アルバニア首相がAIを閣僚に任命 担当は公共入札「汚職ない国に」

御船紗子
[PR]

 アルバニアのラマ首相は11日、公共入札を担当する閣僚にAI(人工知能)を任命すると発表した。ロイターなどが報じた。政府が民間企業と契約する全ての公共入札の管理と決定を担うといい、米メディアは「世界初のAI閣僚」だとしている。

 AI閣僚の名前は「ディエラ(Diella)」。アルバニア語で「太陽」の意味だ。アルバニアの伝統的な衣装をまとった女性のキャラクターで、報道によると、今年1月から政府ホームページのバーチャルアシスタントとして国民のウェブ手続きを手伝ってきたという。

 ディエラについてラマ首相は「内閣初の、実体のないAIでつくられた閣僚だ」と紹介し、彼女によって「公共入札で100%汚職のない国にする」と話した。

 ロイターによると、アルバニアは長年にわたり汚職やスキャンダルの温床となってきたとされる。ラマ首相は2030年までにEU加盟をめざしており、このようなイメージは目標達成の障害になっているとみられる。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
御船紗子
国際報道部
専門・関心分野
国際問題、サイバー
  • commentatorHeader
    佐倉統
    (実践女子大学教授=科学技術社会論)
    2025年9月13日21時23分 投稿
    【視点】

    具体的にどのように運用するのか、実態がよくわからないが、おそらく公共入札の審査・決定プロセスでの意思決定を支援するのだろう。AIの判断にどの程度依存するのかも不明だが、最終的な判断は関係省庁の役人なり担当官なりがこのAIを使って行なうのだろ

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2025年9月14日4時1分 投稿
    【解説】

    政策決定にAIを用いることは、汚職防止や政策決定の効率化という観点では望ましい部分もあるが、AIが複雑な利害調整や不利益を被る人たちに対する補償措置に配慮するといったことができるとは思えない。さらに言えば、AIはまだ完璧な判断ができるわけで

    …続きを読む