追い込まれたハマス 全人質の解放に同意 今後の焦点と課題は?

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エルサレム=石原孝 ワシントン=青山直篤
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 パレスチナ自治区ガザの戦闘をめぐり、イスラム組織ハマスが3日、トランプ米大統領が示した和平案に回答し、人質全員の解放などに同意する声明を出した。トランプ氏から「最後のチャンス」と圧力をかけられ、アラブ諸国からも合意を求められたなかで、一定の譲歩を見せた形だ。停戦や人質解放に向けた交渉の道筋はなお不透明で、イスラエルとハマス双方の対応が焦点だ。

 ハマスは2023年10月の戦闘開始以降、最高指導者らがイスラエル軍に相次いで殺害され、最大都市ガザ市への地上侵攻でも劣勢に立たされている。後ろ盾になってきたイランやレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラなども攻撃を受けて弱体化し、ハマスは孤立する恐れがあった。

 米メディア・アクシオスによると、ハマス幹部を受け入れてきたカタールのムハンマド首相は、同じ停戦交渉仲介国のエジプトの高官とともにハマス指導部に和平案を伝えた際、「これが最善の取引であり、これ以上の内容は得られないだろう」と述べて、合意を迫ったという。

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この記事を書いた人
石原孝
エルサレム支局長
専門・関心分野
アジアや中東、アフリカの新興国・途上国の情勢
青山直篤
アメリカ総局員
専門・関心分野
米国、国際政治・経済、日米関係、近代史
イスラエル・パレスチナ問題

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