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nobuoさんのページ|漫画の感想・口コミも業界最大級!シーモアレビュー
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ERR_MNG
レビュー
今月(10月1日~10月31日)
レビュー数1件
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シーモア島


投稿レビュー
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表紙に惹かれてネタバレ2025年10月2日このレビューはネタバレを含みます▼ 良い感じに艶めいている表紙を見て、試し読みもせずに購入。表紙買いは当たりハズレがあるけれど、こちらは当たりでした。表紙のままの世界観というか、期待通りのお話が読めました。
両親が幼い頃に他界し、引き取られた先で大切に育てられ、そこの長男(慶一)に想いを寄せるようになるけれど、女としては意識してもらえず、そろそろ見合いして結婚しないといけない主人公(千花)。恋人にはなれないけれど、妹として溺愛されている状況が、だんだん辛くなってきた。しかし慶一が千花に対して一線を引いているのには理由があって・・・。という、なんともベタな設定と展開なのですが、それを最高に楽しみ味わわせてくれる演出が随所になされており、物語の世界に没入して読むことができました。
個人的に、このお話を面白くしている立役者は慶一だと思います。ミステリアスで行動が読めないから千花も読者も翻弄されます。最初はちょっと何を考えているのか分からない芸術家肌の人って感じで無害そうな顔して千花の懐に入り込み、「食事の後に歯を磨く」くらいの当然のような流れで手籠めにする。まだ世間を知らない女学生である千花が戸惑っている間に深みにハマってしまったのも良く分かります。傍から見ていると、なぜ千花は慶一に想いを伝えないのか、慶一に自分をどう思っているか問わないのか、かなりイライラさせられますが、愛されたいという思いが強い子ってこういう状況を積極的に打破できないんじゃないかな。その気持ちも何となく分かるので、読んでいて複雑な心境でした。
一つだけ気になったのは、千花が自分の倫理観を捨てて慶一を受け入れようと決めた瞬間。これ以上抗うのは無理だと諦めただけのようにも見えて、少しだけモヤりました。まぁでも、彼女の境遇で、思春期くらいの女の子で、精一杯考えて出せた結論と思えば、ベストアンサーなのかもしれません。
私は字を読むのが遅いのでノベルは読むのに時間がかかるのですが、このお話はとても読みやすくて2時間もかからず読み切れました。話の筋も心情描写もシンプルで的確で分かりやすかったかもしれません。サクッと読めるのに、読後の満足感はしっかりあってお勧めです!いいね
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作者買いですネタバレ2025年9月30日このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙の絵が本当に美しくて、息をのみました。中の絵は、いつもの線より少し太めで、全体的にシンプルに描かれていて、お話の内容に馴染んでいます。キッサン先生は絵で伝える技術が高いなと毎回思います。
作者様の作品はいくつか読ませて頂きましたが、この作品の読後感だけ他と全然違って戸惑いました。作者の意図のようなものがどの辺にあるのか見当がつかなくて・・・。全部が中途半端というか、説明が欲しくなってしまうなんてことは、今まで読んできたキッサン先生の作品では無かったので、たぶん私が気付けていないだけなのだろうと思います。数年後とかに読み返したら、何か違う見え方をするかもしれません。
父親から厄の話を聞いた時、「自分はこの家を出て福羽から逃げながら、誰とも結婚せずに天寿を全うします」って言えば父親だって悲しまなかったんじゃないかなと思うのですが、なぜ一真は結婚を断った後に、すぐ死のうとしたんだろう?一真が死ぬだけでは厄は断ち切れても、代々犠牲になってきた女たちの怨念は昇華されなかっただろうから、結果的には良かったのだけれど、なんだか色んなパーツが繋がらなくてモヤモヤしています。めちゃくちゃモヤモヤはしていますが、一真と三千世の出会いから最期までが全部尊くて、その部分だけは噛みしめるように読みました。この夫婦、最高なんじゃないでしょうか?2人には厄を断ち切れた後の世界も生きて欲しかったです。いいね
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作者買いですネタバレ2025年9月30日このレビューはネタバレを含みます▼ 「しかし何も起こらなかった」全3話、「英雄の親」全4話、表題作+表題作の数分後を描いた描き下ろし。
「しかし何も起こらなかった」は表題作のプロローグ的なお話で、平定者というシステムが導入された当初の高校が舞台になっています。平定者とは生徒全員が卒業できるように、学校生活で起こる問題が顕在化する前に陰で根回しして、その芽を摘み取る人間のことで、クラスメイトに擬態して紛れ込んでいます。一回読むだけでは何が何だかわからなくて、何度も読み返して何となく話の筋は理解できましたがモヤモヤは残り、何とも難しい問いを投げかけてくるなぁと思いました。表題作では、峯の卒業後、20年くらい経ってるのかな?平定者というシステムが定着した社会が描かれています。何も起きないように立ち回り、何も起こさず「平和」に生きていた峯がその平和をぶち壊されたあの日から、ずっと自分の中の空洞と向き合っていたことが分かり驚きました。平定者として子供達から学びの機会を奪いながら、別の形で学びの機会を与えるという、一見空しい行為のようですが、彼なりの落としどころなのかもしれない。彼がそのような不器用な生き方をしていることが意外でしたが、一度自分の中の空洞に気付いてしまったら、それを埋めようとせずに生きることなど不可能なのだという暗示なのかな。
もう一つの収録作品である「英雄の親」は全く違う世界線のお話でしたが、特殊な設定から物事の本質を問いかけるように描いている感じが表題作と共通していて、読後は「う~ん」と唸ってしまいました。「これは愛なのか」という問い自体がナンセンスだなと思いました。たぶん、全部愛なんだろうな。いいね
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作者買いです2025年9月30日キッサン先生の短編集①に収録されている「矢継ぎ早のリリー」は吸血鬼のお話でしたが、こちらでは遺言執行の別の案件のお話を読むことができます。エピソードは遺言ごとに全然雰囲気が違って千差万別。こんなに多様なケースが次から次へと出て来ても、一本筋が通っていて統一感があるのは、根底に流れるものが「愛」だからだったのだとラストを読んで思いました。短編の時には描かれなかった、リリーたちが何故この仕事をしているのかについてにも触れられており、色々思うところがありました。2巻で完結していますが、もっともっと色んなエピソードを読みたかったです。
世の中には「気付いたら死んでた」っていう人も多いと思うので、死んだ後に残せる遺言って便利だなと思いましたが、理想は心残りを作らないように生きることなので、できればリリーたちの世話にはなりたくないかな~。もっとみる▼いいね
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作者買いです2025年9月30日キッサン先生2冊目の短編集。十編の短編に加え、電子版には描き下ろしでもう一編収録されており202ページ。500とは思えないボリューム満点の一冊でした。これだけ数があっても全部完成度が高くてハズレが無いのもスゴイです。短編って説明不足で消化不良になることが多いけれど、そういうのが全くなくて読後もスッキリ爽快大満足。意図的に謎のままの部分はあっても、それは作品の一つの魅力として成立しており、モヤモヤさせられることがありませんでした。一番印象に残ったのは「四年目」でした。結局あの女性はどういう行動をとったんだろう?目的は達成されたようですが、血にまみれた簪が落ちていたのを見て、色々想像が膨らみました。もっとみる▼
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作者買いです2025年9月30日キッサン先生初の短編集。4作品に加えて、電子版には描き下ろしが収録されています。2冊目の短編集よりも一つ一つのお話が長めです。多種多様な世界観で、似たような話が見当たらなくて、どれも本当に面白かったです。ラストも様々、読後の余韻がそれぞれ違うので、読んでいて飽きません。どれも良かったけれど、私は「鞠めづるヒトビト」が好きでした。蹴鞠に勝ち負けが無いなんて知らなかったし、なんだかとても日本人らしいスポーツだなと感じました。あとがきで各作品に対するコメントが添えられており、そちらも興味深かったです。
「千歳ヲチコチ」で作者様のファンになり、こちらも購入しましたが、長編をあれだけ完璧に仕上げられる力量を持った方が短編を描くとこうなるのか~と思いました。短編にするとその切れ味がいっそう際立ちます。素晴らしい作品をありがとうございました。もっとみる▼いいね
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めっちゃくちゃ面白かった~!!2025年9月30日試し読みで興味がわいて購入したのですが、ここまでハマるとは思わなかったです。楽しく笑っている間に伏線が張り巡らされていたことに全然気付かなかったので、ラストにかけての怒涛の展開に息をするのも忘れる程、夢中になって読んでしまいました。
平安時代の生活をそのまま現代語訳したような感じで、歴史のことに疎い私には、平安時代の生活文化を現代の感覚でイメージできて凄く勉強になりました。現代人のように話すのでニュアンスを理解しやすい上、ちゃんと視点は平安人なので、目の付け所の違いにハッとさせられて新鮮でした。現代の強い刺激に慣れてしまった私にとって、昔の人達の、僅かな変化に心を寄せて愛でる姿勢は、とても魅力的に見えます。あと、これは作者様の技量の成せる業なのかもしれませんが、何気ないふとした瞬間に、そこはかとない色気が漂っているんですよね。こういうエロチシズムの表現って素敵だなぁと思いました。特に印象的だったのは、ラスト近く、恐らく眠れないまま朝を迎えた亨が、寝巻姿のまま外を窺い、朝の光の中佇む姿でした。彼らしい穢れない純粋さの中に男の色気を感じました。それまではDKみたいに子供っぽく見えていたけれど、そこまでの過程でしっかり大人になる階段を一段ずつ昇ってきていたことに気付いて、「今までのあれやこれやは、ここに繋がってくるのか~!」と作者様にしてやられた感が半端なかったです。
登場人物が端役に至るまで全員存在感があり、しっかり物語の一部として役を担っているところも素晴らしかったです。どのキャラも愛おしくて、どこか身近にいそうな感じがするのも良いです。それに、綺麗で分かりやすく見やすい絵柄で、人物や表情の描き分けもしっかりなされており、とっても読みやすかったです。読み返す度に、キッサン先生の才能に圧倒されます。こんな出会いがあるから漫画読むのを止められないんですよね~。あ~、幸せ。もっとみる▼いいね
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特別編読めて嬉しい!2025年9月27日本編が綺麗なフィナーレだったので、こんな風に特別編を読めるとは思いませんでした。ウォールバーグ校長の孫が教育係の男と共にイーストン魔法学校を見学に来るお話。マッシュと愉快な仲間たちは2年生になっていて、相変わらず個性的でマイペースに学校生活を営んでいる模様。出会う人みんなの気持ちを軽くして、前に進む勇気をくれるマッシュはカッコいいなと思いました。もっとみる▼
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モノノ怪シリーズ コミカライズ最終章ネタバレ2025年9月26日このレビューはネタバレを含みます▼ 最終章はいきなり時代が下り近代になっています。薬売りは見た目に全く変化が無いので、「やっぱり人間じゃなかったのか~」と思いました。モノノ怪の出るところなら、いつでもどこでも現れる時空間を越えた存在なのかもしれません。
シリーズの集大成ともいえるラストシーン。読者に向けて薬売りが語り掛けるセリフは、とても興味深かったです。モノノ怪の「真、理、形」を明らかにすれば、薬売りがモノノ怪を斬り祓ってくれるというもの。シリーズ通して、話の筋が分かる程度で事の詳細はハッキリ描かず、読者が察するように仕向けられている感じでしたが、それは一人一人がモノノ怪を自分の中から引き出せるように、敢えてそういう描き方になっていたのかもしれないと思いました。誰の中にもどこにでも生まれる可能性のあるモノノ怪を、認識して浄化するためのハウツー本みたいに思いました。 -
蜷川ヤエコ/~モノノ怪~製作委員会アニメ「のっぺらぼう」より
モノノ怪シリーズ コミカライズ第5弾ネタバレ2025年9月26日このレビューはネタバレを含みます▼ モノノ怪シリーズは事実を詳細に描くわけじゃなく、美しい絵柄と演出で「察してください」と匂わせてくる作品だなと思います。ハッキリしないところが多いけれど、そこが魅力でもあります。
蝶さんに恋したのっぺらぼうにとって、一家惨殺は彼女と一緒になるための手段に過ぎず、無邪気に喜ぶ姿はあどけなくて、真性の悪とは思えませんでした。一方で蝶さんは、大好きな母親を喜ばせたくて自分を殺し続けた結果、自分を見失い、知らぬ間にモノノ怪に憑りつかれていた。最悪の事態に陥る前に、何故逃げなかったのかと薬売りに問われていましたが、彼女が逃げなかった気持ちは良く分かります。時代的な背景もあるけれど、現代であっても、何より大事なものを失わないために自分を殺す選択をしてしまう事ってあると思います。薬売りとの問答の末、蝶さんは必死になってしがみついていたものを手放すことができ、納得した上で薬売りの男に斬られることができて良かったです。ラストは蝶さんの存在そのものが消えていて不思議でしたが、切なさの中に温かさを感じる素敵なお話でした。 -
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モノノ怪シリーズ コミカライズ第3弾ネタバレ2025年9月26日このレビューはネタバレを含みます▼ 今回は元女郎屋だった宿屋が舞台。モノノ怪の気配に誘われてやって来た薬売りの男。そこに居合わせるのは、奉公先の若旦那の子を身籠り命を狙われて逃げてきた娘と、宿屋の女将とその使用人の男の3人。ラストは胎児が母親を守ったように見えましたが、はっきりとは分からず・・・。座敷童子は納得したような表情を浮かべて、一瞬で薬売りに斬られてしまい、どんな気持ちの変化がそこにあったのか察せられませんでした。いつもは派手に立ち回るのに、変身した姿が一コマしか拝めなかったのも少し残念。でも相変わらずアニメを見ているような躍動感にあふれた美しい作画が素晴らしかったです。モヤっとするラストでしたが、十分楽しめました。
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モノノ怪シリーズ コミカライズ第2弾ネタバレ2025年9月26日このレビューはネタバレを含みます▼ こちらの作品だけでも十分楽しめる内容となっていましたが、薬売り以外にも前作から引き続き登場するキャラ(加代)がいるので「前日譚」にもチラッと触れる下りがあり、併せて読むとより楽しめます。加代が薬売りに質問攻めしてくれたおかげで、ほんの少しだけ薬売りという男がどんな人物なのか見えたような気がするようなしないような(笑)相変わらずミステリアスで、どの角度から見てもカッコいい!ちなみに下巻の表紙は、薬売りが退魔の剣でモノノ怪を斬る時に変身した姿です。これもワイルドでカッコいい。
今回は江戸へ向かう船がモノノ怪に襲われるお話。死んだお庸ではなく、生きている源慧の負の感情がモノノ怪の元になっていたのが興味深かったです。本人が反省の色を示している点で、前日譚の坂井家のゲス共に比べると、だいぶマシでした。最後の最後で新たなるモノノ怪が誕生したかに見えましたが、薬売りさんはスルーしていたから、これは問題ないのかな?これからもこの魔のトライアングルでは船が沈められるかもしれないですね。 -
蜷川ヤエコ/怪~ayakashi~製作委員会アニメ「化猫」より
アート作品のよう!2025年9月26日独特な美しい絵柄に惹かれて購入しました。他の方のレビューを読むと、かなりアニメに忠実にコミカライズされているようで、蜷川先生のこの作品に対する思いが伝わってきます。私はアニメは見ていないのですが、まるでアニメを見ているかような動きを感じさせる臨場感あふれる絵と展開で、400ページを超えるボリュームでも、あっという間に読めました。
話の筋はあえてはっきりさせない方向で描いているのか、私が察しきれていないのか、ちょっと分からない部分が多いけれど、薬売りがモノノ怪を斬ることで、そこに残った無念を救い上げ、昇華していくお話だという事はわかりました。
あと、薬売りの男が妖しい色気を纏うイケメンで、刀を振るう時は別次元のイケメンに変身したりして、まぁとにかくカッコいいんです。彼が何なのか明らかにはされませんでしたが、他のシリーズ作品読むと分かるのかな?もっとみる▼ -
作者買いです2025年9月24日他の短編集と比べると、吹き出すくらい笑ったり、内容が分かりやすかったり、全体的に読みやすかったです。かといって薄っぺらい話という訳ではなく、読後は心に何かが残るお話ばかりです。
「センチメンタルを振り切る速度」これを初めて読んだ時は、青春の後悔がサラッと短くまとめられた、まぁよくある感じのお話なのに、何かが引っかかるというか、「何でみんな歩かないのかな?歩くという概念が無い世界のお話ってことか、でも何の意味が?」と喉に小骨が刺さったような読後感でした。しばらくモヤモヤしていて、ようやくタイトルに意識が行って、「あ、そういうことか~」と笑いました。歩いているのを走らせるだけで、センチメンタルが吹き飛ぶなんて誰が想像しただろう。シンプルなだけにツボりました。
個人的に一番面白かったのは「どつきどつかれて生きるのさ」でした。話の筋はよくある感じなのに、ボケとツッコミに特殊な設定を加えて日常の中に紛れ込ませるだけで、こんなに笑えるものなのかと心底驚きました。「センチメンタル~」と似てるのですが、こちらの方が完璧なまでに特殊設定が現実世界に馴染んでいて違和感がないです。「センチメンタル~」は違和感が大事な要素だと思うので、それはそれで完璧なんですけども・・・。それにしても、ここまで違和感なく読めるのは、大阪弁だからというのも大きいでしょう。大阪の人達って、呼吸するようにボケてつっこんでいますよね。こういう会話が日常的に繰り広げられていたら毎日楽しいだろうな~。もっとみる▼いいね
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作者買いです2025年9月24日コメディ要素はほとんどないにもかかわらず、皮肉が凄すぎて笑いを誘う世界設定。セリフやモノローグなど読むところが多いのに隅々まで必死になって読んでいました。知らない単語や作者様の造語が沢山出てきて、国語能力の低い私としては、日本語として理解するだけでも大変でした。うめざわ先生の作品を読んでいると、自分とはかけ離れた話であっても、普段の自分がしていることって結局こういうことだよな・・・って自分自身を別角度から見る機会を得られます。今回収録されているデストピアたちは恐ろしいほど隅々まで辻褄が合っているので、頭ではありえない世界だと分かっていても、この狂った世界に自分を投影できるのかもしれません。一番印象に残った話は「もう人間」でした。主人公の水迫さんが最終的に選んだ道は、すごくシンプルに大事なことを教えてくれました。どちらも選べる状況で、自分の望む方を選ぶということ。それは、自分を生きる事に他ならないし、その身体に宿った魂がそれを望んでいるんじゃないかなと思います。どちらを選んでも地獄が待っているような選択を迫られる時、いっそ選択肢などなくなれば、少なくとも迷う苦しみからは解放されるのに、って思う気持ちもよく分かります。他のデストピアにも通じると思うのですが、国とか社会とかの大きな力に支配されていれば、流されているだけでよいから楽ではある。私自身も悩み過ぎて性根尽き果てるような時、支配される方に魅力を感じることは多いです。でもその状態では生きている実感が得られないのも人間なんだろうなと思います。どんなに楽でも生きている実感を失ってしまっては本末転倒です。ラストで有藤さんがとった行動は衝撃でしたが、それが水迫さんが提示したパラドクスを考え抜いた先に導き出された答えだとするなら、ハッピーエンドに思えました。もっとみる▼
