烈な衝動を、その意味を理解することもコントロールもできず、過剰な暴力や逃避で傷付け合う………切なくてしんどくて嫌になって…でも懲りなくて。恋愛そのものでした。
艶のある感性と身体的な表現を極める、中村明日美子先生の作画の凄みに、震えました。
彼女が作品の中に最強の存在として生きていて、入りやすいかもと読んでみたら、結果どっぷり深みにハマったような……
別作品も素敵。
中村先生の短編の刺激的で濃厚でリッチな読後感、堪能しました。もっとみる▼ -
禅になって、ツンデレ理沙を甘やかしたい!ネタバレ2025年6月15日このレビューはネタバレを含みます▼ 冒頭からヒロインの理沙がカッコいい!
他人に過不足なく手を貸せるってホントに大人…喧嘩でボロボロの見ず知らずの高校生?…自分なら?普段勇気出そうと意識していても、巻き込まれないように敬遠かも……自分の心が試される印象的なシーン。
ツンデレ猫派、一般常識感がちょっと変な彼女が「素直でかわいい…女の子になりたい……」一人きりで泣くほど素直に悩んだりする、恋する理沙にキュンっ…受験生の悩みのリアルさも良かった…
ヒーローの禅は、困ってる相手なら誰にでも手を貸し皆んなに慕われる、男気溢れる人たらし。その彼に本気で手を貸し、お助け券発行できる熱い女の子は、世界でも理沙一人。禅に愛される理沙は最強で、巻を重ねるほどかわいいっっ(もっとずっと見ていたい!)
そして禅の余裕がなくなっていく…(気づいたら彼に感情移入)
距離感、マインド、自分の言葉で伝える等々…ごちゃごちゃ考えず、真っ直ぐ人と向き合う二人が、清々しいです。
行動力を発揮して信頼関係を築いて仲間を作っていく工程は、ビジネス上級者レベルで…大人社会なら間違いなくモテるデキる二人だろーなぁ。今はまだ大人未満、二人で初めての恋愛を始めたところ。
運命の相手を見つけて、自分と世界が変わっていくキラキラした時間は、この世界の宝物。どんな大人達になるのかな…今後、ふーみんと受験と…まだまだ展開が楽しみです!7巻読了 -
「こんな悪女いないだろ」にやられました!2025年6月7日このテーマ、面白さにチャレンジするパワーと力量がすっごい好きです。
会話のテンポ感、間合いのモノローグ、周囲との掛け合いの進化が飽きなくて 釘付けになりました……実際手に取るまでは最初の文字量の多さで(あと表紙の色味?)遠ざかっていたなぁ……
誤解を恐れず言えば、官僚型才女のヒロイン
地頭や才覚面は「無垢なお姫様」打たれてる事に気づいてない、かつての少女漫画の王道パロディのようなヒロインが、嫁ぎ先で役を演じようと健気に頑張るあまり、斜め上の理論展開、いや独自の妄想を繰り広げ、結果、何とも初心でかわいいセリフの数々…
ヒーローのディラン始め周囲のユル〜い反応、からの、3コマ空けて彼女の「?!」なリアクションが面白くてハマってます…
「こんな悪女いないだろ」絆されたディランが呟くコマにやられた感…ゴールは見えてる、サクサク進む、わかっているけど、もっとやられたいな…もっとみる▼ -
just a man in loveネタバレ2025年4月27日このレビューはネタバレを含みます▼ 大正時代の一つの幸せの形へのノスタルジーかもしれません。大事に大事に二人暮らしていく時間の積み重ね…朝の台所とか…この空気がとても愛おしかったです。
親が決めた見合い結婚がほとんどの時代に、この二人は勇吾さまの熱烈な恋が発端。一気に結婚に持ち込む手腕や、その後の奥様の愛で方と「二人が愛しく想い合って完全な形で結ばれたい」彼の願い…この時代の大人な18歳男子の想いに触れる度に、なんだか切なくなって、また1巻から読み返してしまいました…。
6歳年上のヒロインふきさんは逆境にめげない明るくかわいい女性…女中奉公で磨かれたスキルはプロレベルだし、意外なコミュニケーションスキルまで披露されて、次巻が気になります!………超倹約家だった祖母が婦人画報だけ定期購読していた事を思い出し、ふきさんに重なりました……甘い幸せを噛み締める程、大正12年の関東大震災、昭和20年焼夷弾の無差別爆撃で焦土と化した東京の歴史が思い起こされ……みんな生き残ってほしいと願わずにいられません。2巻読了。 -
楽園で一生を終える小鳥達が見る夢ネタバレ2025年4月26日このレビューはネタバレを含みます▼ 座裏屋蘭丸先生の才能が眩しい…フルパワーで描かれる覚悟を感じつつ…4巻が生まれる時を待ちながら、もぅ何周味わったかっっ。
ひたすら美しく端正なタッチの中に、哀しみと、実感が無いように潜ませる狂気……経済発展を遂げた都市の息苦しさや、殺戮が続く紛争地帯の終わりの見えないやりきれなさ……数コマ挿入されただけで、楽園の不気味なガラパゴス感が際立ちます。
何も気づかないふりをして幸せな楽園で一生を過ごすのもいいけれど、この先何が起こるかわからない不安が消えない小鳥達…身につまされます。
実存をひっさげたアポロ(寡黙で一途で信じる道を真っ直ぐ進むカッコいい男)が、人生の谷間で、この異世界に実在するフィーと出逢い…奇跡のように周囲を巻き込んで動かしていくプロセスは見所満載で…っっさすがです…
フィーが本来求める世界に流れつきますように、見届けたいと思います。 -
あの世とこの世、一緒に楽しんじゃえ!ネタバレ2025年2月8日このレビューはネタバレを含みます▼ 好きな響きのタイトル、ワクッとしました。
霊感強い方はずっと人生ローギア運転、なんて自分の思い込みだったみたい…生きてるだけで迷惑かけてることを前提に生きる、っていうけど、死んでからも迷惑かけてる事が前提なんて、初耳。
序盤から世の中の見方の変換を迫られて??!!!←いっぱいなところで、アオハル爽やかに動き出すストーリー。なんかもー椎名先生の手の上です。
昭和トレンディ霊?平成ガングロ霊?(受け入れ体制OK)ネモの周りはいつも賑やか!
