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今月(10月1日~10月31日)
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読みやすく面白いネタバレ2025年9月27日このレビューはネタバレを含みます▼ こんなに読み口が軽くてきゅん可愛くて楽しい気持ちで読めるのに、しっかり切なさも感じられるのは本当にすごい。秋月さんの朗らかな純粋さは見ていて気持ちいいし尊敬するし、こういうところが早瀬さんは好きなんだろうなと思います。でもだからこそ感じやすくて弱りやすいところが、優しすぎて愛おしい。秋月さんは人間モテするタイプっぽそうです。あんなの誰だって好きになっちゃう。
この作品、買ってから一日に一回読んでいるくらい、読みやすくて面白くて大好きです。読ませるテンポ感がある漫画だなと思います。魅せる場面と抜く場面のバランスがすごく好き。鷹先生の作品の魅力にハマってきています…。いいね
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ハアハアハアハア(可愛すぎて息切れ)ネタバレ2025年9月22日このレビューはネタバレを含みます▼ 読んでいる間ずっとギョエ~!とかビョワ~!とか意味のない言葉を発し続けてしまうくらい萌え・ときめき・可愛すぎ発作注意。恋愛ものってパターンがあるわけですやん、語り部が爆裂猛烈恋してるぜ!って時ハピエンに向かうとしたら、それが片恋なのか両片思いなのかでルート分岐して、片恋の場合は作中で相手に振り向いてもらえるまでを描く。両片思いの場合はお互いすれ違ったりもどかしい恋をしている様子が描かれる。別の恋に移行するのであれば、第三の人物が登場しそちらと物語が広がるわけです。他にもパターンは色々あるんですが、恋愛ものを読み慣れてくると序盤でどのパターンなのかというのが分かるようになってきます。多分作者の方も、パターンを選びたい読者の方のために分かりやすく描いてくださっているんだろうと思います。全部好きなんですが強いて言うなら野次を飛ばしながら見る両片思いがアツいぜ!派なので、この作品は最後までッカア〜ったくよォ〜!と言いながら読めたのが本当に楽しかったです。正直終盤までちょっとパターン判定が分からないところがあったのでハラハラしつつも、この作風なら安全だろうと思わせてくれる安心感があり、もちろん番外編まで満面の笑みで読み切りました。
お互い相手にしか見せない弱さや甘さや隙があって、それに惹かれちゃってんのって…恋やん…。彗太さんが龍次郎さんにときめいている時、かわいい、という言葉が多かったのが印象的でした。その無防備さを可愛いと思えるのは、恋だ…。その様子が可愛くてこちらもときめいてしまう。作中で彗太さんは、龍次郎さん以外の人にもドキドキはしている様子が伺えるのですが、リラックスした状態で相手に愛おしさを感じているのは龍次郎さん相手にだけで、それは諦められないだろうな、と思いました。龍次郎さんの、人生勝ち組みたいな雰囲気から繰り出される意外な幼さやヘタレさもギャップ萌えで、ああこういうところが彗太さんは好きなのかも、と思わされるのも説得力がある。
好みの話なのですが、絵柄がかなり好きで。受けも攻めもどちらもしっかり骨太で精悍な男性であることが伺える体つきなのがかっこよくて好きです。首も顔も体も手も足も鼻も全部太すぎず細すぎずちょうどいい。線も、ちょっと無骨なガサガサっぽい線で描かれた体がめっちゃかっこいい!個人的なフェチでした。いいね
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delicious graciasネタバレ2025年9月7日このレビューはネタバレを含みます▼ 生身の人間っぽい臆病さや勘違いがお二方ともにあって、そこが本当にリアルな恋愛っぽくてときめきました。もちろん、複雑な問題や鬱屈とした感情を振り切る、強くて思い切りのいいキャラクターも大好きなのですが、猪田さんや萩田さんのような、一言発することに悩んで、一歩踏み込むことに苦しむような、優しい思慮深さも素敵だと思います。感覚的には、前者はBL漫画の王道的な属性で言うなら、何でも要領よくこなせる陽キャ系わんこ攻め。この味付けはシンプルでいい、誰もが大好きな高い肉に塩胡椒を振って焼くだけの大味さが美味いんです。対する後者を例えるなら、人生の酸いも甘いも吸って内面と外面が複雑に仕上がった苦労人受け。これは下拵えにものすごく時間をかけ多種多様なスパイスを調合し味付けも段階を踏む。手間暇をかけた分、一口噛む毎に複雑な旨みが口いっぱいに広がり、飽きを感じさせません。何の話をしているんだ?
王道で昔から変わらない安心安定大味な作品は万人に分かりやすくウケがいいのでメディア露出も多く、自分のようなBLに疎い人間でもタイトルを目にする機会が多かったりするのですが、自分が何回も読み返したいと思うのは、複雑で繊細でちょっと面倒くさくて格好悪いけど最後の後味は優しくて甘口、みたいなやつです。猪田さんが可愛すぎてデレ観測時読者の自分IQ3になってしまう。んですが萩田さんももちろん可愛くて、周りからの色眼鏡とは裏腹に萩田さんの内面は難しくて慎重で弱いところだってしっかりある。ああ〜っこれこれ…幾田むぎ先生の作品は、前作を読ませてもらっただけで、全てを網羅しているわけではないのですが、前作もかなり読み返させていただいており、旨みの重なりを感じるなと思っていたんです。日本食なんですよ。何の話をしているんだ??
まだ本作をお読みになっていない方、がこのレビューを読むわけはないのですが、とりあえず買って猪田さんの笑顔を拝めるところまで読んでください。一日の疲れが吹き飛びます。いいね
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人間の線引きネタバレ2025年8月6日このレビューはネタバレを含みます▼ この純愛に泣いてしまいます。自分には、人を真似て、人と同じ情を獲得して、人と同じように未来に希望を見出し、相手との間に営みを育む生き物を、人間と呼ばないことはできません。心を持った生き物はそれだけで、誰かの幸せを祝福できるし、己の過ちを悔いることができてしまう。
言葉が下手なんですが、あまりにも人間の話だったな、と思って感動しました。禄斗さんなんて、人間より人間だと思います(?)。心が社会性を獲得しすぎている。日本は法治国家なので、人が罪を犯してはいけないのとか、法を守らなきゃいけないのは社会のためで、ひいてはその社会に守られている自分のためでもあるけど、帰属が人じゃない種族の生き物にその意識は必要ない。この作品に登場する寄生生物にとっては、人一人なんてこの地球上に数多存在するたった一人に過ぎない。寄生先はもしかしたら人じゃなくてもいいのかもしれないし。だとしたら禄斗さんが最後あの選択をしたのは、あまりにも人間に染まりすぎている。というより、影響先である七海さんに染まりすぎているのかも。そう考えると、禄斗さんは社会性故の倫理観で人が食べられなくなったというより、七海さんがちゃんと持っていた倫理観を写して、その選択に至ったのかな。何よりあの愛の重さも七海さんから写したものだろうし、そう考えると最後二人で落ちた先で一人になってしまったのは皮肉ですね。書いてるうちによく分からなくなってきてしまいました。七海さんの思念が強すぎたのかな。そして二人で過ごすうちに、本当に愛されるうちに、禄斗さんの愛も自立してしまったのかも。七海さんに寄り添いたいと願ってしまったのかも。もう何も分からないですけど。
禄斗さんの人間性の確立も良かったですし、故に映える七海さんの歪みがかなり好きでした。相手が死んで骨が手に入ってやっと自分だけのものになる、みたいな話を見たことがありますが、七海さんはそうして彼を手に入れることすらできなかった。その渇望していた心の隙間を禄斗さんが埋めてくれたら、依存も何でもしてしまう。自分は、情緒は勝手に育つわけじゃなくて、人の中にいて誰かから見たりもらったりして育つものだと思うので、故に禄斗さんは人間だったな派なのですが、七海さんも人間らしい方だったと思います。不完全さが人間らしさに直結している人でした。
タイトルが、ろくとなな、になってるのもいいですね。 -
可愛くてかっこいい二人ネタバレ2025年8月6日このレビューはネタバレを含みます▼ 分かりやすい両片思いのお話で、じれもだきゅん面白かったです!お二人共とても一途で、だからこそ失敗が怖くてあと一歩が難しくて…。でもその期間があったからこそ、ちゃんとピュアなデートを重ねたからこそ、お互いに気持ちを再確認できたし、思いが強まったのだと思います。全部遠回りなんかじゃなくて、二人の積み重ねだったのが、ドラマチックで感動しました。相澤さんも武藤さんも、成人済みだしきっと色々経験なされているんだと思いますが、相手に対する恋の根っこが純なので、安心して見られるし、少女漫画のようなときめきも感じられました。起承転結もしっかりしていて漫画としても飽きることなく面白いし、二人とも頑張ってて可愛いしかっこいい。読後感大満足でした。
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複雑で可愛い二人ネタバレ2025年7月13日このレビューはネタバレを含みます▼ 一言で言い表せないような紆余曲折をする二人のお話でした。お互い臆病で素直に言えなくて、探り合って駆け引きをして、もどかしくて不安になっている。読者からすると明らかにお互いに好意があることは分かるわけですから、何故こんなに拗れているのか、読み進めるごとに分からなくなっていくんですよね…。本編はほとんど林さん視点で進むので、物語内での林さんの行動や思考の真意は、分かります。ただ、吉鷹さんの真意が、上巻だけだと結構謎。林さんからは見聞きできないシーンが読者には開示されるので、吉鷹さんから林さんへの好意があることは伝わるのですが、過去シーンなどでの、それがどういう段階を踏んだ上での結果なのかが後々にならないと明かされないので、長らくもやもやしたまま読み進めることになりました。何度か読み、整理した上での吉鷹さんの感想は、めんどくせ〜〜〜やつ!です。林さんを見つめる時の執着顔怖すぎだし。目が深淵なんですよ。でもこういう、面倒くさくて危うい人間の放つ色香に惹かれたり、その面倒さが愛しく思えたり、逆にあどけない面を見せられて胸を打たれたりする気持ちも分かるので、何とも言えないです。林さんもちゃんと面倒くさい寄りの人なのですが、経験を積んで大人な分、吉鷹さんよりは分別があるように見えます。これからはお互い素直に言葉にし合って、歩み寄り合って生きていけるといいと思います。こき下ろしたような書き方をしてしまいましたが、作品自体はすごく良かったです!この難しい二人を御しながら話を進めるのもすごいし、何より魅せる構図が上手かった印象があります。面倒くさくて可愛い、複雑な二人のお話でした。
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先生の癖の原液を感じますネタバレ2025年7月13日このレビューはネタバレを含みます▼ 先生の新作読み切りが出ていたので、ついでに久しぶりに読み返したのですが、当時から変わらず凄まじい画力と発想と勢い。ニンギヤウ先生の作風の特徴は、エネルギー値の高いシリアス展開とコミカル展開による鬼整いの発生だと思っています。スクゾも、読んでいると結構疲れますが、読み終えた後に充足感があります。疲れるのは、自分が軟弱者故に、この詰め込まれ感に振り回されているだけかもしれませんが、やっぱり読んでいると楽しいです。面白くてやめられない。続きが出ないのが本当に惜しい。あとやっぱり、油断していたら突然激重感情で頭をぶん殴られる感覚が癖になります。
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紐解くネタバレ2025年7月12日このレビューはネタバレを含みます▼ 二人の関係の進み方というか、相手をどうやって大切にするか、みたいな繊細な部分の作りがすごく丁寧な作品だなと思いました。凌さんの、陽依さんを大切にしたい、という気持ちが、真っ直ぐずっと伝わって、陽依さんが凌さんをどんどん好きになっていく。この、シンプルだからこそごまかしのきかないストーリーラインがこんなにぶっ刺さるのは、心情や場面描写が丁寧だからかな〜と。
王道の恋愛ものの正解な気はします。真摯なアプローチが功を奏するというか、正しい方向の努力が報われる、みたいな。本当に凌さんすごい人です、憧れます。読んでいて、陽依さんも凌さんもすごい人だ、素晴らしい方だなと思ったのですが、凌さんは闇堕ち人間も救えそうな光を感じます。 -
性癖大暴れネタバレ2025年7月9日このレビューはネタバレを含みます▼ ツッコミどころは多いですが、所々作者様のパッションが伝わるのが良かったです。溺愛執着攻めと無自覚天然受け、受けの体つき、数々の執着を感じさせるエピソード、受けの光エピソード、等々。好きな物、見せたい場面、とにかく癖が詰まっていて元気をもらえる作品でした。こまけぇこたぁいいからこれを見ろ!みたいな熱が良すぎて、度々拍手しながら読んでました。
自分はツイッターで、この作品のエンド後漫画を拝見して、この作品を購入させていただいたのですが、う〜〜〜〜〜〜〜〜んフェチだねぇ……………。ツイッター漫画でも感じていたフェチズムが本編にも表れており、大変感謝。むちむちは正義だし、毛なんてあればあるだけいいですからね。乳首もでかい方が助かるし、でけぇ体にプリティーフェイスのギャップは春はあけぼのと同意語とされていますから。すみませんこれ全部千波さんへのセクハラです、自分がやりました(自首) -
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流されない強さで愛を叫んでいけネタバレ2025年7月7日このレビューはネタバレを含みます▼ 本能の欲求に流されるわけじゃなく、自分の意思で相手を好きだと叫びたいやつ、好きです。恋の証明をしたい、そういう誠実さに胸を打たれます。
いきなり性癖語りなんですが、普段は飄々とした出で立ちで掴みどころのない人の、余裕のない切羽詰まった姿が大好きで!!!咲さんは、本作中は対泉さんのシーンが多いので、あまりそのギャップが見られることはないけれど。会社でのしごでき隙なし姿、過去回想学生時代の猫のように気まぐれで自由な姿、それらと!今現在泉さんと再会してからの、経験したことのない感情、快楽に焦り戸惑い身を委ねていく姿とのギャップ…!堪らん!可愛い!咲さん、自分の第二性のコントロールを除けば、自立しているし、どちらかと言えばスパダリ気質だと思うのですが、それを上回る世話焼きな泉さんのために身を任せているのが、とても素晴らしい。愛だなと思います。
冒頭でも言った通り、誠実な人が好きなのですが、泉さんの生真面目さが本当に素敵で泣きそうになりました。咲さんは噛んでほしい、泉さんも噛みたい、一見需要と供給が一致しているのだから何も問題なさそうに思えるこの要求を、跳ね除けられる理性の強さ。思考停止を相手にも自分にも許さない、この一種の我の強さは、過去の出来事からの学びであったとしても、貫ける覚悟と勇気は生半可なものではないと思います。泉さんは本当にかっこいい人です。こんなかっこいい泉さんと可愛い咲さんのカップリング、この世に生み出してくださったこと、感謝の念に絶えません。冬至冬先生ありがとう。 -
溺愛激甘特大相思相愛両思感謝感激永遠愛ネタバレ2025年7月7日このレビューはネタバレを含みます▼ 疲れた時、悲しい時、苦しい時、甘いものが食べたくなったらこれを読んでください。全てが解決します。胸焼けするかと思うほど砂糖成分過多なのに、また読みたくなる魅力が詰まっていて最高です。
タイトル通り、大好き同士がしたいコトを、二人が段階を踏んで叶えていくお話です。作中の主役二人は幼なじみで、既に付き合っています。攻めの高夜浩幸、ひろさんは、翔太さんのことが大好きで、翔太さん以外眼中にない溺愛彼氏。翔太さんと家族以外には塩対応で、世界が翔太さんを中心に回っているタイプです。受けの朝比奈翔太さんは、ひろさんのことが大好きで、愛情表現が素直な天真爛漫わんこタイプ。実はスキンシップ欲が強めで、イチャイチャ方面に関しての「したいコト」については翔太さんのお陰でステップが進んでいきます。
基本的に、主役の二人以外にネームドキャラはおらず、二人のステップアップをメインに物語は進んでいきます。ピュアだった二人の関係性が進んだかと思えば、立ち塞がるのは進路の壁。学生である二人の周りの同級生、先輩、家族、先生、アシストキャラの皆さんいい人ばっかり、優しい世界です。この作品、イチャイチャターンも素晴らしく大好きなのですが、進路のお話も真面目にいい話で、読んでいて泣きそうになります。