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作者買いです2025年9月24日「一匹と九十九匹」よりも人間に対する愛を感じて、どのお話を読んだ後も、読む前より世界が優しく感じられました。支離滅裂なようで筋が通っている気がするのですが、どんな筋かは理解できていません(笑)とにかく、人間というどうしようもない生き物に対する大きな愛が詰まっているように感じました。
うめざわ先生の短編を読む時は、いつも傍観者のような、読んでいる自分も含めて俯瞰しているような感覚で読むことになるのですが、「唯一者たち」では初めて登場人物達の視点で読むことができました。自分の努力ではどうにもできないことを自分の努力でどうにかしようとあがき、結局変われない自分に絶望して、自分は他人に迷惑をかけるだけで生きている価値が無いから死のうと思うんだけど、怖くて死ぬこともできない・・・、主人公のような性癖を持っている人に限らず、こういうことって割とあるのではないかと思います。自分に生まれたら自分しか生きられないし、それは誰にとっても自分ではどうしようもないこと。他の作品と比べたら感情移入して読めましたが、最後にはやはり登場人物達の視点から解放されて、ただありのままを眺めるだけの私に戻っていました。本当に、うめざわ先生の作品って不思議だけどおもしろいなと思います。もっとみる▼いいね
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作者買いです2025年9月24日「一匹と九十九匹と」に収録されていた「オーバー ドーズ」を読んで、ピンキーさんに惚れました。こちらで続きが読めるようだったので購入しました。プロローグ+全五話という構成で、ピンキーさんと女たちのエピソードを堪能できます。
読みながら何度「惚れてまうやろー!」と心中で叫んだことか。とにもかくにもピンキーさんが男前!堅気じゃないから仕事では下手な情けはかけないけれど、出会った女達には結局情けをかけてしまう中途半端な自分を笑うピンキーさんに、腰が砕けそうでした。登場する女性は各話で異なりますが、みんなイイ女ばかりで、恋とかじゃなくて人として惚れたから、ピンキーさんは彼女たちを助けたんだろうなと思いました。また助け方も粋なんだな~、これが。
ピンキーさんが小人症という設定がすごく効いていて、舐められたら仕事にならない裏の世界をこの身体で生き抜いてきたということ。チーフと同じ画面に映っても、圧倒的な存在感で、むしろピンキーさんの方が大きく感じられるということ。「そういえばピンキーさんって小人症なんだった」と気付く度に、彼が内に秘める底知れなさを実感します。こういうのを漫画で表現できる作者様の才能も底が知れませんが・・・。
今は「ダーウィン事変」の連載でお忙しいと思うので難しいと思いますが、いつかピンキーさんの話の続きを描いて下さったら嬉しいです。もっとみる▼いいね
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知らぬ間に、でも確実に溜まっていく何か2025年9月24日1巻は短編が5篇、2巻は丸っと1冊一つのお話が収録されていました。「オーバー ドーズ」は「ピンキーは2度ベルを鳴らす」にも収録されています。絵が上手くて読みやすいです。購入のきっかけも、印象的な表紙の絵でした。青年漫画によくあるエロやグロはしっかりあり、特に2巻は描写がキツイので苦手な方にはお勧めしません。
どのお話も、今までギリギリで均衡を保っていたところに、何かのきっかけでバランスが崩れて崩壊していく様子が描かれていました。一旦バランスを失うと、日常の全てが破滅を助長するというか、行くところまで行かないと止まれない。決壊したダムの様に、もう元には戻れない。登場人物達に感情移入することが難しいのに、画面から目が離せなかったです。成り行きを、ただただ何も判断せず、傍から眺めているような感覚。ラストも、それが希望なのか絶望なのかわからなくて、やはり眺めているだけな私。だからなのか、読後は精神的に疲れることもなく、むしろ心が凪いでいました。何年後かに読み返したら、また違う見え方をするかもしれない。万人にお勧めできないけれど、私は読んで良かったと思います。もっとみる▼いいね
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絵だけ怖いwネタバレ2025年9月21日このレビューはネタバレを含みます▼ おどろおどろしい絵がめっちゃ上手くて、しっかり絵だけはホラーなんだけど、ストーリーは心温まるハートフルコメディでした。笑いの方もツボで、何度も吹き出して大変でした。怨霊になるくらいだから、情が深い女性だったであろう麗美さん。怨霊になるきっかけとなった過去については最後まで触れられませんでしたが、きっと行き場の無い大きな思いを持て余してしまったんだろうなと思いました。たまに見られる元の顔はとても穏やかで柔和な表情ですし、普段の言動などからも、麗美さんの心がとても綺麗で繊細で優しいことが伺えます。一生懸命良い奥さんになろうと頑張る姿も健気です。陸と結婚できて、エネルギーを良い方へ注げるようになって良かったなと思いました。怨霊的には不本意かもしれませんが(笑)
みんなに祝福されて結婚式をできたのも、麗美さんの人徳の成せる業だと思います。式の途中で一体の怨霊が目覚めて、2人で育てる決意をして物語は幕を閉じましたが、ここからは続編の「怨霊お子様」に続いていくようです。怖い絵が苦手な方でも慣れちゃえば可愛く見えてくるかもしれないし、薄目を開けて読めばイケるのではないかと思います。出てくるキャラはみんな個性的で良い人(または怨霊)ばかりで、いっぱい笑って読後感は最高でした。お勧めです!いいね
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作者買いです2025年9月20日ファンタジウムがとんでもなく良かったので、こちらも購読。ファンタジウムの良君もそうだったけれど、主人公たち無鉄砲過ぎやしませんか(笑)「ヤバいから!やめときなよー!」って心中叫びつつ、どんな窮地が待ち受けているのか期待を胸にドキドキハラハラしながら夢中で読みました。サスペンス要素入ると尚更、呼吸すら忘れるくらい没入しちゃいます。猟奇殺人が話の軸になって進むので、死体は沢山出てきますが、絵が綺麗なのでグロさはないです。事件の方は割とあっけなく解決しちゃった感じでしたが、事件を通じて交わる人間たちの言葉や心のやりとりがすっごく面白かったです。特にかなやと柘植の心が少しずつ近づいて行って、お互い無くてはならない存在にまでなる過程が、とても分かりやすく丁寧に説得力を持って描写されていて萌えました。
柘植の能力である「手を握るとその人の視界が見える」というもの。詳しい説明がされていなかったので、どれ位過去まで見えるのか分かりませんでしたが、見えてしまうと分かった気になってしまうところが危ういなと感じました。思い込みで捜査を進めて失敗するんじゃないかとヒヤヒヤしましたが、私の杞憂に終わって良かったです。
このお話、ドラマの相棒のようにいくらでも続いていきそうな題材だと思うので、いつか続編読めたら嬉しいです。かなやと柘植のバディをいつまでも見ていたいです!もっとみる▼いいね
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これは名作だと思う!2025年9月19日何気なく1巻を試し読みして、一瞬でハマり込んでそのまま全巻読破。主人公の良君の器のデカさが半端なくて、かなり酷いいじめにあったり、金の亡者みたいな大人に騙されたり利用されたり、ありとあらゆる理不尽を経験しても、悩み苦しむ一方で、その状況を俯瞰して眺める冷静さが常にある。まぁそのせいなのかはわからないけれど、平気で危険を冒したりするので、めちゃんこドキドキハラハラさせられましたが、本当に魅力的な主人公でした。
私はこの作品を読むまで、読み書き障害についての知識が無く、この障害があると社会生活を営むのにどれほどの困難があるのか全く知りませんでした。特に日本で生まれ育つと、読み書きできることが当たり前という認識で生きているので、私も知らぬ間に誰かを傷付けていたかもしれないと思い、反省しました。
いろいろ勉強になり、考えさせられることが山盛りでしたが、それ以上に心に響いたのは、良君が投げかける問いでした。どれも本質をついていて、物事の捉え方を見直さざるを得なかったです。当たり前のように思っていることって、本当にそうなの?そんなことを自分にいちいち問いかけていたら日常が回っていかないから、違和感に気付かないふりして毎日生きているけれど、時々この作品を読んで、立ち止まって改めて日常を見つめ直すようにしたいと思いました。
良君以外の登場人物たちも揃って魅力のある人ばかりで、みんな一生懸命生きているというのが伝わってきて、作者様の描写力の高さがうかがえます。私自身はマジックに興味を持ったことはないのですが、好きな人でも満足できそうなくらい専門的な話もでてきますし、私みたいな門外漢もストーリーの方でグングン引き込まれて読んでいるうちに、知らぬ間に魅力的なマジックの世界を垣間見させてもらえます。続編が出たら絶対読みます。素晴らしい物語をありがとうございました。もっとみる▼いいね
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作者買いですネタバレ2025年9月18日このレビューはネタバレを含みます▼ 「なつめさんは開発かれたい」の続編!綺麗にまとまったラストだったので、まさか続編が読めるとは思っていなくて超嬉しいです。今回はなつめの親友、胡桃が登場。マミタ先生って魅せ方がお上手だなと常々思っているのですが、胡桃の登場シーンの演出が素晴らしすぎて天を仰ぎました。なつめと話すセリフだけのシーンで期待させて、ページめくったら贅沢に1Pドドーンと胡桃!「タバコ吸ってい?」が私の脳内でリフレインして、胡桃に目が釘付けになり、痺れてそのページから動けなくなったのは言うまでもありません。キュートななつめをヤンチャにしたような感じで、最初は双子の弟かと思いました。度を越えたブラコンのため超過保護なのかなと思いきや、兄弟ではなく親友とのこと。こういう時、大抵のBL作品はどちらかに恋心があることが多いんですが、ほんとに紛れもなく友情しかなくて、でもその友情が恋人としては嫉妬するに値する深く固い絆なものだから、お話が大いに盛り上がりました。なつめの一部分とさえ言える胡桃の存在を受け入れられたら恋人としては最強になれそうな気もします。
個人的には胡桃が全部持って行った感じですが、なつめさんも安定の可愛さで、八の字眉毛で笑ったり泣いたり怒ったり、コウと居る時も可愛いけれど、胡桃と居る時のなつめも別の可愛さがあって好きでした。そして新しいアジェンダの中身が、全然新しくないところも何だか可愛い~。あと、経験だけは豊富な海千山千のコウが、初めての恋とかって最高以外の何物でもない!嫉妬している自分に気付かなかったり、自分に自信が持てなくなったり、初めての経験に振り回されるイケメンが堪能できます。エッチの時の興奮しながらも余裕を見せるコウの表情も素敵ですが、冷静でいられず感情的な言葉を放つ時の表情や、不安そうに「嫌いになっちゃった?」って言う時の表情に胸がギューンってなりました。
前作では描かれなかった、なつめとコウの一面が、胡桃との関りでわかりやすく読者に伝わって、なぜこの2人が強く惹かれ合うのかが腑に落ちました。なつめの良さって、ぱっと見じゃ分からないというか、付き合いづらい人に分類されがちな損な性格というか、私自身もなつめの内面的な魅力には全然気付けていませんでした。だから、この続編読めて本当に良かったです。同棲編に繋がりそうな予感のラストに、今から期待で一杯です!いいね
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作者買いですネタバレ2025年8月18日このレビューはネタバレを含みます▼ マミタ先生のお話に出てくる受けが大好き!八の字に下がるまゆげで困ったように上目遣いされれば、どんな攻めでも落とせます。マミタ先生の描くこの表情には、それくらいの破壊力があります。
このお話のなつめさんは繊細で気は小さいけど、気遣いのできる優しい人。生真面目で、いつもキチンとしていて表情にも出さないので、何考えてるか分かりづらい。そんな彼が一生懸命床上手になろうと頑張るのですが、エッチな練習してる時にする表情や仕草が無防備で、好きな人としている時に滲み出るものとは別の、素のままのエロさとでもいうのか。赤ちゃんみたいな生まれたての可愛さがなつめさんにはあるんですよね~。攻めのコウは百戦錬磨の手練れですが、なつめさんのイノセントな魅力に知らず知らずハマり込んでいく様子がすごく伝わってきて最高でした。なつめさんもコウの言葉や態度に救われることが何度もあって、元カレに対するモヤモヤを昇華できた後は、腹が決まって自分の気持ちに正直に行動できてて、変化と成長が感じられました。この元カレの件にケリがついた後の2人の流れるような自然な展開と盛り上がりが、本当に素晴らしくて、読んでいる私もひたすら幸福感に包まれ、満たされた気持ちになれました。 -
作者買いですネタバレ2025年8月17日このレビューはネタバレを含みます▼ マミタ先生の描くオメガバースの世界。Ωが社会的に虐げられて、ひたすら辛い思いをするというような類のお話ではなくて、誰よりも大切な人と一緒に生きるために、αもΩも、それぞれ苦しみもがきながら、共に困難を乗り越えていくお話でした。
Ωのユキは、ずっとヒートがこないまま過ごしてきたけれど、長年αのハルと暮らしてきたせいで体質が変化して、18歳のハルの誕生日にハルからキスされたのがきっかけで35歳までの分のヒートが一気に押し寄せ、命にも関わるような大事態に発展してしまいます。ユキとハルは家族の死を2人で寄り添いながら乗り越えて、10年間お互いを支えに生きてきました。そんな彼らにまた更なる試練を課すなんて、「神様そんな殺生な~!」って思いました。2人の葛藤が凄まじくて、それでも何としてでも一緒に居ようと身を削るように足搔く様が痛々しくて、傍で見守るβの洋乃もどれほど辛かったことか。マミタ先生の丁寧な心情描写のおかげで全員に感情移入しまくって読みました。割と最後の方まで辛い状況は続くのですが、試練を乗り越えた先には、大きく成長したハルと心身ともに安定して落ち着いたユキがいて、そこからはもう幸せしかありません。大学を卒業して帰ってきたハルとユキが気持ちを伝えあうシーンには泣きました。
オメガバには珍しく、βの存在感が際立っているお話で、2人の良き理解者である洋乃がとんでもないファインプレー連発で、彼無しに2人の幸せはありえないと思えるほど。一見不愛想で厳しい言葉を放つこともあるけれど、ペットのピコちゃんに対する思いなど、洋乃の言動の根底には気遣いや優しさがあるんだなぁと分かります。
また、マミタ先生の作品と言えば動物キャラですよね。今回はオウムのピコちゃんでしたが、いつになく主張が激しくて、登場の度にその場の空気を全部持っていくから目が離せませんでした(笑)人間の心に敏感に反応してしまうピコちゃんが、ラストは情緒が安定して大人しくなってて、こういう演出もマミタ先生らしくて大好きです。 -
作者買いです2025年8月16日マミタ先生の作品は5作品目ですが、遂に理想の女装オジ受けに出会ってしまって大興奮!BL読み始めて女装する男性の色気に新しい扉を開かれ、いろいろ探して読んできました。最初は女性に見える女装の可愛さに萌えていましたが、ズブズブと深みにハマっていくうちにゴツイ身体で似合わない女装をする姿にときめくようになりました。このお話の真鍋は似合ってないのはもちろんなのですが、似合わせようと、女性に近づけようとしていないところが魅力的に見えました。女装バーでのバイト中も、客からはいじられて人気も微妙で良いことは無いはずなのに、あんな笑顔で堂々と接客できるのは凄いと思いました。
昼間の仕事では勤続年数も長いのにケアレスミスを連発して、仕事ができない男の典型みたいな真鍋。見た目も歳より老けて見えるような締まりのないオッサン顔なので、イライラした客の格好の餌食になったり、部下からダメ出しされたり、日々ストレスをためています。でも、仕事ができない鈍臭い自分をよく分かっていて、行き場の無い鬱憤を他人にぶつけることなく、秘密の趣味に注いでいる。女装している時間はもとより、無心で女装の服を作っている時も、真鍋にとっては自分を取り戻す大事な時間。日々すり減っていく何かを放置していたら、そのうち自分が自分じゃなくなって生ける屍になってしまう。そうなる前に手を打てた真鍋はすごい。メイクしないで女装するのも、化粧が下手で似合わないというのとは別に彼なりの想いがあるのではと思いました。
攻めの青天目は28歳で容姿も良くて仕事もできて真鍋の正反対みたいな人だけど、彼に無いものを真鍋は沢山持っていて、女装する真鍋を初めて見た時から猛烈に惹かれているのも、ただの性癖というだけじゃ無さそうです。硬い鎧を身に纏い、自分を守ってきた青天目が、職場やプライベートで真鍋と接する内に少しずつ変わっていく。また真鍋の方も何も隠さず一緒に居られる人ができて足場が固まったような安定感を手に入れた感じがしました。これからも2人で良い影響を与え合って幸せに暮らしてほしいなと思いました。もっとみる▼ -
愛しさしかない番外編2025年8月14日小冊子や特典ペーパーなど9つが収録されています。本来私には読めないはずのものが、このように電子で配信されて大変ありがたいです。
マミタ先生の作品は全部好きですが、メタラーさんは別枠で、私にとってはBL本というより壮志さんを愛でる本と化しています。壮志さんの出す音が可愛くて、特に喋る時の「ぽそぽそ」っていうのが見る度にギュンギュンきます。エッチなことをしてキャパを越えると気絶するとか、もう何なの、壮志さんて人間じゃなくて妖精なの?エチとかなくてもこれほど満たされる番外編も珍しいなと思いました。2人が本当に幸せそうで、それを眺められるだけで大満足です。続編が出たら嬉しいな~。もっとみる▼ -
めちゃくちゃ良かった!2025年8月13日ものすごく綿密に作り込まれた世界観で、深く厚みのあるストーリー、展開も波乱続きでドキドキワクワク、繊細で美しい絵柄は眺めているだけでファンタジーの世界に誘ってくれます。物語の後半に入ってもドンドン話が拡がっていくので、正直なところ読んでいる途中は「これ、ほんとに5巻完結?打ち切りとかじゃないよね?」と不安がよぎりました。しかしそれも杞憂に終わり、足早ではありましたが、きちんと伏線は回収されて読者が置いて行かれることもなく、納得の堂々5巻完結。ジャンプ系の少年漫画の定石のラストではあったけれど、主人公が最後に気付いたことは人間の本質だなと思いました。いやほんと、濃いお話だった、10巻くらい読んだ気がする。描き切れなかった設定の詳細は、余白のページに書いて下さっていて、それがまた滅茶苦茶ちっさい字でミッチリ埋め尽くすように書かれていたので、作者様の作品に対する熱量が伝わってきました。拡大して必死になって読んだけれど、あまりに小さすぎて解読できない字があって悔しいです(笑)悔しくなるくらいこの物語のことを少しでも知りたいと思ってしまう自分がいます。こんな名作に出会えるなんて、漫画読んでて良かった~って思いました。レビュー数が少なくて歯痒いです。もっともっと多くの人に読んで欲しいし、作者様にはこれからもたくさん作品を生み出してもらいたいです。応援しています!もっとみる▼