「一緒にいると楽しいから!」霊よりも、今を生きるニケのことばと表情が、胸に飛び込んできて離れません。今後の彼らのストーリー、楽しみです!1巻読了。 -
歪なオペラ座の怪人ネタバレ2025年1月26日このレビューはネタバレを含みます▼ 破壊的で破滅型の一ノ瀬の執着と性行為…よくあるアダルトの需要と供給とも違うような。どなたかバトル漫画とレビューに書かれていて、そうかと思ったりして。
実花さんが魅力的で開放されるまで見続けたくなって…もういいかなとも思っていたのに、18巻、19巻。一ノ瀬の内面に気付かされ、一気に心を持っていかれました。
歪なオペラ座の怪人のよう。気づいてしまった心の一番ピュアな部分は、これまでの現実と向き合うには耐えられず、実花の心も手に入らない。
あぁ、ストーリーの結末まで見続ける事になりそうです。 -
恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。―妹と結婚した片思い相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら―@COMIC
色々価値観がひっくり返ってますネタバレ2024年12月21日このレビューはネタバレを含みます▼ 「未明の地」で生きる 個人の信念や感性で生きるしかない、漠然とした不安感の毎日。それでも人は生き抜く知恵を身につけたり、不幸から愛に近いモノに気付けたりできるのだと信じたい…
銀河を旅するSF下敷きが、自分の感性のベースに確固としてあって、途中からその記憶と擦り合わせるように読んでしまいました。
心の中で、この世界の主役はいつも少年。息苦しい現実を打破する為、新天地に生きる選択は、圧倒的な孤独と自由を愛する哲学がセット。異次元の新天地の世界観と、そこで生きるリアリティに惹きつけられます。
この漫画のタッチで、主役が少女となると、異次元の世界に飛び込むには、これ程極限の恋の力が必要とは…衝撃でしばし茫然自失。同時に腑に落ちる感覚もありました。後から少年が飛び込んでくる展開は、動機も含めて、新鮮!
聖剣サルティスが唯一保守的。この世界のモラル、守るべき規範、絶対的価値観を示してくれて、健全で快いです。
欲を言えば「未明の地」の引いた絵をもっと見たい。
今後のストーリー展開、楽しみにしています! -
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通信技術が無い世界は静かで穏やかで…ネタバレ2024年9月22日このレビューはネタバレを含みます▼ 春の精霊の加護をもつ陽だまりのようなヴェラの人柄が素敵、と思い始めたら、大きな変化も無い彼女の日々の暮らしや心の変化をずっと見ていたくなりました…!
限られた舞台装置の中、最小限の登場人物達が、基本スクリプトを追いかけるような展開。あぁ、通信技術がない世界はこんなにも静かで穏やかだったでしょうか。情報源は人との対話と活字情報、そして自然の神秘。ただ行動力を発揮しなければ、経験値は上がらないし、低評価のレッテルも逆転すらおぼつかない…単純に懐かしいと美化もできないなぁ。
今後、精霊の加護の秘密に期待大です! -
覚めない夢をループ?ネタバレ2024年8月23日このレビューはネタバレを含みます▼ 印象派の絵画のような表紙が素敵。
冒頭、雷鳴、うねり轟くような雨の日、突然の恋人の死と差し出された手の謎。タイムリープのような感覚で明るい入学式の挿入。全ての記憶を抱えて10年巻き戻ったヒロインの哀しみと葛藤…。
ミステリーを軸に失速しないストーリーラインと、特にヴィンセント、オリアナ、ミゲルの三キャラの魅力に何度も手が止まりました。それらに裏打ちされた作画は、深い心理描写がスローテンポ、美しい世界観がアップテンポで展開、自分の理解を優しく待っていてくれます。2度目の恋や人生の謎解きは、心の傷が呪いのようで、なかなか器用にはいかないな…所詮世界は、人生は、そんなものかも、とも思います。
確かな技量にどっぷり感情移入、世界観に痺れまくり!続編、楽しみです!(4巻読了) -
キャンパスの軽音部から2度目の恋発進!ネタバレ2024年7月26日このレビューはネタバレを含みます▼ サークル勧誘の熱気、軽音部、飲み会、大部屋の一般教室、初ライブ、行きつけの飯屋…大学キャンパスの日常の空気に思わず深呼吸。自分次第でやる事がどんどん進んでいく感じがすごくいい!(コロナ禍に学生時代を過ごした人に申し訳ないけれど…)そこに中学時代の初恋を運命に変えていくプロセスが入ったらモチベーションアップですね〜〜結木悠先生が描くキラキラした表情が素敵。タイトルのフィルター越しのワンショットでやられちゃいます!
最初、志乃に共感してタイトルに踏み込んでいくと、2巻から瀬名の境遇が見えてきて、あぁ想いは一緒だったんだな、と。時が経ってまた同じ人に恋をして、運命が進んでいく予感にちょっと震えました。
個人的には、大人の事情はあるにしろ、離婚は子供の人生に影を落とすと思うし、成人迄、できれば就職や結婚決める時、親でいて欲しいなと願っています。
瀬名の幸せを祈る気持ちが乗っかって、志乃、がんばれ!と全力で応援したい気持ち!
2巻読了。 -
ヒロインにとろけるシルヴェリオ様中毒ネタバレ2024年7月24日このレビューはネタバレを含みます▼ 中世ヨーロッパの本格ドラマに足を踏み入れたような感覚。どちらに転ぶか読めない作画の持ち味が絶妙で、人種、民族の差異の表現等、細やかに再現された世界観はとても魅力的でした。
後宮メイドが地方に異動後、言葉は支障ないのかな、なんて気になったのも最初だけで。二人の主役達の存在感や、周囲の人間模様にグイっと引き込まれます。
優秀で仕事熱心なメイド、ただ超寒がりなヒロイン、フィーナ。彼女の人間味溢れた魅力が核になって「冷徹将軍」と呼ばれるシルヴェリオ様の心を無自覚にトロかしていくのかな。8巻の「まさか、フィーナ…あれは遊びだというのか?!」のセリフ、なんて可愛いっ。不安定な時代に誠実で逞しい男性に惹かれる事は共感できるし、彼女には熱く可愛い本音を伝えてくるギャップ感がクセになりそうで…これは中毒の予感。これからのストーリー展開が楽しみです!
11巻読了。 -
夏の炭酸飲料水のような、カタルシス!ネタバレ2024年7月17日このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙と扉絵の、夏の炭酸飲料水がはじけたようなシュワシュワ感が、気持ちいい…。
最初に鈴原さん目線で七村君が見えて。
友達への気遣いの距離感とか、気になる人への距離の詰め方とか、繊細で真っ直ぐな言葉とか…これは意識しちゃうなぁ。挫けないでどんどん勇気を出していく真っ直ぐな鈴原さん、尊敬します!