読んでいる時に一切のストレスを感じず、栄養を摂取できるので、心が弱った時のケーキみたいな感覚で読んでいます。糖分最高。でも正直読み終えた後いつも、ここまで描いてくださったなら、もう挙式とか墓場まで描きません!?と思ってしまいます。ともあれ、二人が幸せならオッケーです。いいね
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疲労に効く可愛さネタバレ2025年6月30日このレビューはネタバレを含みます▼ と〜ても可愛い二人のお話でした。それぞれ悩んだり行き詰まったり空回ったり、何もかも上手くいくような恋愛のお話ではないのですが、全編通して独特の和やかな雰囲気があって、安心して読める感じがありました。本田さんのタフでポジティブな性格や、葉月さんの癒し系な穏やかな性格のおかげかもしれません。
個人的に、葉月さんが本当に可愛くて、本田さんと一緒にとてもきゅんきゅんしてしまいました。無垢なタイプかと思えば意外と大人で、達観しているかと思えば素直で懐っこくて、可愛い!属性として一言で説明しにくいけれど、裏表のない方なので、読んでいて理解しにくいということはなかったです。なんでこんないい子に酷いことができるんだよ元彼さん方〜。本田さんも結構真っ直ぐで裏表のないタイプの方かなと思うので、これからは二人で真っ直ぐ愛し合えるといいなと思います。いいね
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寒い冬の温かいお話ネタバレ2025年6月21日このレビューはネタバレを含みます▼ 読み終えた後思わず、うわあ〜っと感嘆の声を上げました。読み進めるほどに、読者の自分も、雪がとけないでほしい、と願ってしまうくらいにはいいお話でした。一日ごと、季節が進むごとに、二人の関係も一歩ずつ進んでいき、相手に見せる表情、相手に向ける感情も変化していく。けれど春がきたら終わってしまう、飛び立ってしまう。春樹さんにとっては、雪の降る冬の季節は複雑なものなのに、それがどんどん名残惜しいものに変わっていくのを感じるのが、切なくも愛おしい描写でした。成美さんの情の深さも、それに付随する寂しさも、優しいからこそ胸が苦しくなります。だからこそ、二人が思いを結ぶことができて、繋がることができて、最後は万感の思いです。自分が、物語の全体を通して優しく感じられたのは、主役のお二人の人柄を感じられるような、温かい関係の登場人物で彩られていたからかなと思います。本当に良かった、それしか出てこない。
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何度読み返しても飽きないネタバレ2025年6月15日このレビューはネタバレを含みます▼ 笑えて、ときめけて、癒される、最高のラブコメBLです。海老坂さんと猪野さん、主役の二人は会社の同僚で親友。だけど猪野さんは海老坂さんをずっと密かに好きで、実は海老坂さんは猪野さんの思いに気づいている。からの、猪野さんの健気な様子に徐々に惹かれていく海老坂さん。ここがすごく好きでした。後追いで思いが追いついていくところの、気づいてしまったら止められない感。海老坂さんにブレーキをかけるつもりがないから、どんどん好意が加速していく。猪野さんは恐らく逆に、今までブレーキをかけ続けてきたから、それが解き放たれた時のシーンは少し泣きそうになりました。
この作品は、今の関係を壊したくないから、自分の恋心を隠す、という鉄板の片恋話として始まるのですが、猪野さんが結構思い切りがよく行動的な性格であるおかげか、鬱屈した雰囲気はあまりないです。対する海老坂さんも湿っぽさがないタイプなので、とにかく全体を通して読みやすい。でも、たださらっとしているだけじゃなく、随所随所でくすりと笑えるシーンもあるおかげで、ただ読み流してしまうだけの作品になっていない。読んでいてテンポが気持ちいいな、と感じました。すごく楽しい作品でした。いいね
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大大大大大両思い♡ネタバレ2025年6月14日このレビューはネタバレを含みます▼ すっっ……ごくきゅんきゅんしました!紫苑さんも幸佑さんも、お互いのことが大好き全開で、愛情表現がとっても素直でめちゃくちゃ可愛い!後半、好きすぎるが故に拗らせた二人の過去の精算の展開があり、そこだけはイチャが減りますが、それ以外はずっと糖度の高い溺愛同士を拝むことができます。こんなに真っ直ぐてらいなく可愛いが拝めるカップル、保護したい。比谷先生の描かれる作品は、とにかく相手への愛情に溢れているのが伝わってくる描写がたくさんで、読んでいて幸せのおすそ分けをもらっている気持ちになれます。大好き。いいね
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浮き沈み生きてる〜ネタバレ2025年6月14日このレビューはネタバレを含みます▼ 一気読みした時は面白すぎてウワーッオモシレーッて感じだったのですが、落ち着いて読み返してみると、登場人物それぞれの寂しさや虚しさが見えてきて、二度面白かったです。コメディチックなアッパー雰囲気と、シリアスチックなダウナー雰囲気が混じった、不思議な読み心地の作品だなと思います。その体現が綾生さんと怜さんで、その面を融解させるような抱き込むような愛さんが入り交じって、整う読み心地でした。
最初は綾生さんのターンでトバした展開になっているので、愛さんと読者はそれに振り回される形ででも目が離せない、オムファタールの魅力に取り憑かれていくのですが、怜さんを知る回で浮いていた心が沈んでいき、その先で触れた底の切なさと愛おしさに魅了される感じで読みました。上手く言えないのですが、サンドイッチ3Pが本当に好きでえ…。通念破壊、気持ちいい〜 -
拗らせ両片思いネタバレ2025年6月8日このレビューはネタバレを含みます▼ 人を思うこと、思われることの怖さを知っている人が、人を思う気持ちは、強く誠実なものだと感じます。思い続けることの大変さとか、環境や気持ちの問題、それらに起因する失う恐怖。それに打ち勝ち信じ続けられる人だけが、自分と相手の未来を選びとることができる。
感情や思いの丈の擦り合わせ、互いに求めるものの共有の難しさを常日頃感じます。正確に言えばそれらが他の誰かと完全に一致することはありえないのですが、それでも相互理解をしようと努力を続けられる人の勇敢さが報われる話が好きです。正直、現代社会でそれを出会う人全員にやっていたら狂ってしまうし、成長してくると日常生活でリソースを他人に割くことの難しさが分かってきてしまうので、誰に対しても程よく諦めている、というのは、人あたりがいいという属性の要素の一つかなと思います。
翔平さんは、思いを自覚するのが早かった分、大人になるのも早かったのかな。元々人との交流が好きというのも成長を早めたと思いますが、だからこそ岳さんへの思いが諦めきれず割り切れないままここまで来てしまった、というような拗らせの面が映える。拗らせは幼さだし。でも片恋も拗らせも、要因は岳さんが片棒担いでるというのも可愛い。
岳さんが、翔平さんと対になるクソガキで良かったです。翔平さんに依存していて、自分と向き合わないからずっと幼いままで、だから価値観が偏っていることに気づかない。作中で、岳さんが変わろうとするのは翔平さんのためですが、その際にどうするべきかのヒントをくれるのは翔平さん以外の人なんですよね。最初から翔平さんも岳さんに依存していて取りられた二人の世界なら変化の必要はなかったのですが、翔平さんはそうではない。だから、自分の気持ちに恋と名付けて蓋をしているけど恋という情を知っている翔平さんと、恋情を知らない(見て見ぬふりをしていた)岳さんの間ですれ違いが起きる。岳さんは翔平さんと同じように、二人以外の人と話して、翔平さんのいる世界を知って価値観を擦り合わせる必要があった。彼に必要だったのは知ることで、渇望に名前をつけるだけだったのか、と気づいた時に一気に萌えに襲われました。拗らせ両片思い、この世で一番愛おしい!
人の思いの大切さと怖さを同時に知っている岳さんの、今後の強さに乞うご期待。こういう、成長の伸び代がある人の可能性、未来が開かれている感じがしてわくわくしますいいね
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なんでもありネタバレ2025年6月2日このレビューはネタバレを含みます▼ やっぱり面白いな〜。ジャンルとしてのBLってそもそもボーイズラブなわけで、作品としては恋愛もののストーリーラインになるのはそりゃそうだし納得なんですが、この作品はそれだけじゃなくて、愛だの恋だの名前が付けられない情も乗った関係性が描かれているのが、読んでいて趣深いです。
全編最低最悪で最高。実家帰るお話はのほほん可愛いかと思いきや最低ドン引き(最高)だし。4話5話の間のお話はかなり刺さりました。本編を読んでいて、麻也さんのことがもっと知りたいなと思っていたので、読めてよかった。ここで垣間見えた圭吾さんへの違和感が、深淵をのぞく、に表れているというか、繋がっている気がして読んでいて楽しかったです。オムファタールかよ。五十嵐さんと麻也さんで穏やかなシーンは中々なかったので、和みました。攻め女装いいですよね!!!!!!!!!!
裏表紙、?と思ったんですが、他の方のレビュー見て納得しました。教えてくださり感謝。 -
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ダイナマイトボディ男体感謝ネタバレ2025年6月2日このレビューはネタバレを含みます▼ 受けの怜さんの様子がとにかくおかしいコメディノリでするっと読めて、しかも爆愛一直線で健気可愛い。明るいハッピーエンドで終わりますが、迅さんも怜さんも結構暗めの過去もありシリアスもあり、山あり谷ありなので展開に飽きることもないです。読んでいて楽しい。
個人的に、相手へのラブがバカデカすぎて面白いことになっちゃってる人が大好きなので、怜さんのトンチキアプローチ全部好きでした。付き合ってからもやっててほしいけど、迅さんからのラブを受け止めるので精一杯かな。そういうところも面白可愛い。あとやっぱり、何事にも動じなさそうないつも余裕のある人の、切羽詰まって必死な姿ってのは、ギャップ萌えですね。お二方ともそういう面があってとてもいい。今は怜さんがいっぱいいっぱいだけど、迅さんが押されてあせあせしているところももっと見たかった。 -
足りなさに共感して感動するネタバレ2025年6月1日このレビューはネタバレを含みます▼ 本作の中に、盤内さんのモノローグで、「好きとは」から始まる一文があるのですが、それがすごくしっくりくる言葉で語られていたのが印象的でした。それは、自分の中にもしっくりくるという意味でもあり、盤内さんがこれまでを経てきてこの感覚を得たことへの納得でもあります。これを盤内さんに、この場面で悟らせて語らせるという流れが、盤内さんにとっての本作でのアンサーだと思うので、心に残ったシーンの一つです。汐海さんにとってのアンサーは、俺お前のこと〜のシーンだと思います。あそこ普通に泣きました。
こちらの作品は、足りないふたりがそれぞれお互いに探し物をしたり、悩んだり向き合ったりして、それぞれのやり方で進んでいく物語です。突然ですが、商業BLというジャンルにおける個人的な感想を少し語ります。恋愛もの、特に商業BLというジャンルでは、結構属性分けが重要な気がしています。年下攻めとかアイドル受けとか、最初に帯や表紙やあらすじやタイトルに分かりやすく明記されていたり、それに準ずる内容が記されていて、読者はその事前に分かる属性情報の中から取捨選択をして、自分に向いていそうな作品を探す傾向があるのかなと考えています。足りないふたり、は帯のところにそういう説明的な文言が並んではいるのですが、正直この作品の売りはそれの先にあるな、と思いました。確かに文言自体は説明として正しくて、これで選んで読む方もたくさんいると思うんですが、そうじゃない方も絶対読むべきです(過激派信者)。なんか、この二人の可愛さってそういう問題じゃない。本人ですら気づいていなかった、探してやっと見つけたピースに魅力が詰まっていて、こちらはただの読者なのに読んでよかった〜!となる感覚を得させてくれるのが、ストーリーテラーとしてすごすぎますkanipan先生。こんだけ長々書いて何が言いたかったかって、盤内さんは溺愛攻めだし、汐海さんは可愛すぎて気が狂うので気を付けてくださいってことです。帯とか説明文とか序盤じゃ分かんないよこんなの。どうせならときめき爆弾が埋まっています、くらい書いておいてくれても間違いではないですよ。
ときめきすぎて本気の悲鳴が出たシーンをあげます。汐海さんがお風呂上がりで柔らかい髪を盤内さんに預けるシーン。二人とも徐々に箍が外れていく初夜への流れのシーン。絞ろうと思ったけどここから全部きゅんきゅんすぎて絞れない… -
付き合ってないのに距離近いやつ萌えネタバレ2025年6月1日このレビューはネタバレを含みます▼ 付き合ってないけど距離が近い、そういう関係性が好きです。付き合ってないけどベタベタイチャイチャ、付き合ってないけど添い寝同衾、付き合ってないけど同居して夕飯の支度一緒にする。付き合ってないけど、の枕詞に萌えが凝縮されている。個人的に、今作のような、反りが合わなさそうな二人が何故か一緒にいる、みたいな状況にかなり可能性を見出しがちです。
くっついていてもいい、とお互いが思えるのって、相手への嫌悪がなくてある程度の許容がある場合だと思います。それが、くっつきたい、触れたい、になるのは、好意で欲で𝑲𝑰𝑺𝑺だと思います。奈桜さん…………………………………激かわ保護動物……………………………。天音さんマジですごい、こんな可愛い生き物に近距離攻撃食らい続けてたら、自分なら早々に理性ゲージ終わってます。物語の展開は結構ピュアで青春ものっぽくて、恋心の進み具合も王道な感じなのに、ずーっと距離が近いので、イチャイチャ萌え心は満たされるのがすごいです。ちょっと拗れる前までの序盤は本当に、付き合ってないけどベタベタイチャイチャ萌え摂取量が、常人の一日の基準値を超えています。泡吹いて倒れるかと思った。何気なくて好きなのは、体育の待ち時間で、奈桜さんが天音さんの腕を取って暇そうにしている時のカットです。可愛い本当に。付き合った後ならあれぎゅってしちゃうんだろうな。バックハグしてしまうんだろうな…。扉絵といい、体育時間のお話だいぶきゅんでした。
今作の個人的萌えポイント、二つ目に、身長差があります。前述した体育の待ち時間の時のカットも、身長差がかなり感じられてハッピーです。座っている時の二人も、如実に身長差が出ていて、小さい方の奈桜さんなんてもう子どもみたいに小さく見えて可愛い。あとそれにプラスして、奈桜さんの方が力持ちという設定も素敵でよかったです。可愛いだけじゃなくてちゃんと気が強くて、力も強いの、安心できます。可愛かった〜。 -
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内緒も秘密も自分の一部ネタバレ2025年5月31日このレビューはネタバレを含みます▼ 読み終えた後の多幸感!爆萌ハチャメチャときめき最高作品でした。拗れて内心が面倒なことになっている受けと、体当たりでぶつかってそれを解していく攻め。
弥彦さんの抱く「選ばれない」不安と焦燥感は、経験を積んできた人なら共感しやすい気持ちだと思います。誰しも選ばれるばかりの人生は歩めない。ありのままの自分は選ばれない代わりに、作り上げた作品は他人に評価されて求められる。身近な比較対象であるマリーと比べて、選ばれない自分のことは、誰がすくい上げてくれるのか。そうして消えそうになる自分を守るために、マリーを表にして、自身を裏に隠して、何を言っても言われても本当の弥彦さんには届かない、というような状況だったのだと思います。作中でも言われていたように、弥彦さんは難しく考えすぎだけど、それは弥彦さんが真面目だからなんですよね。踊ることが好きで、マリーのことも好きだから、マリーが愛されるようイメージ通り振舞っていた。でも弥彦さんはマリーも含めての弥彦さんで、全て弥彦さんが積み上げてきた努力の結晶です。秀正さんの気持ちが弥彦さんにやっと届いて受け入れられたシーンで、自分も一緒に涙が込み上げました。その場面に辿り着くのも、ちゃんと二人が喧嘩して向き合ったからで、全部無駄じゃなかったのが、報われている感じがして良かったです。
こちらの作品、思い出し萌えしてしまうシーンが何個もあります。詳細は省くのですが、本作品最後辺りの、素の自分をさらけ出せるようになって気の緩んだ弥彦さんと、気持ちが通じあって安心して余裕の出てきた秀正さんとのやり取りが、全て可愛い!もちろんそれまでの、少し頑張っている弥彦さんと、振り回されたりしている秀正さんとのやり取りも可愛くて好きなのですが、それを経ての両思いのラブい二人が、今までのギャップも相まって本当に愛い。きゅんきゅんします。
