「電話が怖い」を乗り越える 電話応対日本一のプロが教える秘訣とは

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聞き手・富永鈴香
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 電話に苦手意識を持つ人は、どのような心構えで向き合えばいいのでしょうか? 約15年間コールセンターで働き、電話応対コンクール全国大会で優勝した経験がある「ケーブルテレビ」(本社・栃木市)カスタマーサポート担当課長の三沢教子さんに、会話を滑にする電話応対術を聞きました。

 ――電話が怖いと思ったことはありますか?

 「当然あります。今もドキドキしながら、緊張感を持って対応しています。なぜ緊張しているのか考えてみると、会社のサービスを選んでくださったお客様にがっかりされたくないとか、怒らせたくないとか、そういった思いがベースにあるのかなと思います。そこから派生して、うまく説明できる自信がないとか、クレームに発展してしまったら、細かく質問する方に答えられなかったらどうしようとか。でもそうした不安は、相手に対しての謙虚さの表れでもあると思います」

 ――どうすれば克服できるでしょうか。

 「電話応対の基本技術を身につけることが何よりも大事だと思います。名乗りから始まって、相づちをちゃんと打つこと。私たちは『笑声(えごえ)』と表現していますが、笑顔であることが伝わるような声で話すこと。適切にお礼やおわびを言う、復唱する、寄り添う姿勢を示すこと。これらをしっかり身につければ、相手のトーンや言葉に乗る感情が柔らかくなる瞬間が見えてきます」

 「基本技術は自分自身を守る『武器』になります。何のよろいも武器もなく、丸腰の状態で『とりあえず電話を取れ』と戦いに臨まされたら、弾があたって傷つけられ、誰だって『電話が怖い』『逃げたい』と思うでしょう」

悩み① 「正しい言葉遣いができない」

 ――敬語や丁寧な言葉遣いが正しく使えず、電話に苦手意識がある人へのアドバイスは?

 「まずは本やインターネットなどで情報収集をして、電話での応対にふさわしい言葉を知っておくことです。また、お客様から『間違った日本語だ』と指摘をいただいたら、それをスルーしないこと。私たちは、それは自分たちがスキルアップするために必要なものだと受け止めています」

 「例えば『なるほど』は相手に対して失礼にあたることがある。『勉強になります』『私も同じように思います』が適切ですね」

 ――なるほ……あっ!

 「いいんです(笑)。そうやって『あっ!』と気付くことが大事です。もし間違えても、落ち着いて『失礼いたしました』と訂正して、会話を続ければ大丈夫です」

悩み② 「用件や相手がわからない電話が不安」

 ――急にかかってきた電話だと、用件も、相手が誰かもわからないので不安を感じる、という人への心構えを教えてください。

長電話の切り上げ方や電話を恐れる若手社員との付き合い方など、さまざまな電話にまつわるお悩みについて向き合い方を教わりました。

 「相手や用件がわからないか…

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この記事を書いた人
富永鈴香
ネットワーク報道本部
専門・関心分野
人権問題、政治参加、表現の自由