共学化や理系人材の育成、女子大の将来は? 学長ら40人が議論

根元紀理子
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 女子大学の将来を考えるシンポジウムが4日、福岡女子大(福岡市東区)で開かれた。全国の女子大20校の学長ら約40人が参加し、共学化や理系人材の育成などについて議論を交わした。

 少子化に伴い、全国の女子大で共学化や募集停止が相次いでいる。一方、女性の理系人材を求める声もあることから、女子大の意義や未来を広く発信しようと、全国の女子大学27校からなる女子大学連盟がシンポジウムを初めて開催した。オンラインでの同時配信もあった。

 津田塾大学の高橋裕子学長は基調報告で、国内の研究者や国立大学の学長経験者に女性が少ない現状に触れ、「職位が上がるほど、女性の姿が見えなくなる」と指摘。「女性がマネジメントに携わり、トップに立つのが当たり前という文化を女子大学で醸成する」と強調した。

 藤女子大学の渡辺頼純学長は日本・米国・韓国の女子大の学生数や学部の種類を比較し、「学びの選択肢を増やし、多様性を理解することが、学生数の確保につながる」。理工学系の人材育成に取り組む奈良女子大学の高田将志学長は「欧米諸国と比べて、日本で女性エンジニアが少ないことは社会的な課題」とし、理系学生の大学院進学やキャリアの支援を進めるとした。

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