欠点ばかり見えがちで、繊細過ぎて、いろいろ負けそうになる年頃。
大人の真似して雑な言動しちゃったら、お互い取り返しつかない位傷つけたりして。こんな風に言えたら良かったな、とか、成長期特有の人生立て直す力も、相手と一緒だとさらに力が湧くんだな、とか。
クラスの世界に同年代がまとまっている環境なんて、社会の中でもこの期間だけ。
自分や相手の特性を見つけて、認め合って、磨いていく、学習期間だったのかと納得。カタルシス効果、絶大漫画でした。 -
火の神さまの掃除人ですが、いつの間にか花嫁として溺愛されています
金色の焔の中で舞いたい巫の恋心2024年7月12日火の神様が支配する火蔵御殿(かぐらごでん)の中の摩訶不思議なお伽話を通して、ものづくりの世界の美学やモノに神が宿る世界を愛している自分に改めて気付かされます。
随所に和の気配を感じる美しさをテーマに、渾身の精魂こもった作画が隅々まで表現され、囚われてしまいました!
鬼灯様、小夜様とも真理が見える二人。一緒に暮らせる今が幸せで、この毎日が続く事が願い…すでに熟年夫婦の味わいです。ただ理不尽な過去の経験からどちらも愛には消去的…「金色の焔にあおられ一瞬でも焔のなかで舞うことができたら、それでいい」とすら思う小夜様の切ない恋心が育って、全てを変える日を心から待っています。
3巻読了。もっとみる▼ -
あふれる妖精愛とビンテージ感ある小さな家ネタバレ2024年7月9日このレビューはネタバレを含みます▼ ひねくれ騎士ルークスとふわふわクローニア姫、そして葵梅太郎先生の、長い時を重ねたと思われる妖精愛が滔々とあふれだし、ファンタジーが自分の周りの空気まで侵食。
主人公二人の存在感は表紙から強烈で、擦れた大人の自分が入っていけるのか?と不安でしたが、ルークスのperverse感と、騎士として王女への忠誠が突破口に。あっという間に二人まで妖精に見えて、1巻読み終わる頃には北領の古城に間借りしてるような気になる始末。
そしてビンテージ感のある小さな家達。このクォリティでアイディアは尽きる事がないのでしょうか…次巻楽しみにしてます! -
距離を図るのは思いやりかもネタバレ2024年7月4日このレビューはネタバレを含みます▼ 10代の、恋より親友の距離を選択したい感覚、20代に入り社会人として仕事が走り出したら恋愛の距離まで詰めたい感覚…時系列でリアルに伝わりすごくしっくりきました。ネコピ・ザ・キャット先生のコンパクトながら情緒感溢れる描き方がとても素敵です。
進学や就職で1人が上京したら、その関係はフェイドアウトが多いのかな…今は、誰でも生活圏を変える選択肢があるし、早い内に価値観や常識感の違いを埋めていける感覚やネット情報もある。成長に忙しい年頃の特徴が眩しい位です!(この段階で同居だけレアケース?)
大人になって関係性を変える時、お互いの心も体も愛したい表現が、ある程度大人版になっていてすごく良かった…最後まで心つかまれました!3巻完結。 -
次は男性として生きてみたいネタバレ2024年7月4日このレビューはネタバレを含みます▼ 「私たちが恋する理由」の伊丹と今村のスピンオフ。
ma2先生が漫画に表現されていく純愛のロマンティックな世界と、期待を裏切らない映像のように展開される技の安定感は、もう奇跡!映像世代には蓄積された「素敵シーン」の言語が標準仕様されているので、もう無意識レベルで堪能できて、心が満たされます。
スーツ組は最近少なくなりましたが、仕事の戦闘服として着こなしている男性は、やっぱり素敵。
終わりが見えない苦しい片思いの執着も、ここでは人生の美しい要素にすら感じられ…もし次の生があれば、男性として、仕事に恋に友情に生きてみたいとすら思ってしまいました。 -
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学び損ねた大人たちの一人、ですネタバレ2024年6月10日このレビューはネタバレを含みます▼ ホンノウスイッチの小和(コヨリ)さんの親友=蓉子さんとは、自分もなんかもう友達でした。普段しっかり者の蓉子さんも、きっと恋愛に失敗したくなくて、結果、恋したと思った初めての相手が既婚者だったなんて。とても手痛い大きな失敗でした。色々な人を巻き込んで、何とか区切りは付いたけど、心と体を病んでしまった女性の感覚がとても痛かった…。
心と体の大事な大事なコミュニケーションなのに、恋愛や性についてちゃんと学ぶ機会はほぼないし、ネットは使い捨てアダルトの山。身近な大人は個人的経験から価値観押し付け前提のリスクが高いし(なぜか強い口調だったり…)。頼りのマンガも、新規獲得の即効型が悪目立ち…個々のケースではホントに躊躇しますね。
広海くんと段階を踏んで親密度を高めていく過程が、救いでした(…「添い寝カフェ」は、何じゃそりゃ?でしたが。ハグの理由付けと思うことに)安心感+できれば素敵と思える人とのハグは、もう「手当て」の全身版。相手の緊張度合いが直感できるし、実際の癒し効果は抜群!
これからトライアンドエラーを重ねて、二人の心地いいコミュニケーションの最適解を見つけていく過程を見守りたい!学び損ねた自分の知識もアップデートできそうな気がしてます。 -
でも、やさぐれたい夜もあるじゃない?ネタバレ2024年6月7日このレビューはネタバレを含みます▼ BAR反抗期で出逢った二人(きっと偶然じゃないし〉。ライトでデフォルメされた作画に散りばめられるコトバ達に、仕事に対する本気度と、ほろ酔い地蔵の人見さんの可愛さ!があふれていて。二人のバランスがずーっと心地よかったです!
ベンチャー企業の現場型カリスマ社長が「人が続く会社」にしたいと強く望みながら、晒されて叩かれていく現代の苦しみがリアルで、怖い位でした(人見さん、まじ天使…〉。
離れたい理由も、一緒に進みたい理由も「この人と」だから。そして人は自分が強く信じる方向に変わっていくんですね。昔も今もチームに一人は熱いヤツがいたけど…そこに人見さんのコンサルがあれば!!
人と向き合って自分を生きるには、勇気とパワーが必要で。自分も気づけば十分大人。火種くらいは自家発電しないと。充電させてもらいました!8巻完結。 -
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いつかの時代のどこかのニ国の物語ネタバレ2024年3月23日このレビューはネタバレを含みます▼ しょうもない理由で始めた戦争を止められず、衰退するニ国。なんでもありの価値観前提です。
その中で、建築や街並み、風景の表現は、壮大で美しい一続きの動画のよう。建築は人が集まる仕組みを創ることだと。戦争とは真逆の価値観だと、画力を通してしみじみ感動。
説得力のある背景の中、国を愛し、人を愛し、仲間と共に仕事に生きる、そんな本質が際立って見えました。
月夜のシーン、お姫様の告白と、青年が彼女の為に国の仕事の完遂を誓う。謙虚で実直で誠実な2人らしくて、素敵。この時のお姫様が、可愛くて可愛くて…
本来交わるはずのない二人が出逢い、物語に新しい風が吹き始め、読み終えてなお、心に爽やかな風が吹きわたる感じが、とても、そしてずっと、心地いいです。 -
週5で通いたいカフェです!2024年1月20日扉絵がオシャレカフェなイラスト風。
不思議さん、上下くんの適当ネームに"軽く読んで"オーラがあって。ハマりだした頃、Bっっっ・・・!!!で笑えて。
それぞれちゃんと自分をもっている大人たち。会話や思いに共感や発見があって、もう出会えてる自分が楽しい!(漫画ですけど)
ちゃんと両思いのお付き合いは初、なんて相当ツッコミたくなるのに。サイレントカフェの舞台装置が、ロマンティックに最大限生かされています。
週5で彼らに会いに行きたくなってしまいました!
