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borgさんのページ|漫画の感想・口コミも業界最大級!シーモアレビュー
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ERR_MNG
レビュー
今月(10月1日~10月31日)
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シーモア島


投稿レビュー
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読者だけがいろいろ知っているネタバレ2025年6月6日このレビューはネタバレを含みます▼ 最初グルメ系のほっこりBLなのかなと読み進めたらまったく違った。引き込まれる要素がたくさんあるのだけれど、なかでもキャラクター同士の気持ちなり情報なりがお互いに共有されていない、つまり言葉で伝えられていないことがたくさんあるところがいいと思った。そうすると読者だけが知っているので、こちらには緊張感と焦れったさがあって、お話の世界へ読み手をコミットさせる力を感じた(ああなってほしい、こうなってほしい、言えばいいのにetc.)。その読み心地がとてもよかった。また、登場人物がそれぞれに自らにリミッターをかけていて、その理性による制限と、相反して溢れそうになる気持ちや衝動の様子も、読んでいてエロティックで魅力的だった。もうひとつ個人的に印象に残ったのは、相手の世話を焼くというか、気遣う場面が多々出てくるところ。そうやって相手の懐にするりと入り込んでいる描写が(実際の男性にはほとんど見られないものに私にとっては思えるため)妙に考えさせられるなと思いました。
(あらすじ)片方は腕のいい板前。もう片方は、特殊な庭師で、庭についた物の怪を祓い清める仕事をしている。板前は庭師に惚れている。料理を作り週末の時間を一緒にしはするが関係をはっきりさせることには踏み出していない。実は過去にある料亭でふたりは交錯していた。庭師による祓い清めがうまくいかず、そのせいなのか火事になり、当時そこに勤めていた板前は火傷を負った。2人が会ったことがあることは板前の方は分かっていない。どうやら庭師に忘れさせられているようだが、それでも板前は悪夢を見たり、事件のことで現在も苦しさがある。いいね
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人物造形がすごい、ドラマに納得感しかない2025年3月2日すごく引き込まれました。雁須磨子先生は、文章を完全にしないで、断片をつないでいくような言葉の使い方が、リアリズムというか独特で面白いな、というところが、これまで印象的に思っていました。今回の作品では、人物の説得力に圧倒されました。もっと言うと、男と男の、しかも同じ職業のふたり、プライドのかかった競い合いが水面下でずっと進行していて、でも、かたや性愛も含む親密な関係性で、どうしても上下関係、支配被支配の関係から降りることを求めてくる力が働いている。その緊張感あるドラマがたまりませんでした。宇郷という男、彼は傍若無人で、それでいて怖がりで、すぐホモソーシャルな世界の中での支配に逃げる。言ってみれば、サブカルマッチョ野郎です。現実では、ここに女性嫌悪が入ってくるのが常だと思います。そういう、ある意味きわめて男らしい男が、同じ男との関係性を通じて変わっていく。それがエロティックでもあり、感動的でもありました。読む前には分からなかった、でもなぜか「ああ、私はこれが読みたかったんだ」という、自分のなかにこれまでもあった欲望を形として発見するような感覚がありました。BLで自分が読みたいものは、これなんだなと納得しました。もっとみる▼
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テンプレ感ゼロ流れるようなオリジナリティネタバレ2025年1月23日このレビューはネタバレを含みます▼ 久しぶりにシリーズ3作を一気読みしました。書けなくなった小説家、木島理生(りお)と関係を持つ男性が2人出てきます。一人は昔の相手で城戸。彼もかつて小説家を志していたが、理生の作品を読んでその道を諦めた。城戸は理生に敬意と嫉妬、両方を抱えていた。もう一人は、現在進行形で物語のなかで関わりが描かれる久住晴彦。若く、明るく、ひねておらず、あたたかい。この3者のありようが、とても好きです。理生は、人間関係も自身のことも諦めているかのようで、信じたい気持ちもどこかあるのか人を試す行動を繰り返します。一見すると信じられない迷惑行為の連続なのですが、どれも本人は無自覚ながら「助けて」とすがる必死の表現なんだろうな、と今回再読して思いました。なので、城戸と久住のふたりがいて(周りの人々もいて)良かったな〜、としみじみしました。1回目で読んだ時には、理生の官能性にどぎまぎと振り回されましたが、今回は、理生の成長譚として再読しました。
人がやたらと怪我や病気になって話が展開したり、官能小説家の代筆という設定などはいかにも漫画らしいと言えますが、言葉遣いも話の密度も人物像も、お決まりのテンプレートが使われていると思わされるところが全然なく、作者の方のオリジナリティがセリフにも話の進行にも水が流れるように自然に、潤沢にあふれていて、創作物としての世界観をしっかりと立ち上がらせていました。読んでいて、きっとそのおかげで、満足感がありました。たくさんの人に読んでもらいたい作品だなと思います。 -
