参政の急伸、半数は国民民主から流入 比例区投票先、ネット意識調査

有料記事

小宮山亮磨
[PR]

 朝日新聞が大阪大の三浦麻子教授(社会心理学)と共同でおこなったネット意識調査で、参院選比例区国民民主党に投票するつもりだと答えていた人の2割が、5月以降に投票先を参政党に変えていたことが分かった。候補者の公認をめぐる混乱が尾を引いた可能性がある。参政を投票先に選んだ人は5月以降に5倍超になっており、増えた分の半数が国民民主からだった。

 調査は2月から毎月、7月は18日までに5回実施。比例区でどの政党に投票するつもりかについて、2~3月の調査と4~5月の調査、7月18日の調査すべてで回答があった1213人の変遷を調べた。

 この結果、投票先に国民民主を選んだ人は、2~3月には13.7%おり、4~5月には15.0%まで上昇して自民党に肉薄したが、今月18日には10.1%まで減っていた。

 国民民主は昨秋の衆院選で議席を大きく伸ばしていたが、今年5月に参院選の候補者擁立をめぐってSNSで批判が相次いだ。6月に公認見送りを決めたものの、批判は止まらなかった。

 ネット意識調査では、4~5月に国民民主だった人の2割はその後、投票先を参政に変えていた。そのほかの党に流れた人も合わせ、国民民主は結局、3分の1を失っていた。

 一方、参政に投票するとしていた人は、2~3月には1.2%、4~5月でも1.4%だけだったが、今月18日には7.4%と急増。数カ月で5.3倍になり、政党別の順位も8番から4番になった。増えた分の半数は国民民主からの流入だった。

 国民民主と参政を「一番好き」と答えた人は、いずれもユーチューブなどの動画共有サイトやX(旧ツイッター)などのSNSから多くの情報を得ていることが分かっている。メディアや政府、大学教授のような専門家への不信感が強いことも共通しており、投票先を変えるときに選びやすかった可能性がある。

 年齢を見ると、7月18日の…

この記事は有料記事です。残り118文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
小宮山亮磨
デジタル企画報道部兼科学みらい部
専門・関心分野
データ、統計、自然科学、社会科学
  • commentatorHeader
    三木由希子
    (専修大学教授=情報公開)
    2025年7月21日19時53分 投稿
    【視点】

    興味深い結果です。投票先に国民民主、参政を選んだ平均年齢は、日本の全国の平均年齢、中央値と同じくらいのようです。実際に回答した年齢の分布はわかりませんが、支持されている年齢幅が広いということになるでしょうか。 ただ、国民民主と参政を「一番

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    阿部藹
    (琉球大学客員研究員・IAm共同代表)
    2025年7月21日22時5分 投稿
    【視点】

    今回の選挙では、新聞各紙や一部のテレビ局が候補者や政党の党首の発言についてファクトチェックを積極的に行なった。また、これまであまり見られなかった選挙前の特別番組を放送するテレビ局もあり、ニュースでの報道量も例年に比べて多かったように思う。

    …続きを読む
参院選2025

参院選2025

2025年7月3日(木)公示、7月20日(日)投開票の参議院選挙に関するニュースをお届けします。[もっと見る]