余談ですが、おじさま方が使う「やぶさかでない」意味を間違って捉えていたと気づきました。勉強になります〜〜〜!もっとみる▼ -
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全身で感じる恋の息づかいネタバレ2023年12月23日このレビューはネタバレを含みます▼ パイロット版「戦傑の花嫁」から、本編として今作品を拝読。戦争の惨禍、戦場のリアリティは、現実とオーバーラップすると苦しいのですが、テーマは、この壮大なファンタジーの世界に生きる「恋する秘文の戦士たち」。
特に恋する男女の息づかいを感じるおやぬ先生の表現は、リアリティと美しさの一つの完成形。線や音やことばなど説明不用で、その熱を息を殺し1秒も逃さず全身で感じとって、覚めることがありません。
触れ合ってもすれ違う思いと、求め合う運命、引き離す対抗勢力までが重なって見えて。この先、秘文の力を鍵に、まだ展開の自由度が高く…もう期待しかありません。
どうか、恋する二人が、そして今を明るく懸命に生きようとする人々の物語が、悲劇に終わりませんように。 -
マクベス夫人にはなりたくないのに…ネタバレ2023年12月1日このレビューはネタバレを含みます▼ 青葉さんの人柄、才能に惚れ込み、約束された成功へと導き、誰よりも近くで見守り続けたい…タイトルに囚われ、東雲に、うっかり自分を重ねてしまいました。
才能は、本人にとっては、特定のモノへの執着。過ぎれば精神を蝕むことすらあるもの。リスクをわかっていても、ファンの願いは、作品を、作者を見続けたい。「やめたい」なんて弱気は追い払って、これが幸せだと信じさせてあげたい。
(It is too full o' the milk of human kindness.
マクベス夫人のように、いつか大事な人に言ってしまうのでしょうか…)
これは自分で叶わない夢を他人に実行させようとする執着?(勝手な妄想と密かな罪悪感が止まりません…)
青葉さんの心の隙間に、次々と執着する男たちが仕掛けてくる未来が見えて、心がざわめきます。
美しく不安定な青葉さん、どんな選択と決断をしていくのか見届けたいと思います。 -
美しくて優しくて愚かな市井の人々ネタバレ2023年10月1日このレビューはネタバレを含みます▼ 新宿大通りを一本はいったあたりの、四谷区花園町。大正の終わりから昭和にかけて、人生を駆け抜けた市井の人々の自由な熱気にあてられ、身体の火照りが消えてくれません。
花園町で友と青春を謳歌し、恋を知り、時代に翻弄されつつも愛する人と共にいる喜びを噛みしめ、大切な人を守るために決断する、至心(イシン)という魅力的な男性の半生。一度きりの人生、好きなことをして楽しく生きた方がいいと、短いながら全力で生きた人生の追体験は、美しくて優しくて愚かで、胸がいっぱいになりました。
いのちをつないで、今の自分がある。どうしようもなく、日本人であることも意識しました。
一巻通して日本の湿度感が感じられる絵。
そして、至心とあきちゃん、お互いを描いたデッサンが違和感なく二人の部屋に飾ってあって、目が釘づけになりました。高浜先生、天才だなぁ。 -
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white lieネタバレ2023年8月17日このレビューはネタバレを含みます▼ 突然、場の空気が変わり、恐怖に呑まれる。
弱者である「先生」は、自分に白い嘘をつく。
未来にも不幸せしかないと、縛りをかける。
映像が流れるように、弱さを抱えたキャラクター達が次々に真実めいたことばを投げかけてきます。
中でも先生と生徒が互いに「本当の話」をぶつけてから、仮死状態だった心と体が動きだすシーンは圧巻。
あまりにも理不尽な事実の積み上げの先に、何が待っているのか、祈りにも似た気持ちで見守りました。
悲しみからしあわせが、弱さから真実が、不幸せから愛が、少なくともそれに近いモノが生まれてくるのだろうかと、最後に静かに感じました。 -
ガード激高の宇田川さんの恋ネタバレ2023年7月9日このレビューはネタバレを含みます▼ 商業施設の設計建築業界で働く二人のラブコメ、かな。
紺野君の武器は0を1にする新規開拓、アイデア出しとコミュ力で、全関係者と信頼関係構築していくプロジェクトの要。
宇田川さんは1から10までのプラン作成から施工管理・コスト管理の確かさで、既存顧客の信頼が厚い。
これは最強コンビです。長期間組んだら、惚れない方が無理です。
なのに、できる女のはずの宇田川さんの内面の拗らせっぷりがすごい。最初からガード激高、万年思春期感が全開で、読み手までも恥ずかしい…。追いかけて紺野君の内面が見えてくる(恋もさすがの開拓力)、そのサイクルにハマりました。
アナログ感強めの人物描写もハマりポイント。
深海先生の手の中で、自分も、すべて気持ちよく転がされてました。(3巻完結) -
世界観の余韻で、力が漲ってきますネタバレ2023年7月4日このレビューはネタバレを含みます▼ 20世紀初頭のロシアに生きた女性の半生。サーカスの娘、オルガ。
閉じた線画の様式美のような世界には、豊かな色彩と夢の中を浮遊するようなサーカスの魅力が溢れています。オルガの成長を通して、愛と美と生きる喜びに魅了されていく人々の力強さが見えた時、心が震えました。
自分を哀れむ事をやめたら、故郷へのノスタルジーを超えていく。自身の心の炎を燃やす事で、何度も世界を変えていく。大きな世界で、愛する人々を想い、今を生きる選択ができる。
当時2回の世界大戦で世界中が不安定な時代。極端な物資不足と飢饉、ロシア革命…激動の中、翻弄されていくロシアの人々の生活が垣間見えました。
今一人ひとりの心はまだ生き延びているのだろうか、いのちより大切な希望の光は、新たな心を燃やす火種はあるか。
漫画で、久しぶりに味わう感覚です。
山本先生の描ききった世界観の余韻が、自分の世界を内側から変えていくようです。 -
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ファンク!最高のグルーブのパフォーマンスネタバレ2023年4月16日このレビューはネタバレを含みます▼ 例えば、夜の灯りに漆塗りのように艶めく調度品。
由紀の、何も我慢できていない泣くような甘い声。
忍の、今までずっとモノクロだった世界に華が咲き続けてる、なんてモノローグ。男女の肉体の異なる質感と透明感…そんなリアリティとファンタジーの種をまき散らし、延々と続く命懸けのH。もはや悩んでいる自分が馬鹿らしくなるエネルギーをもらえる生パフォーマンス(TL漫画ですけど)!
