遺言は「人生最後のメッセージ」 不動産相続のトラブルや手間が減少

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構成・石田貴子
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 今回の「遺言のイロハ」では、親に遺言を書いてもらいたいと思う子ども世代の心がけについて、古本遥(よう)弁護士=兵庫県西宮市=に聞きました。

 ――相続でもめないためにも、親に遺言を書いてほしい。でも、どう切り出したらいいのか。そんな声を聞きます。

 大前提として遺言は本人の意思を表すものです。希望を伝えることはできますが、書くよう強制することはできません。最終的には本人の判断になります。

 ――いつ作成するのがよいのでしょうか。

 特に決まりはありません。例えば同じことを何回も言うとか、最近物忘れが多いとか、親御さんの判断能力が怪しいと感じた時、病気や身体機能の低下で入院したり、施設に入ったりするような時。そういう生活環境の変化もきっかけの一つになります。

 あるいは、親戚の間で相続の話があったり、お盆や年末年始で家族が集まったりする時も、話を切り出しやすいかもしれません。

 「相続する私のために書いて」というのではなく、「今まで築いてきた財産をどう分けたいか。お父さんやお母さんのために、弁護士や司法書士に一度相談してみても良いんじゃない」という方がいいのではないかと思います。

 不動産や預貯金を誰に渡したいかさえ決めていただければ、文書は弁護士などの専門家で作成できます。結局相談して書かないという選択もあります。

 ――本人の判断能力がはっきりしない場合はどうなりますか。

 遺言には本人の「意思能力」…

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この記事を書いた人
石田貴子
阪神支局
専門・関心分野
子育て、教育、働き方、平和