大阪維新「副首都構想」を国会議員団に要望へ 連立入り容認意見も

野平悠一
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 地域政党大阪維新の会大阪府議団は29日、参院選で公約した社会保険料の引き下げや「副首都構想」について意見を交わし、国会議員団に実現に向けた検討を求める方針で一致した。維新は府議団を中心に結成された経緯があり、党内での発言力も大きい。国政政党・日本維新の会の党運営にも影響を及ぼす可能性がありそうだ。

 この日、非公開で行われた会合後、府議団の角谷庄一幹事長が記者団に明らかにした。角谷氏は「チャンスをどうものにするかだ」と強調。「国会議員がしっかり覚悟を持って動いてもらわないといけない。失うものもあるだろうが、我々は突き進んできた集団だという認識を皆さんで確認した」と説明した。

 副首都構想は、災害などの発生に備えて首都中枢機能の一部を「副首都」に移転させ、東京圏に並ぶ経済圏域の創出をめざすもの。日本維新は参院選で社会保険料の引き下げに並ぶ公約の柱として訴えていた。

 維新は秋の臨時国会を見据えて党内で法案の検討を進めており、与党である自民、公明両党にも実現を呼びかける方針だ。

 副首都構想をめぐっては、党の創設者の橋下徹氏は21日の民放番組で、維新が副首都構想などの実現に向けて「(自公)連立(政権)に入ったらいい」と主張。日本維新の吉村洋文代表(大阪府知事)は「現時点で連立の可能性はない」と述べるにとどめているが、党内には政策実現の手段として「連立入り」の容認論が広がっている。

 大阪維新でも、大阪市を廃止して特別区に再編する「大阪都構想」の新たな制度設計案の検討も進んでおり、副首都構想が三度目の住民投票の実現に向けた追い風になると期待する声もあがる。角谷氏は府議団の会合後、連立入りの是非については、今後の自民党の動向を慎重に見極めて判断すべきだと説明したが、出席者によると「ためらうことなくやるべきだ」などと連立入りに前向きな意見が複数の議員から出たという。

 維新は30日に党の常任役員会を大阪市内で開く予定としており、府議団は会合で出た意見について党執行部にも伝えることとしている。

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