2人のリアリティある恋を応援したくなる2024年9月19日試し読みの部分では、もう少しダークな話なのかなと思いました。しかし読み進めてみると、恋愛での普遍的な悩みが丁寧に描かれていて、リアリティがありました。攻めの宮田先生のほうも、弱さのある普通の人間として描かれていますし、受けの鮫原先生のほうもゲイセクシュアルならではの悩みの部分もありつつ、恋愛という他の人間関係と違う特別な関係において、相手を信じて自分を明け渡すことへの不安やためらいが焦点となっており、多くの人にとって覚えのある感情が描かれていたと思います。絵についてなのですが、表情や身体の線がとても魅力的だなと思いました。キスシーンの唇がシンプルな線なのにすごく伝わってくる感じがしてどきどきさせられました。キャラクターのことで、宮田先生の気怠げで冷たそうな目つき、それでいて距離を詰めるのが上手くて逃げ場をなくしてくるコミュニケーション、そのモテそうだけど空虚そうな感じが、読んでいて目が離せなくなるサスペンス感覚を味わわせてくれました。派手なドラマではなく、けれども日常ほのぼのでもない、リアリティあるひとつの恋の話でした。もっとみる▼
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Happy Birthday ちとせくん【電子限定描き下ろし付き】
引き算がうまいリアリズム2024年8月25日どなたかも書いていらっしゃいましたが、無駄なコマがないという感じがします。だからだと思いますが、心地よい緊迫感があって、短編映画のようです。高校のときの時間軸が、現在の時間軸から振り返る形で描かれているので、高校の分は必要なエピソードだけが語られている。最後の方は準備が整って、現在の時間軸がパーッと進みます。そこに読者が欲しい全てが詰められている。私はこの作者さんは初読みなんですが、構成がすごいなあ、と感動してしまいました。キャラについてなのですが、私は受け(千歳)の子の性格がとても好きでした。急に強気なことを言って踏み込むんです。それがとても魅力的で、こんな子に近くに来られたら参っちゃうなと思う。でも攻め(高鷹)の子の前だからそうやって振る舞えるということなんだと思うので、結論、ふたりがとてもいい組み合わせ。ずっとずっとふたりで楽しい時間、大切な時間を一緒に過ごしていてほしいな、と思わずにいられません。セリフや言葉がシンプルで読みやすかった。ミニマムまで削いである気がしました。街の景色なんかも小さなコマでもすごく分かりやすかった。ペンタッチというのかな?、絵柄も好きでした。もっとみる▼ -
少女漫画の良いところ集めてできている2023年12月28日密度のある、詩的な作品でした。少女漫画の歴史を自覚的に引き継ぎ、リミックスした擬似懐古的なスタイルを採っているように思えます。そうすることで「インスタ」「ネトスト」「推し」といった用語に代表される今日的な事象を描いていても、たとえば5年、10年経っても恐らく時代遅れ感が出ない作りになっているのではないか。過ぎ去った時間をコレクションするかのような視線が現在の時間も包み込む。「誰にも見てもらえない」「誰かに見ていてほしい」と主人公ふたりと同じくSNSにすがる私たち読者をもすくいあげているようだ。リアルなことが描かれているけれど、そういう遥か上空に視点があるところはどこかSF的とさえ思える。昔もいまも、誰かと誰かが出会って向き合い関わり合うことこそを重大事とし、不安に揺れる若い読み手に「大丈夫だよ」と差し出してきた、少女漫画の歴史の結晶のような作品。たくさんの人に読まれるといいなと思います。もっとみる▼
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息できないのは君のせい SUPER PINK【電子限定・18禁】
2者関係としてベスト2023年11月22日この掌編は、エロティック方面の満足度もさることながら、2者関係としてベストなふたりの親密なお話を読めて、何だか思わぬ感動がありました。2人がお互いをよく知り信頼しあっているからこそ、こういう充実した性的な時間も成立するんだよなぁ、と。男性らしさとか女性らしさとか、そういうものがまだまだ根深く残って、いちばんプライベートな場面でさえ意識から拭いきれず、幸福度に関わってくることも少なくない時代にあって、ふたりの信頼の中で安心して「どうあるべき」とか「どう思われるか」が溶かされている。インスタントには手に入らない関係。本編でふたりが向き合って格闘してきたから…読み返そうと思います。もっとみる▼ -
里つばめワールド内だけで許してしまう色々2023年11月19日作品レビューではないのですが、本作を再読したら里先生作品についてしみじみ感じたことがあったので書くことにします。里先生のエリートリーマンものは、ガチガチのホモソーシャルの世界で、もちろんミソジニーもばりばりで、部分的にホモフォビアもついてくる現実と同様の地獄。要素だけ取ると拒みたいものばかり。なのに、先生がここに性愛を加えて描いたとき、性愛以外の部分の現実味ある描き方に支えられて、フィクション全体にもしかして現実に起きうるかもしれない、もう起きていることかもしれないという説得力が持たされ、そして、このファンタジーを通してみると、ついついレジストを忘れて現実を認め許してしまいそうにまでなる。そんな危うさをもつのが里先生の作品。そういう意味で、このジャンルにおける正統的な作品を作られる先生だな、と思わされます。そもそも男尊女卑が残る社会での生存を迫られる女性にとっては、このファンタジーを通して現実を見直すことこそが、ひとつのサバイバル手段でありきたってきたのだと思います。時代とともにいろいろ変わったこともあれど、この社会に生きる処方箋として里先生の作品はたまらなくよく効く。もっとみる▼
