5歳のアバター「たたかれた」 司法面接の練習用、誘導質問は注意も

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板倉大地
【動画】警察庁が開発した、子どもから聞き取る「司法面接」練習のためのアバター=板倉大地撮影
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 警察などが虐待や性被害の状況を子どもから聞き取る「司法面接」で、警察庁が、実際の面接のやり取りを生成AI(人工知能)に学習させた「子ども」のアバター(分身)を開発した。リアルなやり取りを再現することで警察官の技量を上げる狙いがある。アバターは8月から都道府県警で活用される予定だ。

 「今日、どうしてここに来たか、わかるかな。教えて」

 パソコンの画面に映る幼い表情の男の子に向かって、警察庁の職員が語りかける。男の子が「ゆう君にたたかれたから」と答えると、「そのことについて、最初からお話しして」と職員が促した。

 男の子は5歳の「コウタ」。同居する母親の交際相手から身体的な被害を受けたという設定のアバターだ。司法面接の練習用に、警察庁が実際の面接のやり取り約250事例を生成AIに学習させるなどして、コウタを含む5~14歳の8体のアバターを作った。

 子どもへの聞き取りでは、質問者の言葉に誘導され、実際にはなかったことと記憶を混同してしまう可能性がある。アバターとの練習では、質問者が「何があったの?」ではなく、「たたかれたの?」などと質問すると、「誘導質問」に当たるとして注意喚起する機能もある。

 司法面接は、子どもの心理的…

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この記事を書いた人
板倉大地
東京社会部|警察庁担当
専門・関心分野
事件、事故、警察行政