自語りですが、恋愛ものは、感情の解像度の細やかさが、作品自体で感じた面白さに直結するタイプです。なので、漫画だったら絵や話運び等は荒削りでもいいから、情感の描写ややり取りは、できる限り見たいなと思います。kanipan先生の筆致は、人間の感情の細部を拾い上げて描いてくださっている気がして、大好きです。それだけセンサーが敏感なのもすごいし、それを表現できるほどの聡明さに、毎度感動しています。本当に素晴らしい、尊敬している作家様です。 -
ヒーリング成長譚ネタバレ2025年5月18日このレビューはネタバレを含みます▼ 飄々としていて本音の掴みづらい方が、心に触れられて動揺している様が好きです。特に、自分から相手を振り回したり、相手に押しかける分には躊躇いがないのに、相手から来られたり予想していなかった反応を示された時に、自覚できない嬉しさで動揺している様にときめきます。
千紘さんの、余裕がないことを隠すような余裕のなさというか、自分の身の上を他人事として俯瞰しないと立っていられないような弱さが、痛々しくて読んでいて苦しかったです。思春期の学生で環境が複雑となると、こうならざるを得ないのかもという同情と、どうにもできない怒りが込み上げてきます。なので自分は由一さんの気持ちが分かるなと思いながら読みました。
最初の入りの辛さが染みているからこそ、千紘さんの中での恋が由一さんの形になっていくのが、見ていてすごく楽しい!最初は共依存じみた始まり方だったと思います。由一さんは、不安定で目を離したらいなくなりそうなほど、隠したがりで消極的な千紘さんが、自分にだけ弱みやエゴや執着を見せてくれる姿が、嬉しくて興奮する。庇護欲の昂りで性癖が壊れたみたいな感じかな。千紘さんも、不安定な自分を自覚していて、だから絶対の信頼が置ける由一さんに縋った形だった。その千紘さんが本当に安心して、求めてくれるようになったり、委ねてくれるようになる過程、可愛い…。そのために由一さんが考えて選択して成長する過程もちゃんと描かれていて、素敵です。始まりは、二人ともどこか頼りなく、幼いこともあって、ハラハラしながら見守る、というような読み心地だったのですが、最後まで読むともう親みたいな気持ちになります。
他に入っていた短編も最高で、日光浴びるよりこれ読んでた方がセロトニン出るんじゃないでしょうか。心臓のありかという短編が入っていて、その中に「だって愛嬌あるだろ 自分の弱点簡単に見せてしまうなんて」というモノローグの一文があるのですが、kanipan先生の描かれる登場人物から感じる可愛らしさは、これが一つの要因だなと自覚しました。表面の一枚下に潜む、自分が普段見せない面に、弱さや恥じらいを感じている人。それをただ一人に明け渡して、受け入れられることに喜びを感じる人。そういう人の愛嬌を可愛いなと思って読ませていただいています。 -
一目惚れわんさんネタバレ2025年5月14日このレビューはネタバレを含みます▼ 年下学生わんこ攻め×年上美人スパダリ受け。駆け引き的なやり取りはなく、素直にデートを重ねて距離を縮め、同居に至り更に距離を縮めたりすれ違ったり遠ざかったりして、最終的に雨降って地固まるエンド。王道の流れで読みやすかったです。わんこ攻めと美人受けという属性へのフェチ、執念を感じました✨
二人とも美形で才色兼備で、若手経営者と将来に悩む大学生、恋愛漫画でよく見るイケメン属性が多いので、よく言えばこれが好きな人は好き、悪く言えば目新しさがない、と感じる作品でした。主役のお二方の素直で誠実な性格もあり、内容的には分かりにくい所なく読めますし、悪役はちゃんと成敗されるし、絵も可愛らしくて見やすいので、マイナス点は本当にないです。全パラメータに秀でた優等生な作品。それが逆効果で、分かりやすすぎて目が滑りまくってしまったので、引っかかりがないとつまらないと感じてしまう人には不向きかも。
個人的に好きだったのは、スケベシーンで理性の溶けた目を、ハイライトのない呆けたような瞳で表現してくださっているのが、素敵だなと思いました。注目ポイントがキモくてすみません。 -
ネタバレ踏まずに読んでくださいネタバレ2025年5月4日このレビューはネタバレを含みます▼ 今このサイトのレビュー欄に、この作品の感想を書き残していなかったことに気がついて、驚いてデカ声出てしまいました。この作品がなければ、自分は商業BLというジャンルに偏見を持ったまま、漁ることなく人生を終えていたと断言できます。
最初に読み終えた時の衝撃を覚えています。この作品を何で知ったのかは覚えていないのですが、最後まで読み終えた時、あまりのすごさに泣きながらエエ!?!?!?と叫びました。愛おしいからもう一度というこちらの作品、一冊の中でもオチが段階的に用意されており、作者様のSNSでもその後が描かれていたりして、無限に衝撃と萌えを享受し続けることができるのですが、自分がビビったのはコミックス描き下ろしの最後です。要はこの一冊の一番最後の部分なのですが、一体何を食って何考えて生きてたらこんなものすごいオチが思いつくんだ!?と思って驚愕しました。ファンタジーデスループものとしても商業BL作品としても、描き下ろし前のオチで充分素晴らしいのに、その先を追求して誰も見たことの無い景色を見せてくれる。愛おしいからもう一度、のタイトル回収がもう終わったと思わせておいてからの、その先での二段構えのオチ。これは確かに、この二人のラブストーリーだからこその展開だと思いました。恐らく全部含めて最初から構想されていたのだと思いますし、自分がわりとループものが好きでその定石を知っていたからこそ陥った罠だということは分かっているのですが、分かっていて尚何度読んでも、何年経っても、作者様頭良〜ッと思います。
ループ展開に関して凄い凄いばっかり言っててその他の事柄についてあまり触れられてないのですが、すごくいいです、煮詰められた感情。正直ファンタジー展開がなかったとしても、このお二方の恋物語を応援して萌えていただろうなと思うくらいには、青春展開の方も好きでした。放っておいたらバームクーヘンエンドになりそうな訳ありカップリング、かなり好きです。だからこそファンタジー設定が付いていて、読んでいてある意味救われたし楽しかったというのもあります。本編だけでは本編で受けた傷が癒えない、という方は、特典漫画や作者様のSNSで公開されている漫画で暖をとってください。 -
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性癖ネタバレ2025年5月3日このレビューはネタバレを含みます▼ こちらの作品とても大好きで、一日に何回も読んでいる時もあったくらいなのですが、何故好きなのかというのが自分では説明が難しくて、感想を言語化するのを控えていました。いろんなものを読んでいて最近少し分かってきました。
自分は、いろんな倫理観や価値観が入り交じっている人たちの、思想が見え隠れする物語が好きで、商業blに限らずいろんなジャンルのいろんな媒体の作品を見たり聞いたり読んだりします。こちらの作品は読み口は軽く、結構さらっとコメディチックにスケベ展開が入ったりラブ展開が入ったりして、その思想に自由を感じます。気になるからやってみたい、やりたいからやる、というようなフットワークの軽さは、無責任と紙一重ですが、人間の独立性や自然体を思い出せて気持ちいいです。あと、このお話は主役のお二人は二人で纏まるのですが、その他三人が三人で纏まる描写があり、そこも自由で偏見がなくて、いい世界だなと思います。
総括すると、性癖なのかも。という感想です。ときめきや萌えは、正直あまり感じないのですが、他の作品では得られないスカッと感があって、大好きな作品です。いいね
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青いネタバレ2025年4月30日このレビューはネタバレを含みます▼ 読んでいる最中、読み終えた直後、思い出しても余韻で、好きな読み心地だったなあとじんわり感じられる作品でした。すごく肌に合います。
この作品は、シリーズが進むごとに恋愛模様も進んでいき、甘さも深まっていくのですが、それでも他の商業BL作品よりも刺激が強いわけではないかなと思うので、初心者の方にもおすすめしやすいと感じます。それでいて内容はちゃんと厚みがあって、突飛な設定もなくとっかかりやすい。ときめく要素もあり、想いのやり取りによる感動シーンもある。全部のせ。激しい山谷はないですが、積み重ねによって二人の関係性と感情が育っていくので、こつこつ系の恋愛ものが好きな方に特におすすめ。
本当に優しい、お互いがお互いを思いあって、二人のペースで進んでいく物語だと思います。その思いやりがもどかしくむず痒い時もあるのですが、通じあっている二人の間で考えて、解決して、というのを繰り返して見る度、この二人はずっと一緒にいる覚悟を決めて共にいるんだなあというのがどんどん伝わってきて、痺れました。そういう、柔らかい感動を何度も味わえるので、大好きな作品です。 -
心も満たされるネタバレ2025年4月30日このレビューはネタバレを含みます▼ 少し読んで、そっちからか!となりました。恋を知らない夢魔が恋を知っていく話。表紙だけ見た時、可愛い小悪魔系の受けなのかな、と思っていたのですが、それは見た目だけでした。
エマさんは最初から最後まで不遜で生意気で、でもだからこそ、自分の心境の変化に戸惑い振り回されるところが、いじらしくて可愛い。産まれが難しくて、意外と卑屈で素直なところも切ないです。彗さんも、作品の説明文のところにもある、スパダリの卵という属性、めちゃくちゃいいですね。既に完成したスパダリじゃなくて、これからも伸び代がある感じが、読んでいても応援したくなります。彗さんの人の良さ、エマさんの無垢さ、そして二人共が抱えた少しの寂しさが噛み合って、思い合う心になっていくのがいいです。
読み心地としては、最初表紙とあらすじを見た時は、元気なラブコメかな、と思っていたのですが、読み終えた後は、思っていたよりちゃんとすったもんだする恋愛もの、という印象に落ち着きました。夢魔って言われると、スケベ属性じゃん!と思ってしまうかもしれませんが、そこまで身構えなくてもするっと読めます。面白かったです。 -
年下わんこ攻めって世界を救うからネタバレ2025年4月30日このレビューはネタバレを含みます▼ 長年片思いしている幼なじみの弟…つまり年下幼なじみわんこ攻め…これで世界をQED、感謝、Thankyou、감사합니다。
作中、語り部である陽向さんは結構心の声を丁寧にモノローグで語ってくださるし、郎さんも素直なタイプで、最初に恋心が明かされてそれ以降は読者にも分かりやすくアプローチをしてくださるので、内容が入ってきやすくて読みやすいです。お互いがきゅんとしたシーンで、こちらもきゅんきゅんしやすい。楽しく読めるときめき漫画でした。
自分は、相手にときめきすぎてめろきゅんしているキャラクターの様子が好きなのですが、そういうシーンが多くて、しかもちゃんとコマをとって描写してくださっていて、とっても助かりました。分かるこんなん可愛すぎるよね!と共感したり、うわっこれはずるい撃沈するわ…と同情したり。人間は可愛さの前では無力だと思っているので、そういう意味ではお互いがお互いに負け続けていてほしいです。郎さんは結構負けず嫌いっぽさがあるけど、そういう面では陽向さん相手にかなり撃沈していそうでにっこり。
お二人共にかなり長い期間での片思いがあったにも関わらず、作風としてはあまり湿っぽさがないのも、読みやすいなと思った点です。多少強引にでも郎さんが前向きに引っ張っていってくれたのが、読者としても有難かったです。捕まえて振り向かせてみせるという郎さんの執念に、陽向さんも自分も救われました、ありがとう(?) -
MOA(マギ面白すぎ頭おかしなる)2025年4月29日面白すぎて時間が一瞬で溶けました。マギ、外伝があるのは知りつつも、外伝読む時間あったら本編ずっと読んでたい…と思って読むの先延ばしにしてたんですが、あのさあ!!!!!!!!!こんなに面白いんだったら先に言ってよね…♡マギなんだから面白いに決まってるか。もっとみる▼
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楽しいラブコメネタバレ2025年4月29日このレビューはネタバレを含みます▼ 逆体格差が普及して久しいですが、自分の逆体格差の祖先は三島先生です。勝手に祖先にしてすみません。こちらの作品は、それ以外にも様々な性癖が詰め込まれた性癖ハッピーセットラブコメです。電車でとか体育倉庫でとか、縛ったり恥辱を煽ったり、攻めの部屋着は可愛いし受けは強面イケメンだし。元気なラブコメです。
個人的にはやっぱり、攻めの長谷川さん、受けの瀬戸さんのギャップ萌えが、一番読んでいて楽しい部分かなと思います。自分は、恋愛もの、特にターゲット層に対してときめきで働きかけるタイプの作品では、ギャップ萌えのことを必殺技だと考えています。この作品では、長谷川さんの、普段は人が良くて見た目も可愛い人畜無害そうな人柄が、瀬戸さんに対しては少し強引な雰囲気で迫るところだったり、瀬戸さんの、普段は寡黙で怖そうな印象から一転して、長谷川さんの前では優しい心根を垣間見せたり隙のある様子を覗かせるところが、かなりぐっときました。具体的には、立ち上がってタオルを振り回しました。萌えどころがかなり分かりやすい作品なので、読んでいて楽しいです。いいね
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可愛いネタバレ2025年4月29日このレビューはネタバレを含みます▼ 可愛い×可愛いのハッピーエロラブコメ。アーチャルさんの心優しい清らかな純朴少年ぽさ、可愛い。ディルクさんの一途盲目全力感、可愛い。展開は襲い受けが多いのですが、ちゃんと同意の上での襲い受け(?)なのも好感が持てました。お二人の心情の変化に伴って、襲い受けの様相も変わっていくのがまた可愛い。
アーチャルさんは流されているように見えますが、大義名分とかでなく本心から相手のことを思ってディルクさんに乗っかっているのが、本当にいい子で泣けました。その上、ちゃんと自分の気持ちに気づいて、前に進もうとする努力を怠らないのがかっこいい。きっとこれからもレベル上げ頑張り続けるんだろうなと思うと、偉い!偉すぎる!ディルクさんは、良い悪いというか、ひたすら可愛かったです。最初にアーチャルさんに惚れてからずっと尻尾振ってて可愛い。愛情表現も全身全霊で、わんちゃん。ディルクさんは、結構見た目がパッと見だと厳つめだと思うのですが、対アーチャルさんの時はとにかく一生懸命なのが可愛くてギャップ萌えでした。 -
恋愛の話ネタバレ2025年4月28日このレビューはネタバレを含みます▼ 構成が完璧だなと思いました。第一巻、二巻、三巻、それぞれ一冊ずつ語られる内容が違って、テーマも割り振られていて、だからこそ最後の展開でそれらが全て一つに集束していって意味を成していくのを見るのが、すごく気持ちよかったです。
特に三巻の、穏やかに感情を育んでいくパートが、個人的にすごく好きでした。それまでの物語がかなり息の詰まる内容だったというのもありますが、だからこそ少し休息を取れるような、本当に足りていなかったものが気づかず満たされていくような、そこからこの二人の本当の始まりに向かっていく、希望に続く流れを丁寧に見せられて、ボロ泣きしてしまいました。あの穏やかなパートは、本来の恋愛ものであれば二人の距離が縮まる過程の、最初の方に描かれるはずのものです。一宮さんと深山さんの場合は、始まりが複雑なので、そういう部分が飛ばされています。そしてそれを、物語としては最後半に持ってきて、丁寧に時間をかけて描かれて、〆の説得力を持たせています。恋愛ものは、ドラマチックなパートも見ていて楽しいですが、連続していく日常の中で育つ人間同士の関係性と感情、が一番見ていて楽しいです。
一つ一つは些細でも、積み重ねられた確かさ、みたいなものが好きです。この作品を読んでいて改めて実感しました。登場人物の、過ごしてきた過去と経験による、現在の有様。登場人物たちが交わることによって起こる出来事と、それらによって生まれる波紋。この作品はそこら辺の塩梅が結構シビアで、堅実だなと思いました。その体現が一宮さんなのかなとも思います。魔法や特別な能力はないし、突然ものすごいセンスに目覚めたりしないし、失敗はなかったことにならないから、一つずつ誠実に向き合って、その時の全力を尽くして、努力を重ねていく人、そういう話。かっこいい。尊敬。 -
面白いよ〜2025年4月25日読み終えての第一声が「どうなっとんねん!!!!!!」でした。面白すぎてブチギレ。面白すぎてどうなってんのこれ。面白すぎ税とか払わせてほしい。こんなに面白いなら、もうちょっと真剣に表紙とか帯とかあらすじとかに、面白すぎて気が狂うので気をつけてください、とか注意書きしてほしい。