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いつまで代わりでシましょうか【単行本版】【電子限定特典付き】
良作!堅く真面目な受けをひらく自由な攻めネタバレ2023年9月17日このレビューはネタバレを含みます▼ 積読していたのを読みました。もっと早く読めば良かった。私はこの作品、素晴らしいと思いますし、すごく好みです。
あらすじとしては、主人公の圭(けい)は受けで、真面目なタイプ。長年親友に恋してきたけれど、その気持ちもセクシュアリティも隠してきた。その親友が結婚して、密かな恋情の区切りに直面している。結婚式の帰り、穂高(ほだか・攻め)と出会う。声が親友と似ていて、つい流され一夜の関係を持つ。けれども実は穂高は以前から圭を意識していた…。
お話の作りがしっかりとしていて、派手なストーリーではありませんが、いくつかの筋が並走して展開していきます。そこに読み物としての密度があって一冊でもとても満足感がありました。
関係性がすごく好きでした。受けの圭は、ふだんから自分を律して真面目、しかしその裏面として踏み出すことへの不安も持っている。対する穂高は、ひとところに根付くより、あちこち移動するタイプ。若い時に海外で入れたタトゥーがあって、圭はそれを自分にはない自由さの象徴と捉え、尊敬と憧れを感じる。穂高の方は、硬くて閉じた圭を見て、自分の手で開かせたいという欲望を感じる。お互いが引かれ合う様がとても自然で素敵でした。
もう少しでパートナーになれそうというところで、ある出来事が起きて、2人は離れ離れに。けれど、圭がここで「どうすべきか」という理性の部分を薙ぎ払って、「どうしたいか」にドライブされて穂高のいる福岡まで向かう。圭が勇気を出して変化し、それを穂高が迎え入れる終盤のこの場面は本当に最高でした。
何回も読み返す作品になりそうです。 -
現実の女性差別も隠しテーマのようだったネタバレ2023年8月16日このレビューはネタバレを含みます▼ この作者さんの作品は、これまで「評判はいいが自分に合わなくて残念」という感想を持ってきたのですが、この作品は好きでした。あらすじとしては、国内有数グループ企業の後継者となるべく育てられてきた伊達御門(だてみかど)。当然Domだと疑わずに受けた第二の性検査でSubと判明。しかしグループを実質的に支配する「お祖母様」はDom至上主義者。Subだということは隠して薬で抑制してやり過ごす日々。ある日、薬を処方してもらいに行った病院で、高校の同級生、須藤蓮(すどうれん)に会う。「俺とプレイして」と苦しげに頼んでくる須藤。ふだん学校でおどおどする須藤のイメージから、御門は「須藤はSub」と思い込み、「助けてやろう、こういうことはこれからも起きるかもしれない、自分にとってこれからの練習になる」と、善行のようでいて傲慢な発想から引き受ける。ホテルで分かったのは、須藤がDomだということ、そしてこれまで全く気づかないできた自らのSubとしての本性。この出来事から、御門のなかにただDomのふりをしていればいいというわけではないのではないか、という問いが生まれていって…というお話。御門と須藤、2人のキャラクターと関係性が抜群です。曇りなく高貴で、自らの義務をただ遂行してきた御門。「好き」という気持ちを暴走させて、期せずして御門の完璧な上辺を崩す須藤。美女と野獣、下剋上ものの変奏のように感じました。このふたりの理性と本能がぶつかり合い混ざり合うような、やがてそれぞれがバランスの取れた自分自身となっていく描写が恋愛とエロスの本質を表しているようで素敵でした。後半、御門がSub性を引き受けて、自分自身のビジョンとして「グループ初のSubのトップになり両性の平等を目指したい」とお祖母様を相手に堂々と談判してみせるところなどは、まるで現実世界の女性差別のことが重ねられているようで、思わぬ感動を覚えました。
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映画のような「視覚芸術」味がかっこいい!2023年6月11日BLアワード2023でBEST次に来るBL部門にランクインしているのを見て買ってみました。初コミックスと知って驚くほど、絵もお話もキャラも良かったです。
(追記2025/06/10)続刊も読みました!真面目で堅い熊沢(攻)。彼に少し理に偏った不自由さがあるとすると、晃一(受)の感覚的で、屈折していない柔らかな温かさが、熊沢の堅さを、軽々と貫いて刺さる。すると熊沢は晃一を欲望することが止められなくなる。晃一の方にも、表面的でなく、軽くなく(重く)つなぎとめられるのがすごく気持ち良いというのがあるんじゃないかと思う。2人の寂しさの形が、ちょうどよく引き合って慰められた。あたたかくて大好きな作品!絵も線のタッチも大好き。
タイトルにした「映画みたい!かっこいい表現だ!」という感動についても、いつか書き足したいです。もっとみる▼ -
ためらってる人は全員、読んでほしい!2023年6月1日一生忘れられない1冊になると思います。値段や時代物を前に迷われている方、全力でお薦めしたいです!
