「移民兵」選んだエジプト男性 ロシア国籍取得に人生賭けたら捕虜に

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ウクライナ西部=杉山正
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 ウクライナに侵攻するロシア軍に入れば、国籍がもらえる。そんなロシアの制度が移民たちをひきつけている。そうした外国人からなる「移民兵」の総数は明らかになっていないが、昨年だけで3300人以上が国籍を得たとされる。

 「ロシアのパスポートを得るために血の代償を払った」

 カイールとニックネームを名乗った26歳のエジプト出身の男性は、ウクライナ西部のロシア兵捕虜収容所でこう話した。流暢(りゅうちょう)なロシア語だった。

 4年前、留学中に出会った年上のロシア人女性と結婚した。ロシア西部ボルゴグラードのレストランで働きながら、妻とその連れ子2人と暮らしていた。だが、ある日、平穏な暮らしが一転する出来事が起きた。

 ロシアの滞在ビザの延長がで…

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この記事を書いた人
杉山正
ヨーロッパ総局長
専門・関心分野
国際政治、紛争、外交、民主主義
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    マライ・メントライン
    (よろず物書き業・翻訳家)
    2025年8月24日17時1分 投稿
    【視点】

    たとえば小泉悠氏と話していて印象深いのは、いわゆる戦争の残酷さ・酷薄さもさることながら「現実感覚の喪失」「認知の歪み」といった、日常感覚とひそかに地続きになっている暗黒さの重みについてだったりする。「ロシアのパスポートを得るために血の代償を

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    越智萌
    (立命館大学国際関係研究科准教授)
    2025年8月30日17時32分 投稿
    【視点】

    ロシアが占領地域で年金などの行政サービスを受けるために国籍付与をなかば強制してきたことは知られていますが、移民の兵士に対しては取引材料になっていることはあまり知られてなかったかとおもいます。他方ネパールやキューバからの契約軍人のリクルートは

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