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設定が素敵2025年8月11日絵が綺麗だな~と思って購入。死んだ人間が悪魔から心臓を借りて、返すまでの15年間延命できる。悪魔の方は人間に心臓を貸している間、心臓を通してその感情を体験できる。っていう設定が、他にはない感じで凄く良かったです。心臓を返してもらわなければ悪魔もタダでは済まないので、情が移っても返してもらう悪魔もいれば、返してもらわない選択をする悪魔もいて、15年間の体験で悪魔の中に芽生え育まれたものを想像すると、切なさで胸が痛くなりました。恋愛というよりは、もっと大きな愛の物語でした。こういう終わり方もアリだとは思うけれど、その後の幸せに暮らす二人が見たかったなぁ。2巻という短さながら、読み応えのあるファンタジーでした。もっとみる▼
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深夜番組みたいなテンションで読むと楽しい2025年8月11日自分のお一人様生活の参考にと思って読み始めました。300歳代の美魔女、御影が主人公。ダメンズにしか惹かれないというか、尽くしすぎてダメンズ化してしまうというか、とにかく昔から恋人と長続きしない。もう恋なんてしないで独り身を満喫しちゃおう!ってことで、何事も一人で楽しむ術を模索するお話。一生懸命工夫してソロ活を楽しもうとする一方で、虚しさや寂しさも感じていて、そういう揺らぎの中で、過去に縁があった男が生まれ変わって登場したり、恋をして迷ったり・・・。人間じゃないけど人間くさい、割り切れない思いを抱えながら奮闘する御影が、すごく好きだなと思いました。ラストも御影らしい選択で、良かったなぁと思いました。私は御影の師匠の腐魔女さんのように、とことん好きなことに没頭して生きていけたらいいなと思いました(笑)もっとみる▼
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作者買いですネタバレ2025年8月10日このレビューはネタバレを含みます▼ 「山下君には飲ませるな!」が面白かったので、こちらの作品も読んでみました。女性が攻めるお話は大好きなので期待を胸に読み進めたのですが、TLとして読んじゃうとちょっと物足りないかもしれないです。でも異世界転生コメディとして読んだら面白いと思います。人気絶頂のアイドルが急死して、異世界の小国の王女に転生し、アイドルの時に培ったスキルや天賦の才を駆使して、祖国を窮地から救うお話。祖国を救うためには大国の王子との結婚が必須なのですが、なんと彼は女性に攻められるのが好きで、主人公の嗜好とピッタリ合ってラブラブになります。そこまでは良いのですが、そのラブラブの部分が毎回同じようなイチャ付き方で、もう一段上のエロさが欲しいんです!あくまで私の個人的な考えなのですが、女性が攻める時は、男性をどれだけ魅力的に乱れさせるかにかかっている気がします。「山下君~」でも思ったのですが、この作者様はあまりエロに重きを置いてないのかな?でもストーリー重視って感じなので読み応えはあるし、そこそこ笑えるので、とりあえず完結まで読んでみようと思います。
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表紙に惹かれて購入2025年8月10日単話も単行本も表紙の山下君の表情がえっろ~い!試し読みをしたら中の絵はちょっと違っていたけれど、主人公の香子の心の声が面白いのと、勢いのある話運びに引きずられて最後まで読んでしまいました。香子の好きなことに対するブレなさがカッコ良くて、これくらい情熱を注げる何かがあるのって羨ましいなと思いました。
TLというよりはコメディかな?ってくらい笑いの方に振り切っていて、エチシーンは毎回サクッと済んでしまうけれど、それが気にならなかったのは、割と最後の方まで山下君と香子さんの関係が不安定だったからかもしれない。どうなっちゃうのかな~ってドキドキしてるうちに終わっていました。山下君、酔うとエロくなるだけで、香子に恋してるのかどうかが、いまいち彼の言動や表情からは読めなかったんですよね~。
「TL読みたーい!」って時には向かないかもしれないけれど、ありきたりな話に飽き気味の方にはお勧めです。もっとみる▼いいね
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作者買いです2025年8月9日「召喚獣士の学校」を読んで作者様の他の作品も読みたくなり購入。初めてのお話、初めての本とあとがきにあり、初期作品が読めて嬉しいなと思いました。秦先生独特の、どこか緊張感が無い感じの絵柄やストーリーが大好きなのですが、このお話はそんなユルい雰囲気で、緊張感バリバリのシリアスな展開を見せていて面白かったです。最初は話の筋が見えなくて混乱しましたが、読んでいくうちに彼らの背景などが明らかになっていって、その都度それぞれの心情も丁寧に描写されて、最後の方で全てが繋がると、とても温かい気持ちになる素晴らしいお話でした。親子愛の話で終わると思いきや、意外にもラブ要素まで加味されて驚きました。2巻はラブが芽生えた2人のその後が読めます。欲を言えばルディの母親の生前のエピソードをもっと読みたかったな~。もっとみる▼
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作者買いです2025年8月9日「METEO」を読んでから、こちらを購読したのですが、「METEO」で張良が登場していてザックリ予習できていたお陰で、チンプンカンプンで話の展開に置いて行かれることなく読めました。中国史の知識などほぼ無いに等しい私としては、張良という人物を通して史実の流れを知れたので、「METEO」の理解が深まった気がします。4コマなので、リズミカルにオチを挟みながら進んでいくのも読みやすくて良かったです。張良の人生が一段落したところで終わっていて、生涯を描いた訳ではないのですが、世界史大嫌いだった私でも楽しく学べる素晴らしい作品だと思います。「METEO」が気に入った方は合わせて読まれると良いと思います。もっとみる▼
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作者買いです2025年8月9日「召喚獣士の学校」を読んでファンになった作者様。絵柄が大好きなので、全然違う世界観の作品だったけど購読してみました。8巻まで読みましたが、なかなか興味深いお話でした。体感型のゲームの世界と現実を行ったり来たりするので、ちっとも話が進まない感じがしますが、パソコンのゲームをしたことがないのでゲームの設定の理解にやや手こずり、個人的にはこれくらいのテンポで行きつ戻りつしてくれるのは有難かったです。更に、学生時代、世界史は毎回赤点だった私は、中国史なんて項羽と劉邦という単語しか記憶になくて焦りましたが、主人公のタツキ君が私以上に何も知らなかったお陰で丁寧な解説が入り、彼と共に学びながら読んでいけたので、そこも有難かったです。
基本史実に基づいてゲームが創られているのですが、プレイヤーの行動如何でその先が変わってくるという設定なので、中国史に詳しい方でも、これからどうなるのか予測できないのでドキドキが味わえるのではないでしょうか。「召喚獣士の学校」よりは地味な感じのお話だけれど、特別中国史が好きでもない私が読んでも面白い作品でした。こちらの続きもどんどん描いて下さると嬉しいな。もっとみる▼いいね
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こ、これは!!2025年8月9日表紙の絵とタイトルから自分好みのファンタジー臭がプンプンして、試し読みもせずにポチりましたが、大当たりでした!まずこの絵が大好き。サッパリしてるけど安定した絵柄で超読みやすい。お話の雰囲気にもピッタリです。ストーリーに関しては、私の好きが大渋滞してて、心中で歓喜の雄叫びをあげました。主人公コーラの性格や育った背景も良いし、キリアンのコーラに対する執着心が重くて最高。コーラの担任のライナス先生の設定も面白いし、脇役達も皆キャラが立っていて良い仕事をしてくれてます。舞台になる学校なんてワクワクしかないです。淡々と穏やかな空気感の中で、コーラたちの故郷の謎や、その他様々な不安定要素が絡み合って、めちゃくちゃ面白い展開になっています。激しいバトルが繰り広げられる展開の早いファンタジーより、じっくり、でもしっかり確実に物語が進んでいく手応えのあるお話が好きなので、この作品に出会えてラッキーでした。続きを読むのが楽しみです!もっとみる▼
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作者買いです2025年8月6日「ダーリンは絶滅危惧種」と地続きで、時間軸としては完結後のようで、その後の登場人物達がチラホラ出てきて嬉しいです。
前作以上に変態を極めた感じの登場人物達がやりたい放題暴れるので、なんかちょっと最初はついていけなくて傍観するような視点で読んでいました。しかし、それも束の間。読み進めれば無意識のうちに自分の感覚を変態へ寄せて読み始めていて、普通にめっちゃ笑っていました。みんなあまりにも当たり前のように変態だから、読んでいる私も何かが解放されるのかもしれない(笑)そんな中でも笹原先生が必死になって自分の恋心を律しているところは教師の鑑だなと思いました。教師が生徒を好きになるのは仕方ないにしても、未成年に手を出すのはダメだと思うので、笹原先生には神崎君が卒業するまでとことん葛藤して苦しみ抜いて欲しいです!もっとみる▼いいね
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作者買いです2025年8月5日「墓守魔女ビアンカ」を読んで気になっていた作者様です。知らぬ間にBL作品を描かれていることに気付き、早速読んでみました。ビアンカは話の途中で終わってしまった感じだったから、とても好きなストーリーだっただけに残念に思っていました。この作品は最後まで読めて嬉しかったです。純愛で、描写はキスどまりでしたが、大成の理性が常に試されているのを見ているのは楽しくて、エチなくても満足できました。恵太と大成も大概変わっているけれど、脇役達の癖の強さは変態の域でした(笑)みんな魅力的で大好きになりました。また、BLでは珍しく女性キャラが存在感を放っていて、そういうところも良かったです。
コメディ寄りのラブコメなので、いっぱい笑いたい方にお勧めです。私は山崎先生の笑いのセンスが大好きで、読んでいる間中ずっとニヤニヤして、時々吹き出して、読後は抱えていたストレスが軽減されて気持ちが上向きになっていました。もっとみる▼いいね
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責任取ってくれるよな?~イジワル幼馴染の異常な愛情~ 【短編】
単行本未収録の8.5話だけ購読2025年7月21日本編の大ファンで、何度も読み返すくらい大大大好きな作品!他の方のレビューを拝読して、本編に収録されていないお話が単話で配信されていることを知りました。いやこれ、「何で上下巻の方に入れなかったんだろう?このお話、番外編じゃなくて最終話だよね?」っていう内容だったので、「関係のない短編を入れるんなら、これ入れて下さいよ~」って、正直思いました。まぁでも、こちらで読めたので満足です。本編読んで良かったなと思った方、こちら必読ですので是非お読みください。もっとみる▼いいね
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作者買いですネタバレ2025年7月14日このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作はDK同士のお話で、山田先生のツンデレ受けの安定の可愛さが堪能できてとても良かったです。受けの中間は、見た目はヤンキーだけど、中身は家族思いの優しい兄であり、通りすがりに弱きを助ける優しい男。甘いものには目が無いスイーツ男子なくせに、恋愛の甘々は慣れなくて苦手な様子。1年前に中間に助けられ恋に落ちた攻めの津田は、あの手この手で中間を落としにかかるけれど、これがなかなか落ちそうで落ちない。口喧嘩のやりとりが、山田先生にしか描けない絶妙なセリフ回しで、なんか知らんうちにエッチな流れになっちゃうんだから、面白い!一体どんな裏技を使っているのかと思うくらい、言い争っていた2人が、とっても滑らかにラブラブハッピーに落ち着いていて、思わず笑みがこぼれました。
2作目は表題作の津田の叔父でパティシエの工藤と、彼のかかりつけの整体師のお話。工藤が自分に恋しているのだと盛大に勘違いして観察しているうちに、自分の方が恋に落ちちゃったっていう、よくある展開。整体師×患者という設定は、エロの王道ですが、山田先生にかかれば、よくある展開だろうが王道だろうが、全然違って見えて面白いです。
3作目は、家庭教師と元教え子のお話。この受け、めっちゃ好き~!過去に教え子にいかがわしい事をしていた罪悪感があるせいかもしれないけれど、ちょっと心配になるくらい状況に流されまくる受けの手塚。本人自覚してて自衛してるはずなのに、気付けば流されているっていう・・・。もう笑うしかないですね。攻めの大久保はそんな手塚の性格を分かっていて、しっかり自分の望む方向に誘導しているから怖いです(笑)大久保の意味不明な理屈で簡単に納得しちゃうところも危なっかしいけれど、そこが手塚のたまらなく可愛いところでもあるし、大久保がいれば変な人に引っかからないように守ってくれそうだし、なんだかんだで流され続けて3カップルの中でも一番長続きしそうな2人だなと思いました。
カバー裏で表題作の受けの親友千葉君が、彼女の兄との関係を、斜め上に進展させていて笑いました。今後の展開が全く予想できなかったので、どこかで描いて下さると嬉しいです。いいね
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作者買いです2025年7月4日2作品収録されていて、先生独特のファンタジー設定が今回は登場せず、今まで読んできた中では一番シリアスでした。と言っても、やはりそこは山田先生で、2人に暗い過去があっても覆いかぶさってくるような重い空気は無くて、どこか力が抜けているので気楽に読めます。たぶん共依存の関係なのかなと思うのですが、全然そう見えないところが面白いです。単純に乳繰り合っているようにしか見えず、むしろ微笑ましいくらいでした。受けはもとより、攻めは話が進むほど実はやべぇ奴であることが明らかになっていきますが、これまた全然そう見えない(笑)本人たちが自分のヤバさを自覚したうえで言ってるから普通に見えるのかな?いや、違うか。お騒がせ要員として出てきた小名田君も現実にいたら絶対関わりたくない人間だけど、ちょっとめんどくさい友人くらいに見えちゃうし。きっと山田先生がお住いの世界には、悪い人なんて居ないんだろうな~。ファンタジーでもないのに、今回も山田先生の不思議ワールドに引きずり込まれて感覚が麻痺している感はあります。でもこれがやみつきになるというか、普段の自分の感性から離れて気分転換したい時にぴったりなんですよね~。
2作目はガラッと雰囲気は変わるけれど、これも共依存のお話でした。そうは見えないくらい楽しく依存しあっているように見受けられました。依存させ合うって楽しいよね!っていうのが伝わってきました(笑)私は1作目の病み深い方が好みですが、これはこれで面白かったです。特に受けの久国の心の声が、読んでいて笑えました。憎めない人ですね。もっとみる▼ -
作者買いですネタバレ2025年7月3日このレビューはネタバレを含みます▼ 高校時代、外角が好きだという事を気付かれないようにツンツンしていたため、再開後もその姿勢を崩せず、更に付き合い始めても崩せない愛須。しかし周りにしてみたら、言葉とは裏腹なデレデレな想いがダダ洩れで、めっちゃわかりやすい。ほっぺに字で書いてあるので読者にもわかりやすい(笑)でも、外角的には愛須の方から自分を求めて欲しいと思っていて、いつまでたっても噛み合わない2人。どっちも素直じゃないからイライラさせられるけれど、愛須の心の声がいちいち可愛くて、必死になってツンツンしてても漏れ出てしまう「好き」がいじらしくて、始終キュンキュンさせてもらえました。結局諦めて自分からいっちゃう外角でしたが、彼も同じくらい心の中ではデレているところが面白かったです。この2人、最高だ~。相性悪そうなのに、すごくお似合いのカップルでした。
愛須の親友で、外角の陸上部の先輩である井伊という男が後半では恋に落ちます。何を考えているのかわからない、得体のしれない彼が恋をするとこうなるのか~っていう話でした。正直私の中では最後まで人物像がはっきりせず、つかめないキャラでした。そういうキャラ苦手だな~と思っていたのも束の間、攻めの志方がすごく分かりやすい性格な上に、志方目線のシーンが多いので感情移入しやすくて、井伊への苦手意識をカバーしてくれて、全体としては楽しく読めました。高校生なんて人生経験もたかが知れているし、井伊に夢中になって振り回され思い悩んでいる様は不憫でしたが、最後はちゃんと治まるところに収まって、志方の苦労も報われて良かったなぁと思いました。井伊は極端に子供の部分と冷静な大人の部分が混在している感じなのかな?親友として深く付き合えるのは愛須くらいだろうなと思うと、私の中でまた愛須の株が上がるのでした。いいね
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作者買いです2025年7月2日めっちゃ面白かった!笑った~!も~、どうしたらこんな面白い設定の面白いストーリーを面白く展開して描けるんだろう?!なんか面白いしか言ってない(語彙力・・・)けど、ほんとに不思議な面白さがあるんですよね。ハマる人はハマると思います。
山田先生の作品では毎回受けが超絶エロ可愛いので大好きなのですが、今回の黒石は感度抜群で抜きん出てエロかった・・・。人に迷惑を掛けないように仕事をする悪の組織の支部長で、敵の魔法幼女ほのかに仕事を邪魔をされても、子供への気遣いから反撃できずにやられっぱなし。優しくてチョロくて、ちょっと触られるだけで感じちゃう黒石が、もう本当に可愛くて可愛くて!エチは少ししかないのに、いたるところでギュンギュンさせられました。
他の登場人物もみんな癖強で、それぞれ主人公にできそうなくらいキャラが立っているのに、胸焼けするどころか絶妙なハーモニーを奏でていました。緑原とほのか兄、青木と大桃、赤屋父と一色で何かが芽生えそうな気がするようなしないような。あとがきに続きを描く予定があるとありましたが、いつ出るのかな~。いつまでも待ちますので、山田先生よろしくお願いいたします。もっとみる▼いいね
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作者買いです2025年7月1日「食べてもおいしくありません」がすごく面白かったので作者買いしています。先生の作品を読むのは3作目です。
表題作はファンタジーで、のほほんとしたゆる~い空気を背景に、ハンターのアキとヴァンパイアのアダムの闘い(日常?)がコメディタッチで描かれています。よくある吸血鬼ものとは一線を画す設定が面白かったです。アダムっていう名前だけで何故かエロく響いてくる色気のあるヴァンパイアでしたが、特別製の聖水の催いん効果で感度がMaxになった時のエロさは凄かった。山田先生はエチしてる時以外でも、何気ないやりとりを通して、そのキャラの可愛さや色気を見せるのがお上手だなといつも思います。あと、人狼の太郎(獣ver.)が可愛すぎて、特に聖水を舐めてビリビリしているところでは悶えました。太郎とお友達とのスピンオフが読みたいです!