「おはなし」を読む楽しさ、喜びがぎゅうぎゅうに詰まっています。景色もアクションも表情もどこを取っても見事な絵、快感を覚えさせるほどに構造化された物語の構成力、繊細な心理描写、時代物ならではのかっこいい言い回しのセリフ…。緊密でいながら緩急ある流れ。ひとつの講談か何かのお話のようです。作者さんのなかで、どういう言動がかっこいいのか、美しいのか、ということが研ぎ澄まされてはっきりしているんだろうな、と感じさせられます。読んでいて「粋」が見える。優雅に扇を返すかのように話の流れがザッと変わる瞬間がある。最高です。BL部分については、攻めが2人出てきます。受けの若い頃の相手と、年齢を重ねてからの相手。ネタバレを避けて書きます。前者の関係性は、暗いものを抱えた受けに対し、懐の大きく温かい攻めが、見返りを求めない贈与的な愛し方をするというもので、王道ながら堪らない。後者は、うまく言えないのですが、葛藤を抱えた大型犬攻めが、かわいそうで、かつ、かわいいんです。現代とはひと味違って、人の振る舞いに決められた型がある時代。そういった縛りがあるなかで、情がどのように抑えられ、歪められ、また発露するのか。この作品は折に触れて繰り返し読み返すと思います。もっとみる▼ -
2巻待ち遠しい!!2023年4月25日初めての作家さん。
敏感な嗅覚を持ち独立してパフューマーとして活躍中の攻、黒蜂翔生(くろばちしょう)。対する受、御薗馨(みそのかおる)は、生まれつき人を惹きつけてしまう香りの持ち主で、本人はそれをコンプレックスに感じている。馨は悩みから解放されたい思いから、香水の企業に勤め、自分の香りをリセットする(そこへ好きな香りを乗せる)というコンセプトの香水の企画を進めている。そこへサポート役として翔生が加わって2人が出会う。私はこの作品がすごく好きです。いろんな魅力があるんですが、メインは、馨が香りで相手を魅惑できてしまうが、そのことに葛藤していて、気になる相手といい関係になりそうになっても個人として見られているのではなく、自分の意志や考えとは無関係に放たれる香りによるものなのではないか、と葛藤するというお話の枠組みが、人間関係の普遍的な悩みを描いていて、やっぱり面白いです。オメガバースもこういう側面ありますね。あとは、香りというモチーフが読む方の身体も起動させられるところがあり、好きです。絵、構図もすごく好きです。忘れられないページがあります(他の方も言及しておられました)。台詞も印象的で何度も読み返してしまいます。あと、実はサスペンス的というか「この攻、受を傷つけないかな…」とハラハラさせられて、読み物として「続きが気になる!」というところも面白さかな、と思います。
個人的に、性的なことが無理矢理じゃなくて、ちゃんと合意前提になってる世界観も安心できて好きです。2024年に2巻ということで、それまで頑張って生き延びます!