大麦こあら先生を信頼しているので、その信頼値も含めた期待ありきで読み始めたのに、それすらも上回ってくるこの完成度。どうして?舞台は現代、学生、青春、分かりやすく真逆の二人が主役。単純でありきたりな設定でなんでこんなに面白くなるんだよ!!!ごめんなさい、怒ってはいないんです。ただ自分は弱いから、圧倒的な力を目の前にすると混乱して動揺して、狼狽えることしかできない。俺は…弱い…ッ!読み終えた感想の〆が、己の弱さの内省になることある?もっとみる▼ -
可愛いの塊ネタバレ2025年2月2日このレビューはネタバレを含みます▼ カワイイ〜;;と啜り泣く妖怪になりながら読みました。ほんと…ッマジで…ッ可愛すぎる!!!キュンしすぎて正気を保てなくなりそうだったので、五回くらい頭を壁にぶつけて我を保ったシーンがあります。ねえ〜もぉ〜こんなん可愛すぎるって、大人になってからバージョンの解禁された二人も見たいよォ〜;;(汚れた願望)
試し読みの時点で可愛いが爆発していたので即買いしたかったのですが、〇学生かーランドセルはなぁ不味いよな…と、一応人として迷いはしました。内容的には、性描写はないもののギリギリを攻めていると感じた部分もあるので、過敏な方は難しい作品かもしれません。ただ、グルーミングや犯罪に繋がりそうなやり取りはなく、かと言って過剰に庇護するだけでなく、二人が対等でいられるような歩み寄りの話だったので、その辺りの倫理観は、自分としては納得できる作品でした。
健気一途いじらしい、振り回しているかと思えば従順、元気でわがままかと思えばしおらしい、そういう属性に性癖の命を握られているなと感じます。助けてください、この作品は自分にとって薬すぎて毒です。冒頭に記した通り、可愛すぎて啜り泣きながら読んだのですが、連続で二読目いったらときめきすぎて嘔吐きました。佑莉さん…佑莉さん;;;;;;可愛いよ佑莉さん、てぃくとくとかで流行りの可愛いダンス間違えながら踊ってほしい、上手くできたらやった!って顔してほしい、夏祭りで尚平さんと一緒にとった金魚大事に育ててほしい、舞い散る桜の花びらキャッチして嬉しそうな顔で尚平さんに見せてほしい、可愛いほんま無理愛おしい可愛すぎる頭おかしなる。春も夏も秋も冬も佑莉さん。枕草子って佑莉さんのイメソンじゃん。尚平さんもめちゃくちゃ良くて、歳の差があっても、尚平さんくらいのお年の方は世間的に見たらまだ若くて、ここまでしっかりしている方は珍しいと思います。自分の方が年上だからこその責任感、だけど相手を下に見るわけでなくあくまでパートナーとしては対等であろうとする心がけ。作中で様々な出来事があり、だからこそそうあろうと変わっていけた人、として描かれているのだと思いますが、尚平さんは根が善人です。善だからこそ、善の心持ちで変わろうと思えたのだと思います。じゃなかったら軟禁エンドしてたかもだし。不甲斐ないなんてことはない、しっかり考えて行動できる、優しくて強い人だと感じました。 -
啜るなネタバレ2025年2月1日このレビューはネタバレを含みます▼ 一人だった二人が出会って、影響し合って変化しつつ一緒に生きていくようになるお話です。起承転結がしっかりしていて展開が面白く、かつ美しい絵に見とれます。すごくいい作品です。でも買った理由は、自分がネット人間なせいなのですが、ページをめくっていたら突然ラーメン咀嚼シーンになるところがあって、なにーっ!!これは…!?今まで読んでいたBLマンガは?になるのが面白すぎて、このネットミームを知っていたせいで試し読みで大笑いしたからです。最後まで読んで好みではなかったとしても、試し読みの時点で星五が決まっていました。
叶瑛さんは、最後まで読んでからまた読み返すと、本当に別人のようで、その変化に驚くと共に感慨深くなります。沙羅さんも、何に脅かされたとしても、むしろその経験すらも成長の糧にして進んでいく強さを手に入れた。彼らの新しい門出に拍手を送りたくなるようなラストで、素敵な読後感でした。 -
共依存!スケベ!インモラル!ネタバレ2025年1月19日このレビューはネタバレを含みます▼ 最初から恋に落ちている二人が、お互い以外の選択肢を消す決定打が殺人だっただけで、どう紆余曲折してもこの二人はくっついていたんじゃないかなと思います。離れていても、相手のことを考えていたり、心の支えにしていたり、要は心を配っているのって、恋じゃないですか?その度合いが二人とも深くて依存気味なので、共依存ものだなあと思いながら読みました。殺人の動機が二人とも、相手への正当防衛寄りなのも凄まじい。相手が死んだら自分が困るから、相手を脅かす人を殺した、という意味では、自己防衛でもあるけど。
あらすじはサスペンスのようですが、漫画の内容は怒涛のエロなのもすごいなと思いました。〇薬みたいなsex、という言葉が作中で出てきますが正にその通りで、考えなきゃいけない現実の問題から逃避するような行為で、二人はお互いの思考回路を鈍らせる。でも、そうじゃない時に言葉を交わして知ったお互いの真意と心の一途さに、決心をつける。最後にやっと、その想いの増幅のsexに辿り着くのもすごい。交感神経と副交感神経のバランスのようで、綺麗な着地に見ていて惚れ惚れしました。
あと本当に…本当に二人が可愛い…!可愛い二人の可愛いスケベがたくさん見られて幸せ。亮さんは見るからに闇属性というか、執着攻めみたいなメンタルと見た目をしているけど、人を殺した後には手を震わせて怯えていたので、人の心があるんだ!と狂喜しました。その後楓さんのことで思い悩むのも可愛い。楓さんは光属性みたいに見えて絆され体質なのが可愛いです、判断力はあるのに心と体が引力みたいに好きな人に向いてしまう。これは父親に対してもそうです。一途でずぶずぶで可愛い!たまらん!亮さんはしっかり自認して自称もしているクズですが、楓さんも中々なのがいいです、お互い様。二人とも毒親に心が縛られて生きていましたが、解放のきっかけがお互いで、惹かれた相手もお互いだったのは、災難と言うべきか運命と言うべきなのか。
番外編の二冊も、最高!自分は特にスケベに対しての拘りはなくてシチュ重視派だと思っていたのですが、kanipan先生のスケベはストライクすぎる。なんか…リアルじゃないですか…?魅せる構図とか漫画的な表現とかより、sexの一部始終をただ見せてくださっているみたいな…。神、ありがとう、Thank you. -
愛する人のいる世界でだけ息をするネタバレ2025年1月19日このレビューはネタバレを含みます▼ 買った当時一読して以来読み返していなかったのですが、勇気を出して読み返しました。久しぶりに読み返したおかげか、展開を知っているからか、前よりも冷静に読むことができた気がします。それでも涙は出ましたが。
話を緻密に組み立てる構成力と、人間の執念への愛着が、市梨先生の描かれるお話の魅力だなあと思います。とりわけこの心中するまで〜は、パズルのピース一つ一つを拾って集めて嵌めていき、最終的に出来上がる絵の美しさに圧倒されました。きっちり内容に明暗の割り振られている上下巻完結なのも美しい。陰陽太極図か?芸術作品のようで見ていて心が震えます。
心中についてのwikiをぼやっと読んでみたのですが、このお話の主役お二人に本当にぴったりな題材だったんだなあと思いました。途中で結婚、永遠の約束をしているから、心中という言葉に至るのも素晴らしい。お二人にとってはラストシーンこそが、永遠の誓いの場面なのかも。そうだといいなあという勝手な願いです。
物語や感情における寒暖の差、緩急の差があってこそ、展開が映えると思うのですが、この作品は幸せな時間が本当に幸せそうに描かれているので、そこからのジェットコースターにかなり映えを感じます。これが狂おしいほど好きな人種、全員に見つかってほしい作品です。あなたも上巻をおすすめして釣った人を下巻で突き落としてみませんか?この快楽に病みつきになること間違いなしです。訴えられても自己責任ですが。 -
砂漠の花に愛のくちづけ【電子限定描き下ろし漫画付き】【コミックス版】
最高に可愛いラブコメネタバレ2025年1月13日このレビューはネタバレを含みます▼ インキュバスだの契約だの、不埒な設定のわりにめちゃくちゃピュアで可愛い関係の進み方をします。アシャムさんの性欲が極薄で性格がばっさりしているので、全然そういう雰囲気にならない笑。つよつよインキュバスのはずのリリンさんのキッスは何度も何度も袖でごしごし拭われます。面白すぎ、扱いが雑すぎ。コメディチックな展開も面白いし、お二人がお互いにかけがえのない存在になっていくところも感動的で、素晴らしい。あと、初恋同士で、一緒に気持ちを育てて自覚していくところもきゅんきゅんする!
アシャムさん可愛いよ〜;;→うわっリリンさんぽんこつ可愛い!→アシャムさんカワヨ;;→リリンさんおもろ可愛い笑→以下無限ループで一生読んでられます。ちゃんとときめくのに笑いの絶えない神比率ラブコメ。上下巻で終わるのが展開としてはキリがいいのは分かっていますが、無限に読みたい…!二人がいつかお互いの願いを叶えるところまで読んでみたい!と思ってしまいます。読み口も軽く、飽きないため、何度でも読み返せる。本当に大好きな作品です、出会えてよかった。
主役のお二方が、それぞれほんっっっとうに可愛くて大好きです。アシャムさん、クッッッ…アア…(言葉にならない呻き)。欲を知らなかった子が欲を覚えていってわがままや甘えを自分にだけ向けてくれるようになるのって、いいですよね、リリンさん。アシャムさん、見た目もかなり好きなキャラクターでした。ヘアアレンジのきくショートボブとか、無造作な出で立ち、本当に可愛い。可愛いといえばリリンさんの綿毛姿〜♡最初見た時からめろめろでした。あんなの可愛すぎて食べちゃいたい。ポメラニアンの綿毛の中に埋めたい。ラグドールの長毛の中に埋めたい。リリンさん、可愛いだけじゃなくしっかりちゃっかり芯が強いところも大好きです。アシャムさんもリリンさんも、過去が少し特殊で不憫なところがあるのですが、リリンさんがポジティブで、前に進む力が強いので、展開的にも救われていた部分があると思います。そういうところ本当好き。残念イケメンぽいところも好き。二人とも好き〜! -
生きるのって難しいから生きてて偉いよネタバレ2025年1月13日このレビューはネタバレを含みます▼ 頑張り屋さん同士の恋なので、二人を応援しながら読みました。でも荻野さんはちゃんとした睡眠をとって休んでください。二度と床で寝ないでください。
人は、人目がある時はある程度自分を演じているものだと思います。誰だって表面上の付き合いはあるし、忖度のない人付き合いは難しい。そう言い替えたら、真夜さんが感じる、自分のタレントと自分自身との乖離の苦しみは、誰にでも身近なものとして共感しやすいんじゃないかと思います。それでもまひるさんのために、引いては自分のために頑張る、そんな真夜さんが報われなくていいはずがない!でも何となくですが、まひるさんと真夜さんの乖離はテンション感の差が大きいだけで、心根の優しさや言葉選びの繊細さは同じな気がします。荻野さんが心を打たれたまひるさんの言葉は、真夜さんが自分に向けて言った言葉でもあるから。
あの荻野さんの回想のシーンで、真夜さんが苦しみながらも頑張りますと必死に言っているところで、号泣してしまいました。周りは自分の物差しで勝手に測って、メンタルが弱いとか言うけど、彼は彼なりのキャパシティがあって、どんなに挫けそうでも頑張ると口に出して、既に頑張っているんだな、と思ったらもう駄目でした。荻野さんの歯がゆい気持ちが痛いほどよく分かります。そこからの荻野さん、しごできパワフルヒーローすごすぎる。そのためのエネルギーをまひるさん、引いては真夜さんからもらっているというのが、二人の相互作用として働いているのが素敵で、いい関係だなと思いました。でもだからこそ!独占欲が爆発してしまってド攻めになるシーンは最高でした…、普段から己を律することに長けている人が理性を飛ばす様は、受け攻め関係なく良いものですね。あらすじを見て公私混同…?と思っていたのですが、むしろこの頑張り屋さんの二人にはそれが一番ベストな仕事の形であることが分かったので、ずっと一緒にやっていってほしいです。マネージャーずっと同じ人ってありなんでしょうか。頼む、自分の心臓とか捧げるんで…お願いします…。
Luria先生の作品を少しずつ読ませていただいているのですが、今作ってR18版出るくらいスケベなのか〜でもいつも圧倒される情感的な表現が削られていたら嫌だな…と思って読んだらいつも通り泣いてて自分のバカ!Luria先生を信じろ!!!今作も素晴らしかったです、続編も応援しています🎀 -
箱庭の外で笑う人ネタバレ2025年1月13日このレビューはネタバレを含みます▼ 努力家で篤実なサラリーマンの乾さん×風俗店の男娼キャストのホワイトさん。源氏名オペックホワイトさん、日本人らしいです。マジかよ。
Luria先生の作品を読ませていただくのはこれで二作目なのですが、こんなに読みやすかったっけ!?となりました。難しい内容ではないというのもあるかもしれませんが、すらすら頭に入ってきて面白くて読む手が止まらなかったのでびっくりしました。これは、乾さんとホワイトさん、今作の主役お二人の性格が、素直で誠実な性格であることも由来しているかもしれません。内面描写に難しいところがなく、拗れたりもしていないし、共感もしやすい。ちょっと設定は特殊ですが、恋のお話としては結構王道だと思います。気持ちに気づいて、受け入れてもらえるか不安になりながらも、勇気を出して一歩踏み出すお話。
心に残ったシーンは、羽ばたく鳥の中で笑うホワイトさんを乾さんの視点で見るシーンです。自由の中で輝くホワイトさんの笑顔を見て、読者は乾さんに自分の心情を重ねてしまうんですよね。なんて美しくて愛おしいんだろう、と思いました。例えとしてちょっとアレかもしれませんが、ギャルゲーのスチルです。Luria先生の作品は、他だとまだ君純しか読んでいないのですが、君純を読んだ時にも似たようなことを感じたのを覚えています。読み手にエモーショナルを焼き付けるワンシーンを描くのが上手すぎる。
乾さんがかなり好きです。真面目だし、正直だし、言ってることは甘くて綺麗事だと思われるかもしれないけど、こういう人が報われるべき人で、正しいと言われる世界であるべきだと思います。最初から最後まで尊敬できて信頼できる人でした。素晴らしい。ホワイトさんの、実は情が深くて心優しいところもすごく素敵でした。大人びているかと思えば世間知らずで無邪気で、芯が強そうに見えて脆くて弱りやすい、ギャップも魅力的。良いお話に良いキャラクター、出会えて良かった作品です。 -
笑顔で見守ってしまう話ネタバレ2025年1月12日このレビューはネタバレを含みます▼ 能美先輩の弁明を読んでいて、この作家様のことが知りたいなと思ったので、少しずつ作品を読んでいくことにしました。結果……面白すぎる!!!!!個人的に、知らない世界の知らない仕組みや、効率的なシステムを知ることができるお仕事もののような作品がかなり好きです。こちらの作品、カットオーバー・クライテリアは、そこらへんかなり調べて取材して、詳細な道筋を把握してから描かれているのではないかなあと思いました。能美先輩を読んだ時も、もちろん調べたりもしただろうけど、作者の方がそもそもこの分野(作品のテーマの哲学)を好きなんだろうなと思いながら読んだので、同じような熱量を感じられて良かったです。大麦こあら先生への好感度と信頼が高まりました。
ド光属性真っ直ぐ年下攻め…サイコ〜〜〜〜〜!!!痺れます、眩しい、カッコイイ。萩原さんの等身大でぶつかっていく感じ、しかも瀬戸さんがはっきり拒めないのを分かっていて踏み込んでいく感じ!うわっもうこれだからクソガキ攻めは最高だよ、となりました。そして、そんな萩原さんからのアプローチを受けて、適応せざるを得なくなり、心境も変化していく瀬戸さん。個人的にですが、体も心も変えられていくノンケ受けってエロいと思っているので、とんでもなくキショい顔で見守ってしまいました。一つも無駄のない瀬戸さんの部屋に上がり込んで、ずかずか家具置いていく萩原さん、へへ…(キショ笑顔)
サブキャラもしっかり作り込まれているのが、世界の解像度高くて読んでいて楽しいです。今作だと磯山さんがいいキャラしていて、他キャラクターとの掛け合いが面白かった。というかどの登場人物も個性が濃くて面白いのがすごい。向かうところ敵無しみたいな作家様に出会ってしまった。 -
ゆるふわ甘可愛いネタバレ2025年1月12日このレビューはネタバレを含みます▼ とにかく可愛い。インパクトのある激甘ではなく、苦いのから甘いのに変わっていく、みたいな味の変化がある内容でもなく、徐々にほんのり優しい甘みが足されていくような、恋のお話でした。ホットケーキ的な安心感のある物語です。
