三重県四日市市に1時間123ミリの豪雨 地下駐車場で浸水被害拡大

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 暖かく湿った空気が流れ込んで大気の状態が不安定になった影響で、三重県北部で12日夜、短時間で猛烈な雨が降った。四日市市中心部の地下駐車場は冠水し、数十台の車が浸水被害にあった可能性があるという。

 名古屋地方気象台によると、四日市市で12日夜、1時間降水量として観測史上最大となる123.5ミリを記録した。

 週末の夜でにぎわっていた近鉄四日市駅前では、道路や商店街など一帯が冠水し、身動きが取れなくなる車が相次ぐなどして混乱した。

 午後11時半ごろ、飲食店員の男性(19)は同駅前の地下駐車場「くすの木パーキング」(同市浜田町)にとめていた車を地上に避難させたものの、道路の冠水で動けなくなり乗り捨てたという。

 ほぼ同時に地下駐車場にも水が流れ込んでいった。様子を確認しようと男性が途中まで階段を下りると、水に流された車が、駐車場入り口をふさいでいた。

 「本当に短時間で水かさが一気に増えた。まさか四日市でこんなことになるなんて」と男性は驚いていた。

 一夜明けた13日、被害の一端が明らかになった。くすのきパーキングの運営会社「ディア四日市」(同市)によると、地下1階、2階がいずれも冠水し、全509台分の駐車スペースが使えなくなった。

 駐車場内に排水のためのポンプが設置されているが、大雨の影響とみられる停電で作動せず、数十台の車が取り残された可能性がある。同社担当者は「水没した発券機や精算機の修理も必要で、営業再開のメドは立てられない。車に取り残された人がいなければいいのですが……」と話した。

 排水作業は13日昼ごろに始まり、駐車場の一部管理を担う国土交通省中部地方整備局のポンプ車も動員された。排水だけでも2日間ほどかかる見通しで、車内に閉じ込められた人やけが人がいないか、確認も進める。

 気象庁は、四日市市付近で12日午後10時までに1時間で約120ミリの雨が降ったとして、「記録的短時間大雨情報」を発表し、安全を確保するよう呼びかけた。四日市のほか、近隣市町の菰野町いなべ市などでも12日夜に警報級の大雨となった。

 三重県災害対策本部の13日午後2時時点のまとめによると、県内で人的被害は報告されていないという。四日市市や菰野町で住宅への床上・床下浸水が複数あったという。24時間降水量(13日午前6時時点)は、四日市市が259ミリ、いなべ市が139ミリだった。

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