追記:
先日、作中に出てくるのと似たコンセプトの香水を見かけ、本作を思い出して買ってしまいました。2巻が待ち遠しいです。もっとみる▼ -
独特の虚構空間に成り立つ関係性の尊さ2023年4月10日重い実先生の作品大好きです。でもなんで好きなのか、深く刺さるのか、うまく説明できないでいます。 山本くんの服の畳み方がものすごくきちっとしてるとか、小林くんが温度や物の大きさなど道具を使わなくても数値で把握できるところとか、山本くんが最中に命令形になり口が悪くなるとか、あふれんばかりのディテールが、どれも読み手である自分の予測の範囲を少しだけ超えていて、シュールというほどではないのだけれど、非現実感があって、それが独特の浮遊感を与えてくれているような気がします。 ダイレクトにエモーショナルなのではないのだけど、リアリズムとは異なる描き方で独自空間が作り上げられていて、そのなかでこそ成立するエモーショナルを垣間見せてくれる。それが本当に素晴らしい。作品世界の地平がリアリティとはずれている、そのズレのあり方が、心理部分の尊さを成り立たせているような気がします。他に先生の作品で特徴的だと思うのは、山本くん小林くんが互いに感じていること思っていることが相手に伝えられていないことが多い。つまり読者だけが知っている。すれ違いエピソードなどではなく、後で回収されるわけでもない。その感じが第三者である読者に切なさや見守りたい感覚をもたらしているように思います。どこかの記事で重い実先生作品の魅力を「ギャグ」「エロ」と書いているのを読んだのですが、もちろんそれもあるけれど、そのエロスを支えている文法(先生が独自に作られたものだと思います)こそ紐解かれ、讃えられてほしいと思ったりしています。もっとみる▼
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絵がすごく綺麗!ぜひ他も読みたい2023年3月11日芹澤知先生の単話を読んだときに、巻末についていたリキューレpathosの宣伝のカラーイラストがあまりに自分の好みで、本当に何もかも美しくて、これは誰が描いたのだろうと調べ、判明したのがma2先生でした。
BLではこちらの作品だけ見つかって、すぐに買って読ませていただきました。
ひとコマひとコマ、正確な線が引かれてるという感覚を覚えて、震えながら読みました。本当に先生の描かれる絵が好きです。
お話もかわいくて、この2人がこの後どうなるか気になります。読み切り企画のようで少し残念です。また別のBL作品も楽しみにしています。もっとみる▼ -
全方位100点満点、バランス完璧な作品2023年2月18日読み終わるのが惜しいほどでした。不満な点が何ひとつないくらい優れた、バランスの取れた作品だと感じました。正直な話、こじらせてしまってどこか歪んでいる私自身の好みとしては、こうした作品を「別マ系統の少女漫画みたいなBLだな」と自動的に分類して顔を背けてしまいがちなのですが、それでもこの作品のようなトップに立つぐらいの素晴らしい作品を読むと、参りましたと、己の小ささを恥じて頭を垂れ、ひれ伏してしまいます。完全降伏です。まだ2月ですが、これは今年のベストテンに入ると思います。沢山の人に読んでほしい名作!!もっとみる▼
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最近読んだなかで1番(個人的に)ネタバレ2023年1月29日このレビューはネタバレを含みます▼ 最近たくさん読んできたなか、これはとても好きだったので、こういうのが他にも読みたくて、そのために何が良かったのか考えておくためレビュー。
友達同士、でも通常の意味での友情があるわけではない。1回限りの女性を3Pで共にする仲。しかし、実は、攻めは受けに前から惹かれるところがあり(ここにひなこ先生らしく歪みある執着が見られる)、それと知られぬうちに外堀を埋め、距離を詰めていく。関係性が次第に変化する。そういうお話。
もともと近い存在で、気を許している2人で、でもどっちかがその先の関係(恋とか性とか)を欲していたとき、そこに「こっちにおいで」ともう1人を落としていく。叶うかすべて失うか分からないそのスリリングなドラマ。しかも、本作の攻めは囲いを少しずつ狭めていって逃げられないようにする感じ。だけど、無理にするのではない、そこが生け捕りにする狩猟のようで、良い。じたばたする受けも大型の力強い獣みたいかも。その互角の闘いのような関係性の書き換えゲームのなかで、ついに受けが屈服する感じが刺さるのかな。それでいて攻めの方が「愛する」という仕方で仕えているかのようなところも。
親友ものとか幼馴染ものとかもあるし、王道といえば王道なんだけど、これが刺さるのは「好き」なんて言葉だけではどうにもならなさそうなガチガチのホモソーシャルな文脈のなかにある関係から、どう恋愛性愛の、ホモエロティックな関係に着地するのか、それを読むのが好きなのかもしれない。
(レビューではなくて、ごめんなさい。整理できたら直します!) -