二組カップルが出てきて兄妹で妹カップルと受けが仲良し←脳が萌えで焼ける!!!!!!!!好きな要素が詰まりすぎてて声にならない声で叫んじゃった。可愛い;;みんな仲良しなの可愛い…みんな可愛い。直生さんが、麗央さんから見た時「クール系」なのに、美祈さんに対してはベタ甘優男なのが、本当に好きなんだなというのが感じられて最高のギャップ!素敵!美祈さんも、どんどん変わって柔らかくなっていくのも可愛かった。本筋からは逸れる感想なのですが、若いっていいな、と思っちゃいました笑。 -
春日向ネタバレ2025年1月12日このレビューはネタバレを含みます▼ 本当に小説を読んでいるみたいに胸に刺さってくる言葉の表現に、感情を揺さぶられます。話し言葉は自然で個性があって良いし、モノローグなどに出てくる書き言葉も真理をついたような表現で気付かされる。このお話、雪人さんと日向さんというお名前の二人が主役なのですが、初手でめちゃくちゃ放射冷却起きててウケました。
日向さんの、正直で素直で感受性豊かなところ!大好き…娶ったら毎日ケーキ買って帰りたいです。毎日新鮮に喜んでくれそうで可愛い。途中から困って笑いながらもういいよって言ってきそうで可愛い。今度から和菓子にするね…。キショツイ失礼しました。雪人さんの心が徐々に熱を帯びていく様も美しかったです。自分は、人間味の薄い生命が人間味を纏っていく様が好きなのですが、つまりそれは人間を経験するからそうなっていくんだ、と雪人さんを見ていて気づきを得て初めて内実を言語化できました。あまり表情に動きのない雪人さんが、日向さんのことでは感情のままに身体を突き動かしている様が、温度がなく無機質だった彼の心が熱を帯びていく感じがしてかなりぐっときました。
読み終えた時、物語としては満足感高かったのですが、もっとイチャイチャ見たかった…!となりました。雪解けの過程の後の春が気になる!絶対可愛い! -
寒がりの寂しがりネタバレ2025年1月11日このレビューはネタバレを含みます▼ 幼なじみの片恋ものだからもっと重い読み心地を想像していたのですが、絞られた文章量と見やすい絵柄でさくさく読めました。すごく良かった!結構がっつり泣いてしまいました。
佑征さんが樹さんへ抱く思いを漠然と諦めているのは、やっぱり同性だからという理由なのでしょうか。嫌われたくない、関係性を崩したくない、明言されていないのでいろいろ考えました。臆病さ故なのか庇護故なのか、正確には分かりませんが、そこを切り裂いてずかずか割り込んでくる樹さんの潔さが気持ちよかったです。この物語が鬱屈しすぎない内容に仕上がっているのは、佑征さんがじめついていると樹さんが引っ張り出してくれるし、樹さんが凹んでいると佑征さんがそばにいてくれるからだと思います。属性的には、ヘタレ片恋と天才型自由人、みたいな組み合わせ。
孤独の話が好きなのですが、樹さんの誰にも理解されないであろう寂しさの傍らに、佑征さんだけが寄り添ってくれたのが、本当に温かくて優しくて、気づいたら泣いてしまっていました。佑征さんの優しさは、樹さんのためだけに考えて迷って施された慈しみです。裏表のない本心からの全肯定が、樹さんを癒してくれたのが、救いでよかった。天才は孤独だと言いますが、天才だろうと人間だし人間は孤独で死ぬ生き物だから…。最終的に佑征さんが樹さんにちゃんと向き合って結論を出してくれてよかったです。あと、お二人の触れ合いが本編内では最小限に留められているので、最後あたりの熱を孕んだやりとりだけで満足値が高い。ぎゅっと詰め込まれたきゅんを感じました。 -
反則きゅん…💗ネタバレ2025年1月6日このレビューはネタバレを含みます▼ ッッッッッア〜〜〜〜〜ちょっとこれはメロすぎます…。年下光属性強気攻め。全人類を惚れさせる彼氏力を持ちながらも、その力を一途に想い人に向け続ける健気男子。「それなら依存する相手俺でよくない?」って、この世に生まれてくる人間の何パーセントが口にすることを許されてる言葉だと思いますか?これを躊躇いなく想い人に真っ向から言える自信、最高すぎるだろ。灯眞さん、正直見る人が見たら、小生意気だし不遜な態度が鼻につくかもしれませんが、灯眞さんの彼氏力は想い人である冴さんに一心に傾けられているので、他者から見たらそう見えるのは当たり前なんですよね。社会に出たら摩擦のありそうな性格をしているなと思います笑。でも、灯眞さんは、思い上がったり傲慢だったりするわけではなく、自分にも他人にも厳しい公平な性格をしているだけなので、そういうところが誠実に見えました。あと、感情を結構表に出すタイプだからよほど内面が幼いかと思ったら、周りも見えるし配慮ができる人なのも素晴らしい。からの年上彼氏冴さんに振り回されつつ追いかけて甘やかし甘やかされしてるのも可愛い!かっこよくてかわいい、すごい…年下攻めの神秘…。
灯眞さんのことばかり書いてしまいましたが、冴さんも可愛いです、ガチで可愛い。この言葉があまり好きではない方に読まれていたら申し訳ないのですが、この作品の主役お二人の属性って、ショタおね的なものに被るなと思って読んでいました。冴さんの、意図しない無自覚な魔性ぶりというか、意図して相手を振り回すわがまま属性というか。これらは彼なりの甘え方で、それを喜んで受け入れてくれる灯眞さんへの信頼なんですよね。試しているわけではなく、信じているからありのままでいられる、というのが嬉しくてこの振る舞いになっている、というのが可愛くて、いじらしくて、めちゃくちゃきゅんきゅんしてしまいました。冴さんはきっと今まで、どこか自分を隠すような人付き合いしかしてこなかっただろうから、というのを踏まえてから読むと、もう抱きしめたい。二人とも抱きしめたいです。 -
お年玉あげたいネタバレ2025年1月4日このレビューはネタバレを含みます▼ 様々な要素が出てきて、可愛く言うとどったんばったん大騒ぎの後主役のお二人がちゃんと自分の未来を掴む話なのですが、その出てくる要素が商業BLジャンルにしては珍しくて嬉しかったです。そりゃ当たり前に、現実はこんなに上手くいかないし漫画はフィクションでファンタジーですが、こういうものがあるよ、と大衆に向けて声を上げてくださるのは助かります。知ってほしい思いが届くことが大切です。
主役のお二人、春一さんと永真さんは高校生なのですが、本当にしっかりしていてすごい。環境が環境なので、しっかりせざるを得なかった、大人にならざるを得なかったというのもあるんだと思いますが、この歳でここまで深く自我を握って、そして他者を慮れる聡明さに感動しました。だからこそ未来を掴むことができたのだと思います。あとご学友の方々もわりと光属性メンタル強者で良かったです。最初読む前あらすじだけ読んだ時点では、結構救いのない内容なのかな、と勝手に思っていたので、計画会議の場面で前向きに進めているのを見た時、えっここからちゃんと抜け出すのか!と驚くと同時に嬉しくなりました。希望があっていいですね、世の中こうあってほしいです。そのためにやっぱり、この物語に出てきた要素もそうですし、それ以外のことももっと知りたいなと思いました。
これはオタクの世迷言なのですが、正直最初永真さんのお名前を紹介された時、永遠の真実って…カッコよすぎ…!そりゃ神様にも相応しいよ!?と思ってしまったので、すみません自分も裁いてもらっていいですか?厨二病罪とかで。 -
執着攻め〜〜〜サンキュな…ネタバレ2025年1月3日このレビューはネタバレを含みます▼ ちょっとも〜付き合い長めor再会系の執着攻め!あんたまだこんなとこにいたの!いるなら教えてって言ったじゃない!悔しいです、商業BL漫画を漁ってきて、まだこの作品に出会えていなかったことが。浅学の身が憎い。
本当に見事な作品でした。こんなに華麗に、二人の中にそれぞれ積もった相手への情、じりつく関係性の変化、そして最後に爆発する全ての思いを、描き切る手腕。展開もすごく分かりやすくて、難しいところも噛み砕いて表現してある。分かりやすい部分に関しては、瑛二さんの竹を割ったような性格が由来しているところもあるかも。楓さんは結構、片思い歴が長い分感情の湿度が高くて、思いが拗れて分かりにくくなっているのですが、対して瑛二さんは楓さんに振り回されたり悩む場面はありつつも、仕事は仕事で割り切るし言いたいことははっきり言う。さっぱりしていてかっこいいです。
自分が好きで心に残った場面は、すみません本編ではなく電子限定おまけページなんですが、一番最後瑛二さんのさっさと〜、のセリフからの流れです。うわっ残酷〜と思いました笑。でもこういうことを無邪気に言ってしまう素直さも魅力なんですよね。これから楓さんの思いの重さを身に受けて分かっていくのかと思うと、堪らんです。最高。 -
でも作中で一番可愛いのはぬいぐるみですネタバレ2025年1月3日このレビューはネタバレを含みます▼ 表現が難しいのですが、戌亥さんのちょっとリアルな沼系ノンケ感がかなり好みでした。BLで見がちな属性、スパダリ、執着、わんこ系、そのどれにも当てはまらない、少し無防備で優男っぽいノンケ先輩。なんか…いそうじゃない!?みたいな。無自覚に優しいから思わせぶりで、けどハイスペだったり陽に振り切ってるわけじゃなくて、自分で友達少ないとか言っちゃうし決めきれないちょっとダサい一面もあって、でも肝心なところではきっちり押しが強い。言葉が下手で上手く言い表せないのですが、戌亥さんにかなり萌えながら読みました。
もちろん兎月さんもめちゃくちゃ可愛くて、こちらはノンケ相手への恋を拗らせた、ワンナイトを繰り返すbitchという、分かりやすいBL属性。遊び人ですがチャラくない、割り切って綺麗に遊んでいるタイプなので、結構しっかりしています。先輩を無邪気に慕う後輩属性も相まってとにかく可愛い。恋を知って、好きな人に大切にされる温もりを知って、寂しさを覚えてしまう様なんて、健気でいじらしくて甘やかしたくなります。
黒岩先生の作品はいくつか読ませていただいているのですが、自分全部攻め萌えしているかもしれません…。適度なリード感がありつつも、相手の意思を尊重して、慈しんで愛でてくれる、信頼のおける攻めさんが多い気がします。きゅんとときめく部分もあり、絶妙さ加減にぐうと唸る部分もあり。職人技だ…。 -
自身にとっての優しい人ネタバレ2025年1月2日このレビューはネタバレを含みます▼ すごく面白かったです。各人の思いや感情の流れ、それぞれに訪れる因果通りの結末も、物語としてすごくよくできていました。主要人物が三人出てくるのですが、どの人物もキャラクター描写がしっかりしていて、語られずともこの人物はこういうタイプだからこの選択をしたんだな、この選択をしなかったんだな、というのが察せるので、説得力があります。唯一納得いかないのがリクさんがぽんぽん出す金銭の出処ですね。元々家が太いのかヤバい仕事をしているのかは分かりませんが、自分も宝くじ当ててこれになりて〜って思いながら読みました。嘘です、そんなこと考える余裕のある内容ではありませんでした。
つくづく、人間の語る「優しさ」という言葉は都合がいいな、と考えざるを得ません。完全に主観に依存した言葉です。でも、人には感情があるし、自分以外の人間にはなれないから、自分に向けられた優しさはその内実がどうであれ、相手からの愛だと感じられるんだよなと思います。イチさんの視点から見た、母親さんとリクさんがその対比だと思います。母親さんは作中以外の言動は分かりませんが、作中で表現されたイチさんへの態度は、明らかに自己愛でしかなかった。自身の世間体などの保身のため、に見える言動がイチさん視点では多かったです。リクさんは、裏でやっていることや腹の中で考えていることは、イチさんには分からない。悟られることすらなく、だからイチさんにとってリクさんは最初から最後まで優しい人だった。リクさんが手を回していたことを暴露されてさえ、揺らぐことのない信頼や依存を、第三者がどうこうできるはずもない。だってその人が優しいというなら、その人にとってはその優しさは本物なんだ…。
つらつら書きましたが、素晴らしい作品でした。現代社会では優しい人というのは都合の良い人扱いをされたり、八方美人の代名詞として使われたり、散々ですが、タイトルである「やさしいひと」という言葉をこんなに柔らかく使えるのは、純粋でそれこそ優しい心の持ち主であるイチさんが、真心でリクさんのことを思っていらっしゃるからなんじゃないかと思います。 -
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!!2024年12月30日面白すぎます、ありえない。ぜっっっっっっったい自分好きだから、最後まで一気読みできないのイライラしてしまうから、買うだけ買い続けて読むのは完結まで待ってようと思ったんですが、連休に浮かれて読んでしまいました。ふざけないでほしい、可愛いし切ないし悲しいし面白いしどうしようもなく続きが読みたい。なんなんですか?どうなるんですか?面白すぎ、世界の謎面白すぎるし、エルヴァ様とアルトさんめっちゃ可愛い、お二人の日常愛おし…。他のキャラクターの方々も一人一人に個性があって物語が見えて、みんな好きです、特にマニエリさんやスシュカさんが真っ直ぐで好きです。この作品がデビュー作なんですね、この先も追い続けたい作家様です。もっとみる▼
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サンドイッチおいしいネタバレ2024年12月28日このレビューはネタバレを含みます▼ イカレ追突事故ってかんじです笑。面白すぎて、笑える展開ではないはずなのに笑うしかない。見た目はヤンキーっぽいけど性根が真っ直ぐで真面目な五十嵐さんが、麻也さんと圭吾さんというサイコパスドMに挟まれて、殴られ引きずり込まれ、歪んでサンドイッチされてしまうお話。サンドイッチもの大好きなので買いました。五十嵐さんが完全に被害者なので、可哀想なのが無理な方は難しいかもしれません。
五十嵐さんが完全に被害者とは書きましたが、歪んだものはもう二度と元に戻らないから、これからもあの二人と一緒にいる選択を自分でしたのがいいなと思います。五十嵐さんの逃げずに正面から向かっていく姿勢がめちゃくちゃかっこいい。自分は、振り切っていてそれを自覚している人間が好きなので、麻也さんと圭吾さんもかなり好きです。圭吾さんは僅かに良心が残っていると自分で言っていましたが、それがあって尚、むしろあるからこそ、あの所業を楽しんでできるところが、人間味があっていい。人間を謳歌している感じがします。麻也さんには良心はなく、恐らくですが共感性や感受性などもあまりないと思われます。感性はあるけど、受け止める心がないように見えました。こちらはほぼ獣。人という生き物の本能に従って周りを貪り食らう姿は、見ていていっそ清々しい。当方社会に揉まれる大人、堕落して欲望のままに生きてみたい…赤ちゃんになりてえ…。
BL的な恋愛ものではないですし、何なのかと聞かれると説明しにくいし、どういうのが好きな方におすすめすればいいのかも分からない作品なのですが、正しさ善さ明るさのようなものと正反対の内容なので、そういうのに疲れたり辟易した時に読むと爽快感のある作品かなと思います。 -
現実なので叶いますネタバレ2024年12月24日このレビューはネタバレを含みます▼ 本当に大好きな作品で、感想を書く覚悟を決めるのに時間がかかりました。
特に心に刺さったのは、主人公の澄直さんの気持ちの揺れです。この作品のメインどころでもある、周囲の人々の視線や勝手なイメージと、自分の心の相違。ありがちな思春期の悩みの一つでもあると思うのですが、澄直さんにとってはすごく重い悩み。周りの生徒たちは、というより学校は社会の縮図でもあるので、大袈裟に言えば世間的には、広臣さんとめいさんがお似合いに見える。日本のシスヘテロの夢のロールモデルは、このお二人のような組み合わせが近いからだと。それを周りは少女マンガ的だと言って憧憬して持て囃しています。広臣さんとめいさんと澄直さんは幼なじみで仲が良く共にいることが多いにも関わらず、そういった噂話を本人らの耳に入るところでしながら更に、澄直さんへの嫌味まで言える神経はマジで疑いますが、こういう世の中のちょっとしたおぞましさのようなものをポップに描いてアンチテーゼを表現するのが上手い作家様だなと感じます。全作品を網羅しているわけではないですが!それが澄直さんの心を蝕むんですよね、最終的には自分の気持ちが邪魔で、自分がいなくなればいいとまで言わせてしまうほどに。澄直さんは、元のハートが結構強めの人なのかもしれないと思います。人に言い返せる芯の強さがあって、我慢強さもある。だから幼なじみのお二人も、澄直さんは大丈夫だと思って、澄直さんの崩れかけの心に気が付かなかったのかも。一人でよく頑張ったなあと。もっとわがまま言いなさい!広臣さんに甘やかさせてよ!!!広臣さんはすごいですね、最終的に全てを一発で黙らせる手段を使って告白する大胆さ…。大局を見据えた一手、素晴らしい。武将だったら天下取ってます(?)。澄直さんを悲しませる声はもう事前に狩った方がいいですからね。つか広臣さんは別に王子様とかじゃなく武将だけど、澄直さんはヒーローでブレないのカッコよすぎる、すみません自分も澄直さんの下駄箱にRESPECT詰め込んでもいいですか?
