肥満症治療に訪れた「大変革期」 新薬の何が注目されているのか

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編集委員・武田耕太
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 肥満症の治療が「大変革期」を迎えている。背景にあるのは、画期的とされる新薬の存在だ。どんな期待や課題があるのか。

 今年4月、日本イーライリリーと田辺三菱製薬の新薬「ゼップバウンド(一般名チルゼパチド)」が発売された。

 医師の処方が必要な薬で、週1回、自分で腹部などに注射する。国内の最終段階の治験では、使い始めてから72週間の時点の体重が平均22.7%減少する効果(15ミリグラム群)が確認された。

 チルゼパチドは「マンジャロ」の名称で、2型糖尿病の薬として発売されていた。体重減少の効果が示され、肥満症の薬として開発された経緯がある。

 肥満症に詳しい神戸大の小川渉・特命教授は「単純に計算すると、100キロの人が77.3キロになる。これまでの肥満症治療薬は5%程度の減少効果で承認されてきた。驚く効果だ」と説明する。

体重減少にとどまらない効果報告、米国で新たな承認も

 この薬は、体内にある二つの…

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この記事を書いた人
武田耕太
編集委員
専門・関心分野
医療・健康、こども政策