PCクリアの優れたBL作品はあると証明ネタバレ2023年1月26日このレビューはネタバレを含みます▼ 試し読みをしたときには、自分にとって、こんなに感銘を受ける作品になるとは予想ができませんでした。
何に感銘を受けたかというと、年齢差の開きがあり、かつ下は現役高校生だ、ということを、「性欲」とか「愛」などのBL的な文法のなかでファンタジー的に覆い隠してしまうことをせず、逆に、それを真正面に据えて正統的な恋愛を描き、かつBLとしても最高に素晴らしい作品になっている、ということに対してです。
創作における倫理からの逸脱というのは、それが作品として必然的であればもちろん有りだと考えています(もしくは、当該の行為なりが作品世界において逸脱として位置づけられていれば構わない)。それでも、人が生きていくというときに「よくありたい」とか「他者を大事にしたい」「そのための言動はどのようなものか」と考えていることも、現実の人間の切実な感覚だと思います。なので、BLはファンタジーなのだから、と、半ば定式化した描き方に甘えるようにして、性暴力を愛として描き続ける作品ばかりだと、ずっと好きで来たし必要ともしてきたこのジャンルからもう離れたくなるな…と感じていた最近でした。
そこへ、こちらの作品で、年上の、かつ欲望に流されやすいという設定の人間が、年下の未成年者に惹かれる気持ちを持ちながらも、しかもその年下の彼の方から「なぜいけないのか」と迫られるような状況も訪れつつも、年齢を知った後では距離を取ることを選び、そののち、成人後に恋人同士となることを選ぶ、そういう2人のあり方を読むことができて、とても嬉しかったのです。
ポリティカリー・コレクトネスというと最近の現象のようですが、創作と時代における倫理観の問題というのは、いつの世でも切って切れないものだったのではないかと思います。
インモラルだけれども素晴らしい、という作品が一方の極には必要で、他方では、このような作品も必要だ、と強く感じました。 -
「やおい」「耽美」のころの関係性を感じた2023年1月26日3巻まで(4巻未読)読了。お勧めを受けて購入。自分だけでは買わなかったであろう作品。
小島(受)も半分嘘で生きているようなキャラだけれども、読者としても、のちのち明らかになることが多くて「そうだったのか!」「騙されてた!」と振り回される。その振り回される感覚が、嫌ではなく、ミステリを読んでいるときのよう。
自分が最近読み慣れているもので得られる萌えとは異なるが、受け攻め2人の人間の関係性には胸を絞られるような感覚を覚える。どこかブロマンスものとの近さも感じる。
似てないはずなのに2人一緒になると双子のような2匹のウロボロスの輪のような。2人でいることで完成されるが、2人だけで完成してしまうので他者には閉ざされている感じ。お互いによってお互いが救われるのか、お互いによってお互いが滅びるのか分からない危うさが、先を読みたくさせる。
このジャンルが「やおい」「耽美」といわれていた頃は、こういう関係性の作品が多かったような気がして、どういうことだか考えてみたくて、とりあえずレビューとしてメモさせて貰いました。
追記:
あとから萩尾望都『トーマの心臓』のトーマとユーリを思い出した。勝手にユーリのために、と命を捧げてしまうトーマと、自らを圧倒する贈与に怒り、戸惑い、しかし最終的に救われちゃうユーリの関係性に、ぜんぜん違うけど、でも、どこか小島と大門は似ているように思えた。
追々記:
4巻まで読みました。トンネル、抜けてこられて良かったね、と、本当に頑張り切った2人を祝福したい気持ちです。もっとみる▼ -
容赦ない愛が台詞に結晶している2022年11月20日紙で1-2巻を読み、電子では3巻のみ買いました。
トラウマや親子関係など、それぞれのキャラクターの背景は、言ってみれば王道なのですが、人物造形の説得力が圧巻です。特に台詞のやりとりは背中がぞくぞくするほどでした。
愛や信頼、安心を諦めそうになる主人公(受)に、それを許さない。恐怖心も、その奥の欲も願いもすべて暴き出して、諦めさせない。そういう、攻が受に踏み込んでいって捕まえて、陽の当たるところへ連れ出す関係性、『お遊びはそこまで』でも共通しているように思います。
この描写が、松本ミーコハウス先生の作品で、本当に好きです。
もちろん絵も好きです。描線そのものが艶かしくて、息をついてしまいます。
ハードなシーンもありますが、勇気を出した暁に得られる愛の姿がしっかり描かれていて、読後はきっと読んで良かったと感じられる作品だと思います。もっとみる▼ -
意外にも感動して涙した2022年11月14日読み放題で4巻まで読みました。
天才ながら他者との関わりに未熟さがあるアンドロイド研究者の主人公が、子供のときに大事にしていた人形の記憶を引き継ぐアンドロイドを偶然手に入れることから話が始まります。
BL設定としては、一見して、このアンドロイドがセクサロイドだという点が重要にも思えますが、そういう性的なことより、実はこの作品には、深い感動が潜んでいて、ある事故が描かれる4巻では思わず涙が出てしまったほどです。