めいさんと香田さん!!!!!香田さん様子がおかしすぎる美女スタートからのめいさんの隣に行けたのすごすぎる、頑張ったねおめでとう…。自分、男女混合幼なじみと、薔薇と百合が隣合って咲いてるのが最高に性癖なので、本当に本当に感謝です。めいさんがかなり好きなキャラクタでした。優しくて友人思いで、無邪気で明るくて可愛い -
偏愛の理由ネタバレ2024年12月15日このレビューはネタバレを含みます▼ 痛くて苦しい展開が結構続くのですが、最終的に純愛で収まります。すごい、ここから入れる保険ってあるんだ…と感動しました。歯に衣着せぬ物言いをすると、情緒がぶっ壊れてしまった人間たちが暴走した挙句終わってるやり取りの末まさかのハッピーエンドを迎える話なのですが、周りの巻き込まれた人々の犠牲がデカすぎてウケます。客観視しているからこんなことを書いてしまっていますが、恋愛というものは得てしてこういうものなのかもしれません。盲目。
本編中のお二人の動機は、過去お互いに与えた原体験に基づいています。復讐、傷つけたい、やり返したい、から始まり恋に気づく怜さん。傷がほしい、支配したい、から始まり恋に気づく司さん。一番最初の出会いを辿れば二人とも恋が最初だったはずなのに、そこから願いが歪んでしまい、それでも最後に恋に気づく展開になっているのが鮮やかで面白かったです。そこからちゃんと昇華されて、愛の心を持って触れ合う二人までちゃんと描かれきっているのも、作品として美しい。これは自語なのですが、対等でいる関係性、相手と対等でいようと努力しようとする人が好きです。お互いに自分の意思でマッチャーでいられる関係が、気持ちがよくていいなあと思います。怜さんと司さんは、付き合えてすぐの今は反動もあってお互いに与えたがりで、それもすごく可愛かったのですが、今までのやり取りで恐らく、相手の本当の意思を汲む、技術の経験値が積まれているので、これからはきっとお互い折り合いをつけたり話し合ったりして落ち着いていくんだろうな、と思うとそれもまた可愛い!ここまでが激しかっただけに、分かり合ったお二人が長年連れ添った連理の仲のように以心伝心のやり取りをするのかもしれない、と考えるとめちゃくちゃときめきます。こそあどで通じる、みたいなやつ。本編の続き、ギャップのあるであろうその後が気になるお二方です。
ただの萌え語りなのですが、最後の方に処女返りが出てきて、あっ処女返りだ!!!と読みながら叫んでしまいました。テンションぶち上がりました。 -
文字数!ネタバレ2024年12月8日このレビューはネタバレを含みます▼ お互い恋にあまり積極的でない、単なる興味本位の体の関係から始まる二人ですが、恋を自覚した後すったもんだ浮かれたり悩んだり喧嘩したりして何やかんやくっつく話です。このあらすじ、ストーリーの大筋だけ見たら、自分では食指の動くタイプの作品ではないな〜と思うのですが、ありえんくらい抜群にキャラクターが好み!なので自分用にここに書き残します。
受けの咲耶さん。わがまま世間知らず素直強気p活食いしん坊女装属性。お口はあまりよろしくないですが、邪気がないので嫌悪感は少なめでした。最初の振る舞いが破天荒だった反動で、自分の気持ちの揺れに気づいてからテンションが上下しているところは、すごく可愛かったです。相手を振り回す咲耶さんも無邪気で可愛いのですが、振り回されて戸惑っている咲耶さんも可愛くてGood。最初の方で要さんが、俺で一回痛い目みとけ、というシーンがあり、あの場面では咲耶さんは懲りていなかったですが、結果的には要さんに恋に落ちて痛い目を見ることになったので、因果応報の落とし所としてすっきりしていてよかったです。相手に出会って、経験して学んで変化していく人が好きなので、咲耶さんの人間的な成長には好感が持てました。咲耶さん、情緒が幼めだと思うので、無垢なところが眩しくて…、こういう前途の明るい若者の横にしっかりした大人がついてくれてるやつ、好き。
攻めの要さん。本当にすごい、神がかった意地悪成分の配合。この人少女漫画だ!少女漫画に出てくる、ヒロインをからかって可愛いなあって遊んでるタイプの人です!イケメンにしか許されないムーブを平然とする!パッと見は冷たそうに見えますが、後腐れなくワンナイトを何度も繰り返せるのは、コミュ強だし人当たりも配慮も慣れている証拠だと思います。実際咲耶さんとの会話でも、相手をからかったり煽るようなセリフはありますが、諭すことはあれど決してバカにするような態度は取りませんし、ただ会話を楽しむようなやり取りの方が多いです。つまり要さんは、クールドS属性に見せかけた、努力型スパダリ属性なんじゃないかと思うんですよ…。自分はこのギャップにぶち抜かれました。間を持たせて駆け引きをするかと思えば意外と正統派な迫り方をするし、振り回す側で余裕がありそうと見せかけて実は全然翻弄されているところ。人間味良すぎる、味の深みが沼すぎる。恋愛に興味はなくても恋愛慣れはしてます。 -
大好きな作品ですネタバレ2024年12月7日このレビューはネタバレを含みます▼ 様々なフェチを自覚させてくださった作品です。本当に大好きで、未だに年一くらいで読み返します。丸みを帯びて柔らかそうな頬、細く儚い指先、華奢で可憐な手足。宮城先生の絵柄はずっとお美しいですが、この頃が個人的にはピークで好みです。一コマ一コマが画集のように完成された絵の載っている漫画ですが、この作品の主人公であるアリスさんがまた、表情のよく変わる愛嬌たっぷりの可愛らしい子で、それがまたこの作品を美しいだけではないものにしています。もう本当にお転婆で可愛くて!この作品のおかげで、未だに自分は好きな絵柄の基準が、頬っぺたがどれだけ美味しそうか、に偏っている気がします。
内容も、二巻完結なので深く込み入ったお話ではなく、御伽噺のような、ファンタジーと青春と教訓の入り交じったお話です。最後の方は少し雰囲気が重たいですが、全体的にコメディチックで読みやすい。メインの登場人物はほぼ女性で、シスターフッド的な関係性はありますが、恋愛要素はほぼ無し。軽く読めて、目の保養になる作品ですので、誰にでもおすすめできます。いいね
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面白すぎ2024年12月1日面白すぎる…っ!難しい話なので途中で読むのを切り上げると、次読み始める時何が何だか分からん。でも面白すぎるから一気に読みたかったのですが、如何せん難しいので脳が疲れるため、小分けにして一週間くらいでシリーズ作品含め読み切りました。脳に情報が詰め込まれてもうめちゃくちゃ。読んでいると脳汁が出まくるので時間感覚が狂います。体も固まります。凄まじかった。人間の執念というか情熱というか、そういう重いけれど単純で実は根源的な何か、をずっと浴び続けている感覚。話の大筋も面白くて人間ドラマも面白くて訳が分からない、面白い!!!!!もっとみる▼
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自分になる人ネタバレ2024年12月1日このレビューはネタバレを含みます▼ 世間的にはラブストーリー、恋愛もののジャンルに当てはまる作品なのですが、それだけではなくてもっと、人間の根源的な、人が人を思う気持ちの話だとも思います。紙の本も電子の本も何回も読み返しているのですが、読み終えるといつも、青春を見たな〜という漠然とした高揚感と切なくも爽やかな読後感に身を包まれます。それはこの作品の登場人物が皆、恋愛だけに囚われない相手への感情や、自分の孤独、願いや望み、未来について考えて決断しているからです。
この作品のタイトルを最初見た時のことを今でも覚えています。この二人がお互いに似たような感情を共有し合い、同じ関係性を望むようになる話なのかな、と思っていました。人は、人それぞれに思いがあって、価値観は違って、歩んできた時間や道のりは誰とも被らない。隣合う人とずっと隣でいられるとは限らなくて、でもずっと隣でいたいと願って努力し続けることはできます。それが個人でいること、他人でいるということで、だからこそ今日も人は誰かを思い、誰かを好きになることができる。小糸さんは最初からずっと、本当は誰かを思い一緒にいたい、と思っている方だったので、その孤独が救われるシーンは、今までの彼女の諦念や罪悪感や抑え込んだ気持ちのことを思うと、もう涙が止まらなかったです。他の登場人物の方々にも皆さん物語や思いがあって、色々感じ入る場面はあったのですが、特に自分は寂しさが掬われるような話が好きなので、そこで毎回泣きます。他人でいるから寂しいし、個人でいるから人を好きになれる。人間って愛おしいね…いいね
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ありがとうございますありがとうございますネタバレ2024年11月20日このレビューはネタバレを含みます▼ SNSで最初に拝見させていただいた時、こんなの無料で見ていいの!?と慄いてしまったので、お金を払って見ることができてすごく嬉しいです。名作を無料で見てしまうと、有り難さより恐縮が勝ってしまうので…。何より、手元に置いて読み返しやすくなったのが助かります。
本編だと描かれなかった部分が明らかになっていて、この後に本編を読み返すとより一層楽しむことができます。二人の出会いから再会するまでの、郷さんの視点が多く、最後に現在の二人のシーンで幕引き。最高めろきゅんバチイケ彼氏こと宮島郷さんが最高めろきゅんバチイケ彼氏になるまでの葛藤や心境の変化が物語の主軸です。なるほどこういう成長を経て、最高めろきゅんバチイケ彼氏になったのだな、と感慨深く読ませていただきました。パッと見は生まれつきの最高めろきゅんバチイケ彼氏のように映る郷さんですが、内心は年相応に悩みがあり、臆病さがあり、後悔がある。だけど、それを全て自身の糧にして、優しく逞しく朗らかに成長してきたところが、最高めろきゅんバチイケ彼氏たる所以なのだなと感動しました。小学生の時に葵さんと出会って、歳の差を感じさせないくらいに相手を楽しませよう、と頑張って話術を磨いた結果、あのお茶目で明るくて配慮のできる最高めろきゅんバチイケ彼氏になったのかも、と考えると、可愛すぎて萌え脳汁が出ます。表ではしっかりして見える人の、裏での相応の努力に感動するので、郷さんのことをもっと知ることができて嬉しかったです。間違えた後、ちゃんと凹んで悔やんで、先に進む糧にできる前向きさを郷さんにくれたのが、葵さんです。そりゃ太陽だよ…。このシリーズの好きなところの一つが、お互いにお互いが光なところです。日本が何故日出ずる国と呼ばれているか知っていますか?それはこの国に、宮島郷さんと嘉村葵さんがいらっしゃるからです。 -
矢印はあればあるだけいいネタバレ2024年11月12日このレビューはネタバレを含みます▼ 相手に向ける感情の名前が多すぎてぐちゃぐちゃに絡まっている人が好きです。恋や兄弟愛だけじゃない、表裏一体の憎悪すら抱えて相手に執着する、ないまぜの熱情に焦がれる様子を、攻めの絢人さんと受けの伊織さん、両者の視点から拝むことができます。ないまぜになりすぎて自分でも自分が整理できていなかった伊織さんが、絢人さんとぶつかったり話したりしながら一つずつ分かっていく過程が、すごく人間らしくていい。個人的には絢人さんより伊織さんの方がヤバいじゃんって思いながら読み終えました。
最初は読者としては、二人のことが全く分からないまま読み始めるので、義弟も怖いが義兄もそこはかとなく危ない気配がする…と怯えながら読み進めるのですが、中盤絢人さんがデレ始めた辺りからの可愛い攻め萌えが脳天劈いてきます。そしてそれをマッハで追い抜いていくラストのわがまま魔性受け。結果、どちらも怖いし危ないけど、二人でやってる分には可愛いからOKです、になってしまう。この義兄にしてこの義弟あり、という感じです。割れ鍋に綴じ蓋とも言う。絢人さん、精神的に若干マゾが入ってませんか?あと他のツッコミどころは不問にするにしても、流石に人様の家の窓は割るな!!!あのシーン景気よくて大笑いしてしまいました。大好き。 -
君の星になりたかったネタバレ2024年11月4日このレビューはネタバレを含みます▼ 初っ端から萌語りなんですが、宝さんかなり好きなクソガキで最高でした…。あまりにも前途が眩しい子どもすぎてめちゃくちゃときめいてしまった。絶対これから自立して自分の可能性切り開いてくバチ強大人になるじゃん、メロ…。アイドルとかになってたら推しちゃうかもしれないです。
恋焦がれると言いますが、恋の感情というのは往々にして望みが混じるものだと思います。相手にこうしてほしい、こうされたい、こうであってほしい、など。相手に求める感情の根本を恋と呼ぶかどうかは、もっと違う点で判断されるのでしょうけど、焦がれるほどの情を描き分け、人物ごとに様々な視点とアプローチで表現されているのは、本当にすごい。この作品を読んでいて一番楽しかったのは、三者三様の感情が、漫画ならではの表現で描かれているところです。文字だけ、絵だけだったら、こう鮮やかにはいかなかったでしょう。
一番根本の願望をストレートに言えないから、恋ってもどかしくて切ないんですよね!星になんか願わなくても目の前の相手に言…えない!浅見さんの願いが健気で可愛くて、恋が溢れていて、悶えました。千晃さん…千晃さん〜〜〜〜〜〜;;千晃さんありがとう、最初無キャじゃんとか思っててごめんなさい、スパダリですよこの攻めさん。千晃さんの一途さも本当にきゅんでした、一生一緒にいてくれや…。 -
目に見えなくても触れなくてもネタバレ2024年11月3日このレビューはネタバレを含みます▼ 本来二人が一緒にいる理由は、お互いが一緒にいたいと思いあっているから、でいいんだよなあと思います。それをこうも繊細に、何一つ蔑ろにせず、作品として成立させて、しかもこんなに読みやすく素晴らしい書物として手元に置かせていただいている!それだけで感謝の念に堪えません。いつも考えるんですが、確かに世間から見た関係性や感情なんかの「名前のつくもの」は大切です。それを元に法律に当て嵌めたり、大切にする理由にもなります。だけど本当はそれだけじゃなくて、名前のつかない、その名前の中に入りきらなくて取りこぼしてしまうようなものだって、大切な関係性や気持ちなのに。ただ一緒にいたい人だからという理由だけで一生一緒にいられるような、行政や世間体からの保証が、どうして夫婦にしか与えられないのか。どんな理由でだって、病める時も健やかなる時も相手を愛することを誓えるなら、二人の間での愛の名前が違ったって、関係性がどうだったって、一緒にいてもいいじゃん。結婚しとけ二人!!!と言うとまた名前に当て嵌めてしまうのですが、こうして何とか書き出してみても、文字にできないものを漫画という作品で読ませてくださってありがとうございます。何度でも言いたい。
牧緒さんの、飄々としているように見えながらも情が深くて熱いところ、めちゃくちゃかっこよくて好きです。人としてかなり好き。その強さの裏に弱さがあるところも、人間味があって奥深くて素晴らしい。いえ、心を病んでしまうほどの傷なんてないに越したことはないですが。侑さんの柔らかくて甘いような、人たらしめいた人懐こさも可愛くてとても好きです。きっと、人が好きだからこそ今まで距離感にずっと悩んできたんだろうなと思います。侑さんは逆に、弱みがあるように見えて、そこを受け入れて立ち上がる支えをもらったら、どこまでも強くなれるところが、二人の対照的な点として描かれているのかなと思いました。あとこの作品の好なところ、本編がシリアスめだからか、たまに出てくる二人の柔らかい笑顔や温かいやりとり、デフォルメ絵の可愛らしさがすごくいい!愛おしくなって抱きしめたくなります。大好き。こういう感じです、自分は生涯一緒にいたいと思う作品には、結婚してえと思っちゃうタイプです…。 -
ベストアンサーを読んでくださいネタバレ2024年10月27日このレビューはネタバレを含みます▼ 伝えきれなかった思いがある人には刺さる物語なのではないでしょうか。情景心情描写がとにかく丁寧で、読んでいて痛いほど苦しいです。昔と変わらず無邪気に接してくる幼なじみと、自覚している自分の思いに葛藤し幼なじみへの接し方に悩む子のお話です。
読んでいて、一歩さんの時緒さんへの切実な思いが伝わってくる度、自然と涙が零れました。一挙手一投足全部意識して、友だちでいるための距離感を測って、今まで通りでいるために思いを押し殺す。幼なじみとして培ってきた全てが瓦解する恐怖と隣り合わせで生きてきたんだろうなとか、そういうことで悩んで泣いた日もあったかもしれないとか、想像してまた泣いてしまった。溢れ出した臆病な恋心と、勇気を出して踏み出した一歩に、拍手を送ります。開き直った後の、伝えた後の、自分の気持ちに振り向いてほしい気持ち、癇癪のような我儘のような自我に気付いてほしい気持ち。時緒さんはわりと、鈍感めというか、誰に対しても同じ温度で接するような性格に描かれていると思うのですが、一歩さんへの態度は他よりも少し温度が高めに、繊細に設定されているんじゃないかなと思います。それが伝わるから、一歩さんも背中を押されたんです。
例えばなんですが、大事な友人が片恋で悩んでるとして、その相手が時緒さんだったら(?)、無責任に友人の背中を押すことができると思いませんか?時緒さん、振るにしても酷い振り方しなさそう。時緒さんへの信頼がヤバい、この歳で人間が出来すぎている。そういう目で見ることのなかった、幼い頃から共に過してきたマブダチから、ちょっと情緒不安定気味に当たられて、ぎこちない距離感を空けられて、挙句の果て訳分からん告白をされて、あんな誠実な対応ができるか!?人生五周くらいしてますか?カッコよすぎるだろ、全人類結婚するならこの男にしとけランキングトップランカー。一歩さんから「俺にしとけよ」を引き出すの、難易度高いと思う…。付き合ってないのに彼氏として100点なんだから、付き合い始めたら彼氏として5000兆点になってしまうのでは?はやく続き読みたいです、一歩さんの難しめ繊細ムーブと時緒さんの最強彼氏ムーブ、はやく最高のホコタテ見たい。素晴らしい作品をありがとうございます。 -
💋💋💋💋💋💋💋💋💋💋2024年10月25日本当に可愛くて大好きな作品です。雪峰さんの薄幸感のある不眠属性、王子谷さんの二面性のある溺愛属性。組み合わせ最高です。内容本編、青春感あって読んでいてとても面白いのですが、自分が今回ここにレビュー書かせていただいているのは、どうしても叫びたいことがあったからです。
二巻の年齢操作おまけ漫画、ましろくんの「たべないで」可愛すぎる!!!!!!!!!頭おかしなる!!!!!!!!!可愛すぎて泣ける、食べる!!!!!!嘘だよ食べないよ!!!!!悲しき化け物なのでキュートアグレッションを己の内に抑えきれませんでした。食べないけど、頬っぺたとか口に含みたいです、…ち、違います…味見です、味…?いや、食べません、猫吸いの感じです。ましろくん吸ったらセロトニンとか分泌されそうだし。いいですよね?頼むよ!先っぽだけだから!もっとみる▼いいね
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触れることは怖い2024年10月21日今読み返してみても面白すぎて頭が痛い。先の展開を知っているのに、本人たちの気持ちを考えると胸が痛い。重たい独白や張り詰めたやり取りに息が苦しくなる。もちろんBL漫画として、それなりのファンタジー性をもって描かれている部分もあるのですが、感情描写のリアリティが凄まじくて、細部に行き届いた残酷さと柔らかさに驚きます。あと、扉絵の美しさ、圧倒されます。よくある二人の絡み絵だけではなく、二人を取り巻く状況や状態の暗喩、描き込まれた背景、抜群の色彩センス。絵に詳しいわけではないのですが、テンカウントの扉絵は温度のあるものというより、主役二人をモデルにして撮影された、撮り手の意思で作られた世界観の絵のような気がします。
相互救済の再生の物語ですが、ただ癒されるだけではなく、痛みを乗り越えて進むお二方のお話です。何回も引っ掻いて瘡蓋剥いで嘔吐して泣き喚いて、それでも互いが希望に見えたから立ち上がろうと思えた。静かなように見えて骨太な内容が好きです。もっとみる▼ -
二人きり…すぎるよ💗ネタバレ2024年10月19日このレビューはネタバレを含みます▼ ちょっとインモラル系。無知をいいことに…みたいな流れが苦手な方は苦手だと思います。囲い込む覚悟までは決めてなくて、いつか自分の手から逃がしてあげられるつもりで夏稀さんにずるずる依存している廉さん。まだ若さという免罪符が機能する年齢なのでいいですが、中々狡い。夏稀さんの心根の清さと意外な強かさに感謝した方がいいです。こういう、駄目な年上×光の年下って、マジで年下が全てを救いがちで面白いですね。年上攻めも、受けからの蜜にはすぐ飛びつくくせに本人のスペックは高くて、そこがまた厄介で面白い。エロ以外のやり取りはピュアな幼なじみっぽくてそこは可愛かったです。延々攻めの廉さんをこき下ろしていますが、可愛いとは思っています!あんだけ言っといてもしバウムクーヘンエンドになってたら廃人同然になってそうなところとか!メンタル弱そうで可愛いですよね!