OLとヤクザの組長設定は、2人がエロと自由を獲得するメッセージの理由づけかも。細かいことはもう気にしません。メチャクチャいやらしい、のに、なぜそんなに爽やか!脳内BGMはソウルでファンキーなあれ、単調でシンプルなギターリフが延々続く。雄介の思いがピアノの音色のようにいきなり入ってきて、また続く。
由紀ほどのパワーは、相当…いや、やっぱりムリかな。 -
一か八か、おもしろいほうへ。ネタバレ2023年4月3日このレビューはネタバレを含みます▼ 今いる世界から抜け出したいと心から願って、若さから湧き起こる色々な欲を諦め、勝ち目のある欲一つに絞り、そのエネルギーで走り抜けた自覚があります。子どもながらに賭けに出た時の、脳が焼き溶けるような熱い感覚と、どこまでも見通せるような冷静な意識。「あぁ刻がおしい」結果はきっと死ぬ瞬間までわからない。
生きる為の最後の手段と信じたけれど、おわりもんに比べたらまだまだ勝ち目が残っていたなぁ。仲間が、化学変化を起こす要素にもなるんだなぁ。
今も人生を賭けたい欲求が、自分の中に確かにある。若さはなくても、知識と経験は武器か?これが自分。一ついのちを燃やした後には清々しい自由がある。これは確か。 -
ひるなま先生へネタバレ2023年1月4日このレビューはネタバレを含みます▼ 大切な人が大腸癌ステージ4と言われた時期、必然のように出会った作品でした。
ドクターとの信頼関係はこれからなのに即決を求められる。活字本を読みあさり、癌サバイバーの動画も見尽くし。当事者本人の意思を尊重したいのに、引きこもって話し合いさえできない時期の家族のメンタル。自分だったら良かったと何度も思いました。1ページ眺めては苦しくてため息とともに閉じ、また最初から眺める日々。当時は結局、最後までは読めなかったのを覚えています。
今回改めて最後まで読みました。
鳥獣人物戯画から飛び出したようなうさぎが「なってしまったものは仕方ない」と生き生きと語る。誰もが通る人生の病苦の道、ただ連帯保証人問題等リアルな話しを聞く機会はほぼない現状。それを漫画の世界に昇華して見せてくださったひるなま先生、とても感謝しています。「言われて嬉しかったこと、嫌だったこと」自分には沁みました。苦しい現実を写しながらも、とてもあたたかい、これからも読み返す作品です。 -
地獄の神様からの奇跡ネタバレ2022年11月10日このレビューはネタバレを含みます▼ 精霊牛に乗って、あの子が帰ってくる。たくさんの愛の供物をお土産に。
愛に傷ついて、思いを伝えることが苦手で、傷だらけになりながら、その日生きるのに精一杯のお母さん。
少女は母になった時、誰にも代わることができない一本道を進むのですね。時に酒に逃げて、煙草でため息をごまかして、でも合法の範囲よ。人生は誰も思い通りにいかないけれど、少しでもいい方に進むと信じて生きていきましょ。緊急事態なら、女同士励まし合って乗り切りましょう。
そしてお母さんが愛して欲しかったら。
おナスに乗ってあの子が帰ってくると信じましょう。 -
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Buckwheatよりもチョコレートネタバレ2022年10月3日このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙の、真夏の日差しの中向日葵畑のあかりちゃんの笑顔が素敵。寒い冬の反動もあるかな。世界三大穀倉地帯のウクライナに、日本独自の文化と思っていた蕎麦!お店ではクッキーの向かい棚(チョコレートを買い占めたのは共感!)蕎麦の実にミルクがけの朝食。蕎麦粉のパスタはないのかな?
頭の中の猫たちの会議はいつもクレイジー担当の勝利(笑)どうにもならない辛い現実を、俯瞰して、笑いに変えて発信する努力は、きっとクリエイターの資質。どんな道も磨き続けることが大切と思います。また次作、できればカラー版が見たいなぁ。 -
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劣情。反応しました。ネタバレ2022年9月13日このレビューはネタバレを含みます▼ 特攻隊。健全なのに、もうすぐ亡くなると分かっている、異様な関係。体はいなくなっても、いなくならないあなた。愛しても、明日を夢みる事を許されないあなた。分かっていても、突然訪れる死。
私から触れる事はできなくても、あなたは私にふれてくる。田中志津摩の人間臭い、圧倒的な真実を浴びていま、痺れるよう。からだの中に生々しくあなたはいる。
やぎも、田中も、淀野も、もういってしまった。説明の必要も意味もない。死は死。
全ての死の上に、秋の穏やかな光が降り注ぎますように。どうか形見など、残された人の名残でありますように。 -
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シャナイレンアイ、久々にときめきましたネタバレ2022年3月20日このレビューはネタバレを含みます▼ 仕事も人生も、お互いしっかりした自分をもってる中堅のかっこよさの、ルイスとアラタ。ブレない自分があるから付き合い方に迷いがなくて、好きになっていくポイントも明快で。ホント心地いいです。
どこの国でも成立しそうな二人の関係ですが、アラタには日本の中堅サラリーマンの良さが丸ごと詰め込まれてました(断じてくたびれてない、と思う)
ただロマンスには、確かに程遠い状況でしたねぇ。若者が極端に少ない田舎、通常ならお見合い即決コースでしょうか(古い?)