なぜ心を動かされたか考えてみました。
人形の記憶を継ぐこのセクサロイドが、主人公に対して、無償の愛、無条件の愛を投げかける。それによって勇気を得て、人間関係に回避的だった主人公が変化し、他者との関わりに踏み出していく。そういう成長が描かれています。
大人になりきれていなかった天才児が、人形との関係に促されて成熟を遂げる。そこに感動させられました。
子供と人形の間に生じる愛と安心の空間は、健やかな自己愛に役立っているのだということが、あらためて思い起こされました。
表紙やタイトルからは予想のつかない、良質な童話にも似た感動が隠されていて、びっくりしてレビューを書いてしまいました。雰囲気はほど遠く思えるかもしれませんが、童話や児童文学の好きな人におすすめかもしれません!もっとみる▼ -
控えめなのが現実感あって良い2022年11月11日読み放題で読みました。なかなか読み返したいほどの作品には読み放題では出会いにくいのですが、こちらは買おうかなぁと思うくらい気に入りました。
なぜそう思えたのか振り返ると、現実感があるからかなと思います。もちろん王道展開と言えばそうだし、ヘテロ同士がたまたま両思いになるというのはご都合的ではあるのですが、数多ある他のBLと比べて、人物造形、セリフなどが、仕事の場面をはじめとして、性的なシーンでも、わざとらしさがなく控えめで、その分リアリティがあったな、と思いました。
おかげで「ありえない」などの気持ちが生まれて作品との距離が空いてしまうことなく、2人のドラマを見守れました。
スパダリ過ぎない人間味ある攻、愛らしいけど仕事ではしっかりと頼れて、庇護欲を駆り立てるというのではない受、とても良かったです。
こういう無理なデフォルメのない作品をもっと読みたいなぁと感じました。もっとみる▼いいね
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攻めも受けも二人とも真面目2022年10月30日はじめ(受)が、自動車会社の社長の息子という設定で、いろいろと世間に疎いのを本人も自覚して恥ずかしがったり、だからこそ「ふつうこうでしょ」というのに流されずに考えて判断して言える、できることがあったりするところが良かったです。
この作品のヒロセ(攻)は、『ふたりあそび』の廉と似た顔立ちで、優しくていつも余裕がありそうで落ち着いた感じの男性。ですが、受に迫られたときに赤面したり焦ったり余裕なくなったりする。そういう描写が、あがた先生の他の作品にも見られる攻のタイプで、とても好きです。
作家買いしたい作品、先生と出会えてうれしいです。楽しみにしてます。もっとみる▼ -
何度も読み返すネタバレ2022年10月29日このレビューはネタバレを含みます▼ 口が、口腔内も含めて性/感帯であることをコンプレックスかつ秘密として持っている主人公が、ある歯科医にかかったところ、このことを「ふつうのこと」として扱ってくれたのがきっかけになって、関係がスタートします。王道の展開が進んでいきますが、それもラブストーリーとして説得性がありました。何度も読み返すと思います。
当て馬役の辻という人の行為はどう考えても性犯罪で、あんなに軽く済まされていいのか、違和感が拭えないのですが、そこは創作だし、とりあえず目をつぶって…(別作品として辻サイドの話があり、そちらも読むことで行動の背景が分かりました)。
身体の線がすごく綺麗に描かれていて、デッサンが優れているというのでしょうか。ともすると何がどうなってるのか分かりにくい性行為中の身体も一目で理解でき、さらにあまり他で見ないような体/位も多く感心してしまいました。
受の三森さんが、ある程度の規模のありそうな会社の部長職で、仕事のできる上司感があり、攻の悠真より年上だということから、しっかりした大人の側面もある。その三森さんが年下ながら経験豊富な悠真に、自分を明け渡してトロトロにされていて、いろいろな顔のある振り幅が魅力的でした。 -
世界線違う豹変ぶり2022年10月28日続きが出ることはないのでしょうか。
他の方も書かれていますが、豹変ぶりがすごいので、この背景について、もっと知りたくなりますし、2人の関係がどう進展していくのかも読んでみたいです。
先が出ないか、気長に待ちます!もっとみる▼いいね
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高い緊張感、引き込まれ、息を詰めて読んだネタバレ2022年10月28日このレビューはネタバレを含みます▼ ランキング上位だったので試し読み、即購入。300ページ近くある長い1巻、決して展開が早いわけではないのに、ダレることなど一切なく、引き込まれて読みました。読後、即座に頭から2周目。
良さは何なのか考えてみると、まず、スリリングさ。廉(攻)がなっちゃん(受)の「自/慰行為を頼まれて手伝っているだけ」という体で進行しているのですが、徐々に行為の内容も気持ちも、その範疇を超えていく。いつこの体裁に収まり切らなくなるか、その時どうなるか、ハラハラさせられる。