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初めてのcнϋ♡ネタバレ2024年10月17日このレビューはネタバレを含みます▼ 一途健気って最高なんですよね。この世で一番好きな属性です。この作品は一途健気なピュアわんこ系が受けです。柚木さん、神がかったバランスで属性を成り立たせている人物造形をしているなと思います。一途で健気、純粋で率直で、少し自己肯定感が低くて、そこが危うい魅力の要因になっている。何となくですが、傍から見ていてもこれは確かにモテそうかも、と思いました。庇護欲をかき立たせるような雰囲気の説得力が半端ない。武内さんに目を光らせてもらうしかありません。武内さんも、物語の途中までは頼りない印象でしたが、自覚してからの覚醒パートで一気にスパダリに。番外編で進路のお話もされていましたが、まだどんどん成長していくお二人なんだろうなと先が楽しみです。柚木さんの色気が爆発して武内さんの過保護が暴走しそう…笑 へそピなんすよ!ああ!脳が壊れる!可愛い一途健気にピアスつけるな!垂涎の川ができてまう!!!
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地を歩く人へネタバレ2024年10月14日このレビューはネタバレを含みます▼ 胸が温まる優しい物語で、何度も読み返させていただいている作品です。冬の寒い時期のストーリーですが、だからこそ隣り合う体温の温もりが愛おしい、というのが絵柄から伝わってくるのが素晴らしい。内容も、様々なキャラクターが持つ様々な愛の形がテーマで、それらは時に苛烈に見えたり、愛に見えなかったりもするのですが、最終的には彼らなりの愛し方で落ち着いてエピローグを迎えるところが、読後感を柔らかくしてくれています。
このお話が大好きな理由なんですが、主役のお二方、ターナーさんとベンジャミンさん以外に登場する方々も、自分の意思と目的があって物語に関わってくるところです。恋愛絡みではない関わり方をしてくるあたりが、他のBL漫画とは少し違う点なのではないか、と思いました。群像劇じみていて、読んでいて映画を見ているような気分になります。劇中の言葉も、無駄を省かれた量で語られるは多くなく、相手と伝え合うコミュニケーションより、表情や回想で綴られる思いが多い部分もあります。これを絵だけで伝えきる表現力や画力には感服の限りです。個人的にフィクションのジャンルでは、ファンタジーやSFに多く触れてきたので、この作品のような作風が合っているのかもしれません。
はだしの天使、なんて素朴で可愛らしい作品タイトルも素敵です。幼い印象と、寒々しい連想をさせるタイトル。人に興味を持つ、というのは、人間の第一歩だと思っています。人との間に感情や関係性をもたせることを、人間と呼ぶのだと。無垢で幼気だったはだしの天使は、その足で歩き人を知って世界を知って、きっと裸足の形も変わっていく。ミカエルさんが最後、そうか、と一言だけ言う場面に、読者である自分の心情も重なりました。 -
優しくしたい気持ちのことネタバレ2024年10月8日このレビューはネタバレを含みます▼ 他人に優しくする方法が分からない依澄さんが優しくしようと頑張ってくれる、それが伝わることが泉美さんにとっての依澄さんの優しさなんですね。それが実際に優しさがどうかではなくて、優しくしたいと思ってくれる心が嬉しい。という優しさの解釈なんじゃないかなと思います。
依澄さんのご家庭の環境について詳らかに描かれている訳ではないので推測なのですが、ご家族から多く愛情を受けて育ったのは泉美さんなのかもしれません。だからご自身の中で受け取れる愛情や優しさの方向性が決まっている。そういう指針がないのは不自由なく育ったはずの依澄さんの方で、依澄さんはそういう意味で、これから泉美さんについて人間というものを学んでいくのだと思います。コミュニケーション頑張ってください、応援してます!
個人的な願望ですが、やっぱりお二人のデートシーンは見たかったー!いや、毎日デートしてるみたいなもんですけどね…可愛いね🌷いいね
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怖いと思いながら手を伸ばしてほしいネタバレ2024年10月3日このレビューはネタバレを含みます▼ 最後まで読んで、表紙を改めて見て、じんわりと涙が出ました。人の思いは、人を思うというのは、難しいようでいて実は単純で、簡単かと思えば複雑です。どの登場人物もそれぞれ思いを抱えていて、相手への思いがあって、それは願いや祈りやエゴのようなものもあれば、誠実の証明としての愛もある。どんな人のどんな思いも考えも共感できるところがあって、だからこそ彼らの選択、物語の展開、感情の流れに違和感がなくて、ノンフィクションを読んだ時のような読後感でした。
確かにそれが、焦がれる、という感情なのかもしれない。身を焼くような熱情と呼ばれるものなのかもしれない。本当は気持ちの名前や正体なんて最初から分からずともいいんですよね、相手を知って、触れて、自分の中で確かになっていく感覚のことは自分にしか分からない。そのために相手に一歩踏み出したいと思う心ですよ。いいね
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退勤後、卯坂さんを脱がしたら~ツンデレ先輩のえっちなヒミツ【単行本版/電子特装版小冊子付き】
エロカワの化身ネタバレ2024年10月2日このレビューはネタバレを含みます▼ 攻めが受けの弱みを握って脅して体の関係から始まるタイプの序盤の展開運びがあります。エロ漫画のテンプレの一つではあるんですが、苦手な方もいらっしゃると思いますので気をつけてください。
敬意を表するレベルで、受けの卯坂さんが可愛らしいです。ツンデレとクーデレのハイブリッド、とにかく二面性とギャップが魅力的な方なのですが、本音のうさぎちゃんな部分がとにかく可愛い。うさぎをモチーフに卯坂さんのデザインをされたのか、卯坂さんの人物設定があってそこにうさぎを当てはめたのか、分かりませんが、どっちだとしてもここまでうさぎ的な可愛さを卯坂さんのキャラクターデザインに落とし込んでいるのはすごすぎます。卯坂さん、サンリオのキャラクター大賞とかに出ても違和感ないんじゃないですか?いや…エロすぎるか… -
ギニーピッグは檻の外の夢を見ない【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】
プレイシチュ的な作品ではないですネタバレ2024年9月23日このレビューはネタバレを含みます▼ 研究者攻め×被験体受け、地獄決定。最後までほんのり終末世界感ありますが、主役二人の恋の物語としては収まるところに収まっています。道中は地獄ですが。
まず最初に言いたい。当て馬フェチというか負けヒロイン好きというか不憫な間男みたいなキャラクターが大好きで仕方ないので、悠心さんが不遇な扱われ方をするシーンでは毎回声を荒らげてしまいました。おい!!!悠心が何をしたって言うんだよォ〜;;しかし悠心さんはBSSではなく、NTR展開すらない。だから好きなんだよな、そういうとこが好きなんだよ、マジ絶対幸せになってください。
似たようなタイプのシナリオの作品は何本か読んだことがあるのですが、こちらの作品は上下巻でBL的にまとめられていて、すごく読みやすいし触りやすい。複雑な要素や扱うのが難しいテーマ、端折るところと活かすところの構成が上手すぎて惚れ惚れしました。漫画表現に落とし込む部分も絶妙です。
一貫して、凪冴さんには夢や希望がない。これは研究所に入る前の回想からずっとそうなのですが、彼の縋るところは隼仁さんの比重が大きいです。一番彼をギニーピッグたらしめているのは本人だと思います。だからこそ、隼仁さんに再会して大きく変化していく…そこが、とても、エロい。読む度思うんですけど研究員の方々はこんな凪冴さんを見せられてモブ棒になってしまわないんですか?お仕事手につかなくないですか?トイレ満室になったりしません?さておき、彼の夢と希望になってみせた隼仁さんの漢気には頭が上がりません。結婚の決め手となるのはその人との未来が見えるかどうか、とかよく聞きますもんね、ご結婚おめでとうございます。 -
ハグ一つの重みネタバレ2024年9月22日このレビューはネタバレを含みます▼ やっぱ一途健気、好きだな〜〜〜としみじみ思いました。思い続けて振り積もった思いが崇拝に近くなっていて、その思いに気づいた神様が感化されて人間になっていくやつ、大好きです。
一途健気さんの、気付いてもらえなくても振り向いてもらえなくてもいい、と隠していたり割り切っていた思いが、まさか暴かれてあまつさえ触れられるなんて、となった時の慌てよう恥じらいようは最高ですね。普段しっかりしている方であれば更に、ギャップがたまらない。今作の佐後さんはまさにそのタイプで、お仕事でスイッチを入れている時と、浮津さんに翻弄されている時の、仕草、反応、表情、態度の違い!この差、整います。それに影響を受けて変化していく浮津さんも素晴らしくて、彼もお仕事とプライベート、即ち攻める時でアプローチを変えていくのがとても賢い。読者側から見たら浮津さんも一人の人間で神様ではないことはすぐ分かるのですが、佐後さんの中にはフィルターがあってやはり中々その殻を自分で破ることが難しい。しかし最後に浮津さんの変化や成長、手を伸ばしてくれた勇気を掴むことができて、佐後さんの勇気にも拍手です。 -
可愛いの本質2024年9月8日じゅわっと浮き出るような血色感のある絵と、優しいミルクの中に少しだけコーヒーを混ぜたようなお話。雰囲気や作中時期もあいまって、寒い季節に合う作品だと思います。
デリのスパダリ攻め×本番が苦手な受け。スパダリもの見ると、相手方の意思の強さにいつも感動します。何でもできる人が隣にいてよく、相手に全部任せきりにせず、自分で考えて行動できるよなあと。よほど自分がしっかりしていて、相手を思いやれる思慮の深さがあるんでしょう。そういうところにきっと救われるから、お互いにかけがえのない人になるんですね。この作品の攻めであるハルさんの過去の恋人さんが出てきますけど、なるほどと思いました。スパダリって失敗するとああいう人を生み出す可能性があるのか。だからこそ、今回のお二人の強さが、互いに支えになっているという展開は、思慮という優しさを得た人間の希望の証明だなあと思いました。
巻末に入ってくる別カプの話もめちゃくちゃ可愛いくて大好き。この一冊は通して可愛いという言葉が多く出てきますが、このお二方のやり取りはぎゅっと詰め込まれている分可愛いの質量も詰まっている。疾走感のある可愛いです。もっとみる▼いいね
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キャント・ヘルプ・フォーリンラブ【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】
ちょっと距離置こうぜ⟵共依存ものあるあるネタバレ2024年8月24日このレビューはネタバレを含みます▼ ああああアアあああ〜〜ーー〜〜〜ー〜ーッッッ…久しぶりに全身で悶え苦しむほど萌え散らかしました…ありがとうございます…ときめく度脳から指先まで痺れました。この作品買ってから一ヶ月くらい、この作品ばかり読み返してしまっています。
共依存と言っても色んな形がありますから、どんなタイプのお二人かな、と思って読み始めました。「俺なしで生きていけなくなればいい」という独り善がりが、相手と思いが通じあってからは「もう絶対逃がさない」という誓いになるのが感慨深い。嵐さんは咲人さんの優しさ強さに対して尊敬と好意を抱きつつ、その強さに自分の存在は適わないと諦めを抱いていた。だから自分なしでは生きられないところまで弱くなってほしいと思っていたのが、最終的には相手に適う強い自分になる選択をした。強くなって相手に選んでもらえる自分になろう、と考えて行動できる思いの芯の強さ。相手のために頑張れて、目標があって、そのために走れるなら、依存って素晴らしいだろと思っているので、それを体現したこの作品に出会えて良かったです。人間の強さ、気高さ、かっこよさが詰まった成長物語で、自分も頑張ろう、と思える要素もあり素晴らしかった。
基本的には嵐さん視点で話が進んでいくからかもしれませんが、咲人さんが本当にいい…最高…かっこいいしかわいい…非常に魅力的な人物として描かれています。嵐さんにとって咲人さんは世界の中心で、自分の全てで。支配したい、頼られたい、幼い独占欲が大きくなった結果、奉仕欲に昇華されていく。自分、攻めの奉仕属性大好きです。離れてほしくないから自分なしでは生きていけないようにする、という意味合いの奉仕が、ただ愛おしいから何でもしてあげたくなる、意味の奉仕になるのって最高に愛じゃん!依存属性ものの醍醐味です。
好きなシーンたくさんあるんですが、情けない攻めが好きなので、嵐さんが告白成功して気が抜けちゃうとことか、鈍器で殴られた心地になるとことか、鼻血出るとことか。いや情けない攻めが好きっていうか、無自覚の可愛いで攻めをボコボコに攻めてる受けが好きなんです。気が付かないうちに攻めを沈めてる受けが好きなんです。そういう意味で受けに勝てない攻めが大好きなんです!ありがとう、ありがとうございます。あと、最初が片恋始まりなので、付き合い始めてから、咲人さんからも好意が表れるようになるところ、きゅんっ…!❤ -
二作ともよかったネタバレ2024年8月19日このレビューはネタバレを含みます▼ 無知で無垢で世間知らずで甘ったれで素直で純粋で可愛いね棗さん…。これで大学生、18歳になれるのだから、本当に大事にされてきたんだろうなと思います。ネットが駄目でも本を読んでいれば知っているだろうというようなことも知らないので、本ですらも検閲されて渡されていたのでは。恐ろしいほど幼気な彼ですが、一念発起して自立を決意、一誠さんに影響を受けて頑張り始めます。はじめてのおつかい見てる気分でした。転ぶことは失敗でも恥でもない、立ち上がることが大事と言いますからね。棗さんにはその根性がある。真っ直ぐで歪みないからこそがむしゃらな努力ができる。書いてて不安になってきました、棗さんには現実の汚い部分とか見てほしくないですね…、いや彼なら折り合いつけられるのか。応援したくなると共に、自分も頑張ろうと思える、勇気を貰える表題作でした。
もう一つ、俺のミスターへ、という上下編の短編が入っているのですが、めっちゃいい!これが本当によくて!一途で切実な恋愛の話で、それも好感ポイントなんですが、個人的に主役のお二人が一歩も引かず言い合える仲というのがよかったです。気が強くて自分を蔑ろにすることがない。鳴海さんが長い片思いをしているという設定だったので、鬱屈したような自意識の展開が入るかなと杞憂してしまったのですが、そこの片付け方も思いきりが良くてよかった。卒がなく堂々として見えた取手さんが、鳴海さんの心情を気にしてしおらしくなったり、顔を赤らめて必死になっているの見たら、ああ…ってなりますよねえ。自分の思いは自分だけのものなのだから、誰に文句を言われることではない。 -
太陽を抱きしめているネタバレ2024年8月19日このレビューはネタバレを含みます▼ 寂しがり屋の幼い子どものまま大人になってしまった人、桐野先輩はそういうアダルトチルドレン的な側面を持ったタイプかなあと思います。ただ、自分の置かれた状況や心境を異様に達観しているというか、客観視できているのに心と体が言うことを聞かない、みたいな描写が多いので、頭がいい分余計に罪悪感や苦悩で潰れそうになっている。
嫉妬は愛を曇らせるなら、曇りのない愛情を一途に傾けてくる高瀬さんは、妬み嫉みのような後暗い感情を持っていない。だからこそ、信者に近いような狂愛が感じられて、個人的には最後まで高瀬さんがちょっと怖かったです笑。強くて真っ直ぐな愛、すごいですけどね!穢れのない無垢な愛は、薬です。今回は浄化作用を担ってくれたけれど、いきすぎるとやっぱり毒だから、桐野さんが自分をしっかり保って物事を俯瞰して見られる方でよかった。いらん杞憂ですけど。お二方ともタフで自立していて、しかも相性が良くて最高だった、ということです。自立できる人同士の共依存がいっっっっちゃん健康にいいんだから!不穏な雰囲気に反して、愛で救済する王道の結末で、読後感は温かかったです。
カスみたいな感想なんですけど、序盤で明らかにはなるんですけどそれまで受け攻めが分からんくて、でもリバでも良いな〜と思いながら見てました。 -
足湯とは正にその通りネタバレ2024年8月19日このレビューはネタバレを含みます▼ 切なくて優しくて暖かい、じんわり染み渡るような良いお話でした。今の自分はどうしたいのか、相手のことを思って考えて、答え合わせをして、歩幅を合わせて歩いていきたい。最後に二人がずっと一緒にいたいと、同じ望みで歩き出せたところに感動しました。
人前で嬉し泣きはするけど悲しい涙は一人で流すって…そんな、寂しすぎるよ、幸せにしたくなるだろ;;読んでいてもう絶対絶対圭太さんのことは抱きしめたってくれよ桔平さん!と思いながら読んでいたんですが、最後かましてくれて助かりました。二人とももう一人で泣かないで…抱え込まないでね…。最後の嬉し泣きは可愛くてときめいちゃいました。 -
可愛い二人ネタバレ2024年8月18日このレビューはネタバレを含みます▼ 受けの黛さんの人柄がよすぎる。友だちになりたい。圧倒的光属性。めちゃくちゃ徳を積んでる方なので、絶対に幸せな生涯を送っていただきたいですね。
村瀬さんと黛さんは、知り合い始めというか、過去に面識こそあれ、保護者仲間のような形で距離を縮めていきます。ここがすごく好き。友人のように仲良くなっていきながら、自然に相手に好感を抱いていく過程を見ている感じ。小さい子たちのわちゃわちゃも相まって、平和な雰囲気がして好きです。あと、恋を自覚してからの黛さん、素直で頑張り屋で、めちゃくちゃ可愛い…!村瀬さんも、一途なところが応援したくなります。純粋にきゅんきゅんしながら読める良い作品でした。いいね
