九州で大雨、3人死亡4人不明 13日以降は猛暑日か「熱中症注意」

佐々木凌 小勝周 城戸康秀 渡辺淳基 波多野大介
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 停滞する前線や低気圧の影響で、九州では8日から12日にかけて大雨に見舞われた。大雨特別警報が一部の自治体で発表された鹿児島県熊本県で計3人が心肺停止で見つかり、いずれも死亡が確認された。そのほか熊本、福岡両県で計4人が行方不明となっている。

 11日午前4時10分ごろ、熊本県甲佐町豊内で「車で避難中に土砂で押し流されて逃げられない」と119番通報があった。県や消防などによると、30代の母親と、4歳女児、1歳男児の計3人は車内から救出されたが、50代の父親が行方不明に。約9時間後に近くで心肺停止状態で見つかり、死亡が確認された。

 八代署や消防などによると、熊本県八代市千丁町で11日、用水路に転落した車から見つかった高齢の女性が心肺停止状態で病院に搬送され、同日死亡が確認された。また、県によると、熊本市の南区と北区で男性計2人が川に流された可能性があるという。

 福岡県福津市では、10日午後5時半ごろ、近くの住民から「60代とみられる男性と女性が川に流された」と119番通報があった。地元消防などが捜索している。

 一方、鹿児島県と姶良署によると、8日の大雨による土砂崩れで倒壊した姶良市の住宅から見つかっていた30代女性の死亡が11日、確認された。

 気象庁によると、停滞する前線や低気圧に湿った空気が流れこみ、10日昼ごろから九州を中心に線状降水帯が相次いで発生した。熊本県では11日未明以降、玉名市長洲町、八代市、宇城市、氷川町、上天草市、天草市の計7市町を対象に大雨特別警報が発表された。

 玉名市では10日だけで、この地点の約2カ月分の雨量に相当する306.0ミリを観測。八代市では11日、観測史上1位となる377.5ミリの大雨となった。

 その後、前線はやや北上し、石川県でも11日夕方ごろから雨が強まり、宝達志水町で120.0ミリ、輪島市で109.5ミリの12時間降水量を観測した。石川県警や消防によると、12日午前4時50分ごろ、七尾市中島町の道の駅「なかじまロマン峠」近くの国道249号で道路が崩落し、車3台が転落した。乗っていた3人は救助され、命に別条はないとみられる。

 13日以降は太平洋高気圧が勢力を強め、次第に雨や曇りのエリアは減る。一転して、西日本を中心に猛暑日となる見込みで、気象庁は熱中症に注意するよう呼びかけている。

【動画】10日からの大雨により、駐車場にとめてあった自動車が浸水した=読者提供

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この記事を書いた人
佐々木凌
西部報道センター
専門・関心分野
災害・防災、宇宙、原発・エネルギー、環境
城戸康秀
阿蘇支局長
専門・関心分野
地方自治と地方政治のあり方、災害と地域振興