海を超えて人生かけて会いにくるルイス、お目が高い!青い目とブロンドヘア、キスが極上で一途な攻めって…少女漫画のようなロマンティック展開、海辺の美しい背景との相乗効果…クラクラします。
小松さんのポジションでずーっと観察できたら幸せだな! -
もはや第二の故郷だよーネタバレ2022年3月17日このレビューはネタバレを含みます▼ ヒロインみっちゃんは石川県のはしっこ海辺の田舎育ち、確かな人生設計を胸に高校で上京。異文化との出会いと人間関係作りは、失敗と立て直しの連続!それすら楽しんで、まるでスキップするように進む姿が何とも晴れやかです。
フラットにあわあわと始まる人間関係。一人で自分を究める時期や、恋愛の濃い関係への興味も過ぎて、大人ほどこんな友達関係が必要な気がします(人生、大人になってからが長ーい)大自然の中で仲間と生きてきて、頭だけで考えない底力があるみっちゃん。自律性の高い彼女には人が集まり、対話からはいつも発見が!お互いかけがえのない存在だと気付いていく過程に、一生心に住み続けるだろう仲間との未来が見えて、感動しました。故郷を去った叔母さんも、次はみんなで故郷に顔出せそうで…ジュワっとなります。東京での初友達、イケメン志摩聡介くんとの淡い恋心も…。
6巻読了。人を通してその土地を想う。キャラクターたちを通していつのまにか、東京と石川が第二の故郷みたいな親近感です! -
10年後に輝きだす青春ネタバレ2022年3月16日このレビューはネタバレを含みます▼ 主人公うーさんは、複雑な家庭事情を背景に、高校でイケメン山田秋くんに言われた言葉が心に棘のように刺さってしまって。それから10年、恋愛より愛猫じゅじゅとずっと穏やかに暮らしたいうーさん。
二人とも大人になってから再会して良かった…チャラ男だった秋くんも成長してました。高校の図書室でうーさんと過ごした時間が、秋くんの青春の輝きだと気付けた10年でした。地道に丁寧に紡がれるプロセスに「運命の相手」のリアリティがありました。ちゃんと見てくれてる人がいるってすごく幸せですね。自分も時々立ち止まる時間を作って、相手を見るよう心掛けたいなぁ。
2巻の柳さん、一瞬ホラーに感じたのは、うーさんの心のバイアス?職場の馬場さん、おばさんも背中を押してくれて…やっぱり、じゅじゅが一番の功労者かな。3巻完結、あたたかい気持ちに満たされました! -
うちとポメ太はガチマブじゃから2022年3月15日ばあちゃん。槙斗にはポメちゃんが必須(ガチマブ超え)でした!
博士先生の描く質感の多彩さ。ツヤッ、キラッ、シットリ、ヌルッ、モフ、フワ、コロ、ピョン、キャウ…ソラが死にたい位のストレスの時も。どれもユニークな可愛さが際立つ背景が下支え。ソラと一緒に、沈んでいた気持ちもふわふわ軽くなっていくよう。
そして性の解放感。ソラと槙斗くん共に、自己否定感がまたたく間にゼロになって、ひたすら満たされていく。この自由度と幸福感は、救いじゃないかな。
1巻完結。二人をとりまく世界が愛しくて…もうチョイ食べたい、位がちょうどいい。悶える可愛さのエロ度です。もっとみる▼ -
全国の「みのりちゃん」へネタバレ2022年3月13日このレビューはネタバレを含みます▼ こんな風に大切な家族を看取りたかった…出来なくて苦しかった日々の記憶を思い出しながら読みました。当時ちあきちゃんの年頃。その頃の心の記憶は片付くことがない。更新しながら一生抱えていくものなんですね。
時代背景も約50年前と現在の対比がリアル。時間の経過を自然に受け入れられ、人物、ストーリーとも美しく、生き生きと感じられました。准さんは、万事休すかという時、南無阿弥陀仏って口走る面白い方なんですねぇ。特に日向さんの実直で温かいお人柄は魅力的。お花見で同席されたご夫婦、認知症のご夫人と心が通じないと伝える男性に応えて「…わかってるさ 忘れたのは 伝え方だけだ」思い出したのは認知症研究の第一人者で自ら認知症となってから話されていた言葉「見えている風景は、前と変わらない。ただ心配事が心配じゃなくなる。(認知症は)神様がくれた救いのよう。」どちらも聞いた時ストンと腹落ちしました。見えなかった相手の心を知るって嬉しいものですね。
生きるために思い通りにできない、現実的な事情もあって…対応してくださる全国の「みのりちゃん」大切な人の最後に寄り添ってくれて、本当にありがとう。あなたのご苦労を思うと涙が溢れます。どうかお身体を大切に過ごされますように。 -
ケンタウロスと今を駆け抜けたい2022年3月12日Happy people make happy horses.
fusion 「馬+人」
長い長い年月かけて育ててきた作家さんの馬愛。もはや自分が人なのか馬なのか悩むレベル…自由に自分の意志で移動したい、もっと速く走りたい、もっと遠くに行きたい、私たちの普遍的な欲求を実現してくれる、熱く心ときめく存在。人と心を通わせ、操る楽しさがあり、しかも自ら障害物を避けて飛ぶ。ケンタウロスは、人の馬愛が必然的に生み出した英雄。
fusion 「ギリシャ神話+漫画」
容赦ない神話の世界観に、人間らしい心あるものが加わって、ストーリーの自由度が数倍UP。今の時代に生きるケンタウロスの作品集として、どこまでもいけそう!
「心の時代」と「科学の時代」は振子の両端のように交互に繰り返してきました。IoT、ビッグデータ、AI…新しい産業構造にアップデートされていく今、かつて潜在化していた心の表現がネットを通して顕在化、「心の時代」へ大きく振り始めている予感。願わくば暗黒の中世の再現でなく、若い人々の熱くときめく心で新しい時代を駆け抜けて。
その傍らには、悠久の時を生きるケンタウロス、自由で美しい君の愛馬に見守っていてほしいと願うのです。もっとみる▼ -
頭の中だけなら大声で叫べる2022年3月6日「好きです!!」「ゴメンナサイ」でゲス。お前じゃねエエエエ!!…木絵、私も。(タイトルからエンドレス再生中)″ みんな違ってみんないい″ って理想的、でも多様性って実はシンドイ。ことばを尽くしても、共感する人から怒りを覚える人まで、様々…(感情をコントロールして精進します)ヒロイン木絵さんは、そんなシンドさを、楽しくて面白くて優しい妄想物語の力で乗り越えていきます。ハリウッド映画やアンデルセン、アメコミ等々、あらゆるジャンルからこの漫画に総動員し小芝居を繰り広げる。笑って笑ってもう何でも乗り越えていけそう!
シンデレラは可哀想、はシンパシー。シンデレラの継母はなぜあれほどいじめたのか等々、相手の立場で想像できる能力、がエンパシーだそう。高いエンパシー能力は木絵さんの、作家さんの、そして私たちのクリエイティブな妄想の泉。ただ人に敏感な分受ける影響も大きくて、心身共に崩しやすい点が気がかりです。
光正さんがこの世界に木絵さんを見つけた奇跡。静かな高台家を、二人の愛の光が暖かく包みます。異能三兄妹弟+祖母の心を笑顔にした「木絵さんの高度なエンパシー力(使用方法の実例集ネ)」世界の人々にも発動希望。日常に笑顔が溢れる日が戻りますように。(6巻完結)もっとみる▼ -
leave no one behindネタバレ2022年2月27日このレビューはネタバレを含みます▼ (民主主義の理想論かな。でも皆さんのレビューに勇気を頂いて!)