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無自覚の色気ネタバレ2024年8月18日このレビューはネタバレを含みます▼ 攻めは白崎さん、受けは黒川さん、覚えやすいですね、白黒。作者様のことを知ってからずっと、作者様のこの性癖への熱量にウケてたので、一冊にまとまって発売されてからすぐ買いました。
身体を許す行為というのは本来、弱点を晒すこととイコールなので、隙を見せてもいいと思える相手を選んで行うのが人間界では一般的です。卵が先か鶏が先かみたいな話で、隙を見せてもいいなら理性も緩めていいだろうと行為に至るのか、ふと理性が緩む瞬間が繋がってそのまま身体の関係に至るのか、その過程は人それぞれだと思うんですが、黒川さんの場合はそれがちぐはぐです。黒川さんは、弱点を晒している間も、行為に至っている間も、理性を失うことがないから、相手が「体を許すと懐を開いてくれる」理由が分かっていない。ところで自分の性癖は理性と本能のせめぎ合いなんですが、黒川さんは自分が理性的であることすら自覚していない。傍から見たら理性が本能に押し倒されてるねニコ…なんですけど、本人は何が起こっているのか分かっていない!そもそもこの発想が出てくるのがすごいです。そんな…行為に慣れていて、言葉遣いや人とのやり取りを見ても大人びていて、賢くて、理知的なものの考え方ができる人なのに…自分の恋愛感性に対して幼すぎるというギャップ。あの、例え悪いんですけど、幼子にエッなこと教え込むアダルト作品的な、そういう背徳感があるな〜と見ていて思います。
続きがあるそうなので、自覚し始めてからの黒川さんも是非追わせていただきたいです。そしたら理性と本能のシーソーゲーム見られるかな〜 -
人にはネタバレ2024年8月17日このレビューはネタバレを含みます▼ 単話で後日譚があることを読み終えた直後に知ることができてよかった…。上下巻二冊の内容だけでしたら、いい意味でフィクションチックというか、テーマに沿ってプロットがたてられてその通りに話が進む、その内容や意図について分かりやすく読み取りやすい物語を読んだなあ、という読後感でした。テーマは重いのに、登場人物のキャラクター性がはっきり確立されていて、話で示したいことが分かりやすいので、難解さや読みにくさがない。登場人物のやり取りと話の流れに重きを置いて、それ以外をばっさり切ったんでしょうね。手が止まることがないというのは、本を読んでいてストレスがないということなので、個人的にはすごく大切なポイントです。その反面、これだけ大仰な要素を盛り込んでおいてここまでか〜、みたいな拍子抜け感も拭えなかった。いろいろ掘り下げてたら何巻続いても足りない要素が多かったので、納得はして読み終えました。
単話の後日譚がよかったですね、人間の業を見ました。綺麗に〆られた後に、もう一次元上の世界で〆るような技だった。作者様の胆力はすごいですね!作品の扱いについての覚悟が決まってます。間引くべき要素の取捨選択について潔いというか。そうして研ぎ澄まされて出来上がったこの作品の形は、十字架なんかじゃないですよ、紛うことなき人間の形をしています。美しいとか醜いとか、悲しいとか優しいとか、そういう話じゃない。私たちは病める時も健やかなる時も、いついかなるときも人間でしかいられない。 -
手放せなかったものネタバレ2024年8月14日このレビューはネタバレを含みます▼ タイトルで買いました。人間味のあるいいタイトルですね。お話もすごく良かったです。拗れてしまった年上攻めが、純粋な年下受けに溶かされていくタイプのカップリング。
歪まず真っ直ぐ芯を貫いたまま生きている人を、正面から受け入れられる人って、同じように歪まず真っ直ぐ生きてこられた人だと思います。ありのままで生きられなかった人は、ありのまま生きて愛されてる人に、羨望なり嫉妬なり抱くのではないかと。どこかで歪んで自分に正直に生きられなくなった人は、自分が自分のままでは満足に生きられないような、何か摩擦があってそうなったわけです。バカで弱くて無様なままじゃ生きられない、大切なものを守れないから、本当の自分を隠して、蓋して、必死に生きてきたのに、大切な妹さんをぽっと出の得体の知れん男に弄ばれたら、そりゃブチギレますよね邦之さん…。しかもその相手、菊丸さんは、邦之さんから見て圧倒的に弱者。という序盤の印象から、菊丸さんの強さがどんどん分かってくる展開が面白かったです。なんかこいつやべぇぞ…ざわざわ…みたいな感じで見てました笑 菊丸さん、信念を貫き通すためなら、その他の何をもかなぐり捨てても構わない、みたいな捨て身の怖さがありますね。強さというか、危うさに近いんですけど、人間生きるか死ぬかだったらそういう判断力が一番大事じゃん(?)。簡単な話、大事なところ折れなきゃ、それ以外全部負けてもいい。このタイトルは、そういう二人の形容詞なんだなと思いました。
マヤさん…………………………………オ……ア………………え〜〜〜〜〜〜そういうことさ〜〜〜〜〜〜〜〜はやく言いなよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(ギャル) マヤさん、聡明すぎる、みんなもっとマヤさんに感謝して。マヤさんがこの後幸せにならなかったら俺がそんな世界ぶっ壊してやるから。俺んとここないか? -
🎥📷📚ネタバレ2024年8月14日このレビューはネタバレを含みます▼ 感嘆。言葉が出てきません。鮮やかで艶やかな筆致、緻密でいて奔放な構成、熱量の籠った文章。一頁捲る毎に情報の濁流に押し流されそうになるんですが、物語の芯がしっかりしていて骨太なので、見失わず読み切ることができました。すごいですね、圧巻でした。
何を言っても自分の中にある言葉だけだと陳腐になってしまう、けれど言葉にする努力を放棄するのは不誠実なのではないかと思ってしまって、書かなきゃと思って書いてるんですけどな〜〜〜〜〜んも書けることないわ。ウワーッスゲーッオモシレーッ!くらいですね。感想文なんですが自分にちょっと引いたシーンがあって、序盤の方に三上さんの写真を見て”生きている”と感じて北原さんが涙するシーンがあるのですが、自分もまだ最初の方なのにここまでで既にこの物語の生命性に圧倒されていて、感受性が爆発して同じように泣いてしまったんです。どんな物語にも生命の息吹が吹き込まれていますが、ここまで共鳴させられるものに出会えると、一瞬恐怖するんですね、驚きました。
あと読んでいて、小説みたいで写真みたいで映画みたいな漫画だな〜と思いながら読めるくらい、色んな媒体のエンタメ性が詰まっていると思います。だから読んでいてすごい楽しいんですけど、読み終えると疲れます笑 遊園地かもしれん。大はしゃぎでした。 -
ぴゅあかわいい2024年8月13日ファンタジックな展開と可愛さが好きな方はハマると思います。ご都合展開なところはありますが、それがいい!心底純粋で優しくて、とにかくいい子な主役お二人を愛でる物語です。安心して萌えられる。
個人的に、この著者様の描かれる登場人物のお口が、感情豊かで可愛くて大好きです。つんってしてたりむにってしてたり。そんなに可愛いとキスしちまうぞ…💕もっとみる▼いいね
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契る覚悟ネタバレ2024年8月13日このレビューはネタバレを含みます▼ 母国語が日本語でよかったな〜としみじみ感じながら読みました笑 いやあ面白かった。お味噌汁みたいにじっくり染み渡るような、絶妙な読み心地。題材が題材だから、もっと不穏な物語かと思っていたので、いい意味で裏切られた気分。小説のように行間を読ませるではないですけど、コマ間を想像してしまうような、風情ある構成が読んでいて楽しかったです。
読み終えてまず思ったのが、えっラブストーリー…。でした。これが、いい意味で裏切られた、の意です。長命と人間の絆ものだと分かっていたので、もっとわあわあすったもんだを想像していたんですけど、全然そんなことはなく。いやすったもんだはしているけど、普遍的な恋愛のお話をしているなと思いました。真摯で誠実で、真っ直ぐに相手を思う気持ちのお話。とても温かくて脆くて優しい、人の心を持ったお二人が、少しずつ距離を縮めて、相手のことを知って、恋をして、変化を受け入れて、愛し合っていく。そのアクセントに、少し不思議な要素が噛まされている。その塩梅が、自分にはちょうどよかったです。あとヒーリングものが個人的に好きなので合ってました。しっかり者の寂しがり屋さんに甘えることを覚えさせるやつ、一生好き。 -
結構青春を感じましたネタバレ2024年8月13日このレビューはネタバレを含みます▼ 新本先生の作品は、先生の情熱や描きたいものがはっきり描かれていて、読んでいる側としてはああこの作品はこういうところを楽しめばいいのか、と指針が分かりやすいので、すごく楽しみやすいです。今回の作品もテーマがはっきりしていて、まどろっこしいところがなく、読後感がすっきりしている。いろんなカップリングが出てきて、問題を通して様々な騒動が繰り広げられる。ジャンル的には群像劇ものでしょうか。
面白かったです、読んでいて楽しかったし、物語に謎を残した部分は意図的なんだろうなと想像がつくので不満はないんですが、ほんっっっっっっっとに個人的な願望を言うなら、同室のお二人のお話がもっと読みたい……!青野さんの爽やか好青年っぷりがド執着に染まっていく過程を是非、拝みたくて!あと会長と副会長の百合描写が大変性癖でした。涎垂らしながら見てました。いいね
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狐が可愛いすぎ。星五億2024年8月11日因習村だ〜!因習×ファンタジー設定タイプの因習村です。深く考えるとこれ詰んでね?みたいな鬱設定な気がしなくもないけど、おめぇらが幸せならOKか!
個人的萌えポイントなんですが、受けの彼方さんの危うい色気というか、清純で凛としているけど守りたくなるような、可憐な美しさがたまらなかったです…。こんなに心を奪われる受けさんに会うのは久しぶりで、読んでいる最中無意識にうちに嫁にこいと呟いていました。見事に失恋しましたありがとうございました。可憐なだけでなく、九朗さんと一緒にいる時の年相応の男の子としての無邪気な姿!素晴らしい。拍手。
あと、こういう…なんていうんですか、シャッ!てした線と柔らかみのある曲線の絵?技法に疎くて上手く言えないのですが、とにかくこの絵、すごく好きでした。局部表現が好み。美味しそうな感じが好きなんです。
狐!狐可愛い!現実の狐は危険だけど、この作品の狐!可愛いね!抱きしめたい!埋もれたい!お日様ぽかぽかの中で狐と一緒に日向ぼっこしたい!原っぱとかでピクニックして一緒に追いかけっこしたい!もふもふだね!お腹に顔うずめて息吸いたい!買ってから一番読み返してる部分、間違いなく「九朗さんに告げ口してる狐さん」のシーンです。あそこ可愛いすぎてでっかい声出た。もっとみる▼ -
待っていた相手2024年8月6日思慮深くて慈悲深い、優しい人たちの救済の話だと思いました。主役のお二方の中にあった蟠りや、難しい感情なんかが解かれていくのももちろんよかったのですが、この物語には他にも重要人物がいて、その方々にも思いを馳せざるを得ない。読後感は、ラブストーリーを読んだというより、人間ドラマを見た感覚に近いです。
人はいつも、信じたいものばかりに目を向けがちです。嫌なものは見たくないし、残酷な真実なんて知りたくないですよね。そうすることが上手く生きる方法だったりもするので、その選択が間違っているとは言い切れないのですが、そうせずに立ち向かえる人、受け入れられる人、そうしてまた一歩前に進める人の勇気や思いやりを、尊敬します。自分でも何を書いてるんだ?って感じなんですけど、こういうタイプの、人の在り方を考えさせてくださる作品が好きなんです…もっとみる▼ -
暴いて暴かれてネタバレ2024年8月4日このレビューはネタバレを含みます▼ これあらすじや試し読みでは分からないんですけど相互救済ですね。この世で一番好きな関係性が相互救済なので、思いがけぬところで会えて良かったです。恋愛ものは結構相互救済に出会いやすくて助かる。
寂しがり屋故に軽薄女たらしな狗井さん×家族から女性を大事にする価値観を刷り込まれてきた堅く真面目な藤永さん。要素は正反対、最初は特に藤永さんが狗井さんに対して反感を抱いていますが、どんどんお互いに影響を受け、反感が情に変わり、二人の関係性は二転三転。流れだけ見るとよくある、ちょっとドラマチックでロマンチックなBLものの話だな、と思うのですが、藤永さんのモノローグがすごく細かくかつ分かりやすくて、心情と関係性の変化が入ってきやすい。モノローグだけでなく、場面描写や人物の表情、一つ一つの要素に丁寧さが感じられて、読んでいて流れだけじゃない楽しさがありました。個人的に感情移入しやすかった、というのがまとめです。大事にしたいのも分かる、大事にできるかどうか分からない不安も分かる、大事にされなくてもいいと思うのも分かる。好きだから大事にしたい、大事にされなくても好き。好きの気持ちがどこにあるかなんですよね。自分を犠牲にしてでも藤永さんに幸せになってほしい狗井さんと、狗井さんを犠牲にせず二人で未来を探したい藤永さんの対比が良かった。最後に表紙下の描き下ろし読んで、泣きそうでした。もう何が好きって、相互救済も好きなんですけど、人が誠実になっていく様が好きなんですよ…!
こういう登場人物の心情ものだと、尊敬や憧れの気持ちで読み終えることが多いのですが、マッッッッッジでこれエッ………………とろとろの顔とか声とか、あと男性向けに近い表現とか、ちょっと!素直にご起立なんですけど!そういうシーンが己の癖に刺さりすぎて笑っちゃった。この作品のR18ブックとかあったら買っちゃうよ〜 -
自己改革ネタバレ2024年8月1日このレビューはネタバレを含みます▼ 最初は、よくあるカースト上位×カースト下位、幼なじみね、と思って読んでいたのですが、それだけではありません。この内容は、この漫画をBL漫画とだけ分類してしまうには惜しすぎるくらい、現代社会のルッキズム問題、自己肯定について向き合っています。問題への取り組み方、そしてストーリーラインへの組み込み方へのあまりの上手さに感動しすぎて、漫画の画面に投げキッスしました。この星五はBL漫画としての星です。自己啓発本としての星も付け足したい。ここまでの完成度でまとめあげた著者様の手腕に感服。
萌え語りをします。りりあ!!!!!!!!!!!最高…ッッッッア〜りりあ…竜って呼び捨てにしてた…気安いの最高…恵麻さん周りの方々が竜さんに落ちていくの、本当に可愛いくてたまらん。特にりりあん落ちパート(勝手に愛称で呼ぶキモ)脳に薬ぶち込まれたみたいに気持ちよくて、この先のBL展開に一瞬興味失っちゃった。りりあん、しかも姉なの良すぎる、良き姉やってんの良すぎる。
思春期的な悩みや迷いに足を取られて、他人を傷つける選択をしてしまったり、思い詰めて暴走してしまったり、逆に考えが及ばなくて間違えてしまったり、というのはあっても、完全に悪いだけの人というのは出てきません。そしてこのお話のいいところは、そういう人に対して安易な救いや許しの描写がないところです。当たり前なんですけどね、現実でだって、こうしたら正解とか、謝ったら全部帳消しなんてありえない。そういうシビアでリアルなところがありつつも、ロマンスものとしてロマンチックでドラマチックな部分も内包しているのがこのお話のスゴイところ。その体現が恵麻さんなんだな〜と読んでいて思いました。そしてそれを自分の感性で考えて言葉にして噛み砕いて読ませてくださるのが竜さん。お二方とも素晴らしい方です。尊敬。自分も見習わせていただきます。 -
この男、腐れ縁につき【コミックス版/シーモア限定おまけ付き】
面倒な二人ネタバレ2024年7月30日このレビューはネタバレを含みます▼ 素直になれず、こんがらがって拗れて、面倒なことになっている二人の話です。幼なじみの二人、実は互いに思いあっているのに、いつからか一歩進んで二歩下がるコミュニケーションしかできなくなってしまい、そこに訪れる転機。
健気さ一途さに、思春期の暴走が合わさったような作品。見てると胸が苦しくなってきます。そのもだもだ感を耐えて、最後に報われるカタルシス。両片思い幼なじみの醍醐味。いいね
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青春を感じる2024年7月29日少女漫画っぽい、柔らかく爽やかな筆致と雰囲気。主役のお二人からしたら山あり谷ありの四年?五年以上?の恋路のお話なんですが、そんなに密度が濃く詰め込まれていないので、肩肘張らずにさらっと読めます。その分物足りなさは感じますが、好みによりますね。二人とも一途で可愛らしかったです。もっとみる▼
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愛さないで触れないで【コミックス版】【シーモア限定描き下ろし漫画&電子限定描き下ろし漫画付き】
可愛い作品でした2024年7月26日攻め萌えかな?と思って買いました。二人とも可愛らしかったです。攻めはギャップ萌え系ですね。
個人的に、ポップな絵柄がとても好みでした。デフォルメ絵がとてもキュート。キャラクターごとのセンスが現れたファッションも、設定が作り込まれていて良い。頬から顎にかけての曲線フェチなんですが、かなり好みの頬の曲線に久しぶりに出会いました。
表題作と、もう一つ短編連作が入っているのですが、そちらも可愛い内容でした。ラブコメチックな作風がレトロポップな絵柄に合っていて、二作品どちらも良かったです。お話としてはオーソドックスなBLなので、万人受けしそう。もっとみる▼