対北朝鮮、交流・正常化・非核化で「冷戦終結へ」 国連で韓国大統領

ソウル=清水大輔
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 韓国の李在明(イジェミョン)大統領が23日、就任後初となる国連総会での一般討論演説に臨み、北朝鮮との敵対関係を終わらせるための、対話を含めた包括的な政策構想を示した。「交流(exchange)」「関係正常化(normalization)」「非核化(denuclearization)」を柱とし、非核化については段階的に解決する考えを述べ、国際社会に協力を求めた。

 李氏が示したのは、三つのキーワードの英語の頭文字から命名した「END構想」。南北間の交流・協力を段階的に拡大し、米朝間をはじめとする国際社会との関係正常化を積極的に進めるとした。

 李氏は北朝鮮の非核化を短期間で解決するのは難しいと認めつつ、「現実的で合理的な方策を模索すべきだ」と指摘。まずは核・ミサイル計画を中断させ、縮小の過程を経て、廃棄に至るという段階的な解決をめざすとして、国際社会に協力を求めた。李氏は「END構想」によって「朝鮮半島の冷戦を終結させる」と述べた。

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この記事を書いた人
清水大輔
ソウル支局
専門・関心分野
日韓・日朝関係、分断と対話、戦争と平和
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    西野純也
    (慶應義塾大学教授・東アジア研究所長)
    2025年9月28日15時25分 投稿
    【解説】

    朝鮮半島情勢の不透明感が払拭できない中で、李在明政権は具体的な対北政策を打ち出すことはせずに、抽象的な対北アプローチを発表するにとどめざるを得ないのであろう。 今回の国連演説は「END」という語呂合わせはしてみたものの、「交流」や「関係正常

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