秀長が整備した城下町、広がるリノベ 築90年住宅が和モダンな宿に

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神田剛
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 城下町の風情をとどめる奈良県大和郡山市の中心部で、空き家や元商店を改装して活用する「リノベーション」が広がっている。使われなくなった不動産に再び命を吹き込むことで、街の活性化を図る試みで、9月には新たに築約90年の住宅を改装した旅館のお披露目があった。

 9月21日、木造2階建ての古民家を改装した宿泊施設「帰々(きき) KIKI」(同市新紺屋町)の内覧会が開かれた。6人まで宿泊できる一棟貸しの旅館として10月中のオープンを目指す。

 表通りに面した外観は瓦ぶきの日本家屋のままだが、1階は吉野杉を使ったフローリングにし、モダン和風のリビングとキッチンに。ヒノキの湯船を据えた浴室もある。一方で窓の木製サッシや、2階の数寄屋風の和室などは元の状態を生かした。

 この建物は空き家だったが、所有者の男性から相談を受けた市が空き家活用で提携する「大和郡山まちづくり株式会社」を紹介。男性は同社に建物を寄贈した。

 同社代表の1級建築士大垣満さん(31)は改装した空き家と新規開業を望む人のマッチングを進めている。

化粧品店も歯科医院も改装

 2021年には、新聞販売所…

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この記事を書いた人
神田剛
生駒支局長
専門・関心分野
近代の建築や歴史など