「男性である私、認めてくれた」 札幌家裁の違憲決定、申立人の思い

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上保晃平
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 生まれた時に決められた性別と性自認が異なるトランスジェンダーの人たちが、戸籍上の性別を変更する際、法律では性器の外観も変えるよう定められている。この「外観要件」について、札幌家裁は19日付の決定で、「違憲で無効」とする判断を示した。手術やホルモン投与をしていない申立人の性別変更を認め、「身体治療なしの性別変更」へ道を開いた。

 「男性である私を、そのまま認めてくれた。今回のような判断が全国に広がってほしい」。申立人の30代のトランスジェンダー男性=札幌市=は取材にそう語った。

 女性として育てられたが、幼い頃から性別に違和感があった。中学生の時には、制服のスカートをはくのが苦痛で不登校になった。学生時代、テレビドラマ「3年B組金八先生」で、上戸彩さんが演じた「性同一性障害」の生徒役を、自分自身に重ねた。専門学校を卒業後はうつ状態となり、職を転々とした。

「他の誰か」を演じているような日々

 ずっと、他の誰かを演じてい…

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この記事を書いた人
上保晃平
立川支局|事件・裁判担当
専門・関心分野
社会保障、障老病異、社会思想