私は表題作が一番好きでしたが、他にも3作品収録されていました。3つともよくある感じの設定のお話でしたが、ありきたりでも作者様独特のユーモアたっぷりな会話と展開で、唯一無二になっちゃうところが山田先生の魅力の一つだなと思いました。どの作品も面白かったです。もっとみる▼いいね
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ただのギャグ漫画じゃない2025年6月27日高倉君の高校入学の日から1学期が終了するまでのお話で、最初に読んだ時は、ページをめくるたびに笑わせられて、本を自ら閉じなければ、わんこそばのように次から次へと笑いを投入されるので、息継ぎができなくて命の危機を感じました(笑)人間って限界を超えて笑うと、座位を保てず床に転がるんですね。笑い過ぎて座っていられなくなったのは初めてです。笑いのツボは人それぞれなので、全ての人が笑い転げるような内容かはわからないけれど、少なくとも私にとっては、今まで生きてて一番笑わせられた漫画です。1巻の途中までが笑いのピークで、そこからは吹き出す程度だったんですが、3巻まで読んで良かったです。高倉君の高校の校長先生。彼女のセリフには考えさせられるものがありました。この作品はただ笑えるというだけじゃなく、人と人とが関わることの本質に気付かせてくれました。人は生きているだけで、関わる人すべてに学びの機会をプレゼントしているんだなと思うと、自分の事も他人の事も、今よりずっと許し愛せるような気がします。もっとみる▼
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番外編出るとは!ネタバレ2025年6月24日このレビューはネタバレを含みます▼ 全くもって期待していないところに番外編出ると、めっちゃテンションが上がります。続きがすっごく読みたかったから嬉しかったです。ページ数は少なくても、内容はかなり充実していて読み応え抜群でした!本編よりたくさん笑ったかもしれない。柳川姉弟の会話にも吹きましたが、楓のエッチな夢の解像度が想像以上に低すぎて爆笑。肝心なところが見れない上に触れもしないなんて、ちょっと気の毒でしたが、それでもしっかり夢精してる楓にウケました。
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作者買いです2025年6月24日めっちゃ面白かったー!好きな作者様なので試し読みとかしないで購入したのですが、最初の方読んで「これはツッコミ不在で読者が置いてけぼりをくう類のお話かも?」って不安になったのですが、杞憂に終わりました。もう、ほんと、ニッケ先生って何でこんなに、どんな題材でも面白くしちゃうんだろう。すごすぎる。はぁ、好き・・・。
「生まれた時代がそもそも違うのでは?」と思えるくらい共通点が無さそうな2人が出会って恋に落ちる。何で会話が噛み合っているのか不思議なくらいなのに、「もうこれ運命じゃね?」って思えてしまう。この2人を自然にくっつけて違和感を感じさせないところが作者様の凄さだと思います。それに、いっつもニッケ先生のお話って、脇役が魅力的で、主役2人をこの上なく引き立てる良い仕事をしていますよね。今回なら柳川の姉がそう。姉と弟の会話に何度笑わせられたことか。ほんと、この姉弟は最高でした。
2人の関係はキスどまりだったけれど、初心者同士にしか出せないエロチシズムが感じられて、エチなくても十分満足できました。2人とも性的なことに積極的というか貪欲と言うか、この先が楽しみ過ぎるぅ。この2人の初エチ、どんな感じになるんだろ~?番外編でも相変わらずだったので、大学生編とか社会人編とか、是非とも続きが読みたいです!もっとみる▼いいね
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作者買いですネタバレ2025年6月22日このレビューはネタバレを含みます▼ 受けの課長さん、かなり掴みどころが無くて、最初読んだ時は理解に苦しみました。空気が読めないのかと思ったらそうでもなく、読んだ上で意図的にそうしているみたいなので、お見合いしてきたことを須田に言うシーンはめちゃくちゃ驚いて訳が分からなくなりました。人の心の機微を感じ取れる人が、こんな致命傷になるようなこと言うなんて!整合性がとれてないって、そんなことってある?
なんか色々根底から崩れ去ってしまって混乱したので、最初から読み直してみたら、そもそも2人が付き合うことになった時のやりとりも微妙に噛み合ってなかった・・・。課長に自分への独占欲のようなものを見せられて、思わず告ってしまった須田に対し、「付き合うという選択肢もあるのか。なら付き合おうか」と返す課長。課長の中では他の選択肢として「友達になる」とかがあったのかな。課長が「付き合う」ことをどう捉えていたのかわからないけれど、一応恋愛感情はあるっぽいので、お見合い自体が日々のルーティンの一つになっていた課長からしたら、「同期と呑んできた」のと同じくらいの意識でいたのかも。相手を気遣うことができる優しい人なんだろうけど、常に論理的かつ合理的に動いていて、深い情のようなものを課長には感じない。かといって、人として何かが欠落しているヤバい人にも見えないし。要は、人をダメにするくらい人心掌握術に長けている課長が、うっかりミスってしまったってことなんだろうか。須田とのことを現実として認識できていなかったということかな。なんにせよ、情が深いタイプの須田は、振り回されて可哀そうだったなぁ。
課長の言動でかなりモヤモヤしましたが、彼なりに反省して、須田とのことを真剣に考えた結果出てきた答えが、今まで読んできたニッケ先生の作品の根底に流れているものと一致していて、「やっぱりここに落ち着くんだな~」って思ったら、全部どうでもよくなって、最後は心から2人を祝福する気持ちになりました。ニッケ先生の描かれるお話はいつも意表を突かれて驚かされるけれど、必ず希望を感じるその後を妄想できる状態でラストを迎えてくれるので、読後感がすごく良いです。
一緒に収録されていた短編も面白かったです。小石川君はキモい攻めの素質があって将来有望だなと思いました。盗撮されても謝らせる程度で許す里田君と相性が良さそう(笑)いいね
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ぎっちぎちに詰め込まれた番外編2025年6月22日まず目次を見て驚いて、数えたら15項目もある!す、すごい!大盤振る舞いや~。本当なら読めないはずの小冊子やペーパーなどを電子で読めるだけでもありがたいのに、なんと言葉にすればいいのかわからない。とにかく読めて嬉しい!ありがとうございます~!
そして内容の方もすっごく良かったです。本編は切なさが全面に出てましたが、こちらはニッケ先生お得意のユーモアがふんだんに盛り込まれており、もちろん甘~いイチャイチャもあり、ずっと色んな意味でニヤニヤしながら読んでいました。パベルとマウロのお話も1つ入っていて嬉しかったです。正直彼らが天寿を全うするまで見届けたいところですが、この番外編を読み返して妄想にふけって満足しようと思います。もっとみる▼いいね
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作者買いですネタバレ2025年6月21日このレビューはネタバレを含みます▼ 吸血人類という少し特殊な設定のファンタジーですが、それ以外はほぼ現実の世界と変わらないので、設定の理解に労力を割かずに読み進められます。吸血人類たちの、自分たちがゆっくり絶滅していくのを受け入れているところに悲しくなりましたが、ジーンが諦めずに未来を創造していこうと一歩踏み出すところには感動しました。諦念の中で生きていた吸血人類たちが、希望を持つことを恐れている様子は、私達の現代社会と重なりました。願いを叶えるために行動を起こすことは、いろんな意味でリスクも伴う訳で、それならこのまま死んだように生きることになっても変わらないでいたい・・・。そう思っちゃうの、なんか分かるな~。
ユキの好きなところを「彼のこういうところに魅力を感じる」「そういうところに救われた」等、言葉にしたり、心の中でつぶやいたりしていたジーン。理屈っぽいユキに有効なアプローチだったわけですが、それがジーンの人となりや背景を知るきっかけにもなり、その後の彼の言動に説得力を持たせていました。特に初めてユキを抱くシーンは涙なしには読めません。ここで感情移入できるのは、ニッケ先生が凄いんだと思います。
パベルとアウラのお話も良かったです。彼らは、もう理屈抜きなんですよね~。スポーツマンと芸術家ですからね。吸血される度にパベルに関する記憶を無くしても、会えば必ず好きになるアウラが愛おしすぎる。そんな純粋な思いを向けられたパベルがエンドレスループにハマり込み、破滅へまっしぐらになったのも頷けます。
個人的には性癖にぶっ刺さるとかではなかったのですが、物語自体が非常に良くできている上、メッセージ性も感じて、とても読み応えがあり、読後は満足感でいっぱいでした。学生たちの恋も、先生の恋も、吸血人類と人間の愛の物語はどれも切なく美しかったです。何より「星の鱗粉」っていう設定が素晴らしいです。切なさも倍増しますが、物語を一段と面白くしていると思いました。BLという括りを越えて、多くの人に読んでもらいたい作品です。いいね
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番外編の域を超えているネタバレ2025年6月20日このレビューはネタバレを含みます▼ 番外編って、読んでも読まなくても本編読む時に支障がでないことがほとんどです。それで充分なんです。がしかし!これは読まないと確実に支障がでますね。「え、何、表には微塵もそんな素振りは見せずに、裏ではそんなことを思っていたのかー!瑞貴ぃぃぃ!」ってなって、本編を読み返すと新しい世界が開けます。いやもう、反則レベルで瀬ヶ崎が可愛いのなんの。普段のふてぶてしさも残しつつ、弱音を吐いたり、子供みたいに甘えたり、理不尽なこと言って困らせたり。そして酔いがさめれば全部忘れているという完璧さ!忘れてなきゃダメなのよ。覚えてたら二度と吞まなくなりそうだもの。
気遣いや喜ばせたいという気持ちを素直に受け取ってもらえないのは悲しいけれど、瀬ヶ崎の普段の行いが行いなだけに仕方がないと思います。なのに瀬ヶ崎の気持ちを受け取れてなかったことに落ち込むダヨちゃん、真面目で優しい良い子だなぁと思いました。それが自分への優しさだなんて思いもしないくらい、常日頃は素っ気ない態度を取られているってことなのに、健気だなぁ。はぁ、早く本編の2巻出ないかな~。もっともっと瀬ヶ崎がダヨちゃんに振り回されてるところが見た~い。 -
その世のどこか、常夜の楽園【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】
作者買いですネタバレ2025年6月17日このレビューはネタバレを含みます▼ 「地図にない国」ではノネの美しさと色気にグラッときていたシンでしたが、ヤシュムは好みじゃないとかで今回は何もなくて残念だと思った時、自分が勝手に寅さん的なものをシンに重ねていることに気付きました(笑)寅さんみたいに毎回マドンナに振られるっていう話じゃなくて、シンを傍観者として配置することで、その人となりと背景のようなものを読者に伝えているのかなと思いました。今作は3作目の出版が決定事項になった後に描かれているので、ここで3作目への伏線が張られていたりして、本当にニッケ先生は読者を楽しませるのがお上手だなと感じました。
1作目同様、今回も主人公以外のところでラブが展開していくからか、アマルとヤシュムの恋に入り込むことが難しかったけれど、それでも最終話の2人には感動しました。考えすぎて会いに行けずにいたアマルが、ヤシュムを目にした瞬間、身体が勝手に動いてしまうところ。駆け寄って腕に口づけするシーンがとても印象的でした。2人とも相手への愛が深くて大きくて、満たし支え合う感じが共依存のそれとは少し違って、とても心温まるラストでした。
頼まれてもいないのに他国の王子たちの恋のキューピッドをしてきたシン。シリーズ作品を順番に読んでいれば、このシンという男はどのように人を愛するのか、3作目を読む前にめちゃくちゃワクワクしたと思います。私はうっかり3作目を先に読んでしまったのですが、既刊2冊を読み終えて3作目を再読すると、面白さが初読み時と段違いでびっくり!改めてこのシリーズは3冊で1作品として読むように作られているんだなと思いました。今からこのシリーズを読み始めるという方には、全力で「地図にない国」から順番に読んでいかれることをお勧めします。いいね
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作者買いですネタバレ2025年6月15日このレビューはネタバレを含みます▼ 「体感予報」で好きになって作者買いを決めた頃、ちょうどこのシリーズの3作目が発売され、表紙に一目惚れして衝動的にポチって読むという大失敗を犯した私。この1作目を盛大にネタバレした状態で読まなければいけなくて、心底後悔しました。何も知らなければシンの正体も分からなくて登場人物たちと一緒に驚けたのにぃ。しかし!ネタバレした状態で読んでも十分面白かったです。
ショタ好きな私としては子供時代の攻めに、もう少し受けへの恋心を示して欲しかったところですが、病気でそれどころじゃなかったので仕方ないですね。7年後の成長した姿がバーンと出てきた時は心中で叫びました。めっちゃ良い感じに成長してるぅ~!これぞ醍醐味と言うべきか、キャラが作中で物理的に成長するお話大好きです!
