人口20人の島から始めた選挙戦略 泉房穂氏、兵庫選挙区で当選確実

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中塚久美子
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 参院選兵庫選挙区(改選数3)で20日、無所属新顔の泉房穂氏(61)=立憲民主党県連推薦=が初当選を確実とした。

 「光の当たりにくいところに光を当てる。それが本来の政治の役割」

 公示日の今月3日、泉氏は人口約20人の離島・男鹿(たんが)島(兵庫県姫路市)で地元住民の漁船の上から第一声をあげた。

 翌日から山あいのまちを北上した。街頭演説を立ち止まって聞く人は、数人~20人前後だった。しかし、泉氏は「数じゃない。メッセージ性の強さが大事」と意に介さなかった。

 「川上戦略」をとった。選挙活動を非都市部から始めて都市部へ移していく。山から流れる水が大きな川へとなるように、いわゆる「口コミ」で支持を広げる狙いがあった。田中角栄元首相が提唱したと言われる方法だ。「選挙に詳しい人なら絶対にやる」と陣営関係者。知名度がなければ浸透するまでに時間を要するが、テレビのコメンテーターとしてメディアに露出していた泉氏はその点を乗り越えていた。

 立候補表明した3月下旬から公示日までに全41市町を2巡した。選挙期間中に3巡目を終えた。

 明石市長時代から、政策や選挙を巡って「シナリオを書くのが性に合っている」と語っていた。今回の選挙のシナリオも自身で描いた。ほかの候補と同じようにSNSも活用したが、従来の手法を軸に、勝ちきった。

 親は明石市内の漁師だ。四つ…

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    福田充
    (日本大学危機管理学部教授)
    2025年7月20日21時29分 投稿
    【視点】

    泉房穂氏の勝利は、政治不信や分断を乗り越えてリベラルな市民政治を再構築しようとする兵庫県民の良識を示している。それが一番重要な視点であり、朝日新聞の一連の泉房穂評価、分析の記事は芯を食っていない気がしてならない。 決して知名度やメディア露出

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