社会秩序を保つ方法は2つ。従順な人を育てるか、自分で考える人を育てるか。
少年アルは前者。聡明で優しい少年は、大人が作った対立構造の中で生きています。ジョージとの対話から気づきがあり、最後に相手の立場を想像して手紙を書きます。
青年ジョージは後者。複数の価値観が交錯する世の中で、自分の意思で軍役に服し対テロ作戦に従事します。彼の最上の目標は、子どもたちの命を守る…戦争、テロがなければ、どんなに素敵な出逢いだったか。
後者を諦めず、対話を続けようと思います。命・人権を守る、犯罪行為を許さない…誰もが認める最上の目標を掲げて。方法論でお互い意見は異なって当然、着地点を見つけて合意を目指し、もがきます。誰かを責めたいんじゃない、力で従わせる仕組みを変えたいのです。結果利害が完全に対立しても、その発見と認識がスタート。腹の中隠して演じられるより、ずっとマシ。
アルの変化は希望で、人は変わる、変わる可能性があると信じます。面白い二項の対立構造を作りたがるマスコミの論調すら、この頃大きく変わりました。情報の出所を見極め、民度を高め、自分自身変化し続けて粘ります。簡単じゃないけれど、慣れればきっとそう難しいことでもないはず。そう自分に問いかけています。 -
夏の夜の夢のような時間旅行に耽る2022年2月26日主人公の都(ミヤコ)さんは、生きるのがしんどい夜に一人で別世界に心を飛ばしてて。その放電と充電が明日を生きるのに必要不可欠だってこと、よく知ってるんですね。
表紙の、夏の夜の夢のように、チロちゃんと出逢い、友達になって、同時に古賀くんとの距離も縮まって…。想定外のファンタジーの世界と、都さんの冷静なプチツッコミ。これがクセになる楽しさです。
一気に世界が広がって、友達のために不器用だけど一所懸命行動する都さんはとてもリアル。心が熱くなりました。
意外と先が読めないストーリー。今後の展開を楽しみに、この時間旅行に耽ります。もっとみる▼ -
もし生き方を選べるなら?2022年2月22日(祝!デビューコミックス☆遅ればせながら…)
神様と人と種にまつわるオメガバース、最後まで描き切った充実感に溢れていました!
豊穣の神、太陽に対する敬愛と畏れ。神々の加護と人々の信仰の成熟した関係の確立。善良な種の保存と子孫繁栄(…古代ギリシアのエロスの姿は青年でしたっけ)新しい時代の始まり…。
もぅタイトルと表紙から妄想したイメージは、軽やかにいい方に裏切られます!
漆黒の翼を広げる神様クロの美しい幾つかのシーンが印象的。
「もし自分で生き方を選べるなら?」自問自答を繰り返す、聡明なルカ。理不尽な運命や迷える人々の心を軽々と超え、傷ついたクロの心に寄り添い自分らしく生きようとします。このΩの姿は大いなる大地、母性そのもの。「助けてやる」「ありがとう。助かる」そう言い合う神と人、2人の対等な関係が最後まで貫かれる奇跡に救われました。
タイトルに添えられた記号のような英語が、誤解しないよう理解を助けてくれて。渚先生は優しい方ですね。優しい冬の陽射しの中、笑顔の花を咲かせる春を待つ種。限りなく美しい物語でした。
いつか、ノア達それぞれの愛の物語が見られたら嬉しいです。もっとみる▼ -
オーリーします!!ネタバレ2022年2月19日このレビューはネタバレを含みます▼ ストリート、路地裏、公園、階段の手摺り…小学生の男の子の無機質な現実に突如現れたスケートボードの無重力の世界!オーリー!「チョーカッケーじゃん」こどもは自然の一部として生身の世界に生きてること、思い出しました。大人のものさしで測れない先が読めない世界を、身体的に生きるのが本来。あぁコロナ禍の今どんなに苦しいだろ。
どこまでいけるかワクワクして、…突然、大人の事情。現実はここでも少年の足を引っぱるのかぁ。トジツキ先生が気になり、その後『NEIN2』というセルフリメイク版、続けて過去の続きものを出されたことを知りました。一度ペンを置いたら、もうこの勢いには戻れないのでしょうね。残念でなりません。
ただ、この3巻には何度も見返したい特別な感動がありました! -
愛おしい2人のオモシロ無限ループ2022年2月15日(単話ヨミホ→合冊版入手!)
飾り気のないシンプルで確かな線画、いかにもマンガのような人物設定、ギャグかと思うような壮大なストーリー展開…(語彙力不足なだけです、ディスってません)すべて飽きることのない絶賛ポイントです。会話と心の声、体の反応がテンポよくて絶妙バランス。何よりも主人公2人の恋愛プロセスが生き生き描かれて、巻を重ねる程たまらなく愛おしくなります。
いかにもな愛のセリフを真剣に伝える流(ナガレ)様(←王子様設定)はナイスキャラで、スーツと恥ずかしいセリフがなぜか似合う。しかもかっこいい。そう感じた時には落ちてました…流様の愛あるボケと、亜以(アイ)の心のツッコミ(時々声に出ているのが楽しい)のオモシロ無限ループが、2人をずっと見守りたい完成度で繰り返し襲ってきます。面白くて愛おしい2人の関係性のドキュメンタリー、ずっと追いかけたい作品になりました。もっとみる▼ -
ジムニーと走れば不自由な道も楽しい!2022年2月14日『自分』が世界と比べてちっぽけに思える時、逆に宇宙に溶けるほど大きく思える時、アイスランドの大自然の世界をドライブしようと思います。強風にあおられて雑念がはがされていく感覚がやけにリアル。地鳴りのようなチェロと深くて柔らかい琥珀のようなリリヤのアルト…そんな音楽を頭の中でエンドレスに響かせて、一本道の悪路を進みます!
1巻毎に新しい幕が上がるような展開は予測不能の旅の面白さ。この先は「北北西…」のミステリーサスペンス?それとも悲劇?…タイトル通りなら南南東の風。主人公のブラコン弟のサイコな闇が気がかりですが、大自然の自浄力で、世界は狂気に飲み込まれることなく治癒していくと信じ見守ります。
主人公は一見無愛想、本当は優しくて暑苦しい17才の男の子慧(ケイ)。嘘も見栄も通じない。慧と一緒に本格クロカンのジムニーに乗って、とりあえず先に進めば、偶然の出逢いも楽しみ!