主人公がカップルにならないお話って初めてなんですが、こんなお話の進め方もあるんだなぁと、ニッケ先生の発想の豊かさに感服させられました。同じ作家さんのお話って似た感じになりがちですが、ニッケ先生は本当に毎回全然違う切り口のラブストーリーを描かれるから凄いです。ただ、主人公のキャラが強烈でラブする2人が霞んでしまって、BがLするお話としてはボヤ~ンとした印象でした。お話自体はとても良く練られていて、設定も面白くて、異世界のファンタジーとしてはとても楽しめました。いいね
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作者買いですネタバレ2025年6月13日このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作は高校生カップルのお話でした。お互い好きなのに、気持ちを上手く言葉にできなくて擦れ違ってしまった2人。疎遠になった後の悶々とした日々が、それぞれの視点から描写されています。モノローグが効果的で、2人の高校時代に入り込んで眺めているような錯覚に陥り、ドキドキしました。2人とも15年も引き摺るって相当な想いがあるということで、同窓会で再会してお互いの気持ちを正直に話し合えたら良いなと思いました。そして受けの鈴木が好みドストライクだったので、是非とも続きが読みたいです。高校生の鈴木が時折見せる表情に、未熟で擦れていないからこそ出せる色気が垣間見られてたまらなかったです。オマケに大人になった斎藤で、九號先生の描く黒髪短髪メガネを拝めて嬉しかったです
2作目は1つ年上のいとこに、主人公が片思いしているお話。大学で上京するいとこを追いかけていきそうな感じだったので、そこから恋が芽生えるのかな?っていう終わり方でした。
3作目は楽しみにしていた恵太と郁のその後のお話!相変わらず親兄弟のような深い愛情を郁に注ぐ恵太が良かったです。なんかほんとに郁に優しいんですよね。私もこんな風に扱われてみたいって思ってしまいます。郁の母がアルバムを見せながら話すシーンはじ~んときました。良いお母さんだな~。野球部の顧問の先生も、マネの佐藤さんも、みんな良い人たちで、あったかい気持ちになります。今回は進路のことでゴチャゴチャ揉めるのですが、ここでも恵太は迷いが無くて、郁の方は置いて行かれる気がして不安になって、2人の違いが分かりやすく表現されていて良かったです。恵太は昔から行動や選択の動機がはっきりしていて、迷わないところがカッコイイと思います。郁がウジウジ悩むほど株が上がる感じがしました(笑)この先も見てみたい大好きなカップル。続きが読めたら嬉しいな。いいね
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作者買いですネタバレ2025年6月13日このレビューはネタバレを含みます▼ 初コミックスで今と比べれば少し拙い感じはしますが、それでも十分見応えがあって、すでに目の表情には惹きつけられるものがありました。私は表題作がすごく好きで、恵太と郁の性格の違いが上手く描写されているなと思いました。恵太の郁への愛の深さがひしひしと伝わってきて、恋人への感情と言うより、もはや親兄弟を思わせます。深いんだけど重くないところがまた素敵。もともと器のデカイ人間だったのだろうと過去の描写を見ていて感じましたが、そこへ更に大事故で生死を彷徨い、後遺症もあるという体験を経て、人間として成長を余儀なくされた感のある恵太。一方郁は恵太の隣にいるから子供っぽい言動に見えるけれど、ごくごく一般的な男の子で、年相応の感性で生きている感じ。描き下ろしで、先に行ってしまう郁を追いかけた恵太が車に轢かれかけた時、郁が過去の事故を思い出して過呼吸になる下りがありましたが、ここで郁に腹を立てないばかりか、自分を責めるという発想になる辺りが、恵太だなぁと思いました。なんかもう郁に対しては菩薩かよっていう・・・。
他の2作も短いながらも良かったです。「桜の巡礼」はこの後恋が芽生えちゃうのかな?みたいな終わり方でしたが、その後の2人がどうなるかの妄想が非常にはかどって、読後は楽しかったです。恐らく読者の妄想がはかどるように描かれているのだろうと思うと、さすがだなぁと思いました。
「うつくしい明日」では九號先生の黒髪短髪メガネは最高だと改めて認識しました。一瞬しか出てこなかったけど、桑原の学生時代に萌えました。いいね
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作者買いですネタバレ2025年6月11日このレビューはネタバレを含みます▼ 先生の作品は「羊の皮~」「ACID TOWN」「放蕩息子~」を読んで、4作品目になります。毎回思うのですが、純粋で幼さを感じさせる受けがベッドで乱れる様は、ギャップも相まってすごくエロく見えるんです。今作の吉見も然り。彼を抱いたらどうなるんだろうって想像して南雲や加瀬が欲情しちゃうのも納得。また、攻めの加瀬はボサボサでボーボーでむさ苦しい見た目なのに、中身は赤ちゃんみたいに純粋で、絵を描く以外はポンコツの極みみたいなところが母性本能をくすぐって何とも魅力的でした。「受けに甘える攻め」という構図が大好物な私は、今回も大満足でした。
吉見は7年前の心の傷が未だに生々しい状態だったので加瀬に対して辛く当たるし、加瀬は加瀬でしょぼんとするだけで何もアクションを起こさないし、かなりじれったい状態のまま話は進みます。主役2人が終始深刻な空気を漂わせているので暗い感じになりそうなところを、当て馬の南雲君が素晴らしく良い仕事をしてくれたり、他の脇役も濃いキャラが多くて、ワイワイガヤガヤして和ませてくれたので、そこまで深刻な気分にならずに済みました。
最大の見せ場のシーン。間違えちゃった7年前をもう一度やり直すかのように、花火を背景に本心を伝えあう2人。こういう魅せ方好きだなぁ。そしてこの後、めっちゃ「ぐはぁ!」ってなったんですけど、やっと2人が繋がれた時の加瀬の表情がヤバかった・・・。すれ違ったまま、お互い7年も思い続けて、ようやく身も心も結ばれたというシチュエーション、宗教画のように肉厚でたくましい加瀬の胸に揺れるロザリオが良い演出にもなって、クリスチャンじゃないのに神に祈りを捧げたくなりました。九號先生の描く目は、感情が滲み出てるから惹きこまれます。
ラストへの繋げ方も素敵で、綺麗に締めくくられてはいましたが、これからの2人がどんな風に付き合っていくのか見てみたいので、続編出たらいいなぁって思います。いいね
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癒される番外編2025年6月11日小冊子とかペーパーが6つもまとめて収録されている番外編!これを読まなくても本編読むときに不都合があるわけではないけれど、本編のファンなら絶対癒されるであろう内容が詰め込まれています。加害者と被害者という過去はどうしたって消せないけれど、それを乗り越えるだけの想いを2人は持っていると、何気ない日常を切り取りながらひしひしと感じさせてくれる素敵なお話ばかりでした。
恋人という形をとらず、いつでも離れられるようにしてあるところとか、抜け出そうともがいている辰巳を再び引きずり込もうとしてくる闇社会とか、なんだか本編読んでると、いつになったらこの2人に平穏は訪れるのだろうってやりきれない気持ちになるのですが、この番外編のお話は、そういう背景がある中でも、こんな穏やかな時間があるんだなと思えてホロリときます。また、辰巳の愛情表現が一周廻って分かりやすくなっちゃってるからか、イチャラブエロなしでもすごくキュンキュンさせられました。本編の続きが待ち遠しいですが、不穏な空気しか感じないので、こちらで甘さを補給しながら読み進めようと思います。もっとみる▼ -
作者買いですネタバレ2025年6月1日このレビューはネタバレを含みます▼ 相野先生の作品は全部大好きだけど、これはほんとに良くできたお話で、思い切り感情移入して作品の世界に入り込んでいけました。主人公の実祥が朝日とのキラキラした思い出を回想する度に憎悪を燃え上がらせる描写とか、運命の再会の後の、絆されかけては絶望するのを繰り返す心情描写が秀逸で、朝日への想いがどれほど深いかが否が応でも伝わってきて、私の方が切な過ぎて泣けてくる始末でした。もともとの性格が天性の陽キャみたいな実祥が、ここまで人を恨めるというのも、やはり朝日が特別だったことの証だと思います。朝日が何を考えて行動しているのかが分からないまま実祥視点で話が進むので、先が読めそうで読めず、めちゃくちゃドキドキさせられました。後半に朝日視点があるので謎は解けるのですが、途中までは実祥と一緒に感情がジェットコースターみたいに上下してしんどかった~。
一番ゾクゾクしたのは2人が想いを伝えあうシーン!卒業式の日の忌まわしき出来事が新たな思い出として塗り替えられる瞬間を、凝った演出で魅せて下さいました。舞い散るのは花びらだったり枯れ葉だったり、2人の姿も高校の制服だったり現在の私服だったりと、そんな中であの時言えなかった言葉が次々と実祥の口からこぼれて、最後に一番言いたかったことを言った瞬間は、長い間抑え込んでいたものがブワーッと溢れて、2人の涙も溢れて、もちろん私も号泣です。質問に答える形での告白って初めてでしたが、そこに朝日の素朴な返事がベストマッチで、もう言葉になりませんでした。
更にこの作品の素晴らしいところは、誤解が解けて思いが通じ合った先を描いて下さっていること。朝日は、傷付きたくないが故に自分の都合の良いように解釈して自己完結したり、実祥から罰せられるのを待っていたり、実祥が大事な癖にどこかズレた言動をしがちでした。このままじゃ、また実祥が傷付くことになりかねないなと思っていましたが、当て馬君の働きもあって、その辺を克服できたようで良かったです。それに何より恋人同士になって甘々な2人を見れたのも嬉しかった。もうね、表情がね、すごいんです。お互いを見つめる表情が。これは是非実際ご覧になって頂きたいです。
色々間違えちゃった2人だけれど、そのお陰で今があるなら結果オーライですよね。番外編ではプロポーズまで見せてもらえて大満足でした。いいね
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作者買いですネタバレ2025年5月30日このレビューはネタバレを含みます▼ 初めて柴とヤッた丸が翌朝全てを思い出して、心の中で絶叫するシーン。あれ、まんま私の心境を表していました。翌日も柴のエッチな姿で頭が一杯で目がギンギンになっている丸も同様に、私の姿そのものでした。しばらく「いい子だから、まだできるよな?」がリピート再生されて何も手につかなかったです(笑)始めっから飛ばすなぁって思いましたが、これが一番の盛り上がりではないだろうから、「これ以上がこの後来ちゃう?」ってものすごく期待して先を読むのを急いだのは言うまでもありません。だいたい、職場の後輩に酔った勢いとはいえ、あれだけの痴態を晒し、翌朝枯らした声で、さも当たり前の様にもう一回しないか誘うなんて、何でこの人、こんなにナチュラルにエロいの?考えてることも常にエロいし、なんなん、ほんと心臓に悪いわぁ。
そして相野先生の作品の素晴らしいところは、こんなドエロい甘々な柴が、ホラーかってくらいの恨めしい顔で嫉妬したり束縛したりするところ!丸も柴の表情にはガチで驚いてましたよね。丸と言えば、一点の曇りもない青空のような男で、どれだけ柴の闇が深かろうと、引きずり込まれず共依存にならないところが凄いと思いました。アソコの毛を剃って服従を示す柴に引かないばかりか、怯えていることを心配するところ。丸は身体は小さいけど、器のデカさが折に触れて感じられて、そんな丸だから柴も釣り合う自分に変わりたいと思えたのかなと思いました。誰でも自分自身が変わりたいと思わなければ、他人がどんなに諭したって変われないものだと思うので、柴は丸と出会えて良かったなと思いました。丸はワンコのように見せかけてますが、どちらかというと飼い主みたいな感じがします。敬語で丁寧に言ってますが、子供を躾ける時みたいな言葉遣いで、ちゃんとできた時は褒めて、ダメな時は叱って、柴に愛情たっぷり注いで育てている感じがしました。描き下ろしの最後の1ページが正に飼い主と犬って感じで良かったです。私も飼い犬にこういう風に感じたことあったなぁって思い出しました。
依存させず突き放さずの丸の躾が的確で、丸の期待に応えようと一生懸命変わろうとする柴。そんな2人を見ていると、この先も希望に溢れた幸せな未来が見えて、思っていたよりもずっと爽やかな気持ちで読み終えました。 -
作者買いですネタバレ2025年5月28日このレビューはネタバレを含みます▼ なんかもう初っ端からラブラブカップルみたいな2人だったので、付き合っていないことに驚きました。この時点では黒野の片思いなのですが、宮地の方も自覚は無いけど学校が違っても黒野の家まで押しかけてるくらいだから相当好きなのがわかります。
黒野が酔い潰れて宮地をももタンと間違えて襲ったことから、宮地の苦悩は始まります。ここからの宮地の悩みっぷりの描写が素晴らしくて、一人でウジウジ考えて、黒野が何も言わないから盛大に勘違いして、独り相撲してる感じがたまらなかった~。表面的には取り繕っているのに、キャパオーバーして感情が溢れちゃうところ、特に情緒不安定になって泣いちゃうところでは、宮地のクズイ友人までドキッとさせる色気を醸していましたね。はぁ、可愛すぎる、最高だぁ。
私は凪良ゆう先生の「美しい彼」が好きなのですが、そこで「キモい攻め萌え」というのを知りました。私はキモい攻めには萌えなかったけど、キモい攻めにピッタリの受けが私のドストライクだと気付いたので、それからは自分好みの受けと出会うために「キモい攻め」を探すようになりました。だから黒野を見た時は、「キモい攻め見っけ!」と心躍りました。黒野のおかげで、宮地はとことんエロく可愛く仕上がってくれて大満足です。こういうリア充のツンツン美人受けが支配されたがる男が、黒野みたいな男だというところに興奮します。ちなみに、個人的には黒野をキモいとは思わないのですが、このお話の中ではキモい設定なのでそういう目で見ている感じです。まぁ、とにもかくにも宮地が可愛くてエロくて満たされました。ありがとうございました。相野先生の描くウジウジした受けが好きすぎるので、これからもせっせと作家買いさせて頂きます。いいね
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作者買いですネタバレ2025年5月26日このレビューはネタバレを含みます▼ 南くんで好きになり作者買いをしています。こちらで3作品目なのですが、今回のも超良かった!BLではありふれた題材ですが、そんな王道の魅力を存分に堪能できる作品です。読み終えた後、まずこのタイトルと表紙が秀逸だと思いました。本当にこの作品を上手く表しているなぁと。受けの雪の秘めたる思いが延々と綴られていく感じなんですが、相野先生は思い悩む心境を描写するのがすごくお上手で、特に雪の「好き」が漏れ出てしまった表情がすんごく良い!表紙の絵もそうだと思うんですけど、こんな顔されたら惚れちゃうよな~って思いました。そして攻めの嶋が雪を好きだと自覚していく過程にもすごく説得力があったので、受けにも攻めにも感情移入して読んでいけました。何気に印象に残っているのは雪の幼馴染の育次。寮長とか部長とかやってるのも頷けるバランスの取れた人格者だなと思います。冷静に状況を把握して、的確な判断で絶妙なサポートを2人にしていました。両片思いのすれ違いラブがお好きな方にお勧めしたい作品です。
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作者買いですネタバレ2025年5月22日このレビューはネタバレを含みます▼ 血縁や戸籍など関係なく、家族と呼べる人がいることの素晴らしさに気付かされる良作です。見多先生の最高に魅力的な絵で、こんなに素晴らしい作品を読むことができて幸せでした。
私は最初、誠二が伊吹にしたことが、いくら娘を守りたいためでも酷すぎると思いました。酷い人認定して読んでいたので、舞花に伊吹を守るよう指切りして約束しているのを見ても、伊吹に自分みたいな男が近づいて利用しようとすれば娘も巻き込まれるから、娘のために言ったのだと思っていました。しかし、誠二の一番守りたかったのはもちろん娘だけれど、同時に伊吹も守ろうとしたのかもしれないと思えてきて、もう一度読み返したら、誠二がめっちゃ良い人だということに気付きました。舞花の観察眼は父親譲りなんだなぁ。ずっと伊吹を近くで見てきて、彼なら舞花と本物の親子になれると思ったから、2度も愛する人を失うという経験をさせることになっても、伊吹に舞花を託したんだ。伊吹が自分を蔑ろにしがちで、自分を責めてばかりなところも心配していて、舞花を育てることで伊吹自身が救われることも願っていたのかもしれない。自分では薄情だと言っているけれど、的確に状況判断して、情に流されない選択ができるというだけで、決して冷酷な人ではないんだと思いました。パパを守るという使命の元、舞花も強く逞しく優しい子に成長したし、誠二がどこまで見通していたか分からないけれど、あの世で大満足しているのではと思います。
辛い事が多かった伊吹と舞花だけれど、結果として阿部親子と出会うことができた訳で、舞花が結婚するまでの15年間は描かれていませんが、きっと4人にとっては大変さなんて吹き飛ぶくらい喜びにあふれた日々だったのだろうと思います。ラストで佑真と伊吹の指輪の位置が違ったのは意味があるんだと思うんだけど、佑真は右手薬指にしているのに、伊吹が左手中指にしているのは周りに恋人がいることを言っていないからってことなのかな?余分に取ってくれた5分間の式場で指輪をお互いの右手薬指にはめ合ったのかな。誠二の過去や阿部親子の事情も知りたいし、色々種明かし的な続刊出てくれないかな~。いいね