行為はエスカレートし繰り返されるのに、気持ちも自覚されていくのにどちらも伝えていないので、「自分ばかりが好きなんだ」「相手には迷惑なはず」という思い込みからくるすれ違った言動が続き、その意味でも読み手はハラハラさせられる。そうして危ういバランスがどこでどう決壊するのか、緊張感の高い状態で進むので、読者も集中して入り込む。
まだBLと呼ばれず「やおい」とか「耽美」とか呼ばれていた頃の作品の感覚を思い出しました。
あとは、とにかく表情の表現が細やかですごく感情が伝わってくるし、言葉遣いが小説のようで世界観を作り出していて、作品の世界に没頭できる。
廉が、ふだんは無気力無感動で冷淡という感じなのに、なっちゃんの無意識の言動の破壊力を前にしては赤面したり、焦ったり、生の感情が出るところがめっちゃ可愛らしかったです。
個人的には、子供と性が結びついている作品は苦手なのですが、この作品は丁寧に「利用しているのではない」関係性を描こうとしてくれていると感じました。
ちなみに、この攻め・廉にすごく惹かれて、なんでなのかと考えたら、私が昔すごく好きだった、やまざき貴子先生の『っポイ!』の日下万里を、廉の奥に思い出していたからでした。分かる人いたら嬉しいなー
追記: その服の布地の上から胸の突起は決してそのようには見えない…という描き方があり、いくらデフォルメがあるのは当然としても、そこは興が醒めてしまい、残念でした。 -
続きを読みたくて身悶えています2022年10月16日『STAY GOLD』本編も、もちろん大好きな作品ですが、日高とコウのことは歯痒くもどかしく、うまくいってほしいと切に思っていたので、こうして彼らのその後が読めて嬉しいです。
コウの言う「引っかかり」、違和感はなんなのか、とても気になります。きっと2巻が出るのはとても先なのだと思いますが、未来から取り寄せをしたい!!とか愚にもつかないことを心の中で叫んでしまうほどに続きが読みたいです…
定型的でない、本当にあり得そうだと感じられる描き方で、丁寧に「恋」という現象を表現してくれる作家さんだと尊敬&信頼しています。
続きが読めるまで頑張って生き延びます。もっとみる▼ -
ファンタジーかと思ったらSFなのかも??2022年10月7日黒い海、覡の存在、孤立した島とその外……。徐々にその謎めいた世界の理由が明らかになりかけた本巻でした。第1巻から、時代設定がいまいちはっきりしないと感じていたのですが、3巻を読んで、なるほど、と思えました。
領主の性格が怖いし、海に乗っ取られた人も怖いし、まだまだ分からないことが多くて、早く先を読みたい気持ちでいっぱいです。
BLとして読み始めたはずが、ファンタジーというより、どうやらSF寄りらしい設定のお話に引き込まれてしまい、エルヴァとアルトの関係は、その安定性もあって、もはや嬉しいおまけ要素のような位置づけに、私のなかでなってきました。
何巻かかるお話なのかわかりませんが、続きを読めるのを心待ちにしています。もっとみる▼ -
台詞負け…?2022年10月3日鳥飼さんの作品は全部読んでいます。モチーフ、画力、熱量、時代への感性、すごい作者さんだなと思っています。
ただ、「先生の白い嘘」後半にも感じたことなのですが、台詞、言葉に重心がかかってしまっていて、それが物語そのものや漫画としての完成度に貢献していないという印象を受けます。
サターンリターンも、佳境に近づいているとのことですが、同じような印象を持ちました。もったいない、と正直感じてしまいます。最後の文章にも奇しくも書かれていましたが、食うか食われるか、で、お話に食われてしまっているのかもしれないなぁ、と。
編集さんに、作者が作品をもう少し馭せるように、もっとコミットしてもらったらどうにかならないのだろうか、などと考えたりしました。もっとみる▼ -
久しぶりにハマりましたネタバレ2022年9月19日このレビューはネタバレを含みます▼ マンガParkで何気なく読み始めて気づいたらどハマりしていました。目が覚めている間はずっとアフミスのことを考えてるか読んでいるか、という状態。何回も何回も読み返して10周以上している気がします。10月末には2巻が出るとのこと。その先も楽しみです。
犀川さん(攻)は何を考えているんだろう?というのが謎のまま前半は進んでいくので、最初は脅されてスタートした関係のなか、警戒と反発心に満ちていた虎谷(受)が徐々にガードを下ろし心を開き始めるにつれ、読者はやきもきさせられるようになります。
ちなみに私は大昔に読んだ富士見2丁目交響楽団シリーズを思い出したりしました。
追記:
4巻出た〜!とノールックで購入したら通常版。レビューを読んで特装版があると知りショックでした。が、マンガParkで毎週ものすごく楽しませてもらったことのお礼と思えば安すぎるぐらい、と、すぐに買いました。アフミスには迷わず課金できてしまう。