今、晴れた日にどこまでも走る夢を見ています。もっとみる▼ -
加賀谷さんのように、突き抜けたかったなネタバレ2022年2月13日このレビューはネタバレを含みます▼ かつて銀行は絶対潰れないが常識。その後次々地銀の倒産、サバイバル統合ラッシュ。激動の変革期の今、優秀な人材獲得・育成は最優先課題といった背景かな。
メガバンク某支店勤務の加賀谷次長はまさに適材、顧客のビジネスを徹底研究し個別に柔軟に対応できるコンサル営業で業績トップの30代実力派。できる男はオシャレで気遣いも完璧。
一見クールな切れ者、実は人を育てる事が最優先の熱い男、そのギャップ感!
人材育成は誰もが何かしら経験あるかと思いますが、迷いや後悔のない人はいないんじゃないかなぁ。マネージメント研修もなしで、ついでに面倒見といてシステムでは個人差ありすぎですし。
3巻で彼の人間味に触れられます。
その他大勢の御用聞き営業達の妬みやら、自称彼女の恋愛巻き込まれ事故やら、部下の管理は優秀な営業に丸投げする上司の無責任やら。
疑心暗鬼で思わず感情的になる加賀谷さん。岩淵先輩がいてくれてよかった!いやぁ飲みたい気分になりました。
設楽さんも、陽斗くんも、加賀谷次長に導かれ新しい価値観に触れ着実にいい男に育ってる手ごたえあり。突き抜けてしまえば、人間の本性は善なのだと信じられる世界が広がります。
ちょいちょい差し込まれる加賀谷次長の妙に色っぽい存在感…憧れ以上恋愛未満?今後の展開が楽しみ! -
今、最善を尽くそうと思う理由2022年2月8日個人的なことですが。
藤ノ木と赤岩のような関係の友達がいました。かれこれ20年位滅多に会わないのに、不定期に連絡をもらうだけ。でも大事な存在でした。
最後に会ったのは10年前、その1ヶ月後彼女は突然帰らぬ人となりました。
その間も携帯の着信とメールを数回受け取っていたのに、会いに行かず、返信すらしませんでした。また会えると思っていましたから。
藤ノ木と赤岩のように、くだらない話をするだけでよかったのに。今さら、悔いても、悔いても、やっぱり過去は変わらないのです。
追記)その後、この漫画でのレビューにホントに勝手に救われて、もらい泣き。元気、出ました。
フォローし合う関係は、のんきで不可侵で、付かず離れず。その人なりの鮮度の高いナマモノとしてのレビューを見つけて、また日々過ごせたら嬉しいです。もっとみる▼ -
社長、待っててください!2022年2月5日イントロから1巻通してffの迫力。駆け抜けた読後感が心地いいです。
三白眼美女の沖さんは、獣人上司から迫害級のパワハラを受けても、仕事の質は落とさない気迫の塊。威圧感の塊のような獣人アトラス社長、彼だけが彼女を理解してくれて、ロイヤリティが一気に高まります。
アニマルスピリッツと経済のパワーゲームが相性がいいとか、対立軸づくりで悪を誇張表現してるとか…気づけばそんな理性の次元が次々吹っ飛び、ひたすら心の動きだけに集中していきます。
社長は沖さんと心の会話ができて本当に嬉しかったんですね。トラウマをゆっくり克服して、新しい仕事が成功したらきっと、社長のピュアな心に気づいてくれる…辛いでしょうけど、社長、それまで待っててください!もっとみる▼ -
ユートピアにとっぷり浸かってますネタバレ2022年1月28日このレビューはネタバレを含みます▼ 麦巻さんは自分のことか、と読み出したら、実は節約上手でお料理上手。気がつけば旬の食材の効能までマスターされてて。私にはとても眩しい家庭的なハイスペック女子でした。
仕事一筋が突然叶わなくなったら、やることない頑張ってきたこともない趣味もない…それでも人並み以上の価値ある暮らしがしたいとこれまでの自分が願う。しんどさと一緒に、人間臭いおかしみがじんわり滲みます。
温かいコミュニティと職場環境に馴染んでいく麦巻さんが、少しずつ心の保ち方もマスターして、笑顔が日ごとに美しい。きっと恋だって大丈夫。運が巡ってきた時のために、体にいいもの食べて少しでも元気になっておきましょ。
女性の夢や共感をたっぷり注入して、このユートピアの続編、とても楽しみにしています。 -
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カオス真っ只中、スマホ持つ手が痺れました2022年1月26日偽りの秘密を抱えて戦うフレイヤ。カオス真っ只中にいる少女がたどり着いたモチベーションは、今やるべきことへのとてつもない意気込みと、自分よりも守りたい命への責任感。
持ち駒は少数精鋭の騎士たちと遠く故郷の人々のみ、戦記物としては全く勝ち目のないスタートです。
ただ、アクションから本質が生まれる、結果全てのキャリアがついてくる、ある種綱渡りのような展開はこの漫画そのものに見えます。
捉えていた現実が突然グニャリとゆがむようなエッダ、ゾフィーの絵力は魅了されましたし、主従の忠誠心が育っていくプロセスに、恋愛模様が切なくオーバーラップし、夜スマホ持つ手が痺れました。
初陣のような奇跡の展開は1回きりで、もう無効。今後の戦いぶり、大いに期待してます!もっとみる▼ -
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月夜に覗いた二人を、神様はきっと笑わない2021年12月30日思いがけず、新卒採用と中途採用の色が混じった
大手内資企業のビジネスシーンのリアリティに、唸りました。
一営業から管理職としてチームの数字達成にもがき
首都圏と地方マーケットの違いにもがく。
プライベートでは元夫や今彼の家族の言葉に傷つき
ヒリヒリと痛む繊細な日常シーンのリアリティ。
もがきにもがく前橋旭の生きるエネルギーに
とても親和性を感じます。
ベッドでは個々に違って当たり前の性行為
そのコンプレックスはなかなか消えてくれない。
真剣な二人の愛情表現を、月夜に覗く神さまはきっと笑わない。もっとみる▼ -
いのちを終わらせたいと思う前にネタバレ2021年12月20日このレビューはネタバレを含みます▼ ギリシャ神話の神々は、いのちが終わるその先を容易に空想させてくれるスィッチ。コレットが自ら冥界に飛び込むことは、さらわれる神話とは大違いで、こんなに甘美なストーリーを味わえるなんて…!乙女心が跳ね上がりました。
まるで吟遊詩人が客に応えて自由に語ってくれているような単話読切スタイル。登場キャラの世界を一巡して、贅沢に楽しみました。
最後いのちを生きる話に戻って涙し、やはり甘美な着地に嬉しくなりました。
この世界を漫画で楽しめることで、息苦しい今を生きる少女たちの心が少しでも救われたらという思いで一杯です。 -
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