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作者買いですネタバレ2025年5月19日このレビューはネタバレを含みます▼ 「たかが復縁」3話+番外編2話、「愚か者のあやまち」前後編の2作品収録されていました。ほむろ先生の作品では「好みじゃなかと」が一番好きではあるのですが、読み返し回数で言ったら「たかが復縁」がダントツです。私は先生の描く普通のオジサンが大好きで、それだけで白飯3杯は余裕でいけます。こちらは哀愁漂うナイスミドルで、しかも同級生!2人ともキレイ目ではあるけれど、地味でパッとしない容姿と人生を歩んできたオッサン同士が再会ラブ!高校時代の天野がまたすっごい良くて、神経質そうな綺麗なお顔で竹原に激重な愛情を、さも当たり前かのようにぶつけるのがたまらなかった~。高校生とは思えない色気にこちらまで当てられました。竹原が天野との失敗を20年以上引きずるのも無理はない・・・。
再び想いが通じ合った後の天野に高校時代の彼が重なって、もっともっとそんな天野が見たくて何度も読み返しました。何回読んでも続きは出て来やしないのに、それでも読んじゃうくらい彼らのイチャラブを切望しております!初めて竹原と繋がれた時、天野の目に涙が見えて私も感極まりました。竹原にどれだけ愛されているか実感する天野が見たい。番外編2話ともスッゴク良かったけど、やっぱり足りないよ~!続き出るなら天野視点で描かれてるといいなぁ。ちょっと何を考えてるのか分からないところがあったので。
1作品目に文字数割きすぎちゃいましたが、2作目もとても面白かったです。この攻めみたいなオッサンはちょっと好みじゃないので性癖には刺さらなかったけれど、暗くドロドロしそうなストーリーをこんなにカラッとユーモアたっぷりに仕上げるなんて、ほむろ先生は本当に面白い作家さんだなと改めて思いました。こんな主人公、先生にしか描けない気がするし、ラストのコマなんか、思わず笑っちゃいました。主人公が告白して玉砕しても笑えちゃうお話なんて、そうそう無いと思います。何気にこの2人の行く末が気になりました。いいね
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作者買いです2025年5月18日表紙の絵がなんとも物語の雰囲気に合っていて素敵。ユーモアたっぷりにほのぼのとした日常の中の恋が描かれていて、読んでいてとても癒されました。
4話目はセツ視点で描かれており、両親が亡くなってからの大変だった日々を振り返りながら、由井に対する想いや、農業に対する想いなど、彼の人となりが伝わってきて良かったです。周りの人達に支えられながらセツが大きく成長できた裏には、父親の親心があって感動しました。セツと由井の恋が中心にはありますが、全体として人と関わることの大切さみたいなものが描かれているような気がします。
それにしても見多先生の描く笑顔って本当に魅力的。この作品では特に際立っていた気がします。満面の笑みも、ふとこぼれる笑みも、美味しい時の笑みも、目にすると一瞬で引き込まれて、しばらく見惚れてしまいます。先生の優しい絵柄が大好きです。もっとみる▼いいね
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作者買いですネタバレ2025年5月16日このレビューはネタバレを含みます▼ テンポ良くお話が進んでいくので読みやすかったです。家族に落ちこぼれ扱いされ続け、自己肯定感がゴミレベルの道春が、そんな自分を認めてくれる従兄弟の夏樹にコロッといっちゃうところ、可愛かったです。夏樹は百戦錬磨といった感じなのに対して道春は恋愛経験ゼロで、ちょっと心配になりましたが、ちゃんと愛されているのが後半伝わってきてホッとしました。夏樹の過去がちらほら垣間見えるコマがあるのですが、昔はヤンチャしてたみたいで、何かにつけ規格外で常識に囚われない思考回路なのがよく分かります。夏樹のそういうところにも道春は魅力を感じるんだろうな。ただ、だからなのか分かりませんが、道春に手を出すことに躊躇いがなくて、曲がりなりにも教職についているんだから、どんなに道春にねだられても卒業までエチはお預けにして欲しかったかも。夏樹の幼馴染の大八木も受験間近の高校生拉致して何やってんだって話でしたが、まぁ終わりよければ全て良しってところでしょうか。大人に振り回されっぱなしだった道春でしたが、ウブで純粋な彼が、無自覚に余裕こいてる夏樹を振り回すところが見たかったなぁ。同時収録の短編も良かったです。
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作者買いです2025年5月15日「好みじゃなかと」にドハマりして、作者様の他の作品も読みたくなり購入。表題作は、いまいち2人の心情が伝わってこなくて入り込めなかった。特に矢ヶ崎が何を考えてるのか分からなかったです。他の6作品はファンタジーで、花とゆめやララに載ってそうな感じ。独特で不思議な世界を楽しませてもらえました。最後のお話が一番好きです。一番わかりやすかった(笑)BLというより少女漫画として読む方が満足できるかも。もっとみる▼
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作者買いですネタバレ2025年5月13日このレビューはネタバレを含みます▼ これは今まで読んできた暮田先生の作品の中でも一番好きです。オマケでこのお話の元になった同人誌まで収録されていて至れり尽くせりの内容でした。実の兄弟で恋に落ちるなんて全く理解できないけれど、それでも兄弟モノBL大好きな私。中には感情移入しづらい作品もあるけれど、こちらは本当に読者に親切と言うか、分かりやすくて没入しやすかったです。長い間先生の中で温められてきたお話なだけあって、画面の隅々まで無駄がなく、必要な要素がギュッと詰め込まれていて、違和感とか感じずに最後まで2人の世界を堪能できました。
印象的だったのはオミの情緒が常に不安定で、ちょっとしたきっかけで均衡を崩して、幼い顔が垣間見られるところでした。毒親達から兄を守るのだと、年齢以上に背伸びして、常に気を張って、得意でもない勉強を頑張り、家事も兄の世話もして、そりゃユキ以外の人間に刺々しい対応にもなるよなぁって思いました。終盤、ユキが倒れた時、自分を責めて泣いているシーンは本当に可哀そうで、「あんた、十分頑張ってるよ」って私まで泣きながら読んでました。ここはまた、ヤマの神対応が光るシーンでもありました。
これからはオミに気づかれないように、記憶が戻ったユキが弟のフォローをしてくれるんじゃないかな。想いが通じ合って少し落ち着いたオミだけど、色んな意味で能力の限界というか、ここから本当の2人の幸せな世界へ持っていくには、ユキの頭脳が必要なのではないかと思われます。ノリちゃんやヤマという味方もいるし、大丈夫!
「そばかすお饅頭なチビ臣」と作者様があとがきに書かれているけれど、普段どんなに虚勢を張っていても、お兄ちゃんの前では臣の内面はこのチビ臣のままな気がします。誰もそこに突っ込まないくらい自然に「にーに」って呼べちゃうくらいですし。この兄弟の間だけで成長していない部分が見受けられるところに、ひどく萌えました。 -
作者買いですネタバレ2025年5月11日このレビューはネタバレを含みます▼ 養父母からもらった愛情に報いるためだけに生きる累。そんな累の傍に居続けるにはどうすればいいのか考え続けてきた八尋。元々危うかった均衡が崩れたのは、累の養母の妊娠が発覚してから。どんどん自分を追い詰めていく累も痛々しかったけれど、累の夢遊病に気付いた時の八尋が自分を責めるシーンはもっと切なかった。八尋の累への献身は、累を自分に繋ぎ留めておくためだったかもしれないけれど、どうしてここまで求められるがままに与え続けられるのか?人一倍愛されて育ったようにも見えないし、自分だって欲しいモノは少なからずあるだろうに。それだけ彼にとって累という存在が絶対に何より失いたくないものだったってことなのかな。物語の中盤なんて、ただの竿状態になっていて、それでも累から離れようとしない八尋が不憫でした。累の境遇の不憫さは分かりやすいけれど、八尋は自ら不憫を買って出ている感じでした。
累自身はいつか八尋との関係を終わりにしなければいけないと考えていたわけで、そのいつかがくるまではと曖昧な関係を続けているような状態だったから、養母が妊娠して加速度的に状況が悪化して逆に良かったのかもしれない。行くとこまで行かないとどうにもならないコトってあるよな~って思いました。でも本当、八尋が報われて良かった。累には何も求めないのに、累の欲しいものは与えるということをし続けてきたのは、結局累自身が八尋の隣を選んでくれないと意味が無いと思っていたからなのかもしれないと思いました。
難しいテーマなのに、人物一人一人の心情描写が丁寧で、すごく読み応えがありました。何度読み返しても飽きずに読める、素晴らしい作品です。 -
作者買いですネタバレ2025年5月8日このレビューはネタバレを含みます▼ 緑の鮮やかな表紙に意味深なタイトル。鼎と瑞希の複雑な想いが、拗れに拗れて、どうしようもなくなって、もう壊すしかなくなって、それでもそこから恋人として再構築していけたのは、2人が長年共に過ごしてきた年月の成せる業なのかなと思いました。
「お前がこの世の全てだ」と言わんばかりに求めてくる鼎を、最初はそれでは鼎の為にならないと距離を置こうとした瑞希でしたが、最終的には自分の心にも素直になって受け入れた瑞希。初めては無理矢理でしたが、このシーンは瑞希可哀そうだったけど、必要だったなぁと思いました。これを許せるなんて、どんだけ鼎を愛しちゃってるんだって話ですよね。16歳にして恋愛感情とか超えてる感がある。2回目のエチシーンもぎこちなさや余裕の無さが、高校生らしさや2人の関係を表していてとても良かったです。
もっとドロドロするかと思ったけれど、鼎が生い立ちのわりに割とまともに育ったせいか、この手のお話にしては読後感が爽やかでした。木島や瑞希家族や信二たちを始め、両親以外の人間には恵まれたからかもしれません。もっと歪んで闇落ちしていたらと思うと、ちょっとそういうのも読んでみたい気もしますが、この2人は可愛い共依存状態で幸せになってほしいので、木陰程度の暗がりが調度良いんだと思います。
あとがきで、受け攻め逆をイメージしていたという感想が多かったと書かれていて意外でした。鼎のような必死過ぎて可哀そうになってくるような攻めが、母なる大地のような受けの愛に包まれて満たされる構図が大好物なので、逆じゃなくてラッキーでした。他の方のレビューを拝読したら、こちらの作品にはスピンオフがあるとのこと。そっちも読んでみようと思います。 -
作者買いです2025年5月8日表紙の雰囲気とは裏腹に、割と深刻なトラウマを抱えた主人公のお話でした。高校生同士のふざけた会話の裏で、主人公のチカが過去に囚われて自分を縛り続ける様子は、読んでいて胸が痛みました。暗くなりがちなテーマですが、チカを見守り支える仲間たちの温かさや、惠純の真っ直ぐな想いが、物語を全体的に希望にあふれるものにしているように感じました。
今まで読んできた暮田先生の作品が、偶然だと思うのですが、受けが周りの人からめっちゃ愛されてるものばかりで、とにかく受けが超可愛いんですよね。周りが過保護になるのも頷ける。今回のチカも、反応がいちいち可愛すぎて、「なんなのもう!」って感じでした。チカの周りのキャラ達に共感しながら読めるなら、更におもしろく感じると思います。もっとみる▼いいね
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助教授の初恋ケーススタディ【単行本版(電子限定描き下ろし付)】
作者買いです2025年5月7日「僕の可愛い酔っぱらい」と地続きになっているというこの作品。本編での絡みはありませんが、同じ世界でのお話だと思うとイメージしやすくておもしろかったです。主人公は攻めの朝陽なんですが、画面は由鶴の可愛さで溢れかえっているので、彼の魅力にハマれたのなら、登場人物たちに共感しながら存分に楽しめる内容になっています。特にエロいことしてる時の由鶴が可愛くて、誘い方も可愛くて、一番キュンときたのは由鶴が告白するところ。普段の合理的でドライな由鶴からのそれは反則だよ~!需要と供給が合っている朝陽とは、すぐ上手くいきそうに見えたけれど、意外にくっつくまで時間がかかって、両片想いのモダモダを楽しめて良かったです。もっとみる▼いいね
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作者買いです2025年5月4日「僕の可愛い酔っぱらい」の続編。ちいさんの元カレが職場に舞い戻って来たのを発端に、付き合いたてのチイとヒナの間に暗雲が立ち込めるシリアス展開。チイを深く掘り下げる感じだったので、こちらを読了後前作を読み直すと、色々見え方が変わっておもしろかったです。繊細で優しくて誰より傷つきやすいはずなのに、何でこんなに無防備なのか不思議でしたが、チイに惚れてる周りの面々が大事に大事に守ってきたからなのかなと思いました。それにしても篠田のチイへの執着は親友の域を越えてる気がしたから、ひょっとしたらワンチャンあったかもだけど、壽の言う事信じてチイに確認もせず絶縁するような男だった訳だから、壽が邪魔しなくてもいずれ関係は破綻していたのではないかな。チイの無防備な心に深い傷を負わせた辛い過去だけど、その全てが今に繋がっていると思えば、嘘つき達各々に必要な経験だったんだろうな。ヒナは過去の事件の当事者ではなくて蚊帳の外状態でしたが、チイの過去を知ったことで色々覚悟が決まったようで良かったなと思いました。ラストの2人は、それぞれ一山越えて少し逞しくなったように見えました。もっとみる▼
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新装版 僕の可愛い酔っぱらい【単行本版(電子限定描き下ろし付)】
作者買いです2025年5月3日「はじめて、はじめました」が良かったので、こちらも購入。作者様初めての単行本の新装版。絵もストーリー構成も、最近のと比べると野暮ったい印象ですが、これはこれで味があって良かったです。「はじめて〜」の時も感じたのですが唇に目が行くことが多くて、なんだか無性にむしゃ ぶりつきたくなる魅力的な唇を描かれる先生だなと思いました。人物描写が丁寧なので感情移入もしやすくて読みやすかったです。もっとみる▼いいね
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ピュアの極み2025年4月29日表紙に惹かれて購入。思った以上にピュアッピュアな2人のお話で、さすがに番外編では関係が進展するだろうと思っていたら全然そんなことは無く、ひたすらピュア道を邁進している2人がとても尊かったです。この先が見たい気持ちと、このままでいて欲しいと思う気持ちが葛藤しております。BLというくくりを越えて、人が人に惹かれるってこういう事だよな~ってしみじみと味わえる素敵な作品でした。
2人ともそれぞれ人生における大きな節目にあるわけですが、特に鴇ちゃんが抱える悩みって、仲が良くて深く愛し合う家族だからこそ生まれるものだから、なんだか切なかったです。鴇ちゃんは概ね芯が強いのでしょうが、一部超柔らかいところがある感じがして、少し危なっかしい気もします。続きが読めるなら、先に前に進み始めたタカラ君と共に、鴇ちゃんが自身の抱える問題を乗り越えていくところが見たいです。もっとみる▼いいね
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作者買いですネタバレ2025年4月3日このレビューはネタバレを含みます▼ 思慮深く聡明で、想像力豊かな少年だったリンチェ。欲しい物を欲しいと言えない、何かにつけて自分を抑えることでその場を凌ぐような子。親にすら異物扱いされ、どこにも居場所がなかった。
対照的にエリオットは思慮が浅く現実主義。優秀でもないのに周りを小馬鹿にしてるところがある。恵まれた家庭で愛されて育ったため、強引で我儘なところがあるが、それは長所でもあり、根拠の無い自信で、どこまでも自分を信じ貫く強さを持つ。
自分とエリオットは住む世界が違うのだと気付かされる度、彼を遠ざけようとするリンチェ。憎しみではなく、エリオットとの思い出を糧に生きてきたから、それを美しいまま守り抜くことが彼にとっての生命線になっているように見えました。欲しいものに手を伸ばさず、想像して満足する方を選んできたのは自己防衛本能なのかな。願いに真っ直ぐ突き進むエリオットに対し、リンチェがちぐはぐな行動をとっているうちに、事態は最悪な状況に陥ります。
しかし、別れを告げるリンチェからの手紙で、彼がどんな気持ちで生きてきたかの一端に触れ、エリオットの覚悟が決まります。リンチェが出所するまでの5年間の描写はありませんが、彼を守るのだという幼い頃から変わらない想いを貫き通し、がむしゃらに生きてきたのは想像に難くありません。
ラスト、喜びを瞳に称えながら愛おし気にエリオットを見つめるリンチェと、得意げな顔で見つめ返すエリオット。この横顔、まぎれもなく大人の顔なんですが、子供時代の顔にも見えるんです!そういう表情が全体を通して何度もあって、鳥肌が立ちまくって、風邪ひいたかと思った!どんなにその手が汚れても、子供の頃のままの純粋で穢れない魂を、2人の表情に見る事ができます。このシーンまでくると涙が溢れて、また初めから読み返したくなり、毎回無限ループに陥ります。
辛酸をなめ尽くした2人ですが、今までの全てがあったからこそのこのラストだと思うので、全て必然だったのだと思いました。明日にでも終わりを告げそうな2人の生活ですが、1秒でも長く共に居られることを願ってやみません。彼らの幸せなその後が読めたら嬉しいです。 -
作者買いですネタバレ2025年3月30日このレビューはネタバレを含みます▼ 今回の攻めはとても面白い男で、読んでいる間とことん楽しませてもらえました。
消防士として能力は高いが自惚れも強い矢島。1巻序盤では「小学生か!」と言いたくなるような言動だったのに、そこから本気の恋をして思春期真っ只中みたいになり、2巻では「失う怖さ」を経験し、ようやく精神年齢が年相応になった感じでした。2巻ラスト、照れることなく鳥飼への想いを口にした矢島の穏やかな表情が印象的。
受けの鳥飼は過去の失敗がトラウマになり、矢島との関係に対して常に逃げ腰だったけれど、すれ違いからの一連の出来事で、ようやく過去を通して現在を見る事をやめて、今この瞬間の矢島と真正面から向き合えるようになった感じでした。そんな鳥飼に寄り添うような言葉を掛ける矢島を見て、「そんなこと言えるようになったんか!」と感無量になりました。ただのデリカシーの無い脳筋ゴリラだと思ってたけど、根は優しい子なんだなと思いました。
大島先生の作品の中でも、これはエチシーンが多い気がしますが、どれも全て最高でした。初エチの時点で既に矢島から興奮が見て取れましたが、毎回理性が飛びそうなくらい欲情しているのが伝わってきて、先生のその表現力の高さに改めて目を見張りました。また鳥飼はいじらしさが大爆発で、矢島と繋がれる喜びが全身から溢れ出ていて、いつになく素直で無防備で、とんでもなく感じまくっている様子が、冴えわたる画力で余すことなく描写されており、もうエロいなんていう一言では表しきれないです。自尊心が服着て歩いてるような矢島にしてみたら、自分が唯一認める男がこれほどの想いをぶつけてくるなんて、もう満たされ感が天元突破なんじゃないですかね。鳥飼のナカがめっちゃくちゃイイのも、「矢島が大好き」って思いがナカの状態に現れるからなんだろうなと思いました。
大島先生お得意のユーモアにあふれたライバルBL、明るく楽しいお話だし、消防士は無条件にカッコイイし、エチは全て最高だし、そこまで読む人を選ばない気がします。とにかく良いので、多くの方にお勧めしたい作品です! -
作者買いですネタバレ2025年3月25日このレビューはネタバレを含みます▼ 竜次目線のシーンが多いせいか、竜次の生い立ちや過去ばかりが明らかになっていく反面、近藤について分かるのは、被災して職を失い大阪にやってきたということだけ。何でかなと思いながら何度も読み返していて気付いたのは、生い立ちや過去よりも、物語冒頭の近藤がどういう状態なのかがとても重要なのではないかということでした。過去に積み重ねてきたものが根底から覆るような地獄を体験してきた直後だと思えば、心がキャパ越えしてフリーズ状態にあり、表情も感情も乏しく、どことなく虚ろな感じがするのも頷けます。そんな彼が、竜次の気遣いや優しさに触れる度、少しずつ自然な笑顔を見せるようになり、更に竜次に恋をして湧き上がってきたエネルギーは、彼にようやく生きている実感を与えたのではないでしょうか。何気ない日常の描写にも愛しさを感じました。
近藤は竜次を自分のものにしたいという願いに突き動かされるように、真正面からアプローチしていきます。「ちょっと調子に乗りすぎなんじゃないの?」と見ているこちらがハラハラするくらい、竜次のパーソナルスペースにずかずか入り込んでいきます。ここで竜次の懐の深さと柔軟な心が顕わになるのですが、図星を指されても怒らず受け入れる。それどころか竜次は近藤の言葉をきっかけに自分と向き合い、おざなりにしてきた問題の解決に向けて自ら動いていく。
自分からけしかけておいて、予想以上の変化を遂げる竜次に焦る近藤でしたが、そこからの初エチまでの流れが神懸っていて、不意打ちだったこともあり鳥肌が立っちゃいました。これはもう「とにかく読んでみて下さい!」としか言いようがないです。子供の様に夢中で欲しがる竜次と、見事竜次を縋りつかせた近藤の何とも言えない表情に、私は昇天しかけました。
被災して凍り付いたままだった近藤の心を溶かしたのは、竜次の温かい人柄でした。竜次のその温かさの裏には、幼い頃からの苦労があって、生きるために守り続けていたはずが、守るために生きるようになっていて、ずっと息苦しかったと思います。失うものなど何もないかのような恐れを知らない近藤の姿を見て、今度は竜次が抑え込んでいた想いを解放し、ラストは竜次の曇りのない笑顔で締めくくられていました。欲を言うなら、生まれ変わった2人の再出発を続編にして欲しいです。絶対面白くなるはず!いいね
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作者買いですネタバレ2025年3月23日このレビューはネタバレを含みます▼ ただのセ●レから始まった二人が、お互いかけがえのない存在になっていく過程が、2人の過去や生い立ち、現在の状況、心情、あらゆる面から丁寧に描写されているので、とても分かりやすく説得力がありました。
攻めのヒロミチは、自分を押し通すことで誰かが悲しむのは見たくない。それなら自分の心に蓋をして胡麻化しながら生きる方を選んでしまう。繊細で優しい心の持ち主です。
そんなヒロミチの優しさに折に触れて気付き、惹かれていくハヤト。彼もヒロミチを気遣って、明るく振る舞ったり、食事や遊びに誘ったり。
大きな孤独を抱えて生きていた二人が引き合ったのも偶然ではないんだろうと思わせる描写が本編や番外編からも見て取れて、お互いが相手の心の機微を察することができるから、そっと寄り添い合えるんだなと思いました。共に時間を過ごすほどに、その心地良さから離れがたくなるのも頷けます。
私がこのお話で一番素敵だなと感じたのは、心にポッカリあいた穴を、相手の愛情で埋めようとせず、逆に埋めてあげようともしないところ。自分で自分と向き合って、家族と向き合って、自問自答を繰り返し、傷付き何かを失っても、つかみ取った答え。それは信じるに値する、確かに存在する自分自身。
先に答えを出したのはヒロミチで、一度は別れたハヤトの元に帰ってきたところからのエチ、素晴らしかった!この時の私はエチに対する期待より、ただ息を吞んで成り行きを見守っていました。不安が拭いきれず、この期に及んで受け入れることをためらうハヤトに、ヒロミチが言ったセリフが、なんかもう、感無量で「あ~、ヒロミチ頑張ったんだなぁ」ってしみじみ思いました。
あと、ハヤトが依存していた兄とヒロミチの存在を比較できるようになっていたのも、分かりやすくて良かったです。この兄には逆立ちしたって弟の心情を想像することはできない。結局兄には弟が自分だけに縋るように依存している状況はまんざらでもなかったのでは?無自覚だから余計たちが悪い気がしました。ハヤトを手放したくないのがダダ洩れな兄に、ヒロミチが放った言葉には心底スカッとしましたね。兄と3人で話し合った帰り道、ヒロミチに自分の気持ちを言い当てられたハヤトが思い切り赤面して、そこからのハヤトがヤバいくらい可愛くて、最後に彼の口から「愛してる」という言葉が出た時は泣きそうになりました。願いが叶って良かったね! -
作者買いですネタバレ2025年3月21日このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作は3話+描き下ろし。ナルシストの自称エリート証券マン永瀬と父親と大衆食堂を切り盛りする仁。描き下ろしまで一貫してコメディ色の強いお話でした。やっぱり大島先生のユーモアセンス好きだな~って改めて感じました。独りよがりで空回ってばかりの永瀬が見ていて痛々しいですが、食堂の常連さんや仁の父親などが良い仕事をしていて始終楽しく読めました。永瀬のお面を張り付けたような表情が、仁の言葉で緩んで素に戻るところ、良かったです。見た目とは裏腹に、仁が世話好きのオカン系男子というか、ダメな子ほど可愛く思っちゃうようなタイプだったみたいで、なんだかんだで絆されてくれて良かったね!
2つ目は1話だけの短編でしたが、私はこれが一番好き。セリフから表情から、何から何まで無駄がなく必要なものが全て詰め込まれていて、一呼吸で読めちゃったような錯覚に陥るくらいスルンと読めて、読後の満足感もバッチリ。小6男子が性に目覚めるエピソード、めっちゃエロく感じたのは私だけ?すごく印象に残りました。
3つ目は飼い犬が人間になって飼い主を助けに来てくれるお話。可愛くて、ちょっと切なくて、素敵なお話でした。トオルの心情もクロの喜び悲しみも良く伝わってきたので、ラストはただただ「良かったね~!」って気持ちになれました。父親が亡くなってから一人ぼっちだったトオル。お父さんも、この結末にあの世でホッとしているのでは?
とても読みやすい短編集。3作品とも読後ホッコリできる良作でした。いいね
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作者買いですネタバレ2025年3月19日このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作3話+描き下ろし、「街角のエピローグ」前後編。短いのにとてもきれいにまとまっている2作品。対照的な読後感でしたが、2作品とも読み応えがありました。
表題作はかなりヘビーな内容ですが、読者がその後を連想できる要素がさりげなく押さえられていて、共依存モノとして満足度の高い作品でした。「無事に共依存の関係が成立してめでたしめでたし」という、いつもなら堕ちていくしかなさそうな2人の未来にゾクゾクしながら読み終えるところですが、なんせ私も丸山と同じ穴の狢。自分の黒歴史がフラッシュバックして、不必要な感情移入をしてしまい、脳が勝手に2人の未来に希望を持たせようと、彼らの行く先を阻みそうな問題の解決策を考え始めてしまいます。描き下ろし以外は一貫して丸山目線で語られるのも、私の余計なおせっかいを加速させました(笑)
そういう私情は脇に置いておいて、大島先生の描く表情の素晴らしさには毎度感動を覚えます。この作品はとくに表情が重要な要素になっているせいもありますが、セリフのない顔アップのコマが凄い量の情報を与えてくれます。エチの時の表情は言わずもがなですが、ラストで柴村が丸山に顔を近づけながら「嬉しいんです・・・」と言う時の顔。妖艶で自信を感じさせる、初めて見る柴村の表情に、彼の心情の全てが詰め込まれている気がして鳥肌が立ちました。
「街角のエピローグ」の方は、2人の性格が陰と陽で対照的なところは同じでも、一転して明るいお話。正反対の2人が少しずつ馴染んでいく過程が丁寧に描かれています。イタリア人らしからぬ生真面目で陰気な男、ロベルト。コミュ力最強な天性の陽キャ日本人留学生ユースケ。このお話も片方(ロベルト)の視点のみで進んでいくのですが、きちんとユースケの大事な表情が押さえられているので、お互い惹かれ合っているんだなと伝わってきます。だからなのか、ラストまでの展開が早くても置いてけぼりにならず、気持ちのいい読後感を味わえました。ここからというところで終わっていても全く物足りない感じがしなかったです。 -
作者買いですネタバレ2025年3月17日このレビューはネタバレを含みます▼ ラフなタッチでササっと描かれている中に、不意に表れるドキッとするような表情が見るものを釘付けにします。
攻めの新井は中学時代の出来事がきっかけで心を閉じてしまい人と深く関わらないようにして生きてきました。自分の周りに壁を作って、好きな人に対してさえも普段口から出るのは当たり障りのない返事ばかり。その反動なのか心の声は饒舌で、お陰で新井という人間がくっきり浮かび上がって感情移入しまくれました。冒頭に書いたドキッとする表情というのは全て受けの石渡のものですが、纏わりつくような新井のモノローグの合間に、何とも言えない石渡の表情が、暑い中吹き抜ける涼風のようで、一瞬全部忘れて見入ってしまうんです。「あ~、好きだな~」って思ってしまう。
また石渡という男がとんでもなくイイ男なんですよ。特別な何かがあるわけじゃないのですが、本当に自然にありのままで存在してる感じが凄くイイ。仕事柄か洞察力もあって、新井のことをよく見ていて、壁を作る相手に対してどうアプローチすればいいか慎重に考えるところなんか、とても優しい人なんだなと思いました。そういうさりげない気遣いは一朝一夕で身に付くものではないと思うので、石渡にも今まで生きてきて色々あったんだろうなと察します。石渡の背景についてはほとんど触れていなかったけれど、彼自身が分かりやすい性格なのでモヤモヤすることはなかったです。
エチシーンは修正がいらないくらいの描写でしたが、石渡の表情がいいのなんのって!2人の初めての夜も経験値の差を感じる中、キスされて驚いて2回目をねだる石渡に私まで大興奮!そんなねだり方反則だよ。想いが通じ合った後の仲直りエチも、告白の仕方が物凄く石渡らしくて、私が言われたわけではないのに心臓を撃ち抜かれ即死でした。石渡がモテてたのは顔が良いからだけじゃないのでは?正にケツで抱く男ですよ。母性すら感じます。
石渡の人柄に触れ、恋愛だけの問題ではなかった大きな壁を乗り越えることができた新井。猫背が少し伸びるまでの過程は、誰もが共感できるのではないかと思います。自分と向き合うきっかけにもなる素敵な作品。お勧めです。 -
もう何度も読み返してるネタバレ2025年3月16日このレビューはネタバレを含みます▼ 大島かもめ先生にハマるきっかけになったのも、初めてオジ受けの魅力に気付かせてくれたのもこの作品。最近の作品に比べると絵柄に癖があり、話運びもぎこちない感じですが、私はそこがすっごく好きです。
20歳の大学生、秀一郎に熱烈な求愛を受けるのは、42歳の仕立て屋、片山さん。秀一郎はアプローチの方向が明後日なので片山には全く相手にされず、辛うじてセ●レの座をもぎ取ったはいいものの、全然恋人として見てもらえない。しかし!秀一郎は考えも甘く言動も子供っぽいんだけど、メンタルだけは鋼なので、どんなにつれなくされても何度でも立ち上がり思いの丈をぶつけていきます。ひたすらそれがを繰り返すうちに、2人とも自分自身と向き合って、少しずつ心境に変化が表れていく様子が丁寧に描かれていて、とても読み応えがありました。
片山さんは繊細で傷つきやすい人なのかもしれない、傷ついても直ぐに立ち直れるほど若くもない、そんな彼がいつ飽きて心変わりするかもわからない20歳のボンボンにそうやすやすと本気になれる訳もない。秀一郎と寝るのは「気持ちがいいから」というのも言い訳っぽく聞こえます。エチシーンがとても印象的で、見えない構図でサラッとしてますが、普段は無口な片山さんの全身から彼の正直な想いが伝わってくるようです。何度も試して、自問自答も繰り返して、ようやく秀一郎の胸に飛び込んでいけたラストには、初読み当時片山さんと同じ42歳だった私は、彼の安堵が伝わってきて目頭が熱くなりました。
あと、「これ笑っていいのかな?」って感じの際どいジョークが物語の至る所に散りばめられており、イギリスが本場の仕立て屋との恋の演出に一役買っていました。2巻番外編に出てきた遊園地のマスコット。無邪気に名前を叫んで一緒に写真を撮ってもらう秀一郎でしたが、さりげなく不安を煽ってくるところ、タダモノじゃないですね。「ロウゴ・コドクダーネ三世(42)」ご丁寧に名前に年齢まで含まれていて思わず吹き出しましたが、「これって私のことでは?」と一瞬で現実に引き戻されました(笑) -
お前に抱かれるなんて聞いてない!~ハマった男はAV男優【単行本版/電子限定おまけ付き】
読み始めたら止められない2025年3月14日大昔に単話のタイトルと表紙を見てスルーしていた作品が、気付けば単行本で6巻も出ててレビューも高評価で「そんなに面白いの?」と気になり試し読みしたらノンストップ!そのまま息をするのも忘れるほど夢中で読みふけってしまいました。ちゃんと読めばこのタイトルしか考えられないくらいのベストなタイトル。最初は主人公2人の目つきが苦手だったのですが、エロいシーンではこの目つきが超ど級の威力を発揮していることに気付き、それからは全く気にならないどころか、目を見るだけで何の変哲もないシーンでもエロく見えてくるようになりました。
受けの名取君から目が離せなくて、彼の全てが私の性癖にクリティカルヒットしてくるので、子宮がギュンギュンしすぎて潰れるかと思った・・・。4周目辺りからようやく思考が復活し、話が入ってくるようになりました。2人が少しずつお互いを知り、関係を深めていく過程が丁寧に描かれており、感情移入もしやすいです。エロシーンの描き方が本当にお上手で、売れっ子AV男優という設定が見事に表現されていると思いました。すごくテンポの良いお話で、Hも多くて、あっという間に読めてしまうので、6巻あっても何度も読み返せます。そして何度読んでも色褪せないエロさがあるんですよね~。
割と早めに付き合うことになった2人だったので、最初は2人の間にあんまり愛情を感じなかったのですが、巻を追うごとになるほどな~というエピソードが沢山出てきて、特に名取じゃなきゃダメだと思う瀬尾の気持ちが理解できるようになりました。
エロだけじゃなく、話の構成や心情描写も分かりやすくて読みやすい。性癖に刺さらなくても楽しめる作品だと思います。私の様にタイトルと表紙でスルーしちゃった過去をお持ちの方は是非試し読みされることをお勧めします!もっとみる▼ -
作者買いです2025年3月13日はなさわ先生の作品に出てくる受け君は、いつも本当に可愛くて、この世のモノとは思えないです。小泉先生に対して「なんだこのかわいいいきもの」と言う鰐淵先生のセリフには激しく共感。「こんなの地球に生息してたんだ!」っていう貴重生物発見の驚きと喜びが伝わってきます。
過去を引きずっている小泉先生がトラウマを乗り越えるまでを描きながら、小泉先生自身や鰐淵先生の人となりを自然に読者の腑に落とし、お互い惹かれ合うのも分かるな~ってなったところからの初Hは最高でした。鰐淵先生も読者も最後まで焦らされた甲斐があったと思われます。特大の大花火が打ち上げられる夜空をバックにするなんて粋ですね~。
はなさわ先生の作品は4作目なのですが、どれも読後の満足感がすごいんです。短編まで例にもれず。なんでかなぁと思って読み返していて気付いたのですが、読者の呼吸に寄り添うように漫画が描かれている気がしました。普通なら省く一コマを敢えて入れている感じがして、追い立てられることなくゆっくり読んでいけるんです。逆にそういうのがまどろっこしくて苦手な方もいるかもですが、私は炬燵でぬくぬくしている時みたいな気持ち良さを覚えます。この感覚以前にもあったなと思ったら、マミタ先生のを読んだ時と似てるんですね。動物の使い方がお上手なのも似てる。お二人とも癖になるというか、ず~っと読んでいたくなるんです。あったかくて、気持ちいい~って感じで。
まだ完結表記されていないので2巻も期待しているのですが、表紙は鰐淵先生が正面を向いた感じになるのかな?1巻は小泉先生がメインで、鰐淵先生はサポート役って感じだったので、逆のお話も読みたいです。もっとみる▼ -
シュガーとマスタード【おまけ漫画付きコミックシーモア限定版】
作者買いです2025年3月12日最初はDomSubかなと思ったのですが、SとMの欲求が満たされることを重要視した社会のお話で、この作品独自の設定でした。SとMがパートナーとなり互いの欲求を満たし合う制度を社会が後押ししていて、それは恋人や結婚相手とは別に持っていてもよい関係。これのお陰で犯罪が随分減ったとか、そういう視点も興味深かったです。少し変わった設定でも、当たり前のように話の展開に集中できるのは、はなさわ先生の成せる業。話の流れに合うように、自然と設定が理解できるように話が作られている感じがしました。
Sの聖司とMの雅親がマッチングで紹介されて出会い、そこから関係を育んでいくお話でしたが、SとかMとか関係なく、パートナーとの関係を、こんな風に試行錯誤しながら丁寧に進めていけるなら、素晴らしい関係を築けるのではと思いました。その結果別れを選択するカップルもいるかもですが、共に過ごした時間はその後の人生の糧になると思います。こういうことって、どうでもいい相手とはできないこと。相手が好きで、どうしてもこの人がいい!っていう執着があるからこそ、ぶつかり合ってしんどくても、面倒くさくても、話し合って何としても擦り合わせて、より良い未来に繋げたいって気持ちになれるような気がします。
番外編も読みましたが、とっても良かったです。お仕置き&ご褒美Hのお話でしたが、本編を読んでいる時から、私は雅親が感じている顔が好きでした。気持ち良さや満たされ感が伝わってくる表情が、すごくいいなと思います。それがたくさん拝めるありがたいお話でした。もっとみる▼ -
表紙買い2025年3月11日ごちそうΩを読んではなさわ先生の他の作品を探していたら、すでに持っていたのがこちらの作品。表紙があまりにも可愛くて衝動買いした後、放置されていた模様。さっそく読んでみたら、なぜすぐに読まなかったのかと悔やまれるくらい良かったです。
表紙のベル男に惚れて購入しただけあって、どのページもどのコマも、ベル男がいれば「か、かわいい・・・」と思考が停止してしまい、特別かわいいカットにはキュンキュンしすぎて涙が滲むくらい私の母性本能は測定不能レベルに陥りました。
そんな状態で読んだので、一読目はストーリーが全く入ってこなくて、なんかクズい攻めと愛の無いHをしている印象しか無かったのですが、最後の描き下ろしに意外な匂わせがあって、その上でもう一度読み返すと、2人のやり取りが全然違う意味合いを持ち、愛が無いなんてとんでもない!ベル男の可愛さに目がくらんでいた私は、とんだ見当違いをしておりました。隅々まで愛に溢れた素敵な物語でした。後半のベル男の兄とその元親友のお話も、前半に負けないくらいすごく良かったです。短編も綺麗にまとまっていて、読後感がすごく良い!はなさわ先生はお話を作るのがとってもお上手だと思いました。もっとみる▼いいね
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Levius新装版からの続き2025年3月7日カラーもモノクロも、とにかく雰囲気のある趣深い絵を描かれるので、眺めているだけでも買ってよかったと思います。お話の方も壮大で、扱っているテーマも深いので読み応えがありました。ただ、物語の厚みに対して巻数が足りていない感じがしました。途中までは良かったのですが、ラスト2巻でいきなりNo.2のアーサーが出てきてから全てが説明臭くなり、置いてけぼりをくらったまま迎えたラストも微妙な感じでした。
格闘シーンは迫力があって、大勢の拳闘士だけでなく、星の数ほどいる観客の一人一人も丁寧に描き分けられており、背景まで全て作者様自身が描かれているのではと思われます。この作品に対する作者様の愛と情熱を感じました。物語の設定なども「よくこんなことを思いつくなぁ」と思うくらい細かいところまで考え抜かれていて感心しました。それだけに、もう少し要所要所を掘り下げられるくらいページ数に余裕があったら、凄い大作になっていたのではと思えて、もったいないなと思いました。
私は察しが悪い方なので、まだ気付けていない部分もあると思います。何度も読み返して作者様が何を描きたかったのか感じ取れたらと思いました。もっとみる▼いいね
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絵柄に一目惚れして購入2025年3月4日物語の雰囲気と絵柄がしっくり馴染んで、本当にこの世界があるかのような錯覚に陥ります。蒸気が技術の中心になっているところが大きな違いとしてありますが、基本的なことは私達の世界と似ているので、一見複雑そうな設定も、2~3回読み返せばなんとなく背景は理解できます。かなり細かいところまで綿密に設定がなされている感じがして、こんな世界を創り出せる中田先生は本当にすごいと思いました。上下巻共に300ページ以上あり、左開きで少々読みにくいですが、先が気になりどんどん読み進めていけました。続編のエストも読もうと思います。まだ序章にすぎない印象ですが、ここからどんな展開になるのか楽しみです。もっとみる▼
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最高だった・・・2025年3月2日幼馴染設定が大好きで、人一倍幼馴染モノを読んできましたが、これはベスト3に入るくらい良かったです。こういうのが読みたかったんだよ~って悶えました。
聖と小和カップルの尊みが凄まじくて、ただただ2人には幸せになって欲しい!って心の中で手を合わせながら祈りながら読んでました。だから、最終巻を詠んでいた時、話が思わぬ方に展開していった時には「え!何で?どうして?いやぁぁぁーー!」ってなって胸が張り裂けそうになり、不覚にも泣いてしまうくらい取り乱しました。そこで初めて自分がこの2人に相当入れ込んでいることに気付き、驚きました。作者様の話の運び方がめちゃくちゃ上手くて、知らぬ間に作者様の手のひらで転がされていたんですね~。貴重な体験ができました。ありがとうございます。
ここまでハマってしまったのは作者様の話運びの上手さ以外にもう一つ心当たりがあり、恐らく聖というキャラのせいかと思われます。このガチャピンを思わせる目元のヘタレ男子が男気を見せるところにグッときて、もう応援せずにはいられなくなります。幼馴染モノに興味がない方でも十分楽しめるしキュンキュンできるお話だと思うので、1巻試し読みして気になった方は是非続きも読んでみて欲しいです。
ちなみに番外編の榎本君のお話も、良かったです。榎本君にはそれほど興味なかったけれど聖と小和が出てくるだろうからとりあえず読んでみたのですが、思ってた以上に読み応えがありました。本編では描かれなかった榎本君の魅力に気付けたので、また1巻から読み直したらまた違う見え方をするんだろうと思います。もっとみる▼ -
盛りに盛られた設定2025年2月23日獣人モノで完全に獣の姿になる作品はいくつか読んだことがありますが、はなさわ先生の描く動物は、先生の動物に対する深い愛情を感じます。ネズミは本当に愛らしくて、大福にしか見えなくて、私でも食べたくなりました(笑)狐は常に何か企んでいるかのような狡猾な感じがよく出ていて、そこを魅力的に見せているところがすごいなと思いました。狐ってこんなにカッコ良かったんだな~。
獣の姿の時の良さは、そのまま人間の時にも反映されていて、特に宇賀野の狐目は素晴らしかったです。いかにも腹に一物持ってますと言わんばかりの胡散臭い糸目。うっすら見える瞳が怖いくらい。糸目が大好きな私は、たま~に拝める瞳にキュンとするのですが、宇迦野の場合はゾッとしました。いかなる時も本能的に食べようと狙っているのがひしひしと感じられ、終始緊張感があってドキドキさせられました。といってもコメディ要素も多くて、その辺の塩梅が絶妙だからかドンドン引き込まれていき、詠む手が止まりませんでした。
あと、宇迦野の胡散臭さと誠実さのギャップがたまらなかった!見た目からして何を考えているのか分からず「なんか怪しい攻めだな~」って疑っていたところに、あんな誠実さを見せられたら、もう落ちるしかないですよね。すっかり宇迦野さんに夢中です。また一方で受けのさちおは自虐的なことばかり言ってはいるものの、ある意味悟りの境地に近いのでは?と思いました。仏のように慈悲深い人だなあという印象。ネズミのオメガとして生を受け、今まで生きてきたからこそだろうと思いますが、呼吸するように人に優しくできるところが素敵だなと思いました。この2人、ずっとずっと見ていたいくらい大好きです。もっとみる▼ -
人間なら誰でも内包しているもの2025年2月13日とても正気の沙汰とは思えない残酷な処刑がなされたり、街中なのに戦場の如く隣人と殺し合ったり、かなり残酷なシーンが最高レベルの画力で描写されているので、受け付けない方が読んだらトラウマになるのではないかと思います。ただ、私にとってはグロイ描写よりも、この作品に描かれている人間の闇の部分の方がよっぽど目を背けたくなりました。現代の日本に生まれ育った私には、人間がここまで醜悪で愚かな行いをするなんて想像できないけれど、私だって同じ時代に同じように育てば、似たような行動をしていたのだろうと思います。そう思うと、誰かが自分を攻撃してきても、その人の言動は成るべくしてなっただけで、その人の中の無垢で純粋な魂があるのだと思える気がしました。そうやって一人一人の心が平和になれば、世界もいずれ平和になるんだと思いました。なんとなく希望が感じられない世界情勢でも、フランス革命の地獄のような状況から現代を見れば随分人間も成長したように思えます。物語の中でも、演出として時々現代の描写が出てくるのですが、作者様もそんな気持ちで未来に希望を感じて描かれたのかなと思いました。
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ただただ圧倒される2025年2月13日絵が、絵が~!!なんかもう上手いを通り越して生身の人間がそこに居るかのようです。飛び散る血も臓物も、目を背けたくなる描写でも、あまりの美しさに無になって凝視してしまう自分がいました。どうやって描いていらっしゃるのか、一部始終を情熱大陸とかでドキュメンタリーにして欲しいです。数えきれないほどの貴族達が集まるシーンでも一人一人違うデザインのドレスや装飾品を身に付けているし、背景や小道具まで徹底的に描き込まれていて、想像を絶する仕事量だったのではと思いました。
一読目は絵に圧倒され過ぎて内容が入って来ませんでしたが、再読を重ねるごとにストーリー自体にズブズブとハマっていきました。本当に奥の深い物語です。イノサンは兄のシャルル、イノサン Rougeは妹のマリージョセフが主体ですが、全体として兄妹のダブル主演でフランス激動の時代をサンソン家の視点から描いている感じです。ストーリーの感想はRougeの方のレビューに書こうと思います。もっとみる▼いいね
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いろいろ振り切れてる漫画2025年2月4日一般的な少女漫画の高校生モノとはちょっと違って、イベントとかはちゃんと定石を踏んでいるんだけど、転がる先が斜め上の方向なので、毎度意表をつかれました。
正直言って主人公の2人は理解しがたく感情移入や共感はしづらかったけれど、その分展開が予想できなくて意外な行動に出る2人が見ていて楽しかったです。ラストも高校生モノでここまで到達するカップルは珍しいので、そんなところも2人らしいなと思いました。
日下部君は闇が深すぎて、いろはは天然が過ぎて、二人がイチャコラしていても全くキュンキュンしませんでしたが、とにかくずっと笑わせてもらえたので、個人的にはこの作品をラブコメというよりコメディとして認識しています。
主人公2人がいろいろ振り切れているキャラなのに、更に脇役達まで輪をかけてあらぬ方向に振り切れていて癖が強かったです。みんなが集まるとカオス化しますが、崩壊はしないという絶妙な匙加減も良かったです。
王道にときめくのも好きだけれど、たまにはこういう少女漫画も面白いなと思いました。もっとみる▼いいね
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3巻読めて幸せ~2024年12月31日山中梅鉢先生が別名義でBL描いていらっしゃると知り、シーモア島で質問したら、親切な方々が見多ほむろ先生だと教えて下さり、オススメはこの作品だとのことで買ってみたら大当り!あの時答えて下さった皆様に感謝です。他の作品も読ませて頂きましたが、ほぼハズレ無し。大好きな作家さんの一人です。先生の作品はどれも好きで甲乙つけがたいですが、やっぱりこの作品が一番好きかな。まさに私の好みドンピシャな受けで「こういうのが読みたかったんだよ~」と悶えました。攻めの中年っぽさも性癖をくすぐられます。主人公が立場上、割としんどい思いをするので少しヤキモキしますが、それも恋愛の良いスパイスとなる感じで読後は大満足!買った当初はエンドレスループに陥るほどハマりました。
2巻発売から随分経ち、3巻はもう出ないかなと諦めていたところに新刊通知を見た時は思わず驚きと喜びで声が漏れました。しかもまだ続くっぽいので、すんっごく嬉しいです!方言なのも良いし、お仕事の方にも比重を置いて話が構成されているのも良いです。仕事に情熱を注ぐ男は見ていてカッコイイ!続刊が楽しみです。もっとみる▼ -
Happy Birthday ちとせくん【電子限定描き下ろし付き】
作者買いです2024年12月31日どう言葉にしたら良いのか、自分の表現力の無さが恨めしい!もうとにかく良かった!全てが最高でした。上野先生の作品は初めてレビューしますが、いくつか読ませて頂いており、毎度良い意味で裏切られ、読後はパズルのピースがピタッと全部ハマって完成した時のような爽快感を味わえます。作品を構成する全てに無駄なものが一つも無い感じ。本当に凄いと思います。過去作は、淡々と心を抉ってくるお話が多かった印象ですが、今作は高校のエピソードを20歳の誕生日に思い出す主人公のお話だったので、ヒリヒリ感や痛々しさよりも未知数な可能性や前に進むエネルギーを感じて、ワクワクや希望の方が勝りました。あと話の筋とは関係ないですが、上野先生の少し癖のある絵柄が、癖を残したまま洗練されてきた感じがしました。私は癖のある絵柄が好きなので、癖を残したままなところが嬉しかったです。
初読み時はネタバレ無しで読む方が楽しめると思いますが、結末を知った上でも何度も読み返したくなる味わい深い作品だと思います。私もこれから何度も読み返すと思います。もっとみる▼ -
14巻まで読了2024年8月20日このお話に出てくる登場人物達は、自分の欲求に忠実で自己中な人が多いので、常に誰かしらがバトルを繰り広げており、暑苦しいんだけどエネルギーのぶつかり合う様は見ていて爽快です。実生活では抑えないと社会で上手くやっていけないからコントロールしているけれど、本当は思い切り言いたいことぶちまけられたらいいのにって思っている人にうってつけの作品だと思います。私は演劇に興味がないのですが、そんな私でも舞台見に行ってみようかなという気持ちにさせるスゴイ演劇漫画です。
兄の御幸も狂ってる感じが最高で大好きなキャラなのですが、私は主人公の方に更に魅力を感じました。普通なら他人に知られたくないような剥き出しの欲望を堂々とぶつけてくるところが痛々しいの通り越して尊敬してしまいました。私なんて自分のそんな欲望を直視すらできていない気がします。
兄弟のバトルの勝敗の行方や、元の世界に帰れるのかという問題がどうなるのかラストまで目が離せないです!もっとみる▼ -
ヤンデレ魔法使いは石像の乙女しか愛せない 魔女は愛弟子の熱い口づけでとける
めっちゃ良かった!2024年8月14日コミカライズを試し読みして面白かったので、原作を読みたくて購入しました。アリスのララに対する想いの深さは常軌を逸しているようにも見えますが、彼が歩いてきた人生を思えば、ララだけに執着するのも当たり前のように感じました。例え自分が生きている間にララが目覚めなくても、彼女が夢見た世界を作って目覚めたときに喜んでもらいたい、弟子の功績を知ったら誇らしく思ってくれるかもしれない。それを生きる希望に20年生きてきたなんてっ!ここの下りは泣きました。ララのアリスへの想いも恋愛ではなくてもとても深くて、それが基盤になっているからか、ただの恋愛を描いたTL小説と違い、Hばかりに意識が持っていかれず、全体で大きな愛の物語という感じがありました。とても読みやすい文章で、無駄なところもなく、かといって説明不足で迷子になることもなく、ストレスフリー。凄く良かったので、二人の子供が主人公のも読むつもりです。もっとみる▼ -
人間ここまで変わるものなのかネタバレ2024年7月8日このレビューはネタバレを含みます▼ 冒頭の大利根君のあり得ない言動の数々に主人公と一緒にドン引きし、正直こんなヒーローの物語読んでも面白くなさそうって思っちゃったんですが、なんとなく続きが気になって読み進めたら意外にも最後まで楽しませてもらえました。大利根君の頑なな部分が鈴原さんと付き合うことで柔らかくなっていって次第に言動がまともになり、終盤は同一人物と思えないくらい良い男になっていました。ヒロインの鈴原さんも大利根君と付き合うことで良い方向に大きく成長して、二人の愛の育み方が素敵だなぁと思いました。後半は成長した二人で問題を乗り越えていく感じだったので、特に読み応えがありました。毎回同じようなHなのでTLとしては物足りなさもありますが、エロ以外の要素で読ませてくる、どちらかと言えば女性漫画カテゴリに分類しても良さそうなお話でした。
当て馬の部長さんの番外編も面白かったです。酔っ払って寝ているところを何度も襲われてるのに気付かない男性なんて有り得るのか?とも思いましたが、女性側が襲われるのはTLに良くありますけど、男性バージョンは初